ノアに転生したので多元宇宙を廻ろうと思う 作:ウエストモール
「ウインダム、着陸します!ご注意ください!」
「キングジョー、着陸します!ご注意ください!」
現場へと到着したウインダムとキングジョーストレイジカスタムは、何回か逆噴射した後に地上へ着陸する。目の前には、逃げ遅れた人間を舌で絡めて補食するノスフェルがいた。
「ヨウコ先輩!あいつ人を食ってますよ!」
「ハルキ、これ以上の被害を防ぐためにとりあえず怪獣をここから引き離すよ!」
「押忍!」
ヨウコが選んだのは、飛び道具による攻撃で注意をこちら側に引くということ。ウインダムは額からレーザーショットを撃ち、キングジョーはペダニウム粒子砲による単発射撃を行う。一応、ノスフェルに直撃こそしたが、傷を負わせるに至らなかった。だが、注意を引くことはできた。
「キシャァァァオォォォ!」
咆哮したノスフェルは跳躍すると二体の特空機の目前に着地する。そして、体から複数の赤黒いエネルギーの球を発射。至近距離から放たれた全てのエネルギー球が次々とキングジョーに直撃し、赤黒い電撃がキングジョーに走った。
案の定、キングジョーの堅牢な装甲には傷一つ付かない。だが、ここで異常事態が起こる。
〈キングジョー、システムに異常発生!制御不能です!〉
何と、先ほどの攻撃でシステムに異常が起きたらしく、キングジョーが操作を受け付けなくなってしまったのだ。直後、キングジョーは直立不動のまま前方に倒れてしまった。
「ヨウコ先輩!?」
「自分の回りに集中しなさい!ハルキ!」
倒れたキングジョーに意識を向けてしまったのが命取りであった。すでにノスフェルはウインダムに接近しており、腹部に爪を振るったのだ。
「うわぁ!!」
ウインダムの腹部に火花が散り、よく見ると爪が当たった部分の装甲が削り取られていた。
間髪入れず、ノスフェルは腹部に爪を突き刺す。そのままウインダムを押し倒すと、手を引き抜くと同時にウインダムの配線やパーツを爪で引っかけてズタズタに引き裂き、外に引きずり出してしまった。
「この前みたいにウインダムが壊れたぁ!」
ハルキの言う〈この前〉とは、グルジオライデンとの戦闘のことであり、ウインダムは腹部を抉り出されるという酷い目に遭っていた。
〈ウインダム、内部構造を破損!戦闘の続行は不可能です!〉
戦えなくなったウインダムは、ここで退場することになった。だが、ハルキには戦う手段が残っていた。
『ハルキ、ここはウルトラフュージョンだ!』
「押忍!」
ハルキはウルトラゼットライザーを取り出すと、トリガーを押してインナースペースに突入した。
《Haruki Access granted.》
ウルトラアクセスカードをライザーに挿入する。
「宇宙拳法、秘伝の神業!」
腰のケースから取り出したゼロメダル、セブンメダル、レオメダルをライザーにセット。
「ゼロ師匠!セブン師匠!レオ師匠!」
そして、ブレード部分をスライドさせてメダルをライザーに読み込ませる。
《Zero、Seven、Leo.》
「ご唱和ください、我の名を!ウルトラマンゼーット!」
「ウルトラマァァァン!ゼーット!」
ハルキがトリガーを引くと、飛び交う青、白、赤の光芒が一か所に集まっていき、そこからウルトラマンZアルファエッジが出現。そのままグングンと巨大化していった。
《UltramanZ Alpha Edge.》
「ヘェアァァッ!」
ウインダムの中から出現したZによって、ウインダムに馬乗りになっていたノスフェルは吹き飛ばされる。ウルトラマンZとノスフェルは互いに向かい合った。
Zは頭部のスラッガーに手を添え、2つのゼットスラッガーを出現させる。そして、その2つを稲妻状のエネルギーで連結させることで、ヌンチャクのように扱えるアルファチェインブレードに変化させた。
「イィィィィヤットウァァァァ!」
Zはアルファチェインブレードを回転させ、ノスフェルへと向かう。何度も振り回してノスフェルを斬りつけていき、手数で圧倒した。だが、そこまでダメージが入っている様子はない。
「アルファバーンキック!」
今度は、炎を纏った足による回し蹴りの連撃をくらわせる。ノスフェルは今まで以上に大きく怯んでいた。
『こいつ、炎が苦手みたいっすね』
「そうだな、ハルキ。炎の攻撃ならあれでいくぞ!」
Zが右手を空に掲げると、何処からか現れた槍のような武器、ゼットランスアローを掴み取る。そして、ランスのレバーを1回引くと、ランスの先端に炎が纏われた。
「ゼットランス・・・!!」
先端に炎を纏ったゼットランスアローを振り回し、炎でZの形を作る。そして・・・
「ファイヤァァァァァー!」
ゼットランスアローを突き出すとZの形の炎が飛んでいき、ノスフェルに炎が纏わり付く。そのまま、体が炎上したノスフェルは倒れ、煙でその姿は見えなくなった。
『Zさん、意外と呆気なかったですね』
「たしかに、ウルトラ脆かったな」
普通のスペースビーストなら、これで良かったのかもしれない。だが、彼らは知らない。ノスフェルはこの程度で死ぬスペースビーストではないということを・・・
「それじゃ、帰りまs・・・なっ?!」
飛んで帰ろうと思い、背中を向けていたのが失敗だった。突然、背中と腹部に激痛が走る。よく見てみれば、背中から体を貫通した野獣のような鋭い爪の先端が、腹部から飛び出ていた。
「うわぁぁぁぁぁ!!!」
倒したはずの怪獣が何故か生きており、その怪獣の爪が自分の体を貫通するなんて、Zにとっては初めての経験である。彼は、明らかに恐怖していた。やがて、ノスフェルは爪を引き抜くのだが、その傷口からは大量の光の粒子が吹き出ていた。
『これヤバいっすよ、Zさん!』
Zは傷口に手を添えて傷を直そうとするのだが、ノスフェルが爪を連続で振るってきたことで妨害される。さらにカラータイマーも鳴り始め、避けることで精一杯になっていた。
まさにピンチ!どうする!?ウルトラマンZ!?すぐに助けに行け!ウルトラマンネクサス!
「では、助太刀するとしよう」
ノアは、ようやく重い腰を上げた。