俺だ、遊仁だ。俺前回あのコアみたいなのブッ刺しただろ?んで眩しくなって次に目を開けたら取調室に今いるんだよ。
何ででしょうねぇ。
俺が何したって言うんだよ!ただMS盗んで操縦しただけでしょ。ガンダムでは良くある事だって。
お、いかにも尋問しますよみたいな人達が資料片手に入って来たぞ。でもアンタ絶対警察じゃ無いでしょ。こんな仮面みたいなの被ってる奴が居るなんて碌な所じゃねぇ。
「まずは君に教えておくことがある。大赦という組織に聞き覚えはあるだろう?私達はそこの人だ。なに、君にちょっとした質問があって来たんだ。怖がる事はない」
いやこえぇよ。そんな資料じっくり見ながらねっとり言われても緊張とけねぇよ!大赦ってあれだろ?この世界で一番偉い組織。
表情が読み取れないその尋問官は返事も構わず話し続けた。
「短刀直入に聞こう、君があのロボットを動かしたのかな?」
「・・・はい」
その威圧感に耐えられず、つい言ってしまった。だが隠してもしょうがない。聞かれてる時点で99%知ってて言ってるだろうからな。
「そうか・・・。では私達と来てもらおうか」
まっ、待ってくれ!ああっちょっ、引っ張るな引っ張るな。分かった、分かりましたよ!大人しく行けば良いんでしょう⁉︎
怪しげな男達に連れられ、俺は中が見えないミニバンへと乗せられた。
しばらくすると、大きなビルに向かっているのが見えた。多分アレだろうな、大赦の拠点的な場所。高層ビルは近くにないから余計目立ってるぞ。
俺は何をされるんだろうか。冷や汗が背を伝うのが分かるぞ。
その後、ビルに入った俺は空き部屋みたいな所に通された。気分は犯罪者だったな。だって入った途端に明らか皆んなこっち見てたもん。仮面越しでも分かるよそれぐらい。
空き部屋の中はと言うと、一面の白い壁に、パイプ椅子とテーブル。後はホワイトボード・・・。
「そこに座ってくれ」
言われるがまま俺は座った。ちょっとガタつくけどそこまで気にはならないな。
俺が座ったのを確認すると、大赦の人はホワイトボードに絵を描きながら話し始めた。
「よし、まずは君がいたあの世界を覚えているかな?木の根が一面に広がっている世界だ」
コックリと頷いた。あんなゲーミング木の根っこを忘れるわけないだろう。
「あの世界は神樹様の作り出した結界でね、樹海と言うんだ。その樹海で君が戦ったのが、バーテックス・・・コイツの事だ」
そう言って大赦の人は一枚の写真をホワイトボードに磁石で貼り付けた。いつ見てもキモイデザインだな。
「コイツが神樹様にたどり着くと・・・この世界は終わる。そしてバーテックスから神樹様を守るのが、勇者と呼ばれる子達だ」
えぇ・・・(困惑)
「勇者適正が高いものが、神樹様によって勇者に選ばれる。今回は讃州中学勇者部だったと言う事だ」
何か世界の裏側を知った気分だぞ。思わず額に手を乗せ、項垂れてしまう。
「だがイレギュラーが発生した。二年前、君の乗っていたあのロボット、それが文字通り堕ちて来た」
「堕ち・・・た?」
思わず唾をがぶ飲みしたぞ。何やら大赦があのユニコーンを作ったわけでは無いっぽいな。
「そうだ、あのロボットを解析した所、名称はユニコーンである事と勇者と同じか、それ以上の力を持つ事がわかった。だがそれだけだ、後はブラックボックス。今まで誰も動かす事ができなかった。それを・・・君が動かしてしまった」
「俺だけ?」
さっきから怒涛の展開の連続で頭が回らんぞ。取り敢えず落ち着け、素数を数えるんだ。
「そこで本題だ。君の力を貸して欲しい。勇者達と共に、バーテックスへ立ち向かって欲しい。その為なら出来る限りの事はしよう」
ん?今何でもするって言ったよね。悪くない提案だ、ユニコーンを操縦出来て尚且つ彼女達の日常も守れる・・・素晴らしい。こんなんyes一択やろ。
「分かりました。協力しましょう」
「話が早くて助かるよ、んじゃ細かい事は追々メールを送らせてもらおう」
「後、一つ良いですか?」
「何だい?」
大赦の人は首を傾げた。
「僕の事は勇者部に伝えないで下さい」
「・・・君が望むのならそうしよう」
ヨシっ!嬉しくて心の中でついガッツポーズを取ってしまった。百合の中に入るのは許されないからね。
それはガイアが証明してくれている。これで一般ピーポーの生活とはおさらばだが、まぁ彼女達の為なら安いもんだ。
遊仁の尋問から少し後、勇者部の方では犬吠崎風が説明をしていた。
「・・・これで大方の説明は終わりだけど、後一つ。重要な事があるわ」
「なんですか?」
「昨日のあのロボット、覚えてるでしょ?バーテックスを突き刺した奴」
初手でインパクト抜群な登場をしたんだ。誰も忘れていないだろう。
「ああ、あのおっきな・・・」
「大赦によると、あれはユニコーンって言って私達の味方らしいわよ。中には大赦の人が乗ってるみたい」
「大赦の人がですか・・・」
「そう、でも詳しい事は教えてくれないのよ」
「ずっと、大事なことを黙ってた・・・」
同じく仲間に黙っていた風に思う事があるのだろう。東郷は俯いたまま廊下へと出て行ってしまった。
「わたし、行きます!」
それを追って友奈も行ってしまった。残ったのは精霊と姉妹だけ。
「東郷・・・」
だが心配している時間はない。スマホのアラームが鳴り、樹海化警報と表示される。
「まさかの連日・・・?」