ラジアータストーリーズ 龍の目覚め   作:ニシムラタカハシ

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『ジャック』軍団②

 パジャマのまま、ユーリに強引に連れ出されたジャックは、『ビギン食堂』の惨状を見てようやく眼を覚ました。

 

「ネーチャンメシマダー?」

 

「ジュースクレー」

 

「あ、あのね、私はアクセサリー屋さんなのよ?」

 

 『ジャック』たちが、好き勝手に振る舞っているのだ。

 

「ね?」

 

「いや、ねって言われても……」

 

「だって、ジャックさんでしょ?」

 

「自分で言ってておかしいと思わない?」

 

 確かに、『ジャック』ではあるが……。いや、そもそも自分はここにこうしているわけで……。

 

「なんとかして」

 

 この『ジャック』たちは一体? まさかあの黒い鎧の男……、違う、何かが違う。

 

「ロボスーツ?」

 

 ジャックが持つ鎧の一つに、ロボスーツというものがある。

 

 以前、スターが実家の鎧を持ち出して騒動になった際、礼にと渡されたものだ。

 

 防御は並みだが、あらゆる状態異常を防ぐという特筆すべき性能がある。さらに、着込むと見た目がゴーレムよろしく機械仕掛けになるのだ。

 

 『ジャック』たちは、丁度その時の姿だった。

 

「っていうか、俺じゃねえだろ!」

 

「ジャックさんじゃないどう見ても!」

 

「どこがだよ! 眼が光ってるしネジがついてるだろ!」

 

 当人にとっては真剣な問題について議論する間に、運悪く『テアトル』の面々が昼食をとりに来店してしまった。

 

「む……」

 

「分身? 影武者か?」

 

「にぎやかですねえ」

 

「うわー狭くなっちゃうよ~」

 

「おい、どうなってんだこりゃ!」

 

「俺が聞きたいくらいっすよ!」

 

 しばらく押し問答を繰り返していると、今度は『オラシオン』のエドガーが飛び込んできた。

 

「あ、いた。ちょっと君、君をどうにかしてくれよ」

 

「は……待て、他にもいるのか⁉」

 

 

 ジャックはエドガーに連れられ、何故か『ジャック』たちも伴って、『オラシオン』礼拝堂に駆けつけた。

 

「静かにせんか!」

 

「ヤダヨーヘッヘヘー」

 

「タノシイゼー」

 

 『ジャック』たちがあちこち駆け回り、モンクたちが捕まえようと躍起になっているのだ。

 

「ジャック様、静粛にしなければならない場所では、きちんと振る舞いを正されるのが神の―」

 

「おれはここにいるだろ!」

 

 ジャックは頭を抱えた。一体何が起こっている?

 

「アニキー!」

 

 アルマとジョケルが飛び込んできた時、ジャックは次の言葉を聞くまでもなく理解した。

 

 

「レッツソウルマッスル、ハイハイハイ」

 

「ヒュ~イカスゼー」

 

「モットヤッテクレー」

 

「んふふ、あんさんたちの応援を受けちゃ、頑張っちゃうわあ」

 

 『紅蓮京』で、ピーキィのパヤパヤダンスに興じる『ジャック』たちであった。

 

 これは害が少ない……と思うのは、他で毒された結果だろうか。唖然としながらジャックは呟いた。

 

「カッコイイゼ」

 

「オレタチモヤロウ」

 

 何故かついてきた『ジャック』たちもダンスに興じ始めた。

 どうしたものかと思案するジャックの前に―

 

「ふう、まったく手間がかかるわ」

 

 次なる来訪者は、アーシェラだった。

 

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