ラジアータストーリーズ 龍の目覚め   作:ニシムラタカハシ

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水龍ケルビン⑩

「グウウ……」

 

 だが、ジェイジェイは崩れ落ちた。さしもの彼も、ジャックから受けた一撃が響き、体力がつづかなかったのだ。

 

「ジャック様、鎧を解いていただけませんか? 奇跡の効果が遮断されているようでしてー」

 

「もうちょっと待って」

 

 体中が悲鳴をあげていたが、鎧をとく訳にはいかなかった。未だにブラッキーは健在だし、ブラックゴブリンやオークも稼働している。

 

「ウシャッ!」

 

 キノコバズーカがジャックに襲いかかってきた。ホリィやブルースたちへの被弾を避けるべく、一人走り出す。

 

「ウシャシャシャシャ!」

 

 龍の鎧はまとっているだけで体力を奪っていく。だが、ジャックは解除できなかった。生身で攻撃を受ければ、いともたやすく人間は死ぬ。

 

「グアア!」

 

 オークが一匹ジャックの前に立ちふさがった。ジャックは速度をゆるめず、ヴェルバーンの一閃で妖精の生に終焉を告知した。

 

「うわあっ⁉」

 

 その一瞬の隙に、キノコバズーカが直撃した。吹き飛ばされ、先ほどと同じく岩壁に叩きつけられたジャックは、受け身を取ることもできなかった。

 

(や、やばい)

 

 鎧による消耗は予想以上だった。たまらず鎧を解除して、回復ができるミランダたちを探そうとした。

 

「うお!」

 

 だが、ブラッキーがそれを許さない。キノコバズーカによる弾幕でジャックを足止めする。このまま続けばじり貧でいずれはー

 

「ぬおお!」

 

「ウヌッ⁉」

 

「ハッ!」

 

「それ!」

 

 アキレス、ソナタ、ヴァージニアがブラックゴブリンの長へ攻撃を叩き込んだ。致命傷を躱し反撃までしたブラッキーは流石の実力であったが、ジャックを攻撃する余裕はなくなった。

 

「しっかり!」

 

 ファラウスに抱き起され、ジャックはようやく鎧を解いた。

 

「大丈夫ですか?」

 

「結構しんどいかな……」

 

「ジャックさん!」

 

「動かないで!」

 

 ミランダとフローラが奇跡でジャックを癒す。ようやく、一呼吸着くことができた。

 

 ブラッキーとアキレスらの戦いの形勢は、徐々にアキレスたちに傾きつつあった。人数で勝り、カインによる回復で持久力もある彼らの相手は骨が折れる。

 

「おらあ!」

 

「しゃあ!」

 

 分断されていた仲間も、ジェラルドとノクターンを中心に集結しオークらを倒していった。視界も回復しつつあり、もう動ける妖精は数えるほどしかいない。

 

「そいや!」

 

「ヌグウ⁉」

 

 そしてとうとう、アキレスの強烈な下段蹴りを受けたブラッキーは膝をついた。

 

「ウシャア!」

 

 それでも、キノコバズーカを振り回して彼を遠のけ、キノコを食して体力を回復する。

 

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