ノアに転生したので多元宇宙を廻ろうと思う 作:ウエストモール
久しぶりの投稿です!お待たせしました!
「シェアッ!」
「ピャアァァァ!」
睨み会うネクサスとメルバ。先に動き出したのは、メルバだった。
「ピャァアアアッ!」
メルバはその翼を広げると、低空飛行でネクサスの方へと一直線に向かい、体当たりを仕掛けてくる。直線的な攻撃であるため、決して避けられない攻撃ではない。だが、ネクサスの背後には自衛隊と避難民がいる。そのため、真正面から突進を受け止めることを選択した。
ネクサスはメルバの頭を掴んで突進を受け止めると、力を込めてその頭を上方向に撥ね退ける。そして、右の拳に光のエネルギーを集中させると、メルバの胴体に思いっきり叩き付けた。
「フンッ・・・!ヘアァッ!」
エネルギーを纏った拳によるパンチ、ジェネレードナックルの直撃を胸部に受けたメルバは大きく怯む。そして、ネクサスは飛び蹴りをメルバにお見舞いした。
「デアッ!」
だが、メルバもやられっぱなしではない。ネクサスが着地した瞬間を狙い、嘴による突きを繰り出す。ネクサスは上半身を振って回避するが、次の瞬間に両手の爪で攻撃してきた。
スラッシュクローによる斬撃が胸部に直撃し、火花が散る。更に、山吹色の光弾であるメルバニックレイを至近距離から浴びせられ、ネクサスは後方に吹き飛ばされてしまった。
そのまま、メルバは翼を広げて飛び上がると、倒れているネクサスを目掛けて得意の空中殺法を見舞おうとする。ネクサスに迫るメルバの急降下しながらの蹴り。だが、両足による蹴りが直撃する前にネクサスは起き上がり、前転で回避した。
メルバは反転して再び空中殺法を繰り出すが、ネクサスはすでに待ち構えており、メルバはその両足を掴まれてしまう。
「フンッ!」
ネクサスは足を掴んだまま、メルバにジャイアントスイングを行い、そのまま投げ飛ばす。メルバは、地面に叩き付けられた。
「ピャアァァァ!?」
その後、起き上がったメルバはフラつきながらも空に飛び上がり、逃走を図ろうとする。それを逃がすまいとネクサスも飛んだ。空を駆ける銀色の流星は高速でメルバを追う。メルバはメルバニックレイを放って迎撃するが、バレルロールで回避されてしまった。
「ディア!」
ネクサスは高速で飛行する勢いのままに突っ込み、飛び蹴りでメルバを撃墜する。メルバが墜落した直後、ネクサスも地面に着地した。
「ウオォォォ・・!ディアァァァ!」
ネクサスは両手の間にスパークを走らせた後、両腕を十字に組んで赤みがかった白い光線、クロスレイシュトロームを発射する。それを受けたメルバの体は小規模な爆発を何度も起こしてバラバラに粉砕され、その破片が異世界の大地にばらまかれた。
メルバの死を見届けたネクサスは人々の方へ振り返ってサムズアップすると、何処かへと飛び去って行った。
「ウルトラマンが勝ちましたね!伊丹二尉!」
倉田は興奮の混じった喜びの声を上げる。
「倉田、本物のウルトラマンを見て興奮するのは分かるんだが・・・」
何故か、伊丹の返答は暗い。彼自身、ウルトラマンと怪獣の戦いに興奮していた。だが、いざ戦いが終わってみれば、現実が伊丹を襲った。その現実とは・・・
「だが?・・・」
「どうやって上に報告するか、悩みどころなんだよな・・・」
まだ、炎龍と避難民に関することだけなら報告は楽だった。しかし、そこに怪獣とウルトラマンの戦いという、銀座のゲート以上に非現実的なことが転がり込んできたのだ。
炎龍を追い払ったと思ったら怪獣が乱入し、更にウルトラマンまで現れて怪獣を倒して帰っていった。そんな報告、誰が信じるだろうか?
伊丹は報告に悩みながらも、炎龍の被害を受けた避難民達に対する救護活動を指揮する。なお、上への報告に関しては、連れて帰った避難民の証言と桑原曹長が何枚か撮っていた写真によって行われた。
この日、人々はそれを見た。あの炎龍よりも強大な龍を倒した銀色の巨人を。避難民の1人がまだら模様の兵士達・・・自衛官から聞いた話によると、その巨人はウルトラマンという名前らしい。特地では、この避難民達を中心にウルトラマンに対する信仰が始まったという。
少し離れた場所に一筋の光が降り注ぎ、そこからノアの人間態であるノアールが実体化する。直後、彼は背後に気配を感じて振り返る。その目線の先には、木に寄りかかるロゥリィの姿があった。
「ねえ、ノアール。あれが本当の姿なのぉ?」
「いや、違う。力の半分も出していない。あれは不完全な姿に過ぎない」
ノアールは否定する。あの姿は、ノアの不完全な姿であるウルトラマンネクサスの初期形態、アンファンスなのだから。メルバとの戦いではジュネッスへの変化もしておらず、彼は本気を出していなかった。
「その内、本当の姿を見せて欲しいわぁ」
「多分、世界が滅びそうな時に見られるかもな」
彼がウルトラマンノアの姿で戦うのは、世界を軽く滅亡させるような存在と対峙するときか、宇宙全体の存亡に関わる事態といった場合だ。
「ロゥリィ、聞いておきたいのだが」
「何?」
「あのような怪獣は他にいるのか?」
メルバの存在から、ノアはゴルザやゾイガーといった超古代怪獣の存在を予想していた。仮に邪神ガタノゾーアが関わっていた場合、ノアの姿で戦うことになるだろう。
そして、ロゥリィは口を開いた。ノアは、彼女の話でこの世界の過去を知ることになる。