「…束さん」
「ん?どうしたの?かーちゃん」
「…お母さんみたいに言わないでください…」
「で、どうしたの?」
「…私の妹のことなんですけど…」
「あー…」
夜、束の部屋に来たカタナは妹のことを聞いた。
「…まぁ、こう言うのもなんだけど…かなり無理してるんじゃないかなぁ…」
束はそう言いながらカタナの妹 更識 簪について話し始めた。
「かーちゃん…かっちゃんでいっか。かっちゃんの妹さんは楯無の名を受け継いじゃって、結構頑張ってるけどかっちゃんから聞いた性格と合わせると…かなり無理してる感じだね」
「…やっぱり…」
「今は新しく作り上げた打鉄の後継機で日本代表候補生や更識の長として頑張ってるみたいだね」
「…」
「…自分が巻き込まれてなければ、なんて考えちゃってる?」
「…はい」
「…思っちゃうのは仕方ないけど、もしもなんて考えない方がいいよ。辛くなるだけだから」
「はい…」
「…そういえば、束さんって箒から新型専用機の製作依頼来てなかったっけ?」
すると、いつのまにか横にいたイチカがそう言う。
「…いつの間に!?」
「最初から聞いてたよ」
「とりあえず、完成はしたよ…そうだ、2人には護衛で付いて来てほしいんだけど」
「…どちらかと言うと、カタナだけで良くないか?俺は…目立ちまくったし」
「…うーん、形を変えたらどう?」
「…フルで使わないのとあんまり変わらないんですが」
「それでいいじゃん」
「…なにが起きても知らないですよ」
そんな会話をしながら、時間が過ぎていった。
ー
「…お姉ちゃん…」
IS学園の日本代表候補生の更識 簪はベッドに座りながら外を見る。
思い出すのは、姉のことである。いつも自分より強く、自分を引っ張った姉。自分より楯無の名が相応しかった姉は、ある日急にいなくなった。まるでそこになにもいなかったかのように。
結局は、私が楯無の名を受け継ぎ、日本代表候補生としてIS学園にいる。
「…辛いよ、お姉ちゃん」
私は、姉から貰った耳飾りを握りしめて涙を流しながらそう呟いた。
ー
「…簪ちゃん?」
カタナはふと妹の名前を呟く。
「どうした?」
「…なんでもない…と思う」
「…やっぱり、私が作った無人機設定なら」
「喋っちゃったよ俺?」
「じゃあ私が雇った護衛しかないじゃん!」
「…それでいいんじゃあ…」
「…俺、絶対喋らん」
「…というか、バラした方が」「「そう言うのはあとでの方がいい!」」「…はい」
何故かそんな会話がされていた3人。
IS学園とまた会うのはもうすぐそこである。