「キャスター、君はどう思う」
突然の問いに困惑して慌てふためく。
その姿に軍服姿のマスターは小さな笑みをこぼして、そんなに慌てなくていいと言った。
「単純に君の意見が聞きたいだけだ」
「で、でも私。戦争なんてよく知りませんし……」
「私も似たようなものだ。
そう言って席を立ち外を見る。
実におかしく現代と過去が歪んだような
私の調べた限りの話だと、魔術がある程度露呈し第二次世界大戦終了後、日本は武装を失わず第三次世界
なお日本が負けたと言う事実は変わりないため、今回はアメリカ側に加勢と言う形らしい。
ちなみに私の伝承はなんとなくなら、みんな知ってる感じになっていた。
「……それならば、少しばかり」
そう言って広げられた世界地図の盤面に言葉を出して行く。
魔術で作られた盤面は私の言葉に反応するかのように動いていた。
しばらくした後、マスターは頷いて盤面を片付ける。
「君の意見を取り入れた上で、上層部に報告しよう」
「そんな、私の意見なんてっ。マスターさんに比べたらそれほどのものでは……」
「謙遜するな、キャスター。私は君のことは尊敬しているんだ」
「……マスターさんは、なんで聖杯戦争に参加しようと思ったのですか?」
聖杯戦争、この少しおかしな世界では今、聖杯戦争が起きている。
いわゆる特異点と呼ばれる世界なのだが私にはわかってしまう。
この特異点と呼ばれるものですら
だがその違和感をどうにも探れず、分からずで、打ち明けることができないでいた。
「大した理由でもないさ、夢を、叶えたくてね」
「夢を……やはり、根源に至ることですか?」
「魔術師は皆そう言うだろう。だけど私はそんなものを求めてはいない。いつか話そう。話せる時が来たのならば」
「そう、ですか……」
ならばそれ以上聞く必要もないだろう。
彼が答えたくないと言うのならば、その時を待つまでだ。
まぁ、それまでに私が負けなければ、の話なんだけど。
だって私、
「それよりもこれからの話だ。現在現界しているサーヴァントは……」
「
もう一つ、おかしな点があった。
聖杯戦争っていうのは監督役がいる。
その結末を見届ける者、かどうかはさておき、それなりに仕切る人間がいる。
じゃなきゃ街はいい感じに壊滅して、魔術という神秘が露呈する可能性があるからだ。
と言っても聖堂協会から派遣されたようなものでなく、何故か最初からいる英霊が監督役をしているのだ。
初めてあった際、彼女は真名をいとも容易く曝け出したのだが、知らない名前であった。
そして監督役、って言われるとルーラーがするんだろうなぁ、と予想されるが、彼女は自身をアルターエゴと称した。
ルーラーぽかったのに。
「やはり危険なのはセイバーか。最優サーヴァント というだけあって、誰が召喚されてもこちらにとって危険なのは変わりない。それに……もし、かの王が召喚された時、君は……」
「……心配は要りません。今の私にとって仕えるべき人はマスターさん、貴方ですから」
「そうか。余計な心配、だったな」
妙に優しいマスターだが、大丈夫だろうか。
下手に街に被害が出せないタイプだろう。
ただそれならば私にとっても好都合ではある。
私だって小手先でしか戦えないし、なんなら大きめの攻撃は宝具しかないし。
「そうです。余計な心配です」
「……その声は」
私とは別の、鈴を転がすような声が後ろから響く。
気づけばそこには修道女の格好をした、綺麗な金色の髪を持つ少女が立っていた。
彼女が、アルターエゴ、この聖杯戦争の監督役だ。
何故か彼女が目の前に来るたびに、少しばかり緊張してしまう。
「何の用だ。監督役」
「……いえ、少しばかり邪魔者が現れたので報告をと」
「邪魔者……なるほど、件のカルデアと言う奴らか」
「ええ。まぁただ……彼らも
「カルデアも……? 参加するって……召喚した、ってことですか?」
「ええ、セイバーを」
あれ、私たち詰んでない? 大丈夫かな。
カルデアってもはや武装組織みたいなとこあるし、英霊ばっかたくさんだし。
特異点直しに来たんだろうけど、私たちって敵ってことになるのだろうか。
そこはマスターに判断を委ねるが、戦うってなった時が怖い。
「……なるほど。それで、それだけか?」
「用事はそれだけです。それではまた」
何か金属音が響くと、アルターエゴは姿を消した。
彼女がいた場所には何故か金属の十字架が落ちている。
「……わけのわからない少女だ。どうにも彼女を前にすると悪寒がする」
「同感です。それで……どうするんですか?」
「様子見、だな」
そう言って彼は天井を見つめた。
これからどうなるのか、これからのことを思い浮かべるとどうにも憂鬱なってしょうがなかった。
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平行世界のアサシン
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