親友の妹に転生しました   作:三和

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結局、私の腕は休みが終わる日まで治らなかった…休み明けまでにはこうして治ったからそこはまだ良いかな…有給はまだ残ってるけど、大会の時は嫌でも休み取らないとならない事考えると…あまり続けて休み取って印象を悪くしたくないしね。しばらくは土日の休み以外は取れないと思った方が良いかな…この辺り父さんの母国、フランスでは比較的長めに休みが取りやすいと言う話を少し羨ましく思う…

 

まぁ…この国で生きて、仕事してる分には文句言っても仕方無いんだけど…見た目が明らかに日本人とは掛け離れている私を差別する事無く、他の人と同じ様に扱ってくれる事考えたら尚更だしね…ただ…

 

「何か、ごめんね…せっかく色々準備してくれたのに…」

 

私の為に動いてくれた束の行為を無駄にした事と話は別だ…

 

「良いって良いって…それより、本当に腕はもう大丈夫?」

 

「うん、もう大丈夫。明日から仕事の方に復帰するよ…結構忙しい時期に休んじゃったしね…」

 

「う~ん…■ちゃん、働き過ぎじゃない?」

 

「いや、日本人なら割と普通だよ?寧ろ私の所は緩い方だと思う…」

 

まぁ…父さんの話聞いちゃうと日本人は働き過ぎなのかなって思わなくも無い…

 

「もうちょっと休んでも良い気がするけどなぁ…」

 

「そうも行かないんだよね、さっきも言ったけど割と今って忙しい時期だったし…とにかく、これ以上は休めないよ…と言うか、別に私…嫌いな仕事してる訳じゃないし…」

 

「そうなの?束さんには分からないけどなぁ…」

 

そりゃ、束には分からないだろうね…少なくとも人に頭を下げられないのが彼女だから…上下関係もきっちりしてる普通の職場に彼女が馴染む事は先ず無いと思う……同年代の同僚でも話が合わないだろうし…

 

まぁ…一人で色々出来て、金も稼げる束が普通の仕事をする必要はそもそも無いと思うけど。

 

「ねぇ、■ちゃん…助手として私の所に来ない?」

 

「え…?」

 

冗談かと思えばいつものニヤケ顔が無い…真顔だ…束は今、本気で私を誘っているらしい…一瞬揺らいだけど私の返事は…

 

「ごめんね、さっきも言った通り…私、今の仕事好きだから…大体、私じゃ務まらないよ。」

 

助手も何も…私はISの仕組みもろくに分からないからね…束は昔から私に説明はしてくれてるけど、理解出来た事は残念ながら一度も無い…千冬も『私だって半分も分からないぞ?』…とは言っていたけど…私は多分、千冬以上に全く分かって無いと思う。それに…

 

「そっか…残念だなぁ「ねぇ、束?」ん?何?」

 

もし、本当に束に助手を着けるとしたら…

 

「私以外に相応しい人が他に居るでしょ?」

 

「え?誰?」

 

……束は結構頼ってたみたいなのに意外と認知されてないんだね…不憫…でも無いか、本人は別に功績だとも思ってないみたいだし…普通に言おうと思ったけど、何となくそれははばかられた…まぁ本人は助言しただけ、とか言ってたけど世界を変える程の偉業に手を貸したんだから、多少得る物が有っても良いんじゃないかと思う……大混乱させた責任も取るべきだろうしね…私は人差し指を立てて束に疑問を投げ掛ける…

 

「分からない?じゃあ質問…束はどうやってISを完成させたんだっけ?」

 

「それは…■くんに色々聞いたからで……あ!」

 

「分かった?他に相応しい人が誰なのか…」

 

「うん!」

 

……そう言うと携帯を取り出してボタンを押して、携帯を耳に当てる……少しして出たらしい相手に色々捲し立ててたけど、やがて苛立った声を出して束が電話を切った…

 

「どうしたの?」

 

「分かんない!何かこの電話は現在使われておりませんとか何とか…」

 

「ちょっと携帯貸して……束、これ…番号間違えてる…」

 

「えっ…嘘!?」

 

どうやら焦った束が番号を押し間違えたらしい…他の人に繋がらなくて良かったよ…束は悪い意味で有名人だから、向こうに気付かれたら大変な事になってたよ…と言うか、番号登録してないの?

 

「取り敢えず私が掛けてみるね?」

 

「うん…」

 

このまま私が掛けた方が良さそう…一応束の携帯を確認したがやっぱり番号の登録はされてない…と言うか、私や千冬のまで含めて一件も登録されてない…まぁ束は記憶力は良さそうだけど、基本的に私たち以外の他人の顔と名前は一切覚えられないって言うタイプだし…まさか、毎回何度か間違えながら掛けてるって事は無いよね…?……不安になったけどそこは今は良いか…取り敢えず私は自分の携帯を取り出して、念の為番号を確認しながら束の携帯で兄に電話を掛ける…

 

……この時間だと多分もう自宅だと思うけど…私とは違う仕事してるから何とも言えないなぁ…そんな事考えながら呼び出し音を聞いていたら…四コール程で向こうが電話に出る…

 

『もしもし?束か?』

 

「あ、兄さん?私。」

 

『……■■か?どうして束の携帯でお前が掛けて来るんだ?』

 

「えっと…」

 

兄さんが何を言ったのか察したのだろう…束の方を見ると両手で全力のバツを作っている…う~ん…私は自分の携帯のメモ帳を呼び出して文字を打つ…

 

『束の番号のド忘れでも大丈夫?』

 

そう打って見せれば彼女はコクコクと頷きを返して来る……まぁこの時点で番号登録もしてないのはバレバレなんだけどね…私は口を開く…

 

「それがね、束が番号をド忘れしたらしくて…私が代わりに…」

 

『そうか…』

 

微妙に呆れ口調……まぁ向こうは束の性格は私以上に良く分かってそうだしね…何か、本当に兄さんでなくても良いから誰か助手を着けた方が良い気がして来たかも…束って頭は良くても結構色々ズボラだし…

 

「それで…ちょっと束が用が有るらしくて…」

 

『そうか…束に代わってくれ。』

 

「分かった…ハイ、束。」

 

私は束に携帯を返す。

 

「ありがとう■ちゃん…もすもすひねもす?■くん?束さんだよ。」

 

束のハイテンションな声を聞きながら、私は欠伸を噛み殺す…明日は仕事だし、早く帰って寝たいけど…束に送って貰わないと…私は帰れないんだよね…

 

「うん…うん…ホント!?」

 

束の声を聞く限り、話は纏まっているらしい…と言うか、兄さんも結構行き当たりばったりな所有るよね……そう言えば私と違って、別に今してる仕事は好きでも嫌いでも無いとか言ってた気がする…その割に私より稼いでるみたいだけど…この様子だと本当に束の所に行くみたい…

 

あ、でも多分…束の方に着いた方が実入りは良いのかな…とは言え、助手と言ってもISはほぼ完成形に近いんだろうから、仕事はほとんど束とクロエの世話になるだろうけど……正直クロエは問題無いけど、束の世話をするってなるとね…ちょっと兄さんに押し付けた事に罪悪感を感じなくも無い……まぁあの人はあの人で大体何でも出来るからどうにかなるとは思うけど。

 

「分かった!待ってるね!」

 

束がボタンを押して携帯をしまった。

 

「兄さん何だって?」

 

「うん!今いくつか抱えてる案件片付けたら束さんの所へ来るって!楽しみだなぁ…」

 

「良かったね、束。」

 

ご愁傷様、兄さん…

 

「それで、悪いんだけど…そろそろ私の家に送ってくれる?」

 

「あ、そうだったね!…と言うか、もう一日泊まって行けば良いんじゃないの?」

 

「そうしたいんだけどね…さすがに職場に着ていける様な服は持って来て無いから…家に帰らないと困るんだよね…」

 

「そっか…で、結局これからは土日に迎えに来れば良いんだよね?」

 

「うん……そう言えば例の新しい武器、いつ出来る?」

 

「…あの剣と同じ様に排出口付きの槍だよね?あれなら、ちゃんと次来る頃には出来てるよ。」

 

それなら良かった…一夏君がISを起動してゴタゴタしたり、私が怪我をして練習も出来なくなったりしたけど…幸い、ISの慣らしそのものは終わってるから…後は私がそれを使える様にするだけだね…まだ不安だけど…まぁどうなるかはやってみなきゃ分からないか…

 

「本当に色々ありがとね、束。」

 

「良いよ良いよ…じゃそろそろ行こっか。」

 

「うん、クロエに宜しく伝えてね…」

 

まぁ寝る前に挨拶はしたけどね…

 

「うん!じゃ、こっちに来て…うん、そこで待ってて。今から■ちゃんの家の近くに転送するから。」

 

「うん、お願い…」

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