VTシステムは強い。
そりゃそうだろう…なんたって、世界最強の女を真似て作った、使用者の命を全く考えないシステムなのだから…
だが、それでもイチカの方が上だった。
イチカはVTシステムの動きをある程度把握すると、徐々に回避時の無駄な動きを減らしていく。当たりそうな攻撃も、反物質で守ることで防御とカウンターを両立させる。
「…よし、ならあれやるか…時空転…時!」
すると、胸部にダイヤモンドが現れ、色も青色に変わる。
『psychic power』
そして、VTシステムの動きを封じるとVTシステムに手を翳すとVTシステムのヘドロ?が段々と消えて…いや、戻っていきやがてラウラが現れる。そして、手を下ろすとラウラが地面に倒れ込んだ。
「…」
イチカはラウラの容態を確認すると、時空転の空の力…つまり、パルキアの力を使い、その場から離れた。
ー
「帰ったぞー…」
「おかえりー…」
「…ヌメルゴンは?」
「なんとかしたわ…はぁ、さっきまで寝てたから眠たい…」
「家事とかはやっとくからまだ寝とけ」
「うん、そうする…」
カタナはそう言って再びソファで寝る。
「…しかし、箒も元気そうでなによりだな…クソ兄貴も元気なのは癪だが」
イチカは、あの戦いの最中に見えた箒達を見るとそう呟いた。
ー
「…ラウラは大丈夫なの?」
「あぁ、すぐに復学できるらしい」
「それはよかったです…あぁ、あの人がラウラさんを救ってくれたなんて…」
「…あの人?まさかセシリア…あのISの正体を知ってるのか?」
「いえ…ただ、私はあのISの方に助けられたのですわ…あの時の姿は今でも忘れませんわ!」
「そうなんだ…でも、強い…というか、めちゃくちゃよ、あれは」
「あぁ、あの黒い何かで防いだり…一瞬で消えたり…あれは本当にISか?」
「だと良いんだけど…そういえば、彼は?」
「春馬か…相変わらずだな、もう救いようがない…」
「はぁ…私、あのような男性は嫌いですわ」
「私もよ…あいつ、一夏をよく虐めてたからね…マジで許さないわよ」
「元から性根が腐っているからな…」
「あれは…これからずっと足を引っ張り続けるタイプだね」
「…今後の課題…というか奴だな…」
IS学園で専用機を持っている凰 鈴音とセシリア・オルコット、シャルルことシャルロット・デュノア、そしてイチカの幼馴染の篠ノ之 箒は食堂で昼食を食べながら話し合う。
すると、箒は外を見た。
(一夏…どこにいるんだ…?)
外を見ていた箒の表情は、どこか悲しげであった。