ラジアータストーリーズ 龍の目覚め   作:ニシムラタカハシ

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『ジャック』軍団①

 さて、妖精との再戦争、『龍』の復活といった大事が続くなかでも、人々は日常を過ごさねばならない。

 

 『テアトル』の戦士たちは依頼をこなし、『オラシオン』の面々は神へ信仰を捧げる。『ヴァレス』では研究に情熱が注がれ、『ヴォイド』は暗部を担う。

 

 そこに所属する以外の人々も、それぞれの責務を果たしていた。

 

 ローズは相変わらず高圧的な口調で接客し、ワークは商品の武器を売ることを拒み、エレフは新区画の工事を監督する。

 

「今日もいい天気」

 

 ユーリは、『ビギン食堂』で仕込みをしていた。そろそろ、『テアトル』の面々がどさっと駆け込んでくる頃だ。

 

「ユーリ~!」

 

 が、今日の初客はアクセサリー屋『サンパティ』の経営者にしてルームメイトのジャスミンであった。彼女が客としてここへ来るのは珍しくないが、どうにも様子がおかしい。

 

「どうしたの?」

 

「大変なのよ、ジャックさんが―」

 

「ハラヘッタナア」

 

 丁度、その『ジャック』が入ってきた。

 

「メシダメシ」

 

「オオモリニシヨウ」

 

 そしてまた、次々と『ジャック』たちが入ってきた。

 

 

 フリージアは、『ラストバイブル』に注文していた薬剤学の本を受け取りに来ていた。

 

「ウオオオーナケルゼエー」

 

「ナナカンヲヨコセ」

 

「オレガミテルンダ」

 

「あのう、立ち読みは困るんですけど……」

 

 そこには、『ジャック』たちがマンガを立ち読みし、店主チーチルが笑顔を引きつらせている光景が広がっていた。

 

 

「アニソンハイイナア」

 

「コッチカケヨウゼ」

 

「コッチモイイゾ」

 

 『シックレコード』でも、店を埋め尽くす『ジャック』たちがレコードを試聴していた。

 

 ソニアは肝が据わっており、動じることなくそれを眺めている。

 

 

「ヨコセ」

 

「オレンダ」

 

「やめんかこら!」

 

 『オラシオン』のゴドウィン青空教室では、困惑するニットらをよそに『ジャック』たちがクワガタを巡って争っており、ゴドウィンから喝を入れられていた。

 

 

「モットヤレー」

 

「ツギハリョウアシヲアゲテケンヲオテダマシロー」

 

「む、むおおおお! ワガハイならできる!」

 

「スター様はポージングの達人なのです」

 

「なぜジャック・ラッセルが複数人いるのでしょう?」

 

 ヴァンクール広場では、日課のポージングをしているスターを、ジュース片手に『ジャック』たちが野次る。

 

 

「ジャックさん! ジャックさん!」

 

「ふあい?」

 

「ジャックさんがお店を占領してるの! なんとかして!」

 

「……は?」

 

 エアデールのお叱りから解放され、惰眠を貪っていたジャックは、ノックから始まったユーリの不可解な懇願を受けて、思いがけない珍事に遭遇することとなった。

 

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