半純血教師録スネイプ   作:三柱 努

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秘密の部屋 第1.1話

賢者の石を巡る攻防戦の末、賢者の石は破棄された。

ハリー・ポッター、無事2年生へ進級。

 

そしてセブルス・スネイプ。今年も魔法薬学担任!

『くっ・・・またか! またしても』

 

 

スネイプ受難。

去年は状況が状況でありながら、賢者の石を狙う悪者だとハリーに疑われ。

その疑念が晴れたとはいえ、関係は最悪のまま経過。

 

『今年こそ。今年こそ挽回を』

そう願って迎えた新年度。

 

が・・・今年の闇の魔術に対する防衛術

担任、ギルデロイ・ロックハート

 

勲三等マーリン勲章

闇の力に対する防衛術連盟名誉会員

『週刊魔女』五回連続『チャーミング・スマイル賞』受賞

 

 

『何なんだこの・・・モンドセレクション金賞受賞のような胡散臭さ』

否。モンドセレクションは品質の高さに対する賞。立派な賞である。

 

 

が・・・こちらは保証されていない。ロックハート品質。

現に現役ホグワーツ教師陣に吹き荒れる。超絶アウェイの大風。

『くっ・・・何故こんなクズが。こんなクズに負けたと言うのか吾輩が』

 

始業前からブルーに染まるスネイプ。

 

 

が、それでもハリーさえいてくれれば全て帳消し。

この夏休みの間に、用意してきた。ハリーとの仲良し大作戦。

 

去年の雪辱を果たすべく。共通の話題に分かりやすい授業。濫用予定の寮監の権限。

大切なのは1つ1つの積み重ね。気軽なコミュニケーションの積もり。

積もを重ねる毎に・・・手牌はみるみる変貌・・・

気がつけば・・・このゴミのような関係が・・・

最高の形に!

 

なるはず。テンパイ。純チャン三色一盃口!

 

 

が・・・そんな希望に胸膨らませ、スネイプが迎えた始業式・・・

突如舞い込んできた日刊預言者新聞

【空飛ぶ車。少なくとも7人のマグルが目撃】

 

ハリー・ポッター、ウィーズリー家所有の空飛ぶフォード・アングリアに乗って登校!

『がっ! 何だと。ハリーよ、何故こんなことを』

愚弄。未成年魔法使いの制限事項令を愚弄。即刻、退校処分レベルの愚行。

ホグワーツ教師として、激高して叱らなければならない不祥事。

 

せっかくのハリーとの一面子が・・・この愚行の主犯が・・・イーピンを切ってきた

『ロン! ロンは駄目ッ!』

 

 

 

 

こうして最悪のスタートを切った新年。

が、これは自業自得。ハリーの猛省さえあれば、まだ修復可能。

 

『まぁ・・・今年も楽しんでいけばいい。いつものルーティーンを』

 

そう。今年はスネイプにとって最高の一年になる予定。

何故なら今年のクィディッチ。盛り上がるからだ。

スリザリンチーム、新シーカー。ドラコ・マルフォイ!

父、ルシウス・マルフォイはスネイプの先輩にして特に親しい先輩。

それは卒業後も。そして死喰い人を抜けてからも同じ。

贔屓にしてもらっている。ズブズブの関係。

そんな知り合いの子供となれば、可愛いに決まっている。もしスネイプに実の子がいたとしても、ドラコのほうが。普通のマグルでも同じ感覚のはず。

 

『そう。今年はルシウスの息子も、リリーの息子もクィディッチ選手。つまり楽しめる。スリザリン対グリフィンドール。どちらが勝とうとも』

役得。勝敗に一喜一憂せずに安心して見ていられる。

 

『去年はクィレルの妨害をせねばならんかったが。今年はフリー。これは持ち込めというようなものではないか。バタービールとチーかま』

もはや小旅行気分。日頃の多忙と責務からの解放が約束されたこの状況。

今日のクィディッチを一番楽しめるのは間違いなくスネイプ。

 

『そしてクィディッチとなれば、ロンの心配もない。あとは吾輩のツモを待つだけ』

 

 

スネイプ史上最高のクィディッチとなるはずだった。

 

ざわざわざわ

 

『あ?』

ハリーのプレイを安心して見守っていたスネイプに過った悪寒。

『なんか・・・狙われとらんか? ハリーだけ』

スネイプは優秀故に気付いた。やたらとハリーの元に集まりがちなブラッジャーに。

しかも殺人的。これでもかと勢いをつけて迫る。ハリーに向かって。

 

『ま・・・まさか、今年もか! 今年もいるのか。クィレル2号!』

ハリーの命を狙う不届き者の存在を察したスネイプは、もはやその手にバタービールを持っているどころではなかった。

迷わず唱える反対呪文。

 

が・・・全く止まる気配を見せないブラッジャー

 

グラァ

『そ・・・そんな、効かない・・・』

絶望するスネイプ。

 

それもそのはず。

このブラッジャーは通常のブラッジャーではない。前もって用意された特殊ブラッジャー。しかも仲間うちを回らず、ハリーだけを狙う。

 

『とまれとまれとまれとまれとまれ、とまれ!』

そんなスネイプの願いも虚しく。止まらないブラッジャー。

 

が、それでも我らがハリー・ポッター。ブラッジャーに追いかけられながらもスニッチをゲット。グリフィンドールを勝利に導く大活躍!

 

その瞬間を

スネイプは見ていなかった。

反対呪文をかけるのに夢中で、ブラッジャーの方しか見ていなかった。

 

 

見てしまっていたのは、ハリーの腕の骨をブラッジャーが折ってしまう瞬間だけ。

『・・・・な!?』

ぐにゃあ

 

崩れるスネイプの足元。歪む。背景まで。

骨を抜かれたハリーの腕と共に。

ぐにゃあ!

 

 

『どうして・・・? 

なんで・・・こんな・・・

こんな・・・・

 

 

こんな理不尽なことがハリーの身ばかりにっ・・・・・・・・!』

 

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