病みの彼方へ   作:すばめん

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第1話

俺には、夢がある。それは、

 

ヤンデレから逃げ回る、という事だ。

 

最近Y○uTubeでヤンデレに追いかけられるという漫画動画が流行っており、それを見ていくうちにヤンデレにどハマりしてしまった。

 

「あぁいいなぁこれ」

 

今日も教室でヤンデレ漫画を眺める。

 

「おい、またそれ見てんのか?」

 

友人である松本が声をかけてきた。

 

「いやぁ、まじでヤンデレって神コンテンツすぎて人生始まってる」

 

「いや終わりだろ。第一なんでそんなにハマったん?」

 

「いやだってさぁ、こんなに可愛くて尽くしてくれるって、最高じゃん?」

 

「まぁ漫画だからな」

 

「しかも逃げると健気に追いかけてくる!!なんやこれ楽しすぎやろこの鬼ごっこ!!」

 

「健気かそれ。つか実際現実にそんなのいたらたまったもんじゃないだろうよ」

 

「わかってねぇなぁ。そりゃ現実にいるわけないし、仮にいたらヤバイけど、フィクションだからこその魅力っていうのがあるじゃん」

 

「あね」

 

「つまりそういう事」

 

しかし本音を言えば、現実に存在してほしいし、実際にいたら喜んで土下座して交際を申し込むまでである。

 

俺、桜井裕太は今日もヤンデレを求める。

 

放課後、いつもなら松本と一緒に帰るのだが、今日は松本が用事があると言って急いで帰ってしまった。という事で今は一人で帰っている。

 

「ん?あれは?」

 

「だから、私はそんなの興味ありません!」

 

「いいからいいから、入るだけ入ってみようよ〜」

 

少女が変な新聞を持ったおっさんに絡まれていた。つかあれ、前俺に宗教勧誘してきたおっさんじゃねぇか。あいつ懲りずにまだあんな事、しかもJKに。とりあえず助けることにした。

 

「おい」

 

「ん?あ、あんたは」

 

「こんな金にもならんことをやってどうすんだよ。つか言ったよな?次見かけたら警察通報するって」

 

「ひぃ、ご、ごめんなさいぃぃ」

 

お得意の威圧と脅しでおっさんは帰ってった。まじで宗教はやりたいやつだけでやれよ。

 

「大丈夫っすか?」

 

「は、はい!ありがとうございます」

 

「まぁここら辺宗教勧誘多いから気をつけな」

 

「はい。あのぉ、その制服、虹ヶ咲学園のですよね?」

 

「そうだけど」

 

「うちの姉も同じ学校に通ってるんです!近江彼方って言うんですけど」

 

「え」

 

近江さんかぁ、いや知らん。

 

「そうなんだ」

 

「私、近江遥って言います!あなたのお名前は?」

 

名乗られちゃったら俺も名乗らんわけにいかんよなぁ。

 

「桜井裕太と申す」

 

「プ、申すってwww。あ!ごめんなさい!」

 

「いやいや、つまらんネタで笑ってくれて助かった」

 

「そんなことないです!」

 

「さて、早く帰りましょ」

 

「そ、そうですね」

 

「家近いん?」

 

「はい!あの団地です」

 

めっちゃ近くに団地があった。

 

「じゃあ大丈夫か。気をつけて帰れよ〜」

 

「はい!それじゃあ」

 

近江遥さんは帰ってった。

 

つか、この事お姉さんとかに話したりすんのかなぁ。

 

というわけで俺も直帰した。

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