「ニンゲンヨオ、話し合いニオウジテクレテ、感謝スルゾ」
「ココニハ、キノコガスクナイノオ」
ジェイジェイは粗暴そうな外見に反して、理知的な瞳と話し方をしていたが、ブラッキーは一見して酔っぱらっているように顔を赤くしている。
「こちらこそ、私は、ラジアータ王国宰相のラークスと申します。
来度は、ジオラス王の代理として参りました」
「ワシャア、マワリクドイノハ得意ジャナイ。率直ニイカセテモラウゾ」
緊張が走った。
「コタビノ争イカラ、双方テヲヒイテイママデドオリニクラソウ」
静寂、そしてざわめきが広がる。
「手を引くというのは……相互に不干渉を貫くのですか?」
ラークスは冷静ではあったが、声色に戸惑いが隠せない。
「ソウジャ、ワシャアラハ今マデドオリヒッソリクラス、ニンゲンタチハ、ホウッテオイテクレエ」
「それはいささか、虫の良い話ではありませんか? 戦争をしかけてきたのはそちらからと記憶しています」
「ドッチガサキカナンテノハ、些細ナコトヨ」
ブラッキーが返した。
「ワシャアラハ、無駄ニチヲナガシトウナインジャ」
「私たちもそれには賛成します。ですが、あなたたちには龍がついている。いつでも私たちを容易に滅ぼせる存在が側にいるのに、信じろと?」
「ソレハオタガイサマジャ、ソッチニハモ龍ガオロウ」
さしものラークスも、一瞬言葉を失った。
「何と?」
「スデニ龍ヲナンビキモクットルリュウガ、ノウ」
ジェイジェイとブラッキーの視線が、自身に向いているのにジャックは気づいた。
「ニンゲンヲマモルリュウ、ジャックヨ」
「……は?」
「彼は龍ではありません、騎士団の一員です」
「ニンゲンヨオ、イマトゥトアスハ、アタラシイジダイヲムカエトル」
「妖精ニダケオッタシュゴシャガ、ニンゲンニモアラワレタダケノコトヨ」
「ジャック……彼が龍と言う根拠は? 確かに火龍や銀龍は人間の姿を持っていたが、本体は龍そのものだ。彼は人間に過ぎない」
ラークスとジーニアスの言葉で、ジャックは沸騰しかけた血を鎮めた。龍と何かと縁深い彼だが、同一視されて愉快なはずはない。
「コレマデニナイ、龍ノスガタチュウコトダナ」
「カズデマサリ、好戦的デ龍マデオルニンゲントタタカエバ、カッテモワシャアラモタダジャスマン」
「故に、停戦を提案すると?」
「ソウイウコトジャ、ワシラノスミカヲオカサネバ、手出シハセン」
「ソレダケノ願イジャ」
「……受け入れるのに、条件があります」
「ナンジャ?」
「あなたたちの元にいる龍……それから少女の抹殺です」
不穏なラークスの言葉に、ガンツらはもちろん、レナード達騎士にもざわめきが広がった。