半純血教師録スネイプ   作:三柱 努

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賢者の石 第1.1話

「ついに来たか。この時が。これから7年は忙しくなりそうだ」

 

時は1991年9月。スネイプ待望の年。

ハリーポッター。生き残った男の子。

闇の帝王ヴォルデモートから狙われながら、逆に消滅させた奇跡の赤ん坊。

そしてリリーの息子。

その子がついに、ホグワーツ入学!

魔法界中が注目するその時を、スネイプもまた歓喜していた。

 

 

「ダンブルドアからクィレルを見張るよう命じられているから忙しいが、それでも問題あるまい。闇の魔術に対する防衛術も・・・今年も駄目だったが、それでも問題あるまい」

セブルス・スネイプ。今年も魔法薬学担任。

だがスリザリン寮監は健在。スリザリン生とだけは蜜月のポジション。

 

スネイプは画策していた。思い描いていた最高のビジョン。

ダンブルドアには宣言していた。たとえハリーと出会っても、スネイプが彼を守ろうとしていることは告げるつもりはない、と。

深く関わらない、と。

 

 

だが寮監と生徒であれば話は別。

かねてよりスネイプはスリザリン生への依怙贔屓を連発していた。

それも全て、ハリーがスリザリン生になった暁に、おおっぴらに彼を依怙贔屓するため。

寵愛。超愛!

リリーの息子を愛でる未来を夢見て、スネイプは校長のどんな無茶にも耐えてきた。

 

 

 

 

「グリフィンドール!」

 

『ぐがっ!』

ハリーポッター。その勇気を買われ、グリフィンドール配属!

 

嫌な予感はしていたスネイプ。

1年生の中にいるハリーを遠目で見て、『まさか・・・』とは思っていたが・・・

組み分け帽子を被らせるために壇上に上がったハリーを見てますます確信。

 

まさかのジェームズ似!

『何故だ!? どうして・・・眼鏡までも遺伝!?』

学生時代のスネイプ最大にして最悪の受難。ジェームズ・ポッター。

いじめ。その一言に尽きる。

陰湿ないじめ。筆舌に尽くしがたい虐待。学生時代のスネイプをいじめ倒した男。それがハリーの父にして、その面影を色濃く残していった男!

『残しすぎだ! 馬鹿ッ!』

頭を抱え悶絶するしかない。

がんばれスネイプ。負けるなスネイプ!

 

 

この時、スネイプは気付いていなかった。

辛うじて残るリリー要素。

ハリー、目だけはリリー!

 

だがしかし!

確認できるのは眼鏡ごし!

ここにも食い込んでくる。ジェームズ・ポッター要素!

 

 

 

『くっ・・・しかし、まだだ・・・まだ可能性は・・・』

そう。スネイプにはまだ希望があった。

寮監としての権限を行使したエンジョイライフまではいかずとも、担任ではない先生と生徒にも芽生えるはず。

友好関係。

大好きな教科になってもらえばよいのだ。

魔法薬学。ハリーの得意科目に。

 

 

が・・・そのファーストコンタクト。魔法薬学1年生最初の授業。

 

「ポッター!」

思わず飛び出したスネイプの声。

ハリー、まさかの授業開始スタートから早速の余所見!

スネイプの話を聞く気ゼロォ。

 

『それでもまだ・・・まだ可能性は・・・・この態度、ハリーが入学前から魔法薬学を予習しているという・・・』

苦しい中でも粘るスネイプ。諦めない。

 

 

「アスフォデルの球根の粉末にニガヨモギを煎じたものを加えると何になるか?」

「ベゾアール石を見つけてこいといわれたら、どこを探すかね?」

「モンクスフードとウルフスベーンとの違いはなんだね?」

 

まさかの全問回答不可! 教科書レベルのイージークエスチョンなのに。

答えを教えてもノートに書き取る気配すらゼロ!

 

 

第一印象最悪。からの第二印象まで最悪。

 

スネイプ、この時点で心の中。

グリフィンドール100点減点!

 

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