「お前な、結局大量に頼んでるじゃないか… 」
「えと…そんなに多い?」
「……朝食を実質抜いてる私より多く頼んでて…良くそれを言えたな…」
店によっても微妙に異なるだろうけど…ファミレスのメニューは大きく分けるとハンバーグやステーキなどに加えて付け合わせが付いて来るメインと、他はパスタや、サラダ…後はドリアやグラタンにチキンなどのサイドメニューに分かれている…ちなみにライスも別で頼める様になってるね…
「ドリアとハンバーグ、パスタまではまぁ、分かる…だがそこにチキンにサラダ、更に追加でスープとパン…おまけにドリアを既に頼んでるのに、ライスまで別で注文してるのは…さすがに分からん…」
「そっ、そう…?寧ろ千冬は少なくない…?」
千冬が頼んだのはカレーライスとスープにサラダだけ…
「お前分かってて言ってるよな?」
「……ごめん、何か思いの外良い匂いがしたせいか、お腹空いて来ちゃって…あ、チキン分けようか…?」
「……いや、要らん…お前が頼んだ物を思い浮かべたら胸焼けがして来た…」
「あの…本当にごめん…」
「ハァ…まぁ今更だ…昔からお前は食べる量が多い物な…今だから言えるが、もしかして子供の頃にお前が虐められた原因…それも有ったんじゃないか?」
「いや、それは…無いと思う…学校では用意される給食の量が限られてるし…さすがに私自身も食べる量セーブしてたから…」
「……つまり、結局バレたのは弁当を持って行く事になる高校に行ってからだと?お前の周りにいた、私と束以外の奴も知っていた素振りだったが?」
「いや、今でこそ皆疎遠だけど…あの子たち昔は私の家に来た事有るし……あ、もちろん実家の話ね?」
「そんな事はわざわざ言われなくても分かる…あー…そう言えば、高校時代は私と束の方が多くの奴に敬遠されていたな…」
「中学に入った辺りから何故か、私だけ急に仲間外れにされなくなったんだよね…一応友人になれたのは、他の小学校から来てる子ばかりだったけど…ただ、急にそうなったから私も不思議では有ったんだけどね…」
「どう考えても…理由はお前の人柄だと思うがな。」
「へ?」
「…お前は見た目は確かに日本人には見えないかも知れないが、見た目が特異なだけなら学校内には居なくても世間では探せばそれなりに居るからな…小学校の頃と違い、嫌でも外に目も向くようになるし…精神的に成長もして来るからな…見た目だけで全てを決める奴は減って来るんだ。そこに見た目が特異、と言うより単純に見た目が綺麗な上…性格も良いお前が好かれない方がそもそも可笑しい、と言う話になって来るからな…」
綺麗って言われた!…と、浮かれたくなるのはこの場では控える…一応真面目な話だしね…
「……あの頃の私の場合は…もう波風立てなくないから、八方美人決め込んでただけなんだけどね…小学校で、失敗したと思ってたから。」
「悪く言えばそうだが、それだけお前が器用だったと言う事だろう?私は…お前程愛想良く出来無かったしな…」
まぁ千冬はそう言うの昔から苦手だよね…最も、千冬が嫌うのはそれだけ性格が悪い人がほとんどで…悪意無く話し掛けてくれる人には多少線引きこそするけど、絶対に邪険にはしなかったし…
「大体、八方美人と言いつつお前は…嫌な事は嫌だと言える芯は有ったからな…」
「だって…自分がされたくないからって、他の人と一緒になって…特定の誰かを攻撃するなんて絶対に嫌だもの……嘗ての私が、そうされてたんだから。」
「その誠実な部分が…自然と多くの奴に好かれた要因だろうさ。」
「誠実だなんてそんな…そもそも、人として当たり前の事じゃない?」
「その当たり前が…中々出来無いのも人間だからな…」
「まぁ、それは確かに…」
誰もがそう出来るなら、イジメなんてこの世から無くなっているだろうね…
「お、来たな…まぁ暗めな話はこれくらいにしておくか。」
「うん、そうだね…」
「……涎、垂れてるぞ。」
「え…あ、ホントだ…」
「……私もあまり人の事は言えないとは思うが…もう少し、恥じらいを持ったらどうだ? 」
いやあの…好きな人の前で醜態晒して、一番凹んでるの私なんだけどね…
「うん…気を付けるよ…」
「そうしてくれ…」
無理だろうな、って顔で見ないでよ…一応、気にしてるんだから…まぁ、実際…私も無理かなぁって気はしてるけどさ…