あれから1か月が経過した。イチカ達は束をあっちの世界に連れていったり、デンボクのやらかしを聞いた束が何処からか持ってきたにんじんドリルで頭を打ち抜こうとしたりするなど色々あったが、今ではゆっくりとした生活を送れている。
「カタナちゃん!ヌメルゴンちゃんが出なくなったんだけど!?」
「何したの!?」
「いやぁ、殻をちょっとだけ…」
「そんなドリル持ってたら怖がりますよ!?」
「束様…」
「…騒がしいな…」
そんなことはなく、騒がしい毎日を送っていた。
「…」
「パルキア」
「ギャバァ(ここら一体の空間は捻じ曲げて見えなくしている。派手にやっても問題はない)」
「流石神様…やることが違うな」
何故ポケモンの言葉がわかるかはまぁ置いといて、そんなこんなが起きている中、束がある話をした。
「VTシステム?」
「ヴァルキリー・トレースシステムって言うシステムでね。そのシステムは簡単に言えば、ちーちゃんになりきるって言うシステムなんだけど…」
「けど?」
「使用者は死ぬ。必ずってわけじゃないけど…そのシステムがドイツのある子のISに組み込まれてるから破壊してきて欲しいんだ」
「…気に食わなかったってこと?」
「うん…というか、IS自体宇宙で活動するために作った技術だからね…そんなガラクタつけられちゃうのは、私としては嫌だからね」
「…イチカだけで行く?」
「?良いのか?」
「うん、私はヌメルゴンをなんとかしないと…」
「あはは…頼むわ」
「なら、正体はバラしちゃダメだよ?正体をバラさずにすれば突如現れた謎のIS!みたいな感じの方がカッコいいし、あの屑にバレてほしくないからね」
「…分かった」
イチカはそう言って龍式を装着すると、IS学園へ向かった。
ー
IS学園では今、混乱が起きていた。ドイツから来たラウラ・ボーデヴィッヒは箒と手を組み、イチカの兄 春馬とシャルル・デュノアと戦っていた。連携を取らずに戦う彼女はやがて劣勢になり、最低限の連携ができている二人に敗れかけた時、VTシステムが作動してしまったのだ。
そうした中、箒達はなんとか収めようと戦うが全く相手にされず、途方に暮れていたとき
何もないはずの空間から、一瞬にして龍式が現れた。
(…そこまで似る必要があるのか?)
イチカは周りを見ずにVTシステムに囚われたラウラを見る。そして、
(助けてやるよ、黒兎さん)
無限を構え、一瞬にして右手首を切り落とした。
「…早い…」
誰かがそう呟いた。だが、その言葉はイチカに届かなかった。