デート・ア・ライブ&クライム   作:星の翼

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ハガレンの【大罪】なら、【憤怒】ことブラッドレイ大総統が一番好きです。
あ、因みに言っときますけど…【悪魔】と士道がデートするとか言う(ホモォな)シチュは(ちょっと考えましたが)ありませんよ?



十香デッドエンド&迅コントラクト Ⅳ

「あぶねぇあぶねぇ…後3秒遅かったら漏れてたぜ」

 

フラクシナスのトイレからズボンを履き直しながら出て来る。

 

『如何する気なんだ?』

「あ?何がだよ?」

『惚けんな…【強欲】を引き込む事だよ』

「ああ、あれか?別にいいだろ…戦力は一人でも多い方が良いだろうが」

『テメェ…お前も人の事は言えないんだぞ?【悪魔】と契約する奴なんざ碌な神経や経験してないんだ。味方に引き入れるなんざ楽じゃねぇんだぞ。』

「おいおい…良い歳して仲間割れかよみっともねぇな。」

『仲間割れではない。【堕天使上がり】ならいざ知らず…いや、俺が言いたいのは【悪魔】ではなく【契約者】の方だ…【凌】、お前もそうだが、悪魔に魂を売り渡すなど…正気の沙汰とは思えんがな』

「そうでもしなけりゃならない理由があったんだろう…俺を含めてな。まぁ、最低でも敵にならないようには取り計らうさ。」

『そうかよ……ま、精々頑張るんだな。』

 

「おい…ブリッジってどっちだったっけ?」

『………あっちだ』

「サンキュー…ったく、無駄にだだっ広いからフロアマップくらい設置しとけよなぁ。」

 

 

 

「――で、これが【精霊】って呼ばれてる怪物で、こっちがAST。陸自の対精霊部隊。厄介なものに巻き込まれてくれたわね。私たちが回収してなかったら今頃2,3回ぐらい死んでたかもしれないわよ。で、次に行くけど-」

「ちょ、ちょっと待った!」

 

ペラペラと説明する琴理を制するために士道が声を上げる

 

「何よせっかく司令官直々に説明してあげているっていうのに。もっと光栄に咽び泣いて見せなさいよ。今なら特別に、足の裏くらい舐めさせてあげるわよ?」

 

『おい…妹ちゃんってこんな性格だったっけか?』

あれ?起きてたの?

『ああ…何だか気配を感じてな。それよりはこれは如何なってるんだ?』

ん~~確か違った筈…だけど、本人なのは間違いないみたい。

『それにしちゃあ…随分な変わりようだな』

 

ちょっと離れた位置から二人のやり取りを見守る。

ああぁ~~お隣ってことで聞き慣れ見慣れた光景とはまた違ったやり取りが眼前で繰り広げられている。

何故かそのたびに琴理ちゃんから蹴りを貰って恍惚した表情を浮かべる……えぇっと

『神無月恭平な…だが、アイツはなんだ?』

そうそうその名前…あれは…【マゾ】って奴だよ。

『成る程…あれが【マゾ】か。あらゆる苦痛を快楽へと変化させる事が出来る特殊人種…実物なんか始めてみたぜ』

僕も始めてだよ…でも、何だろう。貴重な筈なのに全然嬉しくないや…

『俺もだ…人類がとうとう魔力を自らの手で手に入れたと思っていたが、魔力の類すら感じない。』

 

落胆した様に【強欲】は呟く…けど、今はそれよりも目の前のことが大事かな。

 

「あのさぁ琴理ちゃん…説明してくれるのはいいんだけど、ちょぉっと大雑把で分かりにくいよ。僕らが聞きたいのは詳しい事情…OK?」

「分かってるわよ迅。けど、まずはこっちから理解してもらわないと、説明の仕様がないのよ。」

 

そう言って琴理は艦橋のスクリーンを指差す。

そこに映されるのはついさっき出会った黒髪の少女と、機械の鎧を纏い空を飛ぶ人間達…ああ、あれが飛んでたりミサイル撃ったりしてた正体か。

 

「えぇっと…確か黒髪の女の子…精霊って言ったっけ?」

「そ。彼女は本来この世界には存在しないもの。この世界に出現するだけでドーンと周囲一帯を吹き飛ばす!」

「周囲一帯…成る程ね。それが【空間震】の正体なんだね。」

「あら、流石は迅ね。たったこれだけの説明でそこまで分かるなんて…家のアホ兄とは大違い。」

「………。」

 

渋い顔をする士道だが何も言い返せない。

とは言っても普通なら目の当たりにして混乱するだろうに、此処まで答えがたどり着くのは簡単なことじゃない。それだけのことに士道はいきなり放り込まれているのだから…

 

「士道…つまり、こういうことさ。今まで起きた空間震は全部この子…或いはこの子達が現れる際に起きてしまう余波。そんでもって、そっちのASTってのは、恐らく…その出現したあの子達を処理…つまり殺すことを目的に作られた組織…そういう事だろ?」

「正解よ迅。頭の回転が速いのは良い事だわ…」

「こ、殺す?!…ッ!」

 

士道も事態の状況把握できたみたいだ…流石は僕!短絡的にも要点だけを述べたナイス説明だ!!

 

「そうでもないさ…非現実には耐性があるだけ。」

「でも、貴方達運がいいわよ…もし爆発の規模が大きかったら貴方達二人とも一緒に吹っ飛んでたかもしれないんだから。…大体、何で警報発令中に外に出てたの?馬鹿なの?死ぬの?」

「それは…いや、だっておまえ、これ」

 

士道が端末を取り出し琴理のGPS情報を表示させる。指し示したのははやりファミレスの前。

 

「ああ…盲点だったわね。丁度良いわ、一回フィルター切って」

「「?」」

 

琴理が指示を出すとブリッジだった風景が突如遥か上空へと変貌する。

 

「な、なんだこりゃ…!」

「おおおお!!」

 

士道は驚きの声…僕は好奇の声を上げる。

だってそうだ…いきなり全部クリアになって、大空のど真ん中に居るんだから…。

 

「<フラクシナス>は空中艦よ」

「く、空中艦ん…?なんだよそりゃ。なんでおまえがそんなのに-」

「まーまー士道。それをも順を追って説明してくれるんだろう?琴理ちゃん?……で?さっきも言ったけど、精霊と…それを殺すASTについてだけど。」

「そ、そうだ…殺すって-」

 

士道の脳裏にも過ぎっているのだろう…彼女の寂しげな悲しげな表情が-

 

「まぁ、妥当に考えれば殺すって方法は否定できないけどね…出てくるだけでこれだけの被害を及ぼす存在。もしも人間に被害を及ぼすようになれば、それこそ洒落にならない…そうなる前に、とっととやっちまおう…ってのが、人間側の言い分なんだろ?」

「そんなところね…」

 

普通に考えれば-そうだろう。

けど、あの表情を見ればそれ正解だとしても許容できるものでは決してない

 

「何だよそれ…一度…ちゃんと話をしてみないとそんなことわかんねぇだろッ」

 

士道の葛藤ももっともだ…現に、僕も同じ意見だ。

 

「成る程な…確かに、適材なお人好しだぜ、この男は…」

「「!」」

 

その言葉は琴理のものではない…そもそも男性の声だ。

しかし、それは神無月のものでもない…背後から掛けられた声に士道と振り向く。

そこに居たのは無造作に跳ねた赤と黒を混ぜ合わせた様な髪に鋭い茜色の瞳を持つ男性だった。

 

「ふぅん…顔立ちも悪くはねぇな。お前の兄貴。」

「え、えぇっと…あなたは?」

 

戸惑いながら声を返す士道に対して、琴理は溜め息を吐きながら答える

 

「紹介するわ…このラタトスク機関所属・フラクシナスの唯一の戦闘員【竜ヶ峰凌(りゅうがみねりょう)】よ。」

「おう…おい、それより琴理…此処の広すぎるんだよ。マップとか置けやコラ」

「あら、また艦内で迷ったの?」

「そうだよ…もう面倒くせぇから、此処から目的地までぶち壊しながら進んでいいってんなら、置かなくて良いけどよ」

「アンタが艦内で暴れたら沈むじゃない…笑えない冗談はやめてよね」

「俺は冗談だ何て一言も言ってないぜ?べ・つ・に・い・い・ん・な・ら、喜んでそうするがよ?」

「そんなことすればアンタを高度1万2千メートルに放り出すわよ。」

「……はッ」

 

こっちを無視して、琴理と竜ヶ峰なる人が激しくにらみ合う。

見た目もだけど…って言うか、見た目どおりだな。でも、この人…

『…………おい、相棒。』

分かってる…この人は、僕と同じ…

 

「……【契約者】。」

 

その言葉にピクリと反応したのは竜ヶ峰だけではない。

琴理ちゃんや神無月もだった。その表情には多少の驚きが見え隠れしている。

対する、竜ヶ峰だけは何だか嬉しげだった…

 

「………ほぉ。やっぱりそっちにも分かるか?」

「近くに居れば感じるさ…その気配は、【憤怒(サタン)】だね?」

「ああ…そうだ。そういうお前は【強欲(マモン)】か。」

 

琴理から此方に視線を移す竜ヶ峰。

士道はまた訳の分からない状況に混乱する…

 

「まぁ今は俺たちについては良いだろ。…それより、そこ秘密兵器に説明してやらぁ。俺達【ラタトスク機関】の目的をよ。」

「ちょっと、何を勝手に」

「うっせぇ、お前はさっさとマップの配置なり検討してやがれ。」

 

秘密兵器…そう言った所で、士道を指差す

 

「えっ?俺?」

「そうだ、テメェ以外に誰が居るんだ?ああ?」

「…気をつけたまえ。竜ヶ峰は見た目どおり気性が激しいからな」

「は、はい…」

 

後ろから令音の忠告が聞こえるけど…全然参考にならないし、対処が分からない。

成るべく怒らせないようにした方が良いって事なのだろう…文字通り【憤怒の悪魔】なのだから。

 

「俺達<ラタトスク機関>の目的は一つ。精霊を武力ではなく平和的に無力化し、精霊を殺さずに空間震を無力化する事だ。」

「!」

「そ、そんなことが出来るんですか!?」

「ああ、出来る…それを可能にできる人材それが!秘密兵器こと【五河士道】…お前の事だ。」

 

 

「は、はあ?!」

「………。」

「理由はわからんが、機関の綿密な調査の結果でお前には精霊の力を封印できる力があることが分かった。その力を使って、精霊と仲良くする。」

 

成る程ね…士道から感じていた妙な力の正体はこれの事だったのか。

精霊の力を封印する力…ねぇ。

 

「そもそも、このラタトスク機関ってのは、その為に作られた組織だ…それにお前、言ったよな?精霊相手に…話してみないと分からないじゃねぇかってよ。丁度いいじゃねぇか、ええ?」

「で、でも…具体的に如何すればいいんですか?」

「あ?お前は男、精霊は女…簡単だ。 精霊に恋をさせるんだ…」

「「―――は?」」

 

思わず僕と士道の言葉が被った。恋?コイ…鯉?これは違うね…やっぱ恋だよね。今の会話の流れ的に……

 

「……それが、精霊を封印するのに一番手っ取り早いって事?」

「正確に言うなら精霊の力だ。言っとくが、これ以外に方法はないぞ?五河士道…彼女を助けたいと思うなら、お前に出来る手段はこれだけだ。納得しろとは言わない…如何する?」

「っ…………」

 

まぁ、確かに……初心な士道難しいことかもしれない。

けど、士道なら……

 

「…っ、分かりました。」

 

その返答を聞いた。その場に居た一同が満面の笑みを作る。

そして、代表して再び琴理が口を開く。

 

「よろしい。今までのデータから見て、精霊が厳戒するのは最短でも一週間後。早速明日から訓練よ。」

「訓練?」

「決まってるじゃない…精霊と対話するための訓練よ。時間がないからキツめに行くから、覚悟しなさい。」

 

琴理のサドスティックな笑みに思わず士道の顔が引き攣らせる…。

 

 

……しかし、精霊と対話ねぇ。

『簡単じゃないだろうな…如何する、相棒?士道は渋々だがやる気になったみたいだぞ?』

如何する………ねぇ……別に、協力しても、いいけどさぁ……やっぱりね

『いや、お前が決めな…お前の道を歩け』

ごめん…迷惑かけちゃうけど……

 

 

「それで、迅…勿論、貴方も仲間になってもらうわよ。その為に貴方も回収したのだから「ヤダ」………は?」

 

その瞬間、空気が一気に固まった。

士道が信じられないものを見る目でこっちを見る

琴理ちゃんは加えてた棒付きキャンディーを落とす

竜ヶ峰は一気に目を鋭くする

 

それはそうだろ…本当に見事なKY…エアブレイカーだもんね。

分かってるけど…

 

「え?ちょっと?」

「聞こえなかった…ヤダって言ったの。」

「おい、迅…何で?!」

「……別にさぁ、考えは士道と一緒だよ。彼女を助けたいってのは否定しないし、寧ろ同意する。けど、断る…」

 

周囲の人間たちが予想外の反応に頑ななNOの言葉に戸惑いを濃くする

ただ一人…竜ヶ峰だけは鋭い目付きのまま質問で返してきた。

 

「………理由は何だ?」

「……【ラタトスク機関】って、要は組織のことでしょ?…【組織】ってさぁ、人間多いじゃん?僕さぁ、その人間に、【大事な存在】を奪われた事があるんだ。その人は僕を絶望から救い上げてくれた希望だった。それを【人間共】って言う【組織】と【集団】の力で【殺されたんだ】ッ。」

「「っ-!」」

「正直、士道と関わってたのも、士道の中に隠されている力の正体が知りたいって興味本だったんだけど…そっかそっか、ふぅん、成る程ね。」

「迅、お前は協力してくれないのか?」

「【協力】はしてあげるよ。けど、【組織】には入らない…ただ【僕個人】で動かさせて貰うよ…あくまで僕が嫌いなのは【組織】とかだからね。」

「……チッ。分かった、じゃあ、このまま帰りな。」

「ちょっと、竜ヶ峰?!」

「敵にならないだけマシだろ?…それに、お前も理解してるはずだ。俺達みたいな【契約者】にはそれ相応の傷ってのがあるものなんだからよ。こいつは大事な者を【組織】ってものによって奪われた深い傷がある。それに無理強いはできねぇ…」

「…ごめんね。【憤怒】…いや、竜ヶ峰さんの方がいいかな?」

「【凌】で良い…そういうのはお互い様って事だ…俺も俺だしな。まぁ、気が変わったら、連絡入れてくれや。」

「分かった……」

 

 

 

僕はそれだけ言うと隊員に最初に転移した部屋へと案内されて、そのまま家に帰った。

そのまま、夕飯を食べてシャワーを浴びてベッドに横になる。

 

「…………」

『何だ?仲間に入らなかったの…後悔してるのか?』

……微妙だね、半々…複雑な心境。

『一度絶望して…希望を貰って、その希望を奪われる。…一度目二度目って奴か。』

それもあるけど…やっぱり、人間は許せない。

『だから、契約して最初にやったのはそいつらへの報復…だったろ?』

そうだね…契約して最初に始めたのは、お姉ちゃんを陥れた【組織】と言う力でお姉ちゃんから夢と未来を奪ったゴミ共

次に、お姉ちゃんを裏切った、それに便乗する…【集団】、周りがやってるから自分が誰だか分からないだろうからなんて、安全な場所で高を括ってお姉ちゃんを追い詰めたクズ共…一人残らず、潰してやった。嬲り殺した…死よりも辛い最期を与えてやった。ざまぁみろって心底から嘲笑ってやった。

空しさは…残ったけどね

『……だが、それでも、お前は力を求め続けた。欲し続けた。』

そうだね…知ったから【力】があれば、少なくとも何かを奪われることはないって事に…あの時に、僕に力があれば…お姉ちゃんはッ!

『…どんなに欲しても失っちまった命はもどらねぇよ…』

分かってるよ……お姉ちゃんはもう居ないんだ。最期の声は他でもない僕が聞いたのだから。分かってる…そんな事は………

 

でも…如何して、僕を置いて逝ったの?

 

 

「…美九お姉ちゃん。」

 




4話目更新しちゃいました…呼んでくれた皆さん、感想楽しみにしてます。


一応の補足
迅は美九が精霊になって生きていることを知りません。
彼女が死んでしまったのだと思い込んでいます…強欲の能力が発揮しないのも、彼女が生きているかもしれないという願望と彼女が死んでしまったという現実感が混ざり合い強く欲せないから

迅はシスコンです…因みに血縁関係はありません。
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