親友の妹に転生しました   作:三和

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束のラボの有る場所が近いと言われた辺りで窓を見ていた私の視界がある物を捉えた…運転席の兄さんに声を掛ける…

 

「あ、兄さん…ちょっと停めてくれない?」

 

「何故……ああ、成程…」

 

呆れの声が聞こえる辺り、私の目的とは違う物を見付けたらしい…いや、確かにそっちも興味有るけど…

 

「お前まだ食うのか…」

 

ジト目向けないで千冬…違うんだって…

 

「いや、そこの店も確かに気になるけど…そこじゃなくて、ほら。」

 

「ん?」

 

私が窓を開けて指差した辺り、学校帰りらしい一夏君が歩いていた。

 

「あー…そうか、そう言えば今日は午前で終わりだったな…そうだな、せっかくだから声を掛けて行くか。」

 

 

 

 

「……■■さん、入院してたんじゃないのか?」

 

「今日で退院だよ「いや…それは知ってるけど、そこじゃなくてさ…出て来たばっかりで良く食うな、と」……病院のご飯、足りなくて…」

 

「コンビニ弁当五個、病院の売店で買い込んだ菓子パンにお菓子…で、ここに来てカツ丼だ…」

 

兄さんがそう言うと、一夏君が私にジト目を向けて来る…

 

「■■さんそれもう三杯目だよな?さすがに、もう食うのやめたらどうだ?」

 

「んっ…もう少し食べたいなぁって…」

 

「いい加減にしろ、どうせ束の所でも食うんだろうが…」

 

「うん…私が悪かったから、その拳は下ろして欲しいなぁって…」

 

千冬が拳を振り上げている…千冬に殴られたら、骨までダメージが行きそう…

 

「それ食ったら本当に帰るからな?合宿所に有った物も含めて、必要そうな物はもうラボに運んである…」

 

「分かってるって…」

 

「まぁ、何と言うか…元気そうで安心したけど…」

 

「コイツの場合、口に出した以上…自分でどうにかすると私は最初から思ってたがな「とか言ってこの一週間、ずっと■■さんの事…気にしてたじゃんか」なっ!一夏!?」

 

……私、そんなに心配掛けてたんだ…

 

「大体、別に俺の事は気にしなくて良いから…■■さんに付いててやれって何度も言ったのに…」

 

「くっ…しかしだな…!」

 

「■●さんが結局一週間の間毎日来てくれたし、俺としては特に何も問題無かったんだぜ?」

 

「まぁ、私はせいぜい朝食と夕飯を頂いたくらいだがな…仕事も有るから、中々ずっとは居られんしな…」

 

兄さんがそう口にした瞬間に千冬と一夏君から漂う微妙な雰囲気……兄さん、何したの…?

 

「いや、改めて…本当に■■さんが退院して来てくれて助かった…」

 

「え?」

 

「■●さん、毎日様子見に来てくれるのは良いんだけど…飯代として毎日金渡して来たり、一週間欠かさず俺を学校に送り迎えしてたからな…実は今朝も送って貰ったんだ…」

 

「……兄さん、気に掛けるにしても二人に迷惑掛からない範囲でやってよ。」

 

本当に、この人は…と言うかやっぱりお金渡してる…

 

「弟分に目を掛けてはいけないのか?」

 

「限度が有るでしょう?」

 

一々人に説教するなんて私のキャラじゃない…でも、二人はこの人にキツくは言えないだろうし…と言うか、家に千冬が居るのに結局毎日来てたってもう意味が分からな…もしかして、私の為?兄さんが家に来てれば千冬は私の方に付くと思ってたのに結局千冬が一夏君から離れなかった…?…と、そこまで思い浮かんでからふと思う…

 

……多分、一夏君しか兄さんの意図に気付いて無かったんだろうな…千冬って、あれでも結構鈍い所有るし…まぁ、兄さんのやった事に対して余計なお世話とは言わないけどさ…本当に千冬が来てくれてたら私は嬉しかっただろうし…と言っても、千冬は日中見舞いに来てはくれてたんだけどさ…

 

「手が止まってるが、まだ食い終わら……いや、いつの間に食ったんだ?」

 

「いや、さっきから食べてたんだけど…」

 

まぁ、よっぽど深刻な事とかならともかく…私の場合、談笑や少し考え事してる程度なら今更食べる手は止まらないし…

 

「……食い終わったなら行くぞ…一夏、この後私たちはラボに行くが…君はどうする?家に帰るならこのまま送って行くが…」

 

「いや、あの…どっちみち俺、家に荷物置かないとならないんで…」

 

そりゃまぁ、束のラボに来るにしてもそうなるよね…

 

「そうだったな。では先ずは織斑家まで行くとしよう。」

 

 

 

「…で、私たちと一緒に来ちゃったけど…今日は何も予定とか無かったの?」

 

一応兄さんが言わなきゃ来てなかっただろうから、一夏君に聞いておこう…

 

「いや、来てからそれ言われてもな…一応、元々今日は特に予定は無かったよ。」

 

「あー…」

 

物の見事にさっきの兄さんと似た様な事を言ってる事に今気付く…ハァ…何だかんだ、私はあの人の妹なんだね…

 

「まぁ、クロエと話でもしてるよ。」

 

「そっか「■■さん、これから千冬姉と稽古だっけ…病み上がりなんだから無理するなよ?」うん、分かってる。」

 

まぁ、まだ腕を持ち上げる時に少し違和感有るしね…無理はしたくても出来無い…

 

…と言うか、今日は本当に慣らしだけになるかなぁ…まさか、来るなり束に正座で説教されるなんて思わなかったし…私は別に正座に苦手意識無いけど…それでも二時間そのままだと足が、ね…

 

「千冬姉待たせてるだろ?俺もう行くよ。」

 

「うん、クロエと仲良くね?」

 

「ああ。」

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