「…ふぅ…」
刀奈を見送り、家に戻って一息吐く…んー…何か、自分で思ってるより疲れてたみたいだね…ん?あれ…
「…あ。」
そこで私は今漸く、自分が座ってるのがソファでは無く床…そして、正座までしている事に気付く。
完全に無意識でやってた辺り、きっちり奴隷根性が身に付いてたみたいだね…と言っても、そうするって決めたのは私…加えて言えば、そもそも刀奈がそう言う命令をするタイプじゃないって事は分かってるつもりなんだけどね…
「フフッ♪」
…とは言え、もう色々どうでも良くなってた私としては…今の自分の状態は割と心地良い…そして、何となく首元に手を持って行き、首輪に付いた鈴を鳴らしてみる…
「…自分のやる事がしっかり定まるって、思った以上に気持ちが良いものなんだね…」
自分でも少し驚く程に、上機嫌のまま…鈴を何度か鳴らす…うん、良い音♪
「…ふぅ、コレ…新しいの用意してくれる予定だっけ…コレでも全然良いんだけどな…」
ま、でも…万が一来客が有った時や…外出した際にコレを付けてウロウロしてるのは色々と不味いよね…正直名残惜しいけど、そろそろ外そうか…
「ん……アレ?んんっ……う~ん…」
どうも自分の首に嵌っている物を、自分で外すと言うのは意外と難しいらしい…んー…どうしようかな…
「…あ。」
要するに、手元の作業がきちんと見れないから外れないのだ…手で持たなくて済む、設置された鏡の有る方へ行けば良い。
「ん…ふぅ…やっと外れた…」
取り敢えず、洗面所の方へ行って…そこの鏡を見ながらやっていたが…苦しさも無いから気付かなかったけど…この首輪、要は小さいベルトみたいになってて…手元が見えていても、存外しっかり嵌っているソレが思った以上に外れず…結構時間が掛かってしまった……これからしばらく、この生活が続くのかと思うと若干憂鬱にもなったが…ま、正直…それ程悪い気もしない…何か私、同級生が私を監禁したがってたと言う話を聞いて怖がってたけど…実際、この扱いになってみると…特別、嫌な気分とかは無い。
…と言うか、根が優しい刀奈が主人だって言うのも有るとは思うけどね…何もあんなに、私に気を使わなくても良いと思う…私としては、もっと暴力的でも…寧ろ、そう扱われたら喜んでる気はする…痛いのは苦手な筈なんだけど…やっぱり、刀奈だからかな…それでも良いかなって、思えちゃうんだよね…
「まぁ、生憎…やっぱり恋愛感情では無いから…そこだけは申し訳無くも思うけど…」
何だかんだ言いつつ…私は未だに、千冬の事が忘れられる気はしない…ま、でも…本当にもう告白する気は無いし…このまま、刀奈の所有物として…将来的に更識家に行くのもアリ、かな…ま、刀奈が私を捨てなければだけどね…最終的に刀奈がそう決めたのなら、それはそれで仕方無いかなとも思うし。
…と言うか元々…何か人生も二回目の所為なのか、自分の将来に付いてとか…特にやりたい事、何も浮かばないんだよね…もちろん、別に…無理に人に寄り掛からなくても私はどうにかなるとは思う…少なくとも嘗てはそうしてたんだし…まぁ、でも…やっぱり誰かの為と言う方が、働くにしてもやり甲斐は有ると言うもの…
そしてそれが、刀奈と言うか…"家族"に奉仕して行くと言う事でも…それはそれで、やっぱり悪い気はしない。まぁ、さすがにあんまり大事にはされないとかなら…さすがに私も勘弁して欲しい所だけど…刀奈、と言うか…更識家なら多分問題無いかなと思う。
…ふぅ…何なら、そもそも…私の行く高校って、IS学園で有る必要自体が無かったんだよね…例の授業料の安い藍越学園行って、そのまま就職で良いかなって感じだったし…ま、そう上手く行くとも限らないけども…千冬との事をどうするのかは二の次…先ずは、将来どうするかが先だった……今となっては、もうそれも本当にどうでも良いんだけどね…
「……」
その内、何かこうして色々考えてるのも面倒になって来た…取り敢えず、家事くらいはすべきかなとは思うんだけど…やるとすれば、精々掃除機掛けたり…私と刀奈の匂いが染み付いてそうな布団をどうにかするくらい…何せこの家、しばらく誰も居なかったんだから元々そんなにやる事も無い…もう良いや、今は取り敢えずこのまま寝よう…
次に目が覚めたら昼。朝は刀奈とかなり早い時間に食べた事も有り…さすがに、お腹が減ってても可笑しく無い様に思うんだけど…
「あんまり食欲無いかな。」
それは良く有るネガティブな方では無いと思う…と言うか、気持ち的には未だお腹一杯とも感じる…要するに、刀奈に言ったのは嘘では無く…本当に私は、刀奈の物になるって決めてから精神的に満たされたのだ…今本人は居ないから、多少喪失感は感じなくもないけど…その程度なら、特別食欲旺盛になる感じも無いみたい…と言うか、本当に何も感じないんだよね…厳密に言えば、普通にお腹減ってても良い筈なんだけど…
「ま、良いかな。」
食べたいと思わないなら、別に無理に食べる事も無いだろう…取り敢えず冷蔵庫には念の為、刀奈が多めに作ってくれたおかずが色々入ってるし…何なら、今回私たちで使った分のお金の残りを刀奈が置いて行ってくれている…もっと言えば、私と一夏…それぞれの口座に千冬が振り込んでくれている毎月の生活費。正直、私の場合使い道が少ないのと…元々明らかに多過ぎる程に振り込んでくれるものだから…まぁ、その気も無いのに…結構な額が貯金されている様な状態だったり…ちなみに、一夏もあまり無駄使いはしない方だからそれなりに口座にお金が残っているみたいだけど…それでも私の方が残ってる額が多かったりする…ま、前世の頃からそうだけど…私って、特別お金の掛かる趣味はやってないからねぇ…
有るとすれば、本当に食べる事くらいだけど…それだって限度が有る…結局、思った以上にお金は使わない…更識家に居た時だって、色々有って…意地になって皆にプレゼントしてて、当然心配もされたけど…それでも結構余る程だったからねぇ…ま、それそうと…
「……」
昼になっても特に動く気にならず…ボーッとしている…何をしているのかと言えば、本当に特に何もしてない…強いて言えば、床に寝っ転がって天井を見てる…
普通で有れば、退屈に感じて動きそうなものだけど…何と言うか、そう言う感覚がどうも麻痺してしまっている様だ…ま、動くのは明日からでも…っ…
「…鳴ってる…」
携帯の着信音が聞こえ、今まで動けなかったのが嘘に思えるくらいスっと起き上がれた…取り敢えず、テーブルに置きっ放しの携帯を確認する…ちなみに、コレはメールの着信音。
「…刀奈だ!」
自分でも思った以上に、喜色に塗れた声が出てるのに少し戸惑う…ま、とにかく今は内容を……んー…成程。
「……」
すぐ送るから待っててと返信して、私は服を脱ぐ…ま、要は…刀奈が本当に、"そう言う自撮り"を送って欲しいと言うメールを寄越して来たので有る。取り敢えず、単に裸の写真を送って欲しいとの事だったので…サクッと撮って送り、返信を待つ…と言うか、また床に正座してるね…ま、行儀が良くなったと考えれば良いかな…
「…フフッ♪」
どうも好評の様なので何より…ま、私は自分の身体に自信が有るわけじゃないけど…それでも純粋に喜んでくれるのが分かる内容の返信来たら…さすがにちょっと嬉しくも感じる……まぁ、刀奈の携帯に届いてるソレが他の人に見付かれば非常に不味いとは思う…ただ、正直それもどうでも良い…その場合はさっさと学園に退学届でも出す…後の事は、千冬と刀奈に任せる方向で良い…とは言え、正直…刀奈がそんなヘマしないだろう…とも、思ってるけどね。
「…いっそ本当に退学届出したら、更識家で私をそのまま引き取ってくれたりしないかな…」
刀奈は一緒に通いたいと言ってくれたけど…正直、このまま三年間学園に通うのが面倒臭い…ふぅ…ま、その辺考えるのは今は良い…取り敢えず、適当に家事でも済ますかな…
「先ずは、掃除かな…」
「ふぅ…」
とは言え、実際やるとそこまで時間は掛からない…まぁ、これで箒だけでやれって話ならもうちょい手間掛かるんだろうけど…さすがに掃除機くらいは有るからね…
「トイレもやっちゃうか…」
「……」
とは言え、元々しばらくこの家には誰も居らず…そして、住んでた間でも定期的にやってた事も有り…まぁ、そこまで汚れてない…洗濯は、しばらく生活基盤を学園の寮に移してた事も有り…要は、今この家に居る私が着替えない限りやる必要が無い…加えて言えば、一人しか居ない以上…さすがに何着か貯めてからでないと色々と勿体無い…ま、と言うか…結局ホテル出てから今日まで、私は着替えてなかったりはする…下着は必要無いなと感じて…取り敢えず着てた物を洗濯機に放り込んでは有るけど…ま、刀奈が着替えて欲しいとは言ってないし…下着は要らないから洗濯機に入れたけど…
…ま、普通の生活しないといけない以上…さすがに私みたいな体型でもノーブラノーパンは色々と不味いか…と言うか、いい加減着替えないともっと不味いよね…取り敢えず私は今着てる服を洗濯機に放り込み…んー…一応シャワーくらいは浴びておこうかな…
「…と言うか、家に私しか居ないんだから別に無理に服着る必要無い様な…」
風呂場から出て、身体を拭きながらそんな事を呟く…まぁ、さすがにそう言うわけにも行かないか…何でかな、刀奈の命令に従うって決めた所為か…色々と生活の仕方を自分で決めるのが非常に面倒臭い…
「……」
私は結局動く気にもならず…裸のまま、再び寝っ転がって天井を眺める…いっそこのまま、また刀奈からのメールか…電話が来たりしないだろうかと考える…生憎テーブルの上の携帯が鳴る気配は無い…と言うか、今は一応まだ授業中の時間か…鳴るわけないね…
そのまま天井を眺めてどれくらい経っただろうか…部屋が暗くなって来たので取り敢えず部屋の電気を点ける…さすがにそろそろ何かお腹に入れようかな…別にお腹が減った感じもしないけど。
「ご馳走様でした…」
結局普段食べる日の半分程度しか食べられなかった…まぁ、普通の人なら十分と言える程度の量だから正常と言えば正常。
「……」
洗い物をしながら考える…そう言えば、一応休学中分の課題は出てたっけ……面倒だけど、片付けてはおかないと駄目か…
「ハァ…」
溜め息吐いててもやらないと終わらないか…仕方無い…
「……」
元々休学をする人間用の課題とは言え、だからと言って休学中に学園でやる筈の物が出て来るわけも無い…加えて言えば、通常の高校生向けの科目もかなりレベルが高いとは言え…一番難しいのは当然ISに関する分野…ただ、機密の問題も有り…それが外で休学する生徒の課題に入ってるわけも無く…ま、要するに…さすがにやった事の復習…それも通常の高校生用の科目に絞られてたら、いくら私でも既に前にやった内容が分からないと言う事もないので…思ったよりサクサク手が進む…
…と言うかそもそも私の場合、学園に入ってすぐに色々有って詰みかけ…わざわざ人からノート借りてやる羽目になった上に…今回課題に出て来る範囲がちょうどその頃の辺りだから…さすがに分からないとか言ったら、一夏と箒…後はセシリアにも怒られる……ん?
「…誰か来た?」
外でピンポーンとチャイムの音…一応時計を確認したら、随分時間も遅いが…誰か鳴らしてるみたいだ…とか考えてたら…ドアを開ける音…そう言えば、鍵掛けてなかったね…加えて言えば、結局服を着てない事に気付く…まぁ、仮に不審者でも私みたいの襲う人も居ないしどうにか…とは言え、何か行動が変…先に居間の方を確認してるのは何となく分かるんだけど…何故かその後は足音が一直線にこの部屋に向かって来てる…それもドタドタと勢い良く…一応他に一夏の部屋も有るんだけど…スルーしたみたい…ちなみに私の部屋は千冬と共用…ま、本人はずっとこの家には戻ってないけど……とか考えてる内に足音がこの部屋の前で止まり、微かだがハァ…ハァ…と呼吸音…その後、この部屋のドアがノックされた音が聞こえればさすがに私も多少ドキッとはする…
「……」
誰か分からないし、取り敢えず私は息を殺す…返事は当然しない…とかやってたらノックがドンドンと強く……あれ?何かこんな事が前にも…
『ちょっと十秋!?居るんでしょ!?開けないならあたしが開けるけど!?』
思いっきり聞き覚えの有る声が、ドアの向こうから聞こえる……え?鈴?とか考えてたらドアが開く…
「!…ごめん、着替えてる途中……には、見えないわね…着てた服も着替える為の服も、どう見ても無いし…」
そこに立ってたのはやっぱり凰鈴音…嘗て箒と入れ違いになる形で私と一夏の居る学校に転入して来た少女…と言うか、え?…あの頃と見た目全然変わってないんだけど…
「…取り敢えず悪いんだけど…一旦ドア閉めるから、服着て貰える?」
「…うん、分かった…」
とまぁ…実質箒に次ぐもう一人の親友との微妙な再会に溜め息を吐きつつ…私は服を着たのだった。
「えっと…久しぶり、鈴。」
「その変な前置きは何なのよ…ま、久しぶりね…十秋。」
「…ところで、どうして急にウチに「あー…その話なんだけど…取り敢えずその前に、先にあたしから確認したい事が有るんだけど」…え?」
「十秋、アンタ携帯どうしたの?」
「どうしたのって…」
「家に一人って聞いてたけど、念の為こっちからアンタに連絡したのに繋がらないしさ…何か起きたのかと思って、慌てちゃったわよ…」
「…そう言えば、携帯は居間に置きっ放しに「電池、切れてるんじゃない?」…あ。」
取りに行かないと…
「あたしが行くから…アンタは取り敢えずここに居て。」
「え?何「良いから!ここに居てよ、ちゃんと」うっ、うん…分かったよ。」
割と強めに止められた…まぁ、私も無理に反論する様な話じゃないし別に良いけど…
「ほら、コレでしょ?」
「うん、ありがとう。」
数分後、部屋に戻って来た鈴に携帯を渡され…私は部屋の充電器に接続する…ふぅ…
「…ねぇ?」
「…ん?何?」
「…アンタ、何か有ったの?」
「何かって…何?」
「…ハァ…取り敢えず、居間の方で話しても良い?」
「別に良いけど…」
「…アンタ、本当にどうしたの?」
「え?」
「…別に出して欲しいわけじゃないけどさ…大抵アンタはこう言う時、大体そこの冷蔵庫から飲み物出して来たりするでしょ?」
「!…ごっ、ごめん…すぐに「あー…だから言ってるでしょ?出して欲しいわけじゃないって」…でも、一応持って来るよ。」
私は冷蔵庫から例のペットボトルのお茶を取り出そうとして…あ。
「えっと…お茶で良い?」
「良いわよ。」
私はペットボトルのお茶をコップに注ぎ、鈴の所に戻る。
「はい、鈴。」
「ありがと…って、十秋?」
「何?」
「何?じゃなくて…アンタの分は?」
「…あ。」
「…ハァ…何か長い話になりそうな気がするわね…コレ、多分ペットボトルのお茶でしょ?」
「うん、そうだけど…」
「大きいヤツ?」
「うん。」
「…じゃあ悪いんだけど、ボトルごと一本持って来てくれる?もちろん、アンタ用のコップも一緒にね。」
「分かったよ。」
鈴がお茶を少し飲んで、コップをテーブルに置く…ちなみに、さっき言ったペットボトルもテーブルに置いてある。
「…ふぅ…で、そうね…取り敢えず、何であたしがここに居るのかだけど…」
「一応学園に来るかもって言うのは知ってたけど、てっきり直行すると思ってたのに…」
「…ま、簡単に言えば…元々の予定より早くこっちの手続きが終わったわけ…とは言え、だからっていきなり学園には行けないでしょ?あくまで、予定は予定なんだから…」
まぁ、それは確かに…
「だからと言って、向こうではあたしが出るのはもう決定事項になってたからね…取り敢えず日本に宿を、と言う話になったんだけど…そこで思い出した事が有ってね…」
「思い出した事?」
「ほら、ここ…織斑家なら泊めて貰えないかと思ったわけ…前は結構何度かやってたしね…」
「そうだね、何だかんだ…結構鈴は来てたねぇ…」
元々、当時の鈴の家は中華料理店…ご夫婦でやっており、鈴はそこの一人娘で…何度か私も食事の面でお世話になってたり…ただ、実は私…店名こそ何故か抜けちゃってるけど…あそこでお金払わずに食べれてるパターンが結構有ったり…要するに、弾君の家と同じ家族ぐるみの付き合いになってたんだよね…で、その理由が…
「小学校での鈴の虐め問題が解決したと思ったら…今度は鈴の両親の家でのケンカが多くなって…夜遅くに良く、鈴がウチに避難しに来てたねぇ…」
「ま、ウチも幸い…あたしが中学入るまでには色々と落ち着いて来てたけど…あの頃は本当に、ここにはお世話になったわね…」
正直に言えば、そうなってくれて良かった…その頃だったら、私たちはもう更識家に居たから…さすがに、あの家に鈴を連れて来るわけにも行かない…
「だから、ちょっと図々しいかなとは思ったけど「そんな事無いよ」…ま、とは言え…あたしは今のアンタたちの連絡先を知らない…でも、取り敢えずと思って一夏に連絡したら…前の番号がそのまま繋がったから…あたしの状況を説明したの…そしたら、十秋…アンタの事を聞いたわけ…休学なんてどう言う事かと思ったけど…ま、こうして来てみて…色々と納得したわ…」
そう言って…鈴はコップのお茶を飲み干す…ちなみに、私はコップのお茶には全く手を付けてない。ま、特に喉も乾いてないしね…
「…で、一夏が織斑先生にも許可を取ってくれてね…取り敢えず、あたしはここに泊まれる事になったわけ…ついでに、アンタの様子も見て欲しいって言われたわね…あたしの話はこんな所…で、もう一回聞くけど…何が有ったわけ?」
「何がって…」
「ふぅ…いや、さっきまでのあたしとの細かい受け答えだけでも…自分が変なのはさすがに分かってるでしょ?ま、漠然とし過ぎてて良く分からないって言うなら…十秋、アンタが学園に入学してから今日までの事…覚えてる範囲で良いからあたしに話して。」
「んー…分かったよ「ちなみに」え?」
「隠し事は無しね?特にさっき、アンタの部屋で見ちゃったんだけど…アンタの胸の辺りに有った跡…どう考えても歯型にしか見えないあれに付いても、ちゃんと聞かせて欲しいんだけど?」
「…言わないと、駄目?」
「…ふぅ…あたしは、アンタと一夏に助けられたから…今のあたしが在るんだと思ってる…あたしは、アンタと一夏の事は親友だと思ってる…十秋、アンタはどう?」
「…うん…もちろん私も、そう思ってるよ。」
「そう…なら、あたしも十秋の事を助けたいと思ってる…もし何か抱えてる物が有るなら、話して…それとも、あたしじゃ嫌?」
「…ふぅ…分かった、話す…今日までの事、全部話すよ。」
正直、鈴には…箒以上に隠し事が出来る気がしない…