親友の妹に転生しました   作:三和

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「ふぅ…」

 

後ろの椅子に背を預け、一息吐いてから肩を回す…

 

「……あ、もう日付変わっちゃう。」

 

一人、オフィスの中でそうポツリと零す…社内が忙しいどころか…私自身仕事抱えた状態で休み取ったからこうなるのは覚悟してたけど…う~ん…やっぱりちょっとキツい…

 

「残業代はちゃんと出るけど…元々後回しにしちゃったのは私だから、罪悪感は有るよね…」

 

疲れからか、自然と続けて口から独り言が零れ出る……まだ余裕有るし、さすがに一度帰ろうかな…残りは朝やれば…ん?

 

「こんな時間に…誰から?」

 

仕事用のバッグの中で携帯が鳴っている…私は足元に置いてたバッグをデスクの上に出して、中から携帯を取り出した。

 

「……千冬?」

 

携帯には千冬の名前が表示されている…私はボタンを押して電話に出る…

 

「もしもし千冬?…どうしたの、こんな時間に?」

 

『ああ、すまないな…今何処だ?』

 

「何処って…まだ会社だけど?』

 

『……そうなのか?』

 

「何せ、仕事残したまま休み取っちゃったからね…まぁさすがに今日はもう帰るけど…」

 

まぁどっちみち…後数時間もしたらまた出社するけどね……と言うか、今からだと終電間に合わないし…タクシーになっちゃうな…

 

「それで、何か用?」

 

『いや、何…私もついさっき漸くバイトが片付いてな…』

 

「随分遅いね…」

 

『その言葉は、そのまま返すぞ?』

 

「いや、私はほら…元々あんまり要領良く無い方だから… 」

 

休みの話はちゃんと事前に上司に通してたし、猶予は当然有った……にも関わらず仕事を一段落させずに休みに入ってるんだから、それ以外言い様が無い…

 

でも、千冬は珍しいと思う…本格的に苦手なのは料理だけで、それ以外は大雑把な所は有るけど仕事に妥協するタイプだとは思えない…千冬の仕事ぶりは見た事無いけど、今までクビになってないんだからそれは間違い無いだろう……まぁ学生時代なら、千冬は自分の学費も有るから…普通に明け方までバイト入れてたけどさ…

 

『……まぁ、そう言う事にしておくか…で、私の用なんだが…これから飲まないか?』

 

「え…?お酒を?今から…?」

 

これまた珍しい…明日は普通に平日で、何なら千冬だってバイトが有る筈だ…次の日が休みなら誘って来る事は有るけど、千冬が突然こんなタイミングで誘って来る事は今まで無かった…

 

『ああ…と言っても店じゃないんだが…』

 

まぁ私はまだ会社だし、千冬のバイトは基本的に自宅の近く…お互いの家こそ近い所に有るけど、私は自宅から二駅程離れた職場だし…今から二人で店で待ち合わって言うのもね…まぁそうでなくても多くの場合、二人で飲むってなったら大体は千冬と一夏君の所って決まっている……稀に私の家になる事も有るけど、多くの場合はそうなる…だって一夏君を家に一人残す訳には行かないし。

 

「構わないけど、この時間からそっち行っても良いの?」

 

それでも結局の所、千冬の誘いを私が断ると言う事は基本的に無い……急ぎで終わらせないといけない仕事が有る時や、仕事以外の大事な用事でも有れば…さすがに断る場合も有るけど…

 

『ああ、問題無い。』

 

問題無くは無いよね…一夏君もとっくに寝てるだろうし。

 

……何か有った?

 

「……分かった、今からタクシーでそっちに向かうよ…何か買って行こうか?」

 

『そうだな…なら…』

 

千冬がいくつかの物を挙げて行く……いや、ちょっ…

 

「ストップストップ!私、コンビニしか寄らないし…今から会社出てそっちに行くんだよ?頼むから今日は嵩張る物は勘弁して…」

 

『すまん…』

 

実は…私は普段から織斑家に時々色々買って持って行く事が有る…そのせいなのか、ちょっとお酒を少し飲むだけなら到底必要無い物を色々列挙されて慌てて止める……いつもはこんな事無いのに、本当に何か有った?

 

「取り敢えず…適当に何かツマミになりそうな物だけ買って行くよ。」

 

『ああ…すまないな…』

 

「別に良いよ。じゃ、後で。」

 

電話を切る……う~ん…また何か悩み事かな…ま、行ってみたら分かるか…

 

「さて、と…」

 

私はパソコンのキーを叩き、作業工程を保存してから電源を落とした。帰宅の用意をしつつ考える…この辺は一応オフィス街だけど…今からだとタクシー捕まらないかもね…先に電話して呼んどこう。

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