「私、今日・・・風邪っぽい」
ハーマイオニー・グレンジャー。
ホグワーツ魔法魔術学校、グリフィンドールの生徒にしてハリー・ポッターの親友。
同期生の中で最も優秀な魔女。
が、たとえ成績優秀であっても平等。
抗うことはできない。体調不良。
朝食の席での告白に、同席していたハリーとロンは残念がった。
「熱あるの?」
「うん」
実際、ハーマイオニーの体温。現在37.7℃。赤い顔にだるそうな目。明らかな休養必須モード。
「そんなぁ、残念だね。今日はルーピン先生が特に面白い授業をやってくれるのに」
「僕らが一番体調を崩しちゃいけないタイミングで。本当に残念」
リーマス・ルーピン。闇の魔術に対する防衛術の歴代最高の担任(ハリー談)。
無論、比較対象である“去年”が悪すぎた。一昨年も中身的な意味で悪すぎた。
が、それを度外視したとしてもルーピンの授業はホグワーツの授業の中でトップクラスに楽しい授業であった。
そんな授業に出られないなんて一生の不覚。そんなハリーとロンの言葉に、ハーマイオニーは拳を握りしめた。
「心配しなくてもイイわ。治す。間に合わせる。闇の魔術に対する防衛術に」
直後に「ん゛っん゛ん゛」と咳きこみながらも断言した。
「じゃあ2人とも、授業には先に行ってて」
そう言い残し、ハーマイオニーは寮に戻っていった。
「毎日の無理がたたったんだよ」「そうだね。ハーマイオニーは少しくらい休むべきだよ」
ほどなくして寮。ハーマイオニーはマグルの両親から預かっていた常備薬を飲みまくっていた。
病気に魔法も非魔法も関係ない。効くものは効く。
配合。肝臓水解物・ジクロロ酢酸ジイソプロピルアミンが
効 くぅ~!
そしてベッドにINするハーマイオニー。
「寝よう。あの方法で」
ハーマイオニーはふとんを体の左右に巻き込み、足元の部分も入り曲げ、密封。
完全防備ハーマイオニーロール!
そして昼頃・・・みんなが午後の授業に入った頃、ハーマイオニーは静かに起床。
汗びっしょりの体にクリアな視界。体温計を使わずとも分かる。ハーマイオニー、平熱!
「私、完全復活!」
今から急げば間に合う。闇の魔術に対する防衛術の授業。
と見せかけて、ベッドイン!
「ここにアナタの居場所なんてないから。私の体の病原菌」
グレンジャー家。マグルの両親は共に歯医者。医学部歯学科。病気には詳しい。
よって容赦ない。病気を徹底的にいじめ抜く!
追加の3時間ロール後・・・すっかり授業の時間が終わった頃・・・
完全究極体ハーマイオニー起床。
「クルックシャンクス!」
そして呼びつける。愛猫。
からの補充、ネコ成分。ギュッと抱きしめて吸う! くんかくんか!
「さて、これで復活したことだし。行きますか」
そう言うとハーマイオニー。懐から砂時計を取り出す。
ただの砂時計ではない。時間をさかのぼる時間逆転魔法が施された特殊な時計。
タイムターナー!
こうしてハーマイオニーは出現。数時間前の1時間目の授業の時間に。
あとは寮に戻ってくる自分と入れ違いに、授業に出るだけ。
「さ~て、授業に遅れちゃうわ」
ハーマイオニーは服を着替え、元気よく寮を飛び出していった。
逆転時計による多重受講。同じ時間に複数の自分を存在させる魔法により、ハーマイオニーは受講時間が重なる授業を全て受けていた。
日に30時間の勉学という矛盾に快感を覚える魔女
ハーマイオニー・グレンジャー!
その日の夕食の席。いつもの通り、ハリーとロンと同席。
「あー、面白い授業だったわね」
「そうだね。それにしてもハーマイオニー、よく大丈夫だったね」
「それにハーマイオニー、キミよく食べるね」
ハーマイオニーの食卓に並べられた大量の料理に驚くロン。
大量の勉学により脳内で消費されるカロリー。
それに加え、普通に他の人の何倍も時間をすごしたハーマイオニー。
単純に空腹!
空腹こそ最高の調味料。
「美味っ」
美味さ倍づけ!
こうしてこの日もハーマイオニーの欠席ノーカウント!