ラジアータストーリーズ 龍の目覚め   作:ニシムラタカハシ

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チーム・ヘクトン②

「ウソ⁉」

 

「街に⁉」

 

 ダニエルとナルシェは立ちすくみ、ジャーバスは未だ息切れの中、ジャックだけは冷静だった。

 

「りゃあああ!」

 

 瞬時に発現させた槍『神槍パラダイム』を握りしめると、一切の躊躇なくスカルヘッドへと投擲した。

 閃光のような一撃は、エレフたちに一番近づいていた個体と続いていた何体かを『抉り』殺し、そのまま分厚い門を貫通して跳躍していった。

 

「いけねっ、おーい、早くこっちに!」

 

「お⁉ おめえ小僧か⁉」

 

「久しぶり! 早く!」

 

 エレフらは素直に全速力でジャックらの元へかけてきた。

 それと入れ違いに、ジャックは残るスカルヘッドらへと駆けていった。

 

「これ以上壊すとまずいよな……」

 

 呟いたジャックの手には、『パラダイム』が再度握り込まれていた。

 そのまま、スカルヘッドの一団へ穂先を薙ぎ払う。

 

 交錯。

 

 ジャックとすれ違い、そのまま街へと突入戦としていたスカルヘッドたちは、その数を『3倍』に増やして、果てて転がった。

 槍の一撃により、文字通りに3枚おろしにされたのだった。

 

 と、門の外からも悲鳴が聞こえて来た。

 

「作業員が残っとる!」

 

 エレフの言葉に、ジャックはすぐさま反応した。

 

「エレフとマリエッタはヴァレスに避難して! 皆いくぞ!」

 

「う、うん!」

 

 ジャックが門の外へ消えてから、ようやくダニエルは冷静さを取戻して、ナルシェとジャーバスを伴い後を追った。

 途中、スカルヘッドらの亡骸とすれ違う。彼らが背負っていた巨大で分厚い頭蓋骨が、これ以上ないほどに美しい切断面を見せつけていた。

 

 

 

「うわっ」

 

 ジャックの前に広がっていたのは、モンスターに襲われる作業員たちと壊れ果てた家の土台だった。

 

「一個一個やってたら間に合わねえか……」

 

 『パラダイム』の穂先を地面に向け、不覚一呼吸した後ジャックは囁いた。一瞬、彼の周囲の空気が凍り付く。

 

「百禍嶺嵐」

 

 そのまま穂先を地面に突き刺すと、あちこちから無数の武器が天に向かって

突き上がった。さながら、咲き乱れる刃の華だ。しかもそれは、的確にモンスターだけを貫いて、作業員たちを避けている。

 

「……よっしゃ」

 

 『パラダイム』が地面から引き上げられると、同時に無数の武器も消滅した。宙に突き上げられていたモンスターたちは、そのまま地に落とされて亡骸を晒すのみとなった。

 

「お、おめさん……」

 

「あ、ブーチェ?」

 

 作業員の一人に知り合いを見つけ、ジャックはまとっていた殺気を消し去った。

 

「ジャック~!」

 

「お兄ちゃん~!」

 

「遅いぞダニエル、ナルシェ……」

 

「ぜえ、ぜえ……お、俺が来たからには……も、もう安心だぞ」

 

「と、……隊長。こりゃ、オラシオンの皆に来てもらわないとな」

 

 幸い死体はモンスターのものだけのようだが、怪我人は多数いるようだった。少なくともひと段落するまでは、離れるわけにもいかなさそうだ。

 

「きゃっ」

 

 それから少し遅れて、避難指示を出したはずのマリエッタがやって来て、転んで頭を打っていた。

 

 

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