親友の妹に転生しました   作:三和

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「しかし…良くカメラなど仕掛けられたな?別世界の人間とは言え、君らは勘が良い方だと思っていたが…」

「まぁその、何とか…」

「私は幸い、ちーちゃん程鋭くは無いからねぇ…でもま、あの赤外線センサーの隙間を見付けるのには苦労したけど…システムに侵入して止めたらさすがにバレるし…」

「…それもそうだが、例えばあのエアコンのモーターに偽装した盗聴器…他に無かったのか?こっちは中の構造を覚えないといけない上、元の奴と大きさも微妙に違うから…仕掛けるのが大変だったぞ…」

「…と言ってもさ、構造上ゴキブリやハエですら入り込みにくいし…万が一昼間に分解する事になっても目立たなさそうって言ったら、アレくらいしか無かったんだもん。」

「その、何だ…大変だったんだな「「一番の問題は貴方でしたけどね(■くんだったけどね)」」何?」

「向こうの貴方は眠りが浅い方なのか、夜中ですら何度か起きて来ましてね…お陰で本当に昼間全員が揃ってる中、仕掛ける羽目になりましたから…」

「もうこっちでモニターしてるだけの束さんまで、何度心臓が止まりそうになったか…」

「……それはすまなかった…だが、さすがに私も君ら程勘が良くは…」

「いや、何度か隠れてる私の方に顔を向けて来ましたよ…見付かりそうになる度に場所を変えてたのに、毎回こっちを向くんで…多分、気付きかけてたと思います…」

「正直、気付いてて敢えて見逃してくれた気がしないでも無いんだよね…」

「……まぁ、君らで有れば私も何となく察してスルーするかもな…」

「そもそも、気付かれるのが問題なんですけどね…」

「ちーちゃんには一応光学迷彩スーツ着て貰ってたんだよ…それでもヤバいと思ったらしくて慌てて隠れてるちーちゃんに大袈裟って言おうとしたら…ちーちゃんのスーツに付けてたカメラ越しに■くんと目が合っちゃって…あの時は怖過ぎてマジで漏らしそうになったよ…」

「光学迷彩…つまり、千冬の姿は見えなかった訳か…」

「自覚が無い様なので断言します…多分、貴方もかなり勘が鋭いです…」

「あっちの■くんも普通の生活しててあれなんだから…ここに居る■くんと能力的にはそんなに変わらないだろうしね…」

「……活かせる仕事は無さそうだな…」

「軍人くらいしか無理じゃないかなぁ…ま、日本の普通の警備員ならそこまで勘の良さ必要だとも思えないし、何なら…自衛隊は基本的に戦地行かないからアレだけど。」

「と言うか、聞こう聞こうと思っていたんですが…貴方仕事辞めたそうじゃないですか…今後どうする気ですか?」

「あ、それは大丈夫。束さんのパートナーになるって約束だからね♪」

「……あくまで、君の研究に少し手を貸すだけだ…まぁ、休暇取ってもいつ終わるか分からんから思い切って辞めてしまった所で…束からとんでもない額の報酬を提示されたからつい、心が動いてしまってな…」

「(ひょっとして束の奴、外堀を埋めに行ってないか?クロエも最近彼に懐いて来た様だし…)貴方ほとんど無趣味に近いじゃないですか…何に使うんです?」

「まぁ、その辺はおいおい考えるさ…」

「うん、ゆっくり考えて(そう簡単に逃がさないけどね…)」

「束…(ボソッと言っても、私に聞こえるんだから彼にも聞こえてそうだがな…)」

「……しかし…あの日襲撃が有って以来、特に問題が起きる気配は無いな…見てる分には楽しいが。」

「(聞こえてたのにそのまま流すのか…)そうですね…」

「ちーちゃんとしては、色々複雑?」

「……まぁ、な…あいつがこうも強くなって行く姿を見てるとな…しかもあちらのあいつは、明確に私を超えると口にしている…あの場に居るのが私じゃなくて残念だとは思うさ…」

「まだ掠る程度では有るが、何度かあいつの槍が当たる事も増えて来ている……この上達スピードなら、本当に向こうの君を倒すかもな…」

「まぁ、しばらくは順調かも…実際、これ以上見てても何も起こらないかもねぇ…そもそも私のラボの中に居るんじゃ、そう簡単に手を出せないだろうし。」

「ほとんど要塞並みの構造だったからな…幸い、ここと向こうの造りは似てるから…私も侵入自体はそこまで苦では無かった……最も、仕掛けられてるトラップはここより遥かにえげつないがな…」

「向こうの私が万が一の事を考えて、ガチガチのセキュリティ組んでたみたいだからねぇ…」

「聞けば聞くほどとんでもなかったのが分かるな…何せ、君らで攻略に苦労すると言うんだから…」

「まぁ、貴方が買い出しに行ったり…仮眠を取って貰ってるタイミングで決行しましたからね…もちろんそれについて文句は有りませんが…何せ、ここにはちゃんとした料理を作れる人間が居ませんし…」

「……私は本当に簡単な物を作れるくらいなんだがな。正直、腕ならあいつの方が上だぞ?それに、最近はクロエも上達して来ている…いずれは抜かれてしまうだろう。」

「私は■くんの料理も好きだな♪」

「……そうか。」

「(……相変わらず表情に出ないが、何となく分かる…かなり複雑な思いを抱いているな…)束、お前は味覚音痴だろうが。」

「あっ!ちーちゃん酷い!」

「まぁ…クロエはそれでも、自分が下手なのは気付いてた様だがな…」

「そりゃ嫌でも分かるでしょうね…例えば炒め物一つ作るにしても…実質、焦がすか生焼けの二択しか無いんですから……まぁ、私は人の事を言えませんが…」

「……君の料理風景をそのまま言葉にしたら、どう取り繕ったしても…結局、"破壊活動"としか形容出来無いからな…」

「ちーちゃん、昔からぶきっちょさんだもんね。」

「……束、お前には言われたくないぞ…」

ふぅ…全く、ここに居ると退屈はしないんだがな…


*46

「ハイ!」

 

「くっ…!」

 

うん、千冬の攻撃…まだ完全には見えないけど、だんだん対応出来る様になって来た!

 

「セイ、ヤッ!」

 

千冬の剣が大きく上に弾かれて、ガラ空きになった胴を槍で薙ぎに行く…

 

「っ!甘いぞ…!」

 

「ちょ…速っ!?」

 

槍の穂先がいきなり対象を失い、空振る…いや、居る位置を見るに…単なるバックステップなんだろうけど速すぎだって…!って、嘘!?

 

「っ!」

 

下がったと思ったら千冬は一瞬で私の前に戻って来て、私の腹で千冬の雪片が突き出された状態で止まる…いや、本当に無理…

 

「私の零落白夜は、当てる事さえ出来れば…お前のシールドエネルギーをゼロに出来る。」

 

「……うん、解説は良いよ…知ってるし。」

 

改めて考えたら本当にチートだよね、この能力…まぁ、千冬くらいにしか使いこなせない事だけが唯一の欠点だけど。

 

「ハァ…ふぅ…ごめん、ちょっと休憩して良い?さすがに、疲れちゃった…」

 

「……いや、今日はもう終わりにしよう。」

 

「え…でも「お前のそのひたむきさは美点だとは思うけどな…時計を見ろ」え…あ。」

 

時計はもう七時を差している…えっと、お昼食べて一時間くらい休んでから再開したから……普通に六時間近くはぶっ通しでやってたと…おお…

 

「スタミナも着いて来たな。何気に、今は学生時代より動けてるんじゃないか?」

 

「だねぇ…」

 

限界だと思ってたのに、普通にラインを超えつつ有る私…う~ん…どうせこんなに動けるなら、学生時代もう少し真面目にやっとくんだったかな…

 

「取り敢えず、夕飯食ったら休むか。」

 

「そうだね…」

 

「と言うか、戦ってる間は腹が減らないんだな…お前。」

 

「うん、不思議と気にならないね……いや、いざ気を抜いたらお腹減って来たんだけど…」

 

「どうせ明日もやるが…あんまり食べ過ぎるなよ?後は実質寝るだけなんだからな…」

 

「分かってるって…」

 

でも、空きっ腹だと寝れないのが私…う~ん…

 

「ちなみに、戦ってる時に束から連絡が来たんだが…お前にサプライズが有る…」

 

「はえ?」

 

いや、そもそも束の話聞きながら私と戦ってたの?……うわ、本当に底が知れないな…

 

「さっきお前の両親が来たそうだ…久々に、家族が揃うじゃないか。」

 

「え!?…うわぁ…」

 

「何だ、嫌なのか?」

 

「う~ん…もちろん嫌ってはいないんだけど、あの人たちと居ると…割と気苦労が多くて…」

 

「あー…」

 

私がそう言うと複雑そうな顔をする千冬…うん、やっぱりその反応が正しいよね…

 

「父さんは基本、置き物みたいな物だからまだ良いけど…母さんなんて、全員で一緒に寝るとか…色々騒ぎ始めそうだし…」

 

「あー…あの人には、束も頭が上がらないんだよな…」

 

「母さんにとっては、束は昔から…少し反抗期気味の子供みたいなものだからね…」

 

「……ちなみに、私に対してはどう言ってるんだ?」

 

「『少し真面目過ぎるけど良い子…良い子過ぎて潰れないか、いつも心配だわ』…とか何とか…」

 

「……本当に、あの人はとんでもないな…」

 

まぁ、そもそも私の気持ちに気付いてるのに何も言わない(兄さん談)そうだから…

 

「ちなみに一夏君は『背伸びし過ぎだから甘やかしてあげたい』とかって…」

 

「あの人が本気で甘やかしに来ると、寧ろ…疲れるだろうな…」

 

「千冬も、昔は被害に遭ってたね…」

 

「まぁ、嫌だったとは言わん…親にはあまり良い思い出が無かったしな…私には親代わりの一人だ…」

 

「千冬…」

 

「……湿っぽくなってしまったな、すまん。」

 

「良いよ、気にしないで。」

 

「と言うか■■…お前は覚悟した方が良いんじゃないか?」

 

「へ?」

 

「……お前、今回入院していたのをあの人に言ったのか?」

 

「いや、言う訳無いでしょ…あの人押し掛けて来るだろう……あ。」

 

「束にしろ■●さんにしろ…間違い無く、伝えてると思うが?」

 

「……千冬、私…急用が「逃げられる訳無いだろ、と言うか…私が逃がさん」お願い!助けて千冬!」

 

「無理だ、あの人は誰にも止められん…と言うか、諦めて怒られろ。心配されたり怒られてる内が…何だかんだ一番幸せなんだぞ?」

 

「っ…」

 

親の居ない千冬にそれ言われたら、何も言えないなぁ…

 

「ハァ…分かった、行こっか。」

 

「待て。そっちは出口とは逆方向だ…何処に行く気だ、お前は。」

 

「うん、やっぱり怒られるの…嫌かなぁって…」

 

「いい加減ガキじゃないんだから…もう観念しろ…」

 

咄嗟に槍を構えようとした私より先に、千冬の雪片が振られる…IS、解除されちゃった…

 

「何もこんな事に能力使わなくても…ちょっ!何してんの!?」

 

「お前は意地でも逃げそうだしな、このまま戻るぞ。」

 

ブレスレットになったシュナイダーを私から回収しつつ…お姫様抱っこで私を運んで行こうとする千冬……様になってるし、嬉しいけど今はやめて!?

 

「下ろして!?自分で歩くから!?」

 

「一々暴れるな…」

 

いや、さすがにこのまま会いたくないって!?

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