ラジアータストーリーズ 龍の目覚め   作:ニシムラタカハシ

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地龍ボイド①

 人間蔑視の傾向が強いドワーフだが、意外にも、妖精族の中では最も人間の文明を取り入れている種族であった。

 

 採鉱、鍛冶を生業とする彼らは、必然的に取引相手の大手が人間となる。自然交流が生れ、その文化を取り入れる機会が多かった。戦争前には、採掘に必要な資金提供も受けていた。

 

 ゴーレム製造技術も、その中の一部である。アーシェラのような人造人間としてよりは、掘削作業の補助作業員としてのものだったが、それは少し改造すれば容易に兵器化できるものだった。

 

「突撃じゃ!」

 

 ギアゴーレムの不意討ちに呼応して、ドワーフとゴブリンたちが突撃して来た。

 

「迎え撃て!」

 

 レナードの叫びで、人間たちもやや遅れて迎撃する。あっという間に戦場は混戦状態となり、敵味方の判別も付かない程になった。

 

「ノクターン、おめえももうろくしたんじゃねえか?」

 

「じゃかましい! 地面の下なんざどう見張れってんだ!」

 

 ジェラルド、ノクターンが軽口を叩き合った。斥候と見張りを担当した『ヴォイド』の失策ともいえる混戦だが、彼らにとってはじゃれないのようなものだ。

 

「さあ、ジャックさん! 予算獲得のために戦ってください!」

 

「ウオー」

 

「ヨッシャ」

 

 ゴーレム『JACK』シリーズが投入され、妖精たちを駆逐していく。

 

「ジャックじゃ!」

 

「兄弟がいたのか?」

 

 それなりに武闘派であるドワーフたちであるが、数の上ではゴブリンとゴーレムを足しても人間に劣っている。

 

 ゴンドノビッチらは良く戦っていたが、他のドワーフたちは次々に討ち取られ、劣勢を強いられるはずであった。

 

「―‼」

 

「『ゴブリンビーム』!」

 

 だが、現実には人間たちは攻めあぐねていた。『地龍』と、当初は戦力外とみなされていたゴブリンたちによってである。

 

「―‼」

 

「うわあああ!」

 

「退避するんだ!」

 

 『地龍』は言わずもがな、その巨体によって迫る人間たちを薙ぎ払っていた。土砂のブレス、尾での打撃、地震、近づくことすら困難で、『ヴァレス』の魔砲での遠距離攻撃が精いっぱいだった。

 

 ゴブリンたちは、以前ジャックが見たボルティブレイク『ゴブリンビーム』を連発して来た。破壊力もさることながら、なんとこの技、ゴブリンが3人いれば誰でも使えるようで、前線戦闘員への脅威となっていた。

 

「ブルースさん! シーザー隊長が!」

 

「ただいま!」

 

「……無念」

 

 直撃を受ければ、シーザーですら倒れてしまう。自然、それを警戒して及び腰になり、積極策がとれなかった。

 

「少し強引にいくか……」

 

 混戦を打破すべく、ジャックは勝負を仕掛けた。

 

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