ゴジラ バーニングブラッド feat.リバイス&トリガー   作:ホシボシ

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第11話 Alive

 

ゴジラが前のめりに走だすと、スペースゴジラも同じように走った。

迫る距離、二体の怪獣は両腕を前に出して掴み合った。

スペースゴジラはゴジラの腕を粉々に粉砕するつもりだったが、どれだけ力を込めてもビクともしない。

そうしているとゴジラは足を振るいあげてスペースゴジラを蹴った。

衝撃が響く。さらにゴジラはスペースゴジラの首に噛みついた。軋む音、ゴジラが首を振るうとガチリと音がして、スペースゴジラの一部を食い破った。

 

 

「……! ナノロボットの連結力は極星の力でより強固になっているのに!」

 

 

バイラスが思わず前のめりになる。

スペースゴジラは細長いレーザーを発射してゴジラの顔面に当てた。

ゴジラは目を細めたが、逆に言えばそれだけだった。

尾の方から、背びれが青白く発光していく。そして徐々に光が上にあがっていき――

 

ゴジラが口を開くと、青いレーザー、『青炎熱線』が放たれた。

それはスペースゴジラの胸に当たると強制的に押し出していく。

ビルがあった。スペースゴジラはそこへ直撃。踏みとどまろうとするが、つま先が浮いて浮き上がった。

ビルと共にスペースゴジラは倒れる。さらに倒れたビルは次のビルを押して、そのビルも倒れ、近くにあったビルに寄り掛かった。

まるでドミノのように。

 

「ゴオォォォオ!」

 

しかしよく見れば、倒れていたのはスペースゴジラの『下半身と肩』だけだった。

上半身がゴジラの目の前に現れると、鋭利な爪で喉を貫こうとする。

しかしその時、ゴジラの全身が光ってスペースゴジラの体が消し飛んだ。

エネルギーを体内で爆発させて衝撃波として拡散させる技、ブルーバーンだ。

ゴジラはさらに熱線を撃ってスペースゴジラの下半身を狙った。

ビルが爆発する。

 

しかしビルだけだ。

下半身は粒子となり熱線を回避、そのままゴジラの背後で実体化した。

ゴジラはそれを察して尾を振るう。しかし二度三度と往復させても空を切る感触、ナノロボットが尻尾の動きを完全に捉え、直撃しないようにズレているのである。

 

そうしていると、前方から二つのクリスタルが飛んできた。

ゴジラは迎撃しようと熱線を放つが、クリスタルに当たると反射されて逆にゴジラを傷つける。

大きく怯んだところへ激突するクリスタル。

ゴジラは鳴きながら地面に倒れた。

 

「ゴォォオ!」

「ギャアオォ!」

 

スペースゴジラはゴジラの体に足を乗せた。

そうやって固定して、口を開いて光を集中させる。

コロナビームでゴジラの頭部を炭に変えるつもりだったが、発射の直前でスペースゴジラの頭部が粒子化して攻撃は中断された。

回避のために粒子化したのではなく、強制的にそうなったのだ。

飛んできたのはモスラである。彼女が羽ばたいたことで突風が生まれ、それが連結を吹き飛ばすに至ったのである。

 

モスラはさらに大きな羽を振るった。

緑色の竜巻が生まれ、粒子の連結を遅らせる。

しかしその時、一部の粒子が風を抜け出し、影響を受けないところまで離れて収束していく。出来上がったのはスペースゴジラの頭だ。

それも五つ。それらが一斉に赤いレーザーを放った。

 

しかしゴジラは跳ね起きており、モスラを抱いて後ろを向く。

背びれに当たる五つのレーザー。ゴジラが苦しげに唸った。ダメージはあるが、同じくして青く光る背ビレ。そこからも青い光線が放たれ、五つの頭を消し飛ばした。

そこでモスラはゴジラの手から離れて再び風を起こす。

ナノロボットたちが吹き飛ばされて、多少の時間稼ぎくらいはできそうだ。

 

 

「ヴィア゛アアアアアアア!」

 

『キシィイイイイイイイイ!』

 

 

少し離れたところでは、アンギラスがガイガンに向かっているところだった。

基本的には四足歩行だが二足歩行もできるのか、アンギラスは加速と共に立ち上がって後ろ足で進んでいく。

 

ガンガンの目が光った。

そこでアンギラスは体を捻りながら跳ぶ。

怪光線を鱗甲板で受け止めて反射し、ガンガンの体が爆発した。

さらに怯んだところに、振るった尻尾が直撃する。

 

ガイガンはバランスを崩して近くの建物に寄り掛かった。

怒るようなリアクションを見せると、腹部にあるノコギリが激しく回転する。

一方で着地したアンギラスはそのまま飛び上がり、体を丸めた。

ボールモードになってガイガンに向かっていき、ガイガンもまたノコギリを当たるようにして飛行した。

 

両者が通過した時、ガキンと硬い音がして火花が散る。

着地するガイガン。

アンギラスもボールモードを解除して着地する。

 

 

『キキキキ……ッッ!!』

 

 

煙が上がっている。ガイガンの腹部からだ。

ノコギリの歯が完全に砕けており、一方でアンギラスの鱗甲板にはわずかな傷しかついていなかった。

 

 

「ピキュオ! オオオオオオオオオ!」

 

 

頭上では空の大怪獣ラドンが猛スピードでX星人の母船に向かっていた。

すぐにラドンを撃墜しようと光線が飛んでくるが、バレルロールで体を捻り、的確に回避を続けて近づいていく。

 

しかし中にいたバイラスはニヤリと笑った。

母船には強力なシールドが張ってあり、今もラドンが放ったウラニウム光線を無効化して見せた。

だがその時、ラドンが吠えた。

一切スピードを緩めず加速、さらには体を細めて高速回転をはじめる。

 

 

「まさか!」

 

 

そう、それはまったくスマートではないやり方だったが、ラドンはそれがしたくてたまらないので、そうした。

シールドが張ってあるとわかっていながら、全身でそこへ突っ込んでいったのだ。

考えはない。しかしラドンには勝算があった。

作戦があったわけではないが勝てると思ったから突っ込んだのだ。

 

 

「だから動物は嫌いなんだ!」

 

 

バイラスはそういいながら近くにあった壁に背中をぶつける。

激しい衝撃で立っていられない。

ラドンは見事にシールドを貫通し、さらに母船の機体をも嘴で貫いて見せた。

電子音が聴こえる。ラドンが顔を引き抜くと、出来上がった穴の中へ、プテラゲノムに変身したリバイスが飛び込んでいった。

機体の中に入るとリバイはバイスから飛び降りて床を転がっていく。

 

 

「こっちは任せろ!」

 

「ピキュオオ」

 

 

ラドンは落下し、ループ(宙返り)で体勢を整えると下に飛んでいった。

 

 

「ね、ねえ一輝。なんかヤバくない?」

 

 

バイスが辺りを見回すと、『侵入者迎撃システム』がうんたらかんたらと警報音を鳴らしている。

機内にある機銃の銃口が、一斉にリバイスの方を睨んだ。

 

 

「イッキにいくぜ! バイス!」『テクニカル! リズミカル! クリティカル! ジャッカル!』

 

「あん! 強引なんだからーッ!」『ノンストップでクリアしてやるぜ!!』

 

 

ジャッカルゲノムとなったリバイは、スケートボードになったバイスに乗ると一気に加速して銃弾の間を駆け抜けていった。

 

 

「ハアアアアアアアア!」

 

 

やがて指令室の壁が吹き飛んだ。

バイラスが振り返ると、レックスゲノムとなっていたリバイスが立っている。

拳を震わせながらも、それをもう一方の手で包み込み、バイラスは笑ってみる。

 

 

「スマートにいきたい……! 話し合おうじゃないか」

 

「何……ッ?」

 

「極星はもともと我々の物なのだ。落とし物を返してもらうのは当然のことだろう?」

 

「フフフ、フハハハハハ!」

 

「ッ?」

 

「いやぁね? おれっちもほら、悪魔ですから。ある程度はわかるわけですよ! まあ隠されてたらアレですけどね? フハハハハハ!」

 

「どういう意味だッ?」

 

「アンタからは隠しても隠し切れない悪魔の香りがするぜぇぇエ! 我々の物!? ウソウソ! 盗んだんだろーッ!? 他の星からさァ!!」

 

 

リバイはため息をついてバイラスを睨んだ。

 

 

「そもそも、その言い訳を通すには遅すぎだ。あんだけ町を破壊しておいて虫が良すぎるぜ」

 

「虫だけにってね! ブハハハハハハ!」

 

 

バイラスは壁を殴りつけて正体を現した。

まさに虫人間だ。蜂がモデルのようで、右腕には蜂の尾を模したガントレットが装備されており、太く長い針が光る。

さらにその意思を読み取ったかのように後ろからモンスターXが現れた。

 

 

「さっさと殺して! スマートに終わらせてやる!!」

 

 

リバイとバイラスが。

バイスとモンスターXがぶつかり合い、激しく拳を交差させた。

 

一方、地上では、ノコギリを破壊されたガイガンが怒りに吠えていた。

目を光らせてレーザーを発射。アンギラスは体を回転させて鱗甲板でそれを反射する。

しかしガイガンはそれが狙いであった。腕をクロスさせ、飛んできたエネルギーを逆に自らの鎌で吸収していくと、両腕の鎌が真っ赤に光った。

 

ガイガンは走り、鎌を振り下ろす。

アンギラスは四足歩行になり、鱗甲板で鎌を受け止めるが、直撃と同時にそこが爆発して衝撃を生み出す。

アンギラスは崩れ落ち、腹が地面に当たる。ガイガンは思い切り足を振り上げてつま先の部分でアンギラスの顎を蹴った。

 

衝撃で体は反転し、アンギラスの腹部が晒される。

そこを一突きにしてやろうとガイガンは狙いを定めた。

さああとは腕を前に出すだけだというところで、ガイガンの腕に光線が直撃する。

空からラドンが駆けつけ、ウラニウム光線を放ったのだ。

ガイガンはラドンを見る。だからゴジラたちから目を逸らした。

 

 

「ギャオ!」「キュイ!」

 

 

ゴジラがガッツポーズを取ると、モスラはゴジラの背中にまわる。

そこでヘドラがハッとして、ゴジラたちに目を向けた。

しかし、ヘドリューム光線を撃つまえに倒れていたアンギラスが首をヘドラのほうにむけて、ニトロ光線を発射。

ヘドラの体が爆発し攻撃が中断される。

 

なので走るゴジラ、はばたくモスラ。

すると風が生まれてゴジラはそれを感じると同時に飛び上がった。

フワリ、スイーッと、ゴジラは背中を地面に向けて並行になったままで飛んでいく。

そのまま両足がガイガンに直撃し、ドロップキックでブッ飛ばした。

 

 

『ギィイイイイイイイ!』

 

 

ガイガンは歩道橋やコンビニを巻き込んで地面に倒れる。

先に立ち上がったのはゴジラだ。地面に熱線を吐いて爆発させると、大量の岩を作って、それを両手で持ち上げると思い切り投げつけた。

立ち上がったガイガンはそれを鎌で弾いて見せる。

 

ゴジラはムッとし、ガイガンは笑った。

再び岩を投げつけるが、ガイガンはもう一方の鎌で岩を弾く。

ゴジラはムッとし、ガイガンは笑った。

ゴジラがまた岩を持ち上げると、そこでガイガンは後ろを向いた。チャンスだとばかりにゴジラが岩を投げるとガイガンは高速で振り返りながら鎌を振るい、岩を真っ二つにしながら弾いて見せた。

 

 

「ギャギャギャギャ……ッッッ!」

 

『キキキキキ!』

 

 

ゴジラはムカムカが止まらず悔しそうに何度も地団駄を踏んだ。

一方で体を揺らして笑うガイガン。何度やっても同じだともう一度背中を向ける。

 

 

「ギャオオオオオン!」

 

 

ゴジラは吠えて、また投げた。

ガイガンは同じように振り返り、鎌を振るったが、飛んできたものがボールとなったアンギラスだったので弾くことができずにそのまま直撃してぶっ倒れた。

 

 

「グロロロロロロ!」

 

 

見てはいられないとばかりにヘドラが動く。

飛行形態にフォルムチェンジを行うと、硫酸ミストをまき散らしながらゴジラたちのほうへと向かっていった。

しかしモスラが大量の鱗粉を風に乗せて飛ばす。

それらが硫酸ミストを無効化し、さらにラドンがヘドラに掴みかかり空中で動きを止めた。

ラドンとヘドラが競り合っている。

 

 

「ィアアアアアアン!」

 

 

そこでアンギラスが跳ね、ボールモードに変わってゴジラの頭上に来た。

ゴジラは威力を弱めた熱線をアンギラスに当てると、まるで『吹上パイプ』みたいにアンギラスを飛ばしてヘドラに直撃させる。

 

 

「ギュロロロロ!」

 

 

ヘドラが墜落していく。

その中でモスラは羽を広げた。

空には太陽だけではなく月もある。そこから光が伸びてモスラに力を与えるのだ。

 

 

「フィイイイイイイイイイイ!」

 

 

モスラが叫ぶと目が青白く光る。

触覚から巨大なレーザーが発射され、今まさに立ち上がったガイガンへ直撃。

きりもみ状に吹き飛ばして地面を転がしていった。

 

 

 

 

 

「いました!」

 

 

一方、下の方ではメイが声を荒げていた。

ネムが急ブレーキで車を停止させると、彼女らはすぐに車から降りて倒れていたケンゴのもとへ駆け寄った。

テネが手をかざして目を閉じる。

しばらくすると彼女は頷いた。ケンゴの身に何が起こったのかを理解したようだ。

 

 

「お守りを使えば光の力を彼に与えることができるの!」

 

「これを刺せばいいんだね!」

 

「うん! チクっとねっ」

 

 

首筋にプスリと刺すと、短剣が光り、それがケンゴの体に注入されていく。

 

 

「うわぁあ!」

 

 

しばらくするとケンゴが跳ね起きた。

体をペタペタと触って状態を確かめる。

 

 

「平気ですか!? ケンゴさん!」

 

「うん。助けてくれたんだね。ありがとう!」

 

 

ケンゴは辺りを確認して状況を確かめる。

戦っている巨大怪獣。空に浮かぶ宇宙人の飛行船。

 

 

「まったくとんでもない光景よね」

 

 

ネムの言うとおりだ。

そしてこれはきっと、この日だけで終わる景色じゃない。

でも、だからこそ……。メイはそう思った。

 

 

「とにかく一旦この場所を離れましょう! ケンゴくんだってまだ本調子じゃないんだから、私の車で――」

 

 

ズドン! と音がした。

沈黙。ネムはテネとメイとケンゴが目を見開いているのを見て、嫌な汗を垂らした。

 

 

「あ、あの、夢樹さん……」

 

「い、いや。いやよ。振り返りたくない!」

 

「お車が……」

 

「言葉にしないで!」

 

 

バッと、振り返るとネムの愛車のボンネットにコンクリート片が埋まっていた。

 

 

「うーん……」

 

「ネムさーんっっ!!」

 

 

ネムは真っ青になって倒れると動かなくなる。ショックで気絶したようだ。

たぶんきっとゴジラの攻撃のせいだ。テネは謝り続け、メイはグリフォンに助けを呼び、そしてケンゴは前に出た。

 

 

「究極で、純粋たる正義……」

 

「え?」

 

 

ケンゴが振り返ると、メイは少し疲れたような表情で頷いた。

 

 

「きっとそういうのは、とても難しいんだ。人類にとっては」

 

 

カイザーとして自覚しはじめたからか、メイはケンゴが人間ではないことがわかった。

きっと彼が特別な存在だからこそ、たとえばテネのテレパシーを拾ってアンギラスたちの名前がわかったし、そういうビジョンを見ることができたのだろう。

カイザーのようにゴジラたちの気持ちをなんとなく察することだってできていたのではないだろうか?

 

きっとケンゴは人間よりももっと純粋なもので……、それは凄く羨ましいほどの輝きを持っている。

だからこの戦いには彼が必要だと思った。

彼が欲しかった。

 

 

「どうか、哀れな人間を超えてくれ。ウルトラマン」

 

 

ケンゴは少し間、怯んだ表情を浮かべていたが、やがてはニコリと笑った。

 

 

「ボクはウルトラマンだけど、人間として育ってきた」

 

 

だからメイの望む導く存在にはなれないかもしれない。

ひとたびお目にかかることができれば、どんな人の心も癒す超正義だとか。

あるいはその輝きが瞼の裏から消え失せないほどの救世主だとかには。

 

その時、メイはハッとした。

今まさに彼がケンゴに望んだものは、ヘドラの向こうにいる誰かがゴジラに対して抱いた希望と何が違うのだろうか。

悔しさか、それとも恥ずかしさか、メイはケンゴから目を逸らして謝った。

 

 

「ううん! これはもっと単純な話。もっとも簡単で、誰しもが持ってる光なんだ」

 

「え?」

 

「ボクは、友達(キミ)の気持ちを抱きしめる。笑顔にして見せる!」

 

 

ケンゴは前に出た。構えるスパークレンス。起動するハイパーキー。

 

 

「人間も、ゴジラたちも! スマイルスマイル!」『Boot up』『Zeperion』

 

 

メイは、テネは頷いた。そしてケンゴはスパークレンスを掲げる。

 

 

「未来を築く、希望の光! ウルトラマン……! トリガーッッ!!」

 

 

光の柱が伸びた。

 

 

『ULTRAMAN・TRIGGER! MULTI-TYPE!!』

 

 

そこから現れたるは光の巨人。

左腕は曲げて、右腕はまっすぐに天へと伸ばす。

ウルトラマントリガー・マルチタイプ。

 

 

「ヘアッッ!!」

 

 

トリガーは飛行するとヘドラをつかみ、少し離れたところへ移動する。

そこで手を放し着地。ヘドラもまたフォルムチェンジでシーリザーとなって着地する。

噴射されるムルロアガス。それは瞬く間にトリガーを包み込むが――

 

 

「!」

 

 

闇の中、金色の光に包まれているトリガーが見えた。

 

 

『Glitter Trigger Eternity』

 

 

光の空間。

ケンゴは金色のハイパーキーを起動させ、スパークレンスに装填する。

 

 

『Boot up』『Glitter Zeperion』

 

「宇宙を照らす、超古代の光――ッ!!!」

 

 

十字に腕を組む。光の空間が金色に染まり、ケンゴは大きく手を旋回させてスパークレンスを掲げた。

 

 

「ウルトラマン――……ッッ!! トリガアァァアアッッ!!!」『GLITTER・TRIGGER ETERNITY!!!』

 

 

ムルロアガスが吹き飛ぶ。

グリッタートリガーエタニティ。金色に染まったトリガーがそこにはいた。

さらにそれに呼応するかのようにモスラが鳴いた。

光が溢れ、どこからともなく水が生まれてモスラを包む。

 

 

「ヒュイイイイイイイイイイイ!」

 

 

それがはじけると、モスラが『アクアモスラ』へと強化を遂げた。

さらにそれだけではない。彼女が発生する鱗粉と風がゴジラたちにもあたり、彼らの中にあるアースエネルギーの力を解き放っていく。

 

 

「ビギュオ! オオオオオオオオオ!」

 

 

ラドンの体が炎に包まれる。

ダメージはない。むしろこれはラドンのエネルギーとなるのだ。

炎が弾けると、角が長くなり、嘴はより強固に、さらに翼は大きく。

そしてなによりも真っ赤に染まった『ファイヤーラドン』がそこにいた。

 

 

「ギアアアアアアアアアアアアン!!」

 

 

アンギラスが氷に包まれる。

ダメージはない。むしろこれはアンギラスのエネルギーとなるのだ。

氷が砕かれると、青く染まったアンギラスが姿を見せた。

頭の角や背中の棘が氷柱に覆われてより巨大化している。『ブリザードアンギラス』がそこにいた。

 

 

「グワァアン! アオオァァアアアアアアアン!」

 

 

ゴジラが吠えた。

すると光が彼を包み、7つの背びれの縁の色を変えていく。

下から紫、藍、青、緑、黄、橙、赤。

『レインボーゴジラ』。地下世界のパワー、アースエネルギーは地球の中央に存在している。

 

であるからにして、またの名を『(コア)』エネルギー。

地球のコアが、ゴジラに力を与えたのだ。

 

 

「ハァアア!」

 

「よいしょーッ!」

 

 

リバイの掌底と、バイスの拳が空間を歪ませるほどの打撃をバイラスとモンスターXに与えた。

ブラキオゲノム。相手の攻撃に対する回避ルートを先読みして頭に叩き込んでくれるようだ。

バイラスは走り、ニードルを振るうがリバイはそれを的確に回避してカウンターの一撃を与える。

ほらまた。掌底が入ってバイラスは吹き飛んだ。

 

そこでモンスターXが前に出た。

縦横無尽に動き回る光線を発射し、そもそも回避などできない攻撃を放った。

リバイとバイスは苦痛の声をあげて下がっていく。

そのなかでバイラスは大きなため息をついた。

 

 

「貴様らさえいなければ、もっとスマートにいけたのに……っ!」

 

 

ふと、外の景色を見る。

変わったゴジラたちを見てバイラスはもう一度パネルを殴った。

 

 

「あれがこの星の選択か? 愚かな……!」

 

 

振り返り、もたれかかり、笑う。

 

 

「神ではないとしたら、どこまでいっても獣でしかない。いずれ人類は怪獣に滅ぼされるぞ。我々の家畜になっていたほうが、まだ幸せだった!」

 

「果たして、そうかな――ッ!」

 

「なに……?」

 

 

神代坂。

ユニコーンが走っていると、そこからネムがひょっこりと顔を出した。

前を行くのはスターファルコン、ランドマン、ゴウテンだ。リカバリーモードが終わって再び動き出したのである。

 

 

「ここまでやったんなら絶対に勝ちなさいよねーッ!!」

 

 

ネムは大声で叫んで三機を見送った。

 

 

「カイくん。キミでいこう」

 

「せやな。それがええ!」

 

 

鷹診と那須川の期待を受け取り、カイは強く頷いた。

 

 

「終わらせる。新しい世界のために!」

 

 

聞こえるか、ゴジラ。

これがお前たちと肩を並べる、人間の力なんだ。

 

 

「正義! 一直線! 皆驚(かいきょう)勇気(ゆうき)!」

 

 

らしくない言葉ではあるが、なんとなく叫んでみた。

 

 

「チェーンジッ! タイタァアアン!!」

 

 

三機が分離、合体していく。

胴体ができて、腕と脚ができて手と足ができて、シルエットはヒト型となる。

最後に翼が折りたたまれたスターファルコンが頭部となって合体が完了した。

 

タルタロス・タイプ3。

今までのタイプとは違って、コックピットが二つある。

 

まずは那須川と鷹診がいる胴体だ。ここではサポートのみを行う。

そして全ての操縦や技の選択は、その上の部屋にいるカイに一任された。

 

彼は今、ヘッドギアをつけて立っている。

シンクロシステム。カイが右腕を上にあげれば、タルタロスも同じように右腕を上にあげる。

カイが首を振れば、タルタロスも首を振る。

つまりこの状態はカイがそのまま巨大化したと同じなのである。

 

 

『バイタル安定。シンクロ率100パーセント! よっしゃ! かましたれ!』

 

 

那須川の言葉に、カイはもう一度頷いた。

 

 

「苦しみも、悲しみも、痛みも! すべてゴジラに重ねてきた! だがそれももう終わりだ!」

 

 

同じくしてタルタロスも同じように頷く。

 

 

「宿命も! 輪廻も!」

 

 

極星が供給するエネルギーが全身に駆け巡り、装甲の色が変わっていった。

肩と膝は黄色に、胸の上半分は赤く、下半身は黄色と赤、そして脛は青く。

 

 

「未来も! 全部抱えてッッ!!」

 

 

銀色の頭部、黒い目が光った。

 

 

「行け! ジェットジャガー!!」

 

『Justice Emperor-Type Justice Aero Ground Ultra Apex Robot』

 

 

鋼鉄の巨人、"ジェットジャガー"は両腕をまっすぐに伸ばして飛行した。

ウルトラマンと同じ方法だ。頭部からはアンテナが伸びて制御を行っている。

着地と同時にアンテナが収納されて、ジェットジャガーは構えをとった。

周りにはゴジラたちがいて、その先に実体化したスペースゴジラが立っていた。

 

 

「超えていけるさ」

 

 

母船にいたリバイがそう口にする。

 

 

「大変かもしれないけど。呑み込まれそうになるかもしれないけど、それでも人間は大きな力を背負って生きていける!」

 

 

リバイはバイスを見た。

 

 

「?」

 

 

バイスは首をかしげる。

リバイは少し笑った。

 

 

「オレが、オレたちが保証する! そうだろ、バイス!」

 

「フハハハハ! よくわかんないけど、オッケー!!」

 

 

リバイスは防御をやめた。

光線が直撃していくが、同じくして取り出した物がある。

 

 

『ボルケーノ!』『コンバイン!』カチチチチチチチ

 

「!!」

 

『Burning fire……↑↑↑カモォン↑↑↑ボル・ケ~ノ♪』

 

『Burning fire……↑↑↑カモォン↑↑↑ボル・ケ~ノ♪』

 

「な、なんだ!」

 

『Burning fire……↑↑↑カモォン↑↑↑ボル・ケ~ノ♪』

 

 

リバイが巨大なタマゴに身を隠し、バイスもまた周りを飛び回る。

溢れるマグマ、それを見て、モンスターXは攻撃を止めた。

 

 

『バーストアップ!』

 

 

タマゴが弾け飛ぶ。迸るマグマと吹雪。

 

 

『鬼ィ!』<アツーイ

 

『バリィ!』ヤバーイ↑

 

『ハァッ!』卍ゴン・スゴーイ卍

 

『パネェ!』『ツヨイ!』『リバイス!』

 

 

 炎炎炎↑↑⇔ We are ⇔↑↑炎炎炎

 

 

『リバァァァァァアイスッッッ!!!』

 

 

降り立ったのは炎の力を獲得した仮面ライダーリバイ・"ボルケーノレックスゲノム"。

その隣に立つのは冷気の力を獲得した仮面ライダーバイス・"バリッドレックスゲノム"。

リバイスはタッチを繰り返し、最後にリバイの拳をバイスが右手で受け止めた。

そこで生まれた氷がはじけ飛び、生まれた炎が消し飛んだ。

 

 

「………」

 

 

それを見てモンスターXは一歩後ろに下がった。

闇が溢れ、彼の姿が消え去る。

どうやら撤退したようだ。バイラスは待ってくれとばかりに手を出したが、やがてそれを握りしめて震わせる。

 

 

「下等種族が! 殺してやる!!」

 

「行くぞバイス! 燃えてきたぜ――!」

 

「はーい! 破天荒(ホット&クール)なおれっちたちの活躍がはっじまるよーッ!」

 

 

走るリバイスとバイラス。

バイラスがニードルを振り下ろしたが、リバイスはそれを同時にキャッチ。さらに同時に前蹴りでバイラスを吹き飛ばす。

 

 

「んン゛……ッッ!」

 

 

バイラスは煙が上がる腹部を抑えながら後退していく。

リバイの中にはマグマのように滾る感情がある。炎弾を発射し、バイラスはそれを弾いていくが連射スピードが勝って、次々と着弾していく。

そこでバイスがシールドを投げた。バイラスはニードルを盾にしてそれを受け止めるが、その瞬間着弾部分が凍結をはじめ、あっという間に針が分厚い氷で覆われてしまう。

 

バイスが走る。

バイラスは構わず凍り付いたままの武器を振るった。

しかし氷の重量が追加されている分、動きが鈍くなる。

それよりも早くバイスの飛び回し蹴りが間に合い、ニードルとかち合った。

 

 

「グォオオ……ッ!」

 

 

砕ける音がする。

凍結したニードルが蹴りの衝撃で砕け散ったのだ。

さらにバイスのブローがわき腹に入り、蹴り上げが顎に入る。

後退していくバイラス、一歩、二歩、そこで完全に肉体が氷に覆われた。

 

 

「ウォオオオオオオオオオ!」

 

 

踏み込み、リバイが拳を突き出した。

燃え滾るストレートが氷を粉砕する。さらにがむしゃらに連続で繰り出す高速ラッシュ。パンチの嵐が次々とバイラスに直撃していた。

 

 

「ハアアアア!」「オラァア!」

 

「ズァァァアアアア!」

 

 

リバイスが同時に繰り出したハイキックでバイラスは吹き飛ばされる。

放物線を描いで飛んでいき、その隙にリバイはスタンプを横に倒した。

リバイスは並んで走る。高まるシンクロニズム。もはや言葉さえもいらない。

二人は同じタイミングで地面を蹴って飛び上がった。

 

 

「グッ! おぉぉぉ……ッッ!」

 

 

立ち上がったバイラスは唸り、両手を広げて走り出す。

叩き落そうとしたが、そこですさまじい熱波と吹雪に怯んでしまった。

だからこそ、リバイスの飛び蹴りが胸に突き刺さる。

 

 

「「ハァアアアアアアアア!」」『ボルケーノ! フェスティバル!!』

 

 

スタンプのエフェクトが浮き上がり、バイラスは凄まじい勢いで後ろに吹き飛んだ。

宇宙船の壁を破壊し、そのまま下に落ちていく。

一方でリバイスは後ろを向いて構えた。

 

 

「それじゃあ皆さんいきますよ……!」

 

 

バイスがカメラに向かって囁く。

 

 

「3!」

 

 

スローモーションになる世界。

 

 

「2!」

 

 

ゆっくりと落ちていくバイラス。

 

 

「1!」

 

 

キラーン☆

バイラスから十字状の光が浮かび上がり――

 

 

「グアアアアアアアア!」

 

 

爆発が起こる。

さらに宇宙船もまた次々と爆発を起こしていく。

やがてリバイスイーグルが船から飛び出した。直後、船は大破し、地面に落ちていくのだった。

 

 

「ゴォロロロロロロロ!」

 

「フ――ッ!」

 

 

トリガーは走った。

一方でヘドラはムルロアガスを噴射する。

だがやはり今のトリガーには通用しない。ヘドラもそれを理解して放つものを変えた。ヘドリューム爆弾。

エネルギーを凝縮した発光する泥団子が連射され、トリガーを狙う。

 

 

「ハァアア!」『GLITTER BLADE』

 

 

燃える闘志が沸き起こり、黄金の一閃が迸った。

切り裂かれていく穢れ。トリガーの腕に剣が装備される。

ヘドラが吠えると両腕から無数の触手が伸びてトリガーに向かっていった。先は硬質化して鋭利になっており、刺し貫こうというのだろう。

しかしそこでトリガーは剣にある三つの菱形の宝石、トライアングルクリスタルを回転させて青色を中心に持ってきた。

 

『Sky photon』

 

トリガーから青色の光に包まれて急加速する。

一瞬でヘドラを斬り抜け、さらに一撃、加えて一撃、次々に周囲を移動しながら斬撃を刻み込んでいった。

ヘドラは斬られたところから大量のスモッグや硫酸ミストを噴射させた。

 

しかしグリッターブレードの斬撃はそれをすべて一瞬で浄化してみせる。

ケンゴはさらにトライクリスタルを操作し、紫色を中央にしてみせる。

 

『Multi photon』

 

トリガーが光に包まれると分身が生まれ、三人のトリガーがヘドラを囲む。

そこでグリッターブレードが消失し、三人のトリガーは両腕を左右に広げた。

 

紫色の光をまとったトリガーには、両腕に重なるように紫の線が生まれる。

赤色の光を纏ったトリガーは光を手の中に集中させていく。

青色の光を纏ったトリガーは両出を旋回させてエネルギーを集めた。

 

 

「ハァアア!」「タァアア!」「ヤァアア!」

 

 

ゼペリオン光線、デラシウム光流、ランバルト光弾が同時に放たれて中央にいたヘドラに直撃する。

爆発が起き、ヘドラは苦しみながら地面に倒れた。

トリガーの分身が本体に吸収されていき、同時にグリッターブレードが再び装備されてケンゴは赤色の宝石を中央に持っていった。

 

 

「ハア゛ァアア!」『Power photon』

 

 

トリガーはすくい上げるように剣を振るった。

シンクロするように赤い斬撃が地面から飛び出し、ヘドラを空に打ち上げた。

黄金の空間。ケンゴは腕にあったグリッターブレードのトライクリスタルを激しく回転させる。

 

 

『VIOLET!』『ETERNITY ZERADES!!』

 

 

真横へ振った剣。

紫色の斬撃は光の粒子をまき散らしながらその場に留まった。

 

 

(歪んだ運命に、風穴を開けてみせる!)

 

 

その時、ネオはケンゴと目が合い、表情を歪める。

 

 

「これがッ、光の巨人――ッッ! ウルトラマン……!」

 

(撃ち抜け――ッ!)

 

 

光。

 

斬撃が発射されて、ヘドラを貫いた。

爆発が起こり、ヘドラは跡形もなく消え去った。

 

 

 

 

「ギアアアアアアアン!」

 

 

先陣を切ったのはアンギラスだった。

前足を上げて、思い切り地面に叩きつける。

するとドーム状のエネルギーが発生し、神代坂を通過した。

 

 

『ウォオオオオオ!』

 

 

カイの声がジェットジャガーから聞こえた。

握りしめた拳をスペースゴジラへ向ける。

しかし粒子化されて当たらないのが絶対なのだ。

にも関わらず、ジェットジャガーの拳は確かにしっかりと、スペースゴジラの顔面に叩き込まれた。

 

 

「ガアアアアアア!」

 

 

スペースゴジラは地面に倒れる。

理解不能。解析が瞬時に行われ、答えが導き出される。

原因はアンギラスだった。彼の発生させた絶対零度のエネルギー、アブソリュートゼロのせいで連結部分が凍り付いて分離ができなくなったのだ。

 

ナノロボットたちはすぐに高熱を発生させようとするが、そうはさせるかとジェットジャガーが走る。

しかし急ブレーキ。ガイガンが滑り込んできた。

鎌を受け止めるが腹を蹴られて後退していく。

もう一度殴り掛かるが、ガイガンはそれを受け流し、再び鎌を刻み込んだ。

 

 

「ぐッ!」

 

 

カイは目を細める。

というのも、ジェットジャガーを出すのは今日が初めてであった。

今まで何度もシミュレーションをしているが、やはり実戦の空気が調子を悪くする。

するとアンギラスの鳴き声が聞こえた。アンギラスは大きな棘の一つを鱗甲板から飛ばすと、ジェットジャガーの隣に突き刺した。

冷気が迸ると、棘から氷でできた『柄』が伸びてきた。

なんて賢いんだと改めて思う。

 

 

『助かる! 使わせてもらうぜ!』

 

 

ジェットジャガーは柄を引き抜き、アンギラスが作ってくれた槍を構えて前に出た。

槍というより長刀だ。リーチの分があり、ガイガンの鎌を弾いて胴体に突きを打ち込んだ。

ガイガンは怯み、よろけ、後退していく。

そこへモスラが飛んでいき、翼を胴体に叩きつけた。

ガイガンが地面に倒れ、モスラは触覚を光らせサイコキネシスでガイガンを持ち上げた。

そのまま猛スピードで飛行する。連れていく先は少し離れたところにある大きな川だ。

海に繋がる場所で、かなり深さがある。モスラはガイガンをそこへ落すとサイコキネシスでさらに押し付けて沈めていった。

そして自らも着水して猛スピードで突進していく。

 

 

『ギシイイ!』

 

 

攻撃を受け、ガイガンは反転した。さらにそこへモスラの突進が直撃する。

水中で身動きが取れないところへ次々とぶつかっていくモスラ。

しかしガイガンもやられてばかりではない。両手を広げると高速回転。渦が生まれ、モスラはそれに巻き込まれて逆にバランスを失う。

 

 

『キシィイイイイ!』

 

 

水しぶきが上がり、ガンガンが飛び出した。

華麗に着地を決めて振り返り、腰を落とした。

バイザーからレーザーを発射し、鎌を赤く光らせる。さらに鎌同士を擦り合わせて切断能力を極限まで上げてみせた。

 

しばし、沈黙。

 

シン……、と、荒れていた水面が穏やかになる。

だが次の瞬間、再び水しぶきがあがり、モスラが勢いよく飛び出した。

 

 

「キュアアアアアアアアン!」

 

 

突進するモスラ。だがスピードはガイガンのほうが早い!

鎌がモスラの頭部に直撃してしまった!

 

 

「!!!?!?!?」

 

 

鎌が砕けた。

ガイガンはそこで体の上半分と下半分が分離していることに気づいた。

自分が破壊されたことさえ気づかずに、爆発して砕け散る。

モスラはもう一段階、強化モードがあったのだ。

それが現在の姿、『鎧モスラ』である。その強固なアーマーが鎌を逆に粉砕し、高速のスピードで繰り出される鋼の突進でガイガンを粉砕したのだ。

 

 

「グォオオオオオオオオ!」

 

 

メカゴジラが地面を蹴った。

粒子化ができなくなったとはいえ、ナノロボットとしての機能、飛行能力が備わっている。

上空からゴジラを狙うつもりなのだろう。あるいは宇宙から神代坂に突進をしかけても、その際に生まれる熱で氷も溶けるだろう。

 

 

『させるか!』

 

 

ジェットジャガーが飛翔した。

両腕を広げて飛んでいくが、スペースゴジラに迫った時、両肩のクリスタルが激しい光を放った。

衝撃を感じてジェットジャガーが墜落していく。衝撃波に撃ち負けたのだ。

するとラドンが鳴いた。飛翔し、ゴジラの脳天に着地する。

 

重すぎる。

ゴジラはすぐにラドンを払いのけようとするが、すでにラドンはゴジラの背中に回り、背びれをガッチリと掴んでいた。

ゴジラが浮き上がる。ラドンが翼を伸ばし、ゴジラを連れて上昇していく。

 

再びクリスタルが光り、衝撃波が飛んでくるが、ゴジラの黄色い背ビレが光ると黄色の衝撃波が発生してスペースゴジラのそれを相殺する。

ラドンが加速した。あっというまに距離が縮まる。

ゴジラとスペースゴジラは腕を振るい、ひたすらに引っ掻き、殴り合う。

 

 

「ギャオ! ギャオオッ!」

 

 

そのなかでゴジラの赤い背ビレが光った。

ゴジラの手に炎が収束し、それが拳の形に変わる。

それを突き出すと炎塊が発射されてスペースゴジラの顔に直撃した。

 

 

「ガガガガ……!」

 

 

スペースゴジラの動きが鈍った。

ラドンは急上昇し、そこでゴジラの紫色の背ビレが光る。

ゴジラが口を開けると紫色の光線が発射されてスペースゴジラは叩き落されて神代坂に墜落した。

すぐに浮き上がって立ち上がるが、そこで全身が凍り付いていく。

 

 

「ビュオ! オオオオオァア!」

 

 

ラドンは掴んでいたゴジラを放ると、一気に真下へ飛行する。

炎が溢れラドンの全身を包み込んだ。

火の鳥はそのままスペースゴジラの右肩にあったクリスタルに直撃。

バラバラに砕け落ちる水晶、スペースゴジラの全身から火花が散っていく。

 

上空ではゴジラがなすすべもなく落下していった。

しかしまもなく地面に激突するというところで、ゴジラの体がフワリと浮き上がり、そのまま綺麗に着地できた。

モスラだ。サイコキネシスでゴジラを補助したのである。

 

 

『アンタらすごいな……』

 

 

思わずジェットジャガーから声が出る。

ゴジラは返事をするように短く鳴いた。

 

 

「ガアアアアアアアアアアアアア!」

 

 

スペースゴジラが赤いレーザーを放つが、モスラがシールドを張って無効化する。

そこでアンギラスが吠えた。吹雪を発生させて、ゴジラの体に纏わりつかせる。

続いたのはモスラだ。羽ばたきで鱗粉をゴジラに纏わせていく。

ゴジラは赤い背ビレを発光させると、炎のエネルギーを体内で生み出し、胸や下半身、腿の辺りが真っ赤になっていき、そこから炎が溢れていった。

 

ゴジラの目が『赤く』染まる。

 

そこでさらにラドンが羽ばたき、大量の炎をゴジラに浴びせた。

バーニングゴジラ。モスラとアンギラスが制御に力を貸しているが、オーバーエネルギーではある。

短時間の使用しかできないということは、つまり決着をつけるということだ。

ゴジラはチラリとジェットジャガーを見た。

ジェットジャガーが頷くと、ゴジラは一気に走り出した。

 

 

「ギャオオオオオオオン! グオォォオオアアアアン!」

 

「ガアアアアアアア! ゴアアアアアアアアアア!」

 

 

スペースゴジラも走り出す。というよりは浮き上がり、飛んできた。

一方でゴジラに纏わりつく炎も徐々に形を形成していく。右側はモスラの羽を、左側はラドンの翼を、背中にはアンギラスの鱗甲板のようなシルエットになった。

怪獣と兵器はそのままぶつかり合い、衝撃波が生まれた。

吹き飛んでいく瓦礫の中で、両者は体を旋回させて長い尾をぶつけ合う。

ゴジラの背中から棘状の炎が連射され、スペースゴジラの背中から幾重ものレーザー光線が射出される。

 

互いの攻撃は競り合い、相殺していく。

その中で雄たけびが聞こえた。

スペースゴジラが振り返ると、ジェットジャガーの飛び蹴りが胸のところに直撃した。

よろけて後退していくのを追いかけて、持っていた長刀を思い切り投げた。

それはスペースゴジラの顔面に突き刺さり、大きくのけ反らせる。

 

 

「ウオオオオオオオオ!」

 

 

すべての力を込めて。

コックピットでは、カイが拳を何度も前に出した。

握りしめた鉄の拳がスペースゴジラの体に直撃していく。

そこでゴジラも駆け付けた。燃え滾る拳をスペースゴジラの体に打ち当てていく。

 

 

『オオオオオオオオオオオ!』

 

「ギャオ! オオオオオオ!」

 

 

ゴジラと、ジャガーで!

 

 

『ウララララララァラアア!』

 

 

パンチ!

 

 

「ギャギャギャギャギャギャ!」

 

 

パンチ!!

 

 

『オラアアアアアアアア!』

「ギャオオオオン! グォオオォォエエアアア!」

 

 

パンチ!!!

 

 

同時に突き出した拳がスペースゴジラに突き刺さる!

 

 

「グガァァエアァアァアアアア!」

 

 

スペースゴジラが叫びながら大破していく。

大量のナノロボットが飛び散るが、すぐにゴジラが発生した熱波により蒸発するように消滅していった。

スペースゴジラは踏みとどまると、逆に前のめりになって走り出した。

左腕と尻尾を構成するナノロボットが全て右腕に集まってドリルの形になると、それを突き出してジェットジャガーを貫こうとする。

 

しかし感触はない。ドリルが装甲に触れる前に三機が分離して、散開した。

スペースゴジラの股下をランドマンが走り、左右を他の二機が飛行していく。

さらにもう一機、結合した状態のコックピットがスペースゴジラの頭上を越える。

 

 

『Mobile Operation Godzilla Expert Robot Aero-type』

 

 

四機が合体してモゲラに変わると、すぐに体をまっすぐに伸ばして頭部のドリルを激しく回転させた。

それだけじゃない。モゲラの体さえも高速回転して、彼自身が巨大なドリルとなって突進していった。

 

 

「スパイラルブレイカー!!」

 

 

鷹診が吠える。

同じくしてスペースゴジラも吠えてドリルを突き出した。

ぶつかり合う刃。すさまじい勢いで火花のシャワーが散っていき、そこで激しい抵抗感が襲う。

その時、鷹診は火花の向こうに友人の幻影を見た。

 

会わなければ。

 

その想いが呼応したのか、モゲラはスペースゴジラのドリルを打ち砕いていき、その脇下に突き刺さる。

モゲラの足裏の光が強まると、スペースゴジラの体が浮き上がり、激しく回転させたまま機体を操作して地面に叩きつけた。

モゲラはスペースゴジラを放置して上昇していく。そしてスペースゴジラが立ち上がったところで落下していった。

 

 

『MEga CHAracter NIrvana Knight Of New Ground-type』

 

 

メカニコングはスペースゴジラの背後に着地すると、その体をガッチリと掴んだ。

 

 

「どっせぇえええええええいッッ!!」

 

 

那須川が吠え、メカニコングがスペースゴジラを掴んだまま跳んだ。

バックドロップ。スペースゴジラの脳天が地面に激突する。

しかし、肩のクリスタルが地面に突き刺さろうというところで、クリスタルが浮き上がった。

 

クリスタルは瞬時にスペースゴジラの足裏に結合すると、そこが『肩』になっていく。

地面に突き刺さった顔がみるみる小さくなって、反対に肩が膨れ上がり『腿』に変わっていく。

逆に脚が細くなって『腕』に変わり、尾が『頭部』になっていった。

 

つまり上下が逆転したのだ。

頭だったものが尻尾に、尻尾だったものが頭に変わったのである。

それはスペースゴジラがナノロボットの集合体。偽りの生命であることの証明にも思えた。

 

 

『Justice Emperor-Type Justice Aero Ground Ultra Apex Robot』

 

 

スペースゴジラの前にジェットジャガーがいた。

両腕を前に伸ばして交差させて、拳をスペースゴジラの胸に押し付ける。

 

 

『ジャスニウム光線! 発射!!』

 

 

腕から光線が発射されてスペースゴジラに直撃した。

しかしスペースゴジラも踏み込み耐えていく。

地面を滑り、距離ができたところで光線は終了する。

 

 

「ゴオオオオオオオオオン!」

 

 

スペースゴジラは叫び形状を変化させた。

それは巨大なゴジラの頭部だった。その脳天にクリスタルが突き刺さっているという生物らしからぬ歪なデザイン。

すべての力を込めてゴジラを消し去ろうというのだ。

大きな口が光ると赤いエネルギーが集中していき、全てを消し飛ばすための準備を始める。

 

 

「ギャオン! グォオオオオン……!」

 

 

ゴジラも大地を踏みしめた。

虹色の背レビが一つずつ強く強く、それは強く光り輝いていく。

地球の『核』が呼応する。

 

 

「ゴジラ!」

 

 

誰かが名前を呼んだ。

そこでゴジラは、全てのエネルギーを解き放った。

口から虹色の熱線が発射され、スペースゴジラからも最大出力のコロナビームが発射される。

二つの光線はぶつかり合い、競り合いを始めるが――

 

 

「ゴ……! ゴゴ――ッ!」

 

 

徐々に、スペースゴジラの頭部が震え始める。

赤黒いエネルギーが、虹に侵食されていく。

 

 

「ゴゴゴゴゴッゴゴ……!」

 

 

虹が、迫る。

 

 

「ギャオオオオオオオオオオオオン!」

 

「ゴアアアアアアアアアアアアアア!」

 

 

虹色熱線がコロナビームを塗りつぶし、スペースゴジラに直撃した。

頭部は消え去り、かろうじて散らばった残りのナノロボットもゴジラは発生させた熱波により全て消え失せた。

 

 

「………」

 

 

ゴジラ、モスラ、アンギラス、ラドンは再び並び立ち、アースエネルギーを解除して元の姿に戻る。

その中央に、ジェットジャガーが立っていた。

 

 

「……!」

 

 

ラドンが鳴いた。

見れば、遠くの空を飛ぶ飛行機のようなものが見える。

それはガイガンの頭部だった。どうやらあのガイガンは完全に機械でできていたらしい。

中には逃げ延びていたバイラスが乗っており、宇宙を目指している。

 

 

「く、クソ……! こんなのはスマートではない! 待ってろ! エックス星に帰還して正式に戦争の手続きを――ッ!」

 

 

警報。後ろを見ると、ジェットジャガーが腕を交差させていた。

放たれるジャスニウム光線。さらに続いて、ゴジラ、モスラ、アンギラス、ラドンが同時に光線を発射した。

五つのエネルギーは途中で交わり、黄金のビームとなってガイガンに向かっていく。

 

 

「なんじゃッッッそりゃぁああああああああ!!」

 

 

黄金の奔流はガイガンの頭部を飲み込み、爆発させた。

 

 

 

 

 

「!」

 

アンタレス本部屋上。

戦いの終わりを見届けていたメイたち。ケンゴや一輝たちも合流していたが、そこに灰色のオーロラが生まれた。

さらに隣にはワームホールまで見える。

 

 

「こ、これだ! これでオレたちはコッチの世界に!」

 

「ボクも! これに吸い込まれて!」

 

『ってことは、これを通れば帰れるんじゃね!?』

 

 

目を凝らせばオーロラの向こうにしあわせ湯が見えるし、ワームホールの向こうにはナースデッセイ号が見えた。

これを逃せば、次はいつになるかわからない。当然ではあるが、お別れの時だ。

 

 

「あの! 本当にありがとうございました!」

 

「いやいや、困ったときは助け合うのが人間だから。それにこれはオレのおせっかいみたいなもんだし」

 

「忘れないでね! スマイルスマイル! だよ! 他のみんなにもよろしくね!」

 

 

最後に、一輝とケンゴは目を合わせ、頷きあう。

 

 

「ディケイドにウィザード、他の仮面ライダーがウルトラマンの話をしてた。その時も一緒に戦ったみたいだ」

 

「ボクもゼッ……、ええっと、他のウルトラマンたちから、仮面ライダーって人たちと一緒に戦ったウルトラマンがいるって教えてもらったことがあるよ!」

 

「一緒に戦えてよかった。トリガーがいなかったら、大変だったよ」

 

「こっちこそ。リバイスがいてくれて凄く心強かった」

 

『おれっちも、ウルトラマンになりたーい!』

 

 

またどこかで何かの危機が起こったら一緒に戦おう。

そういって二人の戦士は消えていった。

それでいい。これでいい。平成ライダーの王が褒めてくれた気がしたが、気のせいだったということにしておこう。

 

 

「………」

 

 

戦いが、終わったのだ。

ゴジラは辺りを見回してみた。

街はめちゃくちゃで壊滅状態だ。たくさんの物が壊れているが、半分以上は自分たちが暴れたせいである。

人間のためにと思ったはずだが、これではきっとたくさんの人が怒り、悲しみ、そして憎む。

 

いつの日かテネが、そしてメイが人の世界に遊びに行こうと祈った。

しかしコレを見ろ。どうだ? 足を出せば何かに当たり、熱線を外せば必ず何かが壊れてしまう。

そんな状況でどうやって共に生きろというのか。

壊すことしかできない。ゴジラは悲しくなったので踵を返した。

去るべきだと思ったし、そうしようと歩き出した。

 

 

『待ってくれ』

 

 

だがそこで呼び止められたので、ゴジラは再び踵を返した。

そこにはジェットジャガーがいた。

ジェットジャガーはゴジラをジッと見つけた。そして、手を差し出したのだ。

 

 

『ありがとう。おかげで助かったぜ。はは……』

 

 

ゴジラは意味がわからずに呆けていたが、メイの想いが流れ込んできた。

メイはゴジラにその意味を必死に説明した。

それが伝わったのか、ゴジラも手を伸ばした。

 

黒い雲が晴れていく。光が街を照らしていく。

その中で、ゴジラとジェットジャガーは固い握手を結んでいた。

テネとメイは、ケンゴに言われたとおり、とびっきりの笑顔でそれを見ていた。

 

 

 






私は生まれてはじめて借りたレンタルビデオが怪獣総進撃でした。
あまり記憶はないんですが、たぶん怪獣が出てたところだけ見ていた気がします。
先日、改めて作品を見たらアホみたいにみんなギャオギャオ鳴いててめちゃくちゃうるさかったんですが、それが逆に可愛げがあっておもろかったです。
あとやっぱりオールスターですしね(´・ω・)

それでこれも記憶はおぼろげですが、おそらく買ってもらったであろうゴジラの本に、二代目が正義のために戦ったみたいなことが書いてあったんで、まあ普通に二代目が好きでした。

もちろんシン・ゴジラみたいなやつも普通に好きですが、どこか胸には二代目スピリットがあるというか。
それを思い出させてくれるキングオブモンスターズはとても良かったです。

とにかく、あのゴジラをどうにかこうにか……
ということでコレを書きました。
はじめはゴジラオンリーで行こうと思ったのですが、そういえばゴジラもコンパチヒーローズに出てた仲間であり。

以前もどこかで書いたのですが、ウルトラマンとライダーで挟めばガンダムが立派な正義のヒーローになったようにゴジラもまた……
そんな祈りを込めて、クロスオーバーにしました。

それにライダーは、よくこんなのライダーじゃないと言われてきたものですが、リバイスを見ている人間はおそらくフォーゼや鎧武、エグゼイドやジオウを通過して凹凸を受け入れる器が形成されていると思います。
なので多少無茶なゴジラ像をぶつけても大丈夫やろ? せやんな? せやろ?

サンキューな(´・ω・)b

次のエピローグで終わりです。
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。

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