ラジアータストーリーズ 龍の目覚め   作:ニシムラタカハシ

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地龍ボイド④

「……『ギガントアクセル』!」

 

 斧のボルティブレイクであった。先に斧を放り投げ、回転するそれに飛びつき、回転力を増した一撃を見舞う。

 

 ジャックの技の中でも、最も破壊力に特化したものだ。

 

「―‼」

 

 『地龍』に激突したその一撃は、これまで不動だった龍を大きくのけぞらせた。だが、それでも目立った損傷は見受けられない。

 

「しゃあ!」

 

 が、ジャックは怯まない。『ツチノコだんご』をかじると、二度目の『ギガントアクセル』を見舞った。

 

「―‼」

 

 『地龍』には傷がつかない。構わず、ジャックは再び『ツチノコだんご』を口へ運んだ。

 

 『ツチノコだんご』、その存在は多くの人に知られているが、実物を目にしたものは少ない。

 

 ツチノコというモンスターに、解毒剤を与えることで得られるアイテムで、無上の美味の上に、気力体力が瞬時に回復するという代物であった。

 

 当然、多くの者がそれを求めたが、この一連の作業が明文化されておらず、さらにツチノコも稀にしか現れないとあって、幻の逸品とも言われている。

 

 ジャックですら、数えるほどしかツチノコに遭遇しておらず、

決して多数を所持してはいなかった。

 

「しゃああああ!」

 

 その『ツチノコだんご』をつぎ込んで、ダメージを与えられないボルティブレイクを見舞う。その意図に最初に気づいたのは、ジーニアスであった。

 

「穴に落とす気か」

 

 ジャックが狙うのは、『地龍』の撃破ではない。穴に落下させることだった。

 

 落下させて龍を倒せるのか? ジーニアスの頭脳は素早く働き、すぐさま『決して確実ではないにしろ、今取れる最良の手段である』との結論を下した。

 

 猛者たちですら、傷一つ付けられない相手である。このまま攻め続けたとして、勝機が見いだせない。

 

 ならば、地の底へ叩き落とし這い上がれないようにすれば、無力化できるのではないか。『地龍』には飛行する翼がない。

 

 しかしー

 

「できるのか?」

 

 ボルティブレイクは渾身の一撃である、それを何度も放つことは、ジャックの肉体に多大な負担を強いるだろう。

 

 だからこそー

 

「回復してくれ!」

 

「は、はい!」

 

 フローラが、『奇跡』でジャックを癒す。『オラシオン』の僧侶が総動員され、少しでもその負担を軽くすべく、彼を回復せんと待機していた。

 

「うおおおおお!」

 

 『ギガントアクセル』。『地龍』が流石に体勢を崩した。が、反撃を怠ることはなく、着地を狙って尾でジャックを叩き潰した。

 

「ジャックさー」

 

 巨大な岩石の尾を、無理やり『龍』が持ち上げる。モルガン謹製の『鎧』は、確かに堅牢だった。

 

「『ギガントアクセル』!」

 

 爆発が起きる。

 

 『ツチノコだんご』が切れた。あとは『奇跡』と、集中力で補うしかない。

 

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