転生したので竜王を目指そう 作:じいじ
前半部コピ→推敲
3/10 一部修正
ガブリアスは僕たちにとってオヤブンのような存在で、お兄ちゃんみたいな存在だった。
他のポケモンと違ってとっても賢くて、でも誰よりもバカみたいに強くなることに執念を持ったガバイトだった。
あのとき、僕たちフカマルの中には洞窟のオヤブン筆頭であるクロバットに突然楯突いたことに不満を感じているものは少しだけいた。だって今まで何の不自由もなく暮らせてたんだから。それをいきなり壊されて危険に晒されるなんてことになったら誰でも不満を感じるに決まってる。
でも、そのことへの贖罪のためにか毎日外でコウモリたちやネズミなどを取ってきてくれて、見捨てずに襲われないよう、上手な隠れ方を教えてくれたりした。もちろんそれで不満が解消されるわけではないけど、僕たちは弱いポケモンだから強いポケモンの言うことを聞かないと生きていけない以上、歯向かえなかったよね。ガバイトがもし、クロバットに負けていたら大変な恨みを買っていただろうけど。
それでも毎日洞窟内でコウモリと戦ってほぼ瀕死になるまで食料を集めてきてくれた。そんな風に献身的に僕たち弱いフカマルに寄り添ってくれたガバイトに対して不満を抱くような恩知らずは穴蔵の中に存在しなくなった。
日々傷ついてでもコウモリを狩ってくる姿に何度も皆んなで冷や冷やした。それが贖罪のためでもあり、強くなるためでもあり、最終的に僕らを思っての行動だということにはわかっていたけど、他者、それも弱者のために自分を犠牲にする姿に惚れた。
だから僕は常に穴蔵の入り口にいて、帰りを待った。
名誉の傷にならないよう、早く治るようにと薬草を何度も塗った。
時には働き過ぎなその姿に何度も留まるように促した。
最初は罪を超えて、恩をあまりあるほどに振る舞ってくる彼へと報いるためだった。いつしか、それはポケモンの生殖本能へと切り替わってしまったけれど。
洞窟の壁が崩れるような音がし、地面が揺れ、天井から岩石がいきなり降ってきたときには流石に彼を心配した。でも、それ以上に彼を信頼していた。
どのガブ族よりも気高く、どのガブ族よりも賢く、どのガブ族よりも戦闘を愛し、強さを求める彼の生意地の悪さを信じていた。どれ程絶望的な状況であろうと、氷を被ったとしても生きると確信していた。
僕の考えは正しくて、彼は姿を真っ黒に変え、更に大きく頑強になって帰ってきた。
その目は歴戦の猛者と言うにも足りないほどに鋭さを持ち、死地を超えた英雄のごとき生命力が地肌で感じられるように思った。
その肌の黒色は度重なる怪我による瘡蓋が何枚も折り重なって屈強な鮫肌へと昇華したかの様で、圧倒的なプレッシャーを放っているように思った。
その棘は水色で、ガブ族の最も恐れるこおりという弱点を克服したかのように夥しい冷気を纏い、内部にある発熱機関と外部の冷却機関が共生し、他にはない唯一無二という存在感が気高さを一層高めたように思った。
その屈強な肉体はガバイトのときの2倍はある。一度に脱皮を10回繰り返したかの如くであり、その異端さは一転神々しさを手に入れたかのように思った。
最初に見たときはガバイトではない、全く違うなにかだと思ってしまうほどに変わり果てた姿に心底驚いたが、第二の進化というほとんどのフカマルが達成し得ない悲願を成し遂げたのだと理解した。
それはかの伝説の龍、レックウザの色違いとも見間違う黒であり、そこからオヤブン、いや、王の誕生を見出し、フカマルたちは歓喜した。
王の凱旋はそのまま続行されることは無かった。
王とそのトレーナーとの闘いは熾烈を極めた。
トレーナーの打つ絡め手を王が知恵と暴力で解き、王の破壊をトレーナーとそのポケモンたちは何とか受け流していた。
結果は残念ではあったが、トレーナーの王に勝るとも劣らない戦術性の高さ、一対一で戦闘する律儀さには脱帽してしまった。
ダイケンキ、カビゴン、ムクホーク、エンペルトどれも強く、上手いバトルを演じた。
僕は護られるだけの存在で、このままでも彼の庇護下にいれば種の本能である、生きながらえることと子孫を残すことは容易に出来るだろうと考えていた。だから、彼の下で暮らすことに甘んじようとしていた。このバトルの熱を感じるまでは。
ダイケンキのように能力で勝てなくとも次に繋ごうと足掻く強さを感じた。
ムクホークは王の権能を何度も回避した。迫り来る岩石の濁流に飲まれることなく健気に避け続けた。避け続けることは出来なかったが遥かに格上の相手をあれだけ翻弄するのは旅、というものの成果なのだろうか。
エンペルトは他のガブリアスとは弱点が異なる王相手に効果の薄い技を使っていたものの、僕であれば一撃で伸されるような一撃を何度も放つ持久力、そして王の最高峰とも言うべきあなをほる技術に対応し、耐えることができた忍耐力を素晴らしいと思った。
カビゴンは他の種よりも大きいものだった。だが、それに驕っていたのか明らかに他のポケモンと比べて、ナニカが劣っているように感じた。王はそれがなにか分かっていたのか軽くあしらって、明らかに他のポケモンよりも軽く見積もって戦っていた。
ポケモン一匹ごとに役割があり、作戦があり、トレーナーの愛があった。
それは一心同体とも言うべきもので、そこには対等に闘うという絆があった。
それは王と僕たちとは真逆のカタチで、一瞬体が燃え上がるように熱くなった。
王に並び立ちたい。王とともにありたい。頼るだけでいたくない。
どうすればそれができる?
簡単だと、心のどこかで声がした。
僕は敗れて落ち込むトレーナーの下へと向かい、走った。
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そのガブリアスはそのクロバットにとって恐怖そのものだった。
漆黒の肌をもつガブリアスは親分であったクロバットの体を傷つけて決着するのではなく、心を折ることでオヤブンとしての能力を消失させ、周りのコウモリたちの自我を蘇らせたのだ。
そもそもオヤブンとは同種の他のポケモンに比べて圧倒的な力を持ち、それに応じた支配力を持つ存在のことを指す。ポケモンは余程賢くない限り知恵を持つものの、その知性の本質は本能であり、本能に従って動く動物である。ポケモンの本能は強いものに対して逆らうことができない。それ故にコウモリたちはクロバットに逆らうことが出来なかったのである。
そして、コウモリたちは本能によってクロバットに支配された状態であり、人形のように動かされていたものの自我は確かに内面に存在していた。強者に対する盾として利用され、囮として利用されたうえでなおクロバットの味方をするようにバカなものはさすがにいなかった。
また、クロバットの心を先に折ったのは最善手であろう。心を折ることによって本能によるクロバットの威圧感などが大幅に減少し、支配力が弱まった。それによってコウモリたちの自我は解放されたのだ。
あのタイミングでクロバットの心を折らなかった場合には、支配されてクロバットの思うがままに動くコウモリたちを皆殺しにするというとても面倒くさい選択をしなくてはならなかった。そうなるとガブリアスの方も体力やスタミナを大きく削られてしまっていたところだろう。
オヤブンによる支配の仕組み、クロバットの配下のコウモリたちの内情を考慮した上で絶望を乗せた攻撃をしたのであれば森の賢人と同等の知能を持ち得ると考えられる。
かつてクロバットとともにヒスイを巡ったクロバットはクロバットよりも強いモノたちと戦い、敗走し、運良く生き残った。強いモノそれは他のポケモンの上位種である変色種。古来からたまに色が変化するときの色と違って、その能力は通常の種の3倍は高いと言われている。
洞窟の変色種ゴローニャ、雪原の変色種、島の変色種や峠の変色種などと変色種という選ばれし上位種、それらの中でも、それ以上の力を持ちながら森の賢人や、伝承に刻まれ人の間で語られるポケモンのような知恵を持つ。それは怪獣の王足らん資質を十二分に持ったポケモンであるだろう。
ポケモンは本能に従って生きているために、強いものには絶対服従であるはずなのだ、なのにこのガブリアスに対してはクロバットのごとき屈するような支配ではなく、自由の保障されたものだ。ガブリアスの命令は絶対ではないということだ。だがしかし、屈するような力を彼からは感じないが、包み込むような愛を感じることができる。自分たちよりも圧倒的に格上な彼からの愛着を感じられる以上配下は誰も無為にはできないために他と異なる支配力を持っている。支配されているのは分かっているが、苦しかったり、嫌悪を感じたりすることはない。
我らコウモリは竜王とともに
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洞窟を出た先に広がっていたのは小さめな湖と林だった。
湖にはゴルダックやコダックが集まっている。コダックが向かい合って首を傾げ合っているのがなぜか微笑ましい。ゆっくりと時間を過ごすように見えるコダックに対して、ゴルダックはストイックだ。
ゲームの説明でもあったように水面を泳いでいるが、めちゃくちゃ速い。それも数匹が競い合うように泳いでいるせいで波が発生して、コダックが何匹か巻き込まれている。
ポケモンがシステムに囚われていないところを現実に見ることができると思わなかったが、これは楽しい。今まで特定の技を繰り出したり、反応をしたり、連れ歩きをしたりしか出来なかった分感動を覚えるあまりだ。リアルポケモンスナップみたいでとても良い。
反対側の林にはパラセクトやパラスが見える。緑が鬱蒼と生い茂る林に真っ赤なきのこと虫が見える様は、ギャップで目が痛くなりそうだ。
ポケモン鑑賞はここらへんにして、闘争を求めて移動する。もちろん空を飛ぶ方が早いのだが、やはり歩いてポケモンの世界を旅することにGOのようなワクワクを感じる。俺が近づけば皆いなくなってしまうが。
トレーナーと戦って思ったことではあるが、やはり俺の今の力だけではフカマルたちを守り切ることができないということに気付いた。もちろん、クロバットを倒すことが出来たという慢心を感じていた上の話ではあるが、まだまだであることを実感できるバトルだった。
ポケモンの視点からのバトルではどうしても主観に頼った闘いになってしまう。その点においてはトレーナーと共闘するほうが、二つの視点からバトルできることがよい。相手の使いそうなわざや、有効的なわざ、その使い方なんかを指示してくれることは、バトル中に余計なことを考えず体を動かすことだけに集中するということに繋がる。もちろん、賢い個体でなければポケモンが考えず、トレーナーの指示にのみ従うようになってしまうという欠点もありそうではあるが。
つまり、今俺に必要なのは相手の情報を伝えられるほど意思の疎通ができる上で、それを理解できる一定の知能がある相棒である。
人でも良いが、この世界の人間はポケモン、それも大きいやつや強い気配がするやつは倒すべきだと考えている節がある。トレーナーのようにいきなり襲い掛かられる可能性があるし、集団で行動することが多いのであまり関わり合いたくないというのが本音だ。あいつらトレーナー3人くらい用意して、ゾンビ戦法とか普通にしてきそうだし。
と、ゴルダックに威嚇されながらも優雅に移動しているとクロバットよりは弱いものの、強くてデカいやつのオーラが感じられた。強くてデカいやつは多分、普通の種にはないオーラを持っている。俺がいた洞窟にはナマズンとクロバットがそれを共通して持っていたので可能性は高いと思う。
目の前に現れたのは大きなガーメイル。距離は10メートルほど、そいつの大きさは通常の3倍はデカい。こちらをじっと見つめて、待機している。今のところ、クロバットのように同じ種を犠牲にするために操ったりするようなことはしていない。
確かガーメイルの属性はひこう むし。ストーンエッジが最も効くはずだ。でも、ここは洞窟外だから天井から生やしたりだとかはできないため、飛んでいる敵に当たる確率は下がる。また、相手がいきなり必殺技のような一撃を放ってくるとも限らない。ここは受け身の方が良いだろう。幸いにも、俺は成熟した人間の精神を持ってる。我慢勝負なら本能に生きるポケモンには負けん!。
案の定ガーメイルは我慢できなくなったのか、羽を羽ばたかせ銀色の鱗粉を纏う。風を巻き起こすことで鱗粉が運ばれてぎんいろのかぜになる。
やはりそこまで痛くない。
やはりガブリアスボディは優秀だ。主としてのステータスが高いがために鍛えて伸ばしたときの伸びもすごい。ゲームで言えばクロバットを倒した影響で八十までレベルが上がっているのではないだろうか。
しかし、ここは現実世界。一回行動するだけで終わりなんてことはない。ガーメイルはぎんいろのかぜが思いの外効いていないと判断したのか体を黄色く発光させ他の技を繰り出そうとしてくる。
あの黄色のような黄緑色のやつはクロバットの放った光線と似た色だ。威力は相当なものになるに違いない、好きにはさせまい。
飛ぶガーメイルに向かって、空を切って接近する。ガーメイルは蝶タイプの虫ポケモン。翅を凍らせ、落としてしまえば柔らかいだけだ。
冷気を手に纏わせて殴りかかる。もちろんガーメイルもただで食らえばオヤブンではない。当たれば即死であるために、必死に避ける。黄色い力を溜める余裕すら作らせない。
右、左と連打していく内に手に纏わりついた冷気の寒さによってかガーメイルの動きが鈍ってくる。ガブリアスになり、鍛えたことで身についた動体視力でガーメイルの転生前なら分からないだろう細かな弱点を突く。そもそも人であればここまで速く動けなかっただろうが。
冷気が羽に直撃したことでオレンジ色の羽の動きが徐々に遅くなり、ついには落下する。やはり、空を飛ぶポケモンは落とされてしまうと弱い。なんでうちおとすがゲームの世界では弱かったのかわからないくらいだ。
しかし、経験値というものを得れる量は少なかったようだ。どうしてもクロバットを倒したあととなると弱く感じてしまい、自分が強くなったという実感も湧いてこなかった。弱いポケモンを倒すのは蹂躙にしかならない。それは自分の求める強さにも繋がらないし、心が痛むだけだ。これから先は同格かそれ以上の相手とは挑まれない限り、極力闘わないようにしよう。空腹を感じてしまった場合は生きるために仕方がないと割り切る他ないが。
自分よりも弱いポケモンを殺してしまわないように気をつける。見つけられないことが最も楽に素通りする方法だが、そんな高度なことは一朝一夕にはできないし技術もない、その上この巨大さであるためほぼほぼ不可能である。しかし、ポケモンたちは俺の強さを本能的に理解しているのか、はたまた先程のガーメイルとのバトルを見ていたのか、バトルを挑んだりはせずにじっと隠れているか、少し警戒しているかのどちらかに徹している。
わざわざ勝負を挑んだりなどせずにどんどん前に進む。
階段のような段差を登っていくと左右分かれ道がある。右には巨大なハガネールの姿がみえている。だが、左からはその倍は強いポケモンの気配がする。
目に見えて強そうなものを選ぶか、本能的にそれの倍は強そうな方に行くか。
数秒悩んだ後、今必要なことはより強いモノとの勝負だと結論づけ、左に曲がる。左側には橋が掛かっており、水飛沫から滝があるのがわかる。レントラーやリングマが群れを守るためか威嚇している。レントラーは見た目の通りライオンのような生態をしているがために群れで行動しているようだ。リングマはアニメなどで見るように数匹のヒメグマを連れた群れを形成しているようだ。リングマの威嚇する姿は凄みを感じられるが、ヒメグマが逃げ惑ったり、一緒に威嚇しているのが可愛い。
橋を渡り、さらに上への強者へと繋がる方へ向かう。
その坂は岩が飛び散りまくっており、撒菱を撒かれているかのように歩きづらい。また上の方からゴロゴロと何かが転がってくるような音がずっと聞こえてきている。
『グオグオーン』
現れたのはゴローン。明らかに俺よりも弱いのに、やる気満々でころがるをしてくる。早技に驚くが、さすがにゴローンの素早さで出される技を避けられないはずがない。正面から転がってくるゴローンを横に避けて冷気を纏わせた拳で殴りつける。
「ふん、迷いの洞窟から現れた変色種か。どこで生まれたか分からんが、俺が王になるための礎となれ。」
ゴローンを一発殴りつけ、息の根を止めると声が聞こえてきた。それを合図にするかのように辺りの揺れが一気に激しくなっていく。
奥から聞こえて来るゴロゴロと転がる音も、さらに増して大きく近くなってきている。
声のした方を見上げると、そこにゲームでの通常色や、色違いとは違い深海のような紺色のゴローニャがそこにいた。色だけではなく、大きさも規格外である。
ゴローニャに目を向けていると、さらに転がるような音が近づいてきてその正体が明らかになった。大量のゴローンがこちらに向かって転がってきていたのである。その数は洞窟で見たコウモリの量と同等で、巻き上がる砂埃が現代の排気ガスのように真っ黒になっている。
さすがにあの量のゴローンの転がるを喰らうとタダでは済まないと攻撃せずに羽ばたいて回避する。
「お前、もしかして喋れねぇのか?そうか、まだ生まれたばっかのやつか。大変だなぁ、いきなりこんなことに巻き込まれて、ま、恨むならクソ創造神を恨んでくれや。また次の来世に期待しな」
ゴローニャがねちねちと喋りながら、魔法のように辺り一面を凍らせる。剥き出しの岩肌も、転がっていたゴローンたちもすべてが凍りつく。
こいつも仲間を犠牲にするクソ野郎か?
コウモリたちが言うには群れの通常のポケモンは主に逆らうことが出来ないらしい。自ら死にに行こうとするような死に急ぎなんて、生きることを目標とするような動物がするようなことじゃない。それにポケモンは動物のなかでも知性が高く、情緒がある。ほとんど人間と変わらない存在だ。つまり、矯正されない限り、自ら嫌々死ぬことはない。
「あ?ゴローンどもに対して怒ってんのか?ハッ!良いご身分だな、お前さんは良い群れに産まれたんだろ?心底信用してんだろ?」
当たり前だ。フカマルたちは最初こそ俺のせいで余所余所しかったが、最終的には家族みたいな関係をつくりあげることができた。信頼しないわけがない。
「ふん、俺が育った群れは地獄だった!産まれたと思えば群れの長に必要ないゴミだと決めつけられ、戦うことを強制され、その結果ある程度必要な戦士と認められても、周りからの裏切りを味わい、常に競争させられてきた。」
「俺はな、王になってこの世界を地獄に落とすんだ。知性のかけらもないポケモンなんていう存在をこの世から消してやる」
ポケモンに知性はあれど、基本的には弱肉強食、強い奴がなんでも許されるのは自然の摂理だ。
このゴローニャは信頼できる仲間がなく、安心できる環境もなかったのかもしれない。そう考えると、俺の育った環境は自分で壊しただけで相当良かったのでは?今考えても無駄かもしれないが、クロバットたちもフカマルを襲っていなかったし…、まあ過ぎた話は水に流そう
創造神、アルセウスか?
疑問点を整理していると、氷が蠢き出した。
どうやら、一面を氷一色にしただけでは足りないらしい。
「お前さんの事情なんかどうでもいいが、せいぜい楽しませてくれよ!」
一面に張り巡らされた氷が波のように揺れ、蠢き出す。空気が凍りつき、氷が津波のように押し寄せてくる。
発熱機関を暴走させ、荒ぶるような熱を身体中に巡らせる。ポケモンかつ俺の今のボディだからできる無茶。体の奥底から湧き出る炎を喉で必死に放射しないように押さえつける。
まだ、まだだ…今!
ゴローニャの操る氷と、俺の放出した炎。二つがぶつかり炎が氷を溶かし尽くす。しかし、氷の多さはさながら海であり、一点に一直線に放出される炎では止めることができない。
一瞬、ゴローニャの位置を確認する。相変わらずこちらを復讐に燃える瞳で冷え冷えとした目つきで見てきている。ポケモンも人と同じなのだろう。育った環境や、その才能で性格や生き方は簡単に歪められる。本当ならこのゴローニャは群れと共に穏やかに過ごしていたのだろうか。
体全体を巡る余熱を一気に放出し、ストーンエッジで自分を覆う。
氷が視界一杯に広がろうとしたところでの、ぎりぎりな防壁だが、攻撃の手を緩める必要はない。
発熱機関、冷却機関に次ぐ、もう一つの俺のチカラ。アニメやゲームどのポケモンでも見たことがない俺の必殺技。心臓に宿るそのエネルギー源を意識的に稼働させる。体に力が漲ってくる。フカマルたち曰く、この状態になると赤黒く発光し、とにかく貫禄が増すらしい。
暴走状態になりそうな力の奔流を一つの光線に纏めて、ゴローニャのいた方向へと一閃する。
赤黒い光線、俺のはかいこうせんが氷の世界に釘を刺し、大穴を開ける。経験値を得たからか、クロバットのときよりかは制御できるようになった光線は前よりも細い分、力が濃縮されている。
もちろん、ゴローニャには当たったようだが、消し炭になるのは避けられたようである。もっとも、もう長生きはできないだろうが。
「ぐっ、ちっ!てめえ、強えやつか。初戦から、こんな相手と、舐めてやりあうんじゃなかったぜ」
ゴローニャの左半身は完璧に消失してしまっている。もう長くはないだろう。
「ちっ、てめえらポケモンなんてクソ喰らえだ。死んじまえ」
ドラマや漫画などの創作のようなバトルや終わりなんてないのかもしれない。ただ、俺にあるのは生き抜いて仲間たちを守る力を得ること。生きるために派手な戦闘は必要ないことだし、ポケモンもターン制ですぐ終わるからこんな感じなのか?
派手な戦闘ができなかったことに不満を抱きながらも、他者の中で初めて喋るポケモンと出会った。そして、それを殺めた。それは人を殺めることと何が違うのか、自分がどうなりたいのかを徐々に歪められている気がする。
でもこの世界を生き抜く必要があるのであれば、王のように強くなるしかないのだろうか。
目的は生存と仲間の保護。りゅうおうの誕生まであと少しである
変なところあったら教えて下さい。結構適当なので歪みがありそうです。
戦闘シーンの下手さを合理的にしてみた。戦闘シーンを上手くなりたいし、早く投稿もしたい。まさに板挟みですが、少しずつ戦闘も描いていきたい。
批評はむしろご褒美(ドM)
エーミールは深夜テンションでやってしまったので、もちろん消しました( ̄^ ̄)
もとのやつは3/4中削除します