ゴジラ バーニングブラッド feat.リバイス&トリガー   作:ホシボシ

8 / 13
今回は予約投稿なので、なにかミスがあったら修正まで時間がかかります。
ごめんやで(´・ω・)


第7話 Island(前編)

 

「……きれい。メイくんもそう思うでしょ?」

 

「うん。そう思う」

 

 

アンタレス本部、屋上。

そこでメイは仰向けに寝転がっていた。彼のみぞおち辺りにテネも寝転んで星を見ていた。

 

 

「神代坂は星がよく見えるんだね」

 

「クリスタルタワーから遠隔で充電ができる技術があって電気自動車が増えてるからかな。極星エネルギーは環境にやさしいっていうのが一つの売りだから」

 

「でもね、インファント島の空だってね、とっても綺麗だもん」

 

「うん。覚えてるよ」

 

「ほんとう? 嬉しいっ」

 

「でもさ、僕って記憶を消されたんでしょ? 結構覚えてるんだけど、どうして?」

 

「いじわるなんだね。ふふふ、それを聞いちゃうの?」

 

「ごめん。まずかったかな?」

 

「いいの。ふふふ、いいんだもん♪」

 

 

テネは真っ赤になってもじもじとしはじめる。

 

 

「それはね、あのね、忘れてほしくなかったから……」

 

「?」

 

「ワガママしちゃった。えへへ、悪い子だね、わたし」

 

 

どうしてもメイに忘れてほしくなかったから、記憶を改変する時に最低必要減に留めたのだとか。

 

 

「そっか。でもありがとう。僕も忘れたくなかったから」

 

「えへへ、ほんとう? えへへへへ」

 

「うん。またテネやモスラたちに会えてとっても嬉しいよ」

 

 

人差し指の腹でテネの頭を撫でると、彼女は嬉しそうに微笑んだ。

モスラは今、格納庫で待機しており、尋常じゃない果物を召し上がっている。

その間、アンタレスはモスラの体を調べているが、すぐに人智ではまだ到達できないところに『彼女』がいることに気づくだろう。

 

 

「僕が知らないゴジラのこと、教えてくれる?」

 

「いいよ。何が聞きたい?」

 

「アニメのギャグしてた」

 

「あ、あれは……、うん。そうだね」

 

「ゴジラはアニメ見るの?」

 

「ゴジラちゃんとモスラちゃんとアンギラスちゃんと一緒によく見てるよ。テレビはね、運んでもらちゃった。えへ!」

 

 

インファント島は漂流者や、海賊など、あるいは飛行機などなど、見つかった時のためにカモフラージュとしてちょっとした町があるのだという。

そこには電気もあるので、テレビがつく。

アンテナはないため地上波は見れないが、知り合いのお姉さんがDVDをたっぷり持ってきてくれたので暇なときはよく見ているのだとか。

もちろんテネにとっては大スクリーンだが、ゴジラにとってはスマホ以下のモニタであるために内容はハッキリとわかっていないだろう。

正確にはアニメを見ているテネを見ているのだ。彼女の感情を感じて、テネはよく内容を実況していた。

 

 

「車とかビルとか、そういうのがあるよって、教えてあげたの」

 

「ゴジラたちは意味がわかってるの?」

 

「ゴジラちゃんたちはとっても賢いからね。わたし、日本のことが知りたくていろいろ見たよ。アニメとね……、他にも恋愛映画が好きなの。えへへ」

 

 

テネは体が小さいが、声量は普通の人間と変わらない大きさだった。

とはいえ、ここばかりはモニョモニョと聞こえずらくなる。

 

 

「知ってる? あのね、メイくんだけに、ううん。メイくんだから教えてあげる。ゴジラちゃんとモスラちゃんはね――」

 

 

テネはコソコソと耳打ちをする。

メイは目を丸くした。

なんというか、ゴジラとモスラは『()い仲』らしい。

 

 

「た、たぶんね……、ちゅーもしてると思うんだぁ」

 

 

一瞬とんでもない光景が頭に過ったが、どうやらそういうことではないらしい。

唇と唇を合わせるという意味ではない。

顔をすり合わせることはあるが、そもそも怪獣に唇はない。

テネが言いたいのは、つまり心と心を合わせるということ。

そういう特別な絆がゴジラとモスラの中にはあるというのだ。

もちろんテネもゴジラたちから付き合ってますと言われたわけではない。

ただし、なんとなく感じる心の波長が、そういうベクトルのものに思えるのだ。

 

 

「あの子たちって幼馴染みたいなものだから。えへへ、いいよね、そういうの」

 

 

本来トカゲと蛾の間に愛は生まれないのかもしれないが、ゴジラたちは超越している。そういう共生関係が生まれてもなんら不思議じゃない。

 

 

「わたしたちも、そうなるといいね。なぁんて……」

 

「ああ、そうだね。人類とビーナスが良い関係になれるように一人の人間として頑張らなきゃ」

 

「んー、そういうことじゃないんだけど……」

 

「うん?」

 

「ま、いっか。メイくんにはまだちょっと早かったのかもしれないね」

 

「うん。あとさ、テネ、聞いてくれる?」

 

「なぁに?」

 

「キミが好きだ」

 

「ぜぜぜ前言撤回っ! 大人大人! おッとなぁ!!」

 

「うん? キミの"そうなるといいね"っていう言葉で背中を押されたんだよ」

 

「なーんだぁ。ちゃんと伝わってたんだね」

 

「キミも同じ気持ちだと嬉しい」

 

「……わたしも、一緒の気持ちだもん♪」

 

「そっか。はぁ、よかったぁ。とっても緊張しちゃったよ」

 

「でもいいの? わたし妖精だし、いくら昔遊んだことがあるからって。離れてた時間は長いんだよ」

 

「これからお互いを知っていけばいいと思うよ」

 

「ふふふ、なんだかメイくんって変わってるって言われない?」

 

「そう、かな? ごめん」

 

 

たしかにいきなりだったと思う。

でも幼い時……、あの時はまだそういう感情はなかったけども。

今になってテネといた日々を思い返すと温かい気持ちになったし、同時にもう会えないんだろうって思ったら切なくなった。

だからきっとあれが初恋だったんだと思う。実らないとはよくいうが今またこうして再開できたのだし、その奇跡を大切にしたいと思ったまでだ。

 

なにより、メイも記者としていろいろな人間にあってきた。

清濁併せのんでこそとは言うが、やはり人は抱える闇のほうが大きいものだ。

しかしテネからはそういうものがあまり感じられない。

彼女のような甘ったるい声色や態度は、世間一般でいうと煙たがられる傾向にある。それは露骨に裏があるのではないかと勘繰ってしまうからだ。

だが、なんというか、カイザーとしてテネから感じる波長がすごく心地いい。

人間は生きている中で疲弊していくものだが、彼女と一緒にいるだけで、とても心が落ち着いた。

 

 

「って、ことなんだよ」

 

「わぁ、とってもだいたんっ! ちゃーんとっ、伝わりましたっ!」

 

「うん。よかった」

 

「ふふふ、よかった! でも、うん、やっぱり貴方を信じてよかった!」

 

「うん?」

 

「わたしね、正直、ほんのちょっぴり不安だったの。みんながずっと地下世界で生きていけるんだったら、それで良かったんだけど、なかなかそういうわけにもいかないでしょう?」

 

 

地球の支配者はあくまでも人間だ。

彼らはきっとゴジラたちを受け入れてくれない。もしもそんな種族だったら、終焉時計は動かなし、そもそもゴジラは生まれなかった。

皆がそうではないが、人は同種同士で殺しあう野蛮な生き物だと祖母も言っていた。

でもメイは優しかった。

それにメイはカイザーとしてゴジラの気持ちを感じることができるし、ゴジラもメイの気持ちを感じることができる。

 

クジラは青森から大阪まで仲間との意思疎通が取れるともいわれているが、ゴジラは遠く離れたメイの気持ちを感じていた。

怪我してないか。悪い人たちに見つかってないか。おなかいっぱい食べられてるのか。

そして、人間を嫌いになっていないか。

そういう心配の気持ちがちゃんとゴジラに届いていたし、ゴジラを通してテネもそれは感じていた。

 

 

「メイくんみたいな人がいるってわかってたから、わたし、諦めなかったよ」

 

「ありがとう。本当に、ありがとう。だからあのお守りをくれたの?」

 

「うん。奇跡の力が宿ったものは、あなたに使ってほしいって思ったから」

 

「特別なことじゃないんだ。みんな優しいところもあって、残酷な面もある」

 

「メイくんにもあるの?」

 

「きっとね。まあ、まだ幸い自覚はしてないし、したくもないけど。ゴジラだってそうなんでしょ?」

 

「……うん、そうだね。ゴジラは怖がるのも怖がられるのも嫌みたい。だってきっと自分の奥に本当に怖いものがあるって知ってるから」

 

 

モスラはいろいろなことができる。でも、ゴジラは――……。

そこでテネは言葉を止めた。

メイはテネを撫でながら、星空をジッと見ていた。

ネットニュースでは早速アンギラスたち、そしてゴジラについての記事がいくつも掲載されている。

 

 

「……誤解を解こう。人間も対しても、ゴジラに対しても」

 

 

どれだけ時間がかかってもいい。

今はまだこの気持ちの言語化はできないけど、それでもメイが感じたものを少しでも多くの人に知ってもらえればきっと何かが変わる。

 

 

「できる筈だ。キミと、僕なら」

 

 

そういうと、テネは嬉しそうに頷いた。

 

 

翌日、アンタレス本部屋上。

そこにモスラがいた。頭の上にはテネが乗っている。

 

 

「じゃあ一度、インファント島に帰ります。島のみんなにもいろいろ報告しなくちゃ」

 

「本当に助かります」

 

「モスラの頭は、ええ丸さやな。たこやき食いたなってきたわ」

 

 

それぞれが挨拶を済ませていく中、最後はメイが前に出る。

 

 

「また会えるよね? テネ」

 

「うん。もちろんだよ。あんなことを言ったのに、お別れだと思ってたの? ふふふ」

 

「そういうつもりじゃないんだ。ただちょっと嫌な予感がしてさ。ほら、カイザー? あれもあるからね」

 

「あまり気にしすぎちゃダメだよ。じゃあ、またね。いこうモスラちゃん」

 

「キュォオオ!」

 

 

モスラは飛び立ち、あっという間に見えなくなった。

 

 

 

 

「おはようございます」

 

 

一輝がモニタルームに入ってくる。椅子に座っているカイが軽く手をあげた。

 

 

「……ああ」

 

「浮かない顔ですね」

 

「まあ、朝は苦手なんだ」

 

「………」

 

 

一輝は机の上に置いてあったパンフレットを見つけた。

遊園地のものだが、デカデカとアメリカンコミックのキャラクターが書いてある。

 

 

「スパイダーマンだってさ。ナスさんのお子さんが好きで、今度行くって言ってたな」

 

「同じく蜘蛛男でも、かたやスパイダーマンっていうヒーローで、かたやショッカーの怪人か……」

 

「なんの話だ?」

 

「テネさんが言ってましたよね。自分がどんな存在であるかは、自分が決めることができるって」

 

「………」

 

 

カイはしばらくバツが悪そうな顔をして笑っていた。

すると一人の女性が入ってきた。白衣を着た赤髪の女性だ。

アンタレス医療班、夢樹ネム。彼女は親指で扉の向こうを指さした。

 

 

「テネちゃんとモスラちゃんも帰っちゃったし、退屈で死にそう。遊びに行きましょ?」

 

「「………」」

 

 

カイと一輝はポカンとした表情で目を合わせた。

 

 

 

 

「くぁー、気持ちいいわねーッ!」

 

 

ネム曰く、エンジンをかけた時に尻と胸と頭に響く感じが最高らしい。

車道は空いている。連日の怪獣騒ぎで渋滞に巻き込まれたら車などなんの意味もないことがわかったのだろう。

法定速度ギリギリのオープンカーが、カイと一輝を乗せて疾走していた。

 

 

「電気自動車とかまだまだダメよ。やっぱりこのエンジンの振動と音がないと」

 

「はぁ」

 

「人間だってちょっとお酒飲んだほうが健康的でしょ? 地球だって排気ガスをおいしく頂いてると思うのよ」

 

 

サングラスをかけたネムが風に髪を靡かせている。

救護班に所属していても今までは出番がなくてほとんどお飾りだったという。

書類仕事で、たまに呼ばれようものなら災害や事故の応援だったり。

そうなってくると、どうしても気分が沈む。

そうすると、よくドライブでかッ飛ばしているそうだ。

 

 

「この赤い革のシートとか最高でしょ?」

 

『はーい! 先生ーッ! カレーうどんとポテチをバリバリたべていーい?』

 

「いいけど零したら自殺するわね」

 

『予想外のお返事きちゃった……』

 

 

やがて車は神代坂の外れにある遊園地にやってきた。

ギュギュギューン! と音を立てて、オープンカーはドリフトで白線の中に滑り込む。

 

 

『普通に停めろよ!』

 

「いいじゃない着いたんだし。じゃあ行きましょ」

 

「はいはい」

 

 

明らかに気乗りしていないカイを引っ張って、ネムたちは遊園地に入っていった。

 

 

「何に乗ります?」

 

『はーい! おれっちジェットコースターに乗ってみたいでーす!』

 

「むりよ。こわいもの」

 

『じゃあお化け屋敷は!? 悪魔VSお化けなんて燃えてくるじゃーんッ!』

 

「ダメよ。怖いじゃない」

 

『え……? あ、じゃ、じゃあ観覧車……』

 

「いけないわ。高いもん」

 

 

結果。

 

 

「あははは。楽しいわね。メリーゴーランド!!」

 

『つまんねぇえええええ!!』

 

「こらバイス! なんてこというんだ!」

 

『だって! これ六回目! もう六回も乗ってるんだよ! 他にもたッッくさん楽しそうなものがあるのにーッッッ!』

 

「だってどれも速そうだし」

 

『アンタの車よりは遅いよ!』

 

「とはいえ六回も乗ってるとさすがにちょっと酔ってきたな」

 

「そう? じゃあ降りましょう」

 

 

ネムはにっこりとほほ笑んだ。

三人は馬を降りて、休憩場のカフェに座った。

 

 

「付き合わせて悪いな。これやるから、好きなもん乗ってくるといい」

 

 

カイは一輝に向けて財布を投げた。一輝が持っていたお金は別世界ものだから使えるかどうかわからないからだった。

 

 

『本当!? マジで!? やったぁ! おれっちアレにのりたーい!』

 

 

人の心がどうたらこうたら。

とはいえ、まったくわからないわけでもない。

一輝がチラリとネムを見ると、彼女はカイを見つめていた。

ははあ、そういうことかと思ってみる。

 

 

「お、おお。仕方ないな……」

 

『やたーッ!』

 

 

一輝たちがアトラクションに向かうのを見て、ネムはカイに近づいた。

 

 

「浮かない顔ね。何かあったの?」

 

「そう見えます……?」

 

「もちろんよ。ちょっと、私がどれだけ貴方の顔を見てきたと思ってるのかしら?」

 

 

"その頃"、ネムは辟易としていた。

避難を終えた人たちの手当て!

あるいは、負傷した隊員たちの応急処置!

などと……、はじめはそんな期待もされていたが、怪獣がでなければ意味はない。

少なくともネムがアンタレスに入った頃には、救護班は自分ともう一人の二人だけで、仕事は保健室の先生より少ないだろう。。

給料だってどんどん安くなっていくばかり。これじゃあ、大好きな車も買えないじゃないか。

とはいえ、いざ怪獣が出てくれば命を懸けるのだろう。。

両親からは早く辞めた方がいいと、いつも電話で言われた。

そんなところにいるより帰ってきてさっさと結婚をした方がいい。早く子供を産んだ方がいい。見合いを用意してあげるから、などなどなど。

 

ネムは『なにおう!』と前のめりになってみたものの、すぐに姿勢を正した。

実をいうと彼女に特別なエピソードなど何もない。

特別な過去も信念もなく、少しだけ強めの正義感だけでアンタレスに入った。

いざ入ってみると同年代は一人もおらず。仲のいい人たちはいたが、友人はできず、ましてや職場はおじさんばっかり。何度マッチングアプリに手を出そうかと思っていたことか。

しかし悲しいかな、田舎生まれの偏見なのか渋っているうちに時間が経っていた。それに当時はまだそんなに活発でもなかったし。

そんな時だ。カイが入ってきたのは。

 

稲妻が落ちた。

 

5歳年下らしいが関係ない。

なんて可愛いのかしら! そこからはもう、カイに会いに行くためにアンタレス本部に行っていたようなものだ。

向こうは興味がなさそうだったが、関係ない。お酒の席でたくさん飲ませてお家に呼んでちょっと休んでもらえばオッケーだった。

 

 

「……あの時のネムさんはやばかったっすよ。獣の目をしてた」

 

「あら。渋滞は嫌いなのよ。車道も人生もスムーズなほうがいいじゃない。それにカイくんだって来てくれたんだし」

 

「眠かっただけです。酒も初めて飲んだし。本気で休ませてくれると思ってさぁ……」

 

 

飲み会には鷹診に誘われたから行っただけだった。

しかしそこで初めて味わった酒は、すぐによくないとわかった。

いろいろ脆くなる。ネムだって、そこでカイの火傷を見つけた。

これはなに? なんでもない。なんでもないことないでしょう。だからなんでも――

 

そんな押し問答が続いて、カイは押し負けた。

ネムは医療班である手前、ある程度カイの事前情報に目を通していた。

たとえばアレルギーとか、健康状態とか、そこで彼の親が既に亡くなっていることは知っていた。それが首の火傷に関係していると気づいたのだ。

熱かったでしょ? 熱いでしょ? 絶対に痛かったでしょ? だったら心も痛かったに決まってる。ネムはそういうのがなんだかとてもムカつく性格だった。

だからきっとアンタレスに入ったのだ。

誰もがみんな、傷を隠したがる。

痛いくせに。

 

 

「かわいそうに。辛かったでしょう?」

 

 

その言葉は、正直、あまり良くない受け取り方をされるかもしれない。

しかしネムは、そういう面倒なものが嫌いだった。

 

 

「これからは私もいるから、少しくらいは寂しくないわ」

 

 

ネムはカイを抱きしめて、頭を撫でた。

鬱陶しいといえばそうなのだが、カイはその時、飲みすぎて彼女を振り払うことも億劫だった。

終わりにできるならさっさと終わりにしてほしかった。

 

それに、まあ、なんだ。間違ってはいない。

寂しいかどうかなんて勝手に決めるなよとは言えないくらいの感情があった。

だいたい、これからお世話になる同僚だ。鷹診がそうだったように受け入れてくれるならそのほうがいい。

 

なのでカイは過去をすべて話した。

ゴジラが親を殺した。でも誰も信じてくれなかった。

一人で寝ていた病院。施設の門を初めてくぐった日。

親が死んでから初めて迎えた誕生日とクリスマスは一生忘れないだろう。

 

 

「まあ、それなりに、結構、寂しかったですよ」

 

 

カイは静かに泣いていた。ネムは困ったことになったと思った。

初めはハッキリくっきり言うのであれは『性欲発散』というとんでもないことを脳裏に宿していたが、どうやらカイに本気で惚れてしまった。

彼の孤独をほんの少しでも癒してあげたいと思った。

彼が笑顔になってくれることがあるなら、協力してあげたいと思った。

 

 

「私は貴方を信じるわ」

 

 

嘘をついている人間が、こんな涙を流すものか。

だからそう言った。それはそれなりに心地よかったので、カイは何も言わなかった。

 

 

「それはそれとして、することはしておく? 大丈夫、甘えてもらってもいいのよ」

 

 

ネムはベッドに飛び込んで腕を広げた。

いろいろ台無しである。

 






ゴジラもシリーズでかなり見た目が変わりますが、個人的にはミレゴジ、ギラゴジと呼ばれるタイプが好きです。
背びれの紫がおしゃれでかっこいいんですよね。
まあちょっと口が裂けすぎな気もするので、もう少し抑え気味だったら個人的にはもっと良かったんですけれどもね(´・ω・)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。