デリシャスパーティ♡プリキュア Carry On 前へ進め 作:シロX
ではスタート!
キュアスタで「ちゅるりん」という、ブンドル団と繋がりのあると思われるアカウントを発見したジーク達。その証拠に、レシピッピと思われる絵まで描いてあり、
最後にアップされてある「ぱんだ軒」というラーメン屋を調べる必要がある為、ゆいの提案でそのお店に一度出向く必要性がある。
それにもしブンドル団なら、ローズマリーもその場にいないとデリシャスフィールドも展開出来ない。その為、マリーとも待ち合わせをして一緒に行こうと思っていたのだが、偶然にもドラゴンの姿をしてるエナジー妖精・「メンメン」も目を覚まして、そのお店の前に居るとのこと
「
「何が『今』なのジーク?」
「あいや、気にしないで!頭の中で少し整理してたの」
ここねにツッコまれたが、適当に誤魔化しつつあしらった
今ジーク達は、ローズマリーとメンメンと合流してぱんだ軒の前に居る。このお店の中にどんな人が居るか分からない。四人はそっと覗き見しようと軽く扉を開けると、内側から大きく開かれた
「いらっしゃ〜い!」
「「「「わっ!!」」」
中から出て来たのは同じクラスメイトの「華満 らん」。ゆいと同じくらい明るく、元気な女の子という認識はしているが、今まであまり話はした事がない為、それ以上の事はよく知らない
「はわ?和実さんと芙羽さん、それにウィンチェスターさん!」
「華満さん!?」
「もしかして、此処ってランの家なの?」
「うん!さぁ、中にどうぞ〜!」
らんに招かれてお店の中に入ってはみる。内装は特に何処にでもある、普通のラーメン屋。変な物も無いが、その逆に目立つものといえば、大きなパンダと小さなパンダのぬいぐるみがあることくらいだ
折角入店したので、取り敢えず四人はラーメンを注文して食べる事にした
「さっ、うちの特製スープをお楽しみ下さ〜い!」
「「「「いただきます!」」」」
麺をひと口すすって食べただけで、その美味しさがよく分かった。丁度良い加減で麺が茹でられており、脂も濃くなくさっぱりともせず食べやすい。
中でも一番美味しいと感じたのはスープ。他の具材の味を活かしつつ、無意識のうちにスープまで飲んでしまうほど美味しいのだ
「普段はスープまで飲まないけど、全部平らげてしまうこの美味しさ」
「このスープ、優しい海の味がする」
「これは昆布かな、だしが絶妙!」
「ひと口食べただけで、うちの隠し味が分かるなんて嬉しい〜!」
ゆいがポロッと言った呟きに、らんが激しく反応した。隠し味とはいえ、それをズバリと当てた事にそれほどまで喜んでいる。普通隠し味を知られたら、秘密にする様にお願いするのだが、らんは逆にそれを誇らしげに語る
どこか変な感じのする女の子だが、ラーメンに対する心の情熱は誰よりも熱かった
四人がラーメンを完食し終えた直後、いつもの様にレシピッピが現れてた。ラーメン屋だから、見た目がラーメンのレシピッピ。それを四人が見ていると、らんがそのレシピッピに反応した
「あっ、ラーメンの妖精!」
「「「「えぇ〜!?」」」」
「レシピッピ見えるの!?」
らんがレシピッピを見えることは予想外だった。確かにぱんだ軒で、レシピッピが見えるという情報は前もって知っていた。となると考えられる事も自然に思いつく
「レシピッピって言うの?それに皆んなにも見えるだ〜!」
「ゆい、ジーク。もしかして、ちゅるりんさんって…」
ここねはらんの正体に勘づいた。それは悪い意味ではなく
「よ〜し!今日はらんらんのレシピッピ記念日に決定!」
「す、素晴らしい記念日メン!」
「だよね〜!メン?誰?」
らんの言葉に歓喜して思わずメンメンが飛び出した。メンメンも見つかってはいけない事は承知してたが、体が反射的に動いてしまった。
一瞬らんと目が合ったが、ローズマリーがパンダのぬいぐるみの中に押し込んで事なきを得た
そしてジーク達は、特に何もする事なくぱんだ軒を出て行った。
メンメンを置いて行ってしまったのにも気付かずに
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「あれ!?メンメンが居ないわ!!」
和実家にお邪魔して、早々にローズマリーがその事に気付いた。一緒に連れて帰ったらと思ったのだが、それは全くの見当違いだった
「メンメンがまさかの置いてけぼり食らったの!?どうして気付かなかったの?あり得ないわ!」
「それがあり得たからこうなってるのよ!」
「可哀想なメンメン…今頃ラーメンの出汁にされてるわ。よよよ〜」
「その発想に行き着く貴女があり得ないわよ…」
呑気に駄弁ってるが、こんな所で油を売ってる場合ではない。一刻も早く、メンメンを保護しに行かないといけない。
そう思い、ぱんだ軒に直行しようとした時だった。玄関の方かららんの声が聞こえたのだ
「こんにちは〜!和実さん居ますか〜??」
「あ、今の声…は〜い!今行きます!」
玄関の方へ集まると、思ってた通りらんが居たのだが、その手にはメンメンを抱き抱えてもいた。丁度良いとも思えたり、わざわざ行く手間が省けたと一同思った
「この子和実さんのだよね?」
「ありがとう!丁度今から取りに行こうと思ってたの!」
「ほえ、そうなの?あ、はい!」
ゆいに返すと同時に、らんはメンメンに近付いて何か小声で口にしてそのまま帰って行った
「えっ、今の…」
「大丈夫メン。ボクの事は黙っててくれるって約束してくれたメン」
どうやらいつの間にか、らんに正体がバレただけではなく、かなり仲良くなったらしい。それはとても良い事なのだが、やはり正体を知ってしまった為あまり許される事ではない
「華満さんいい人で良かったね」
「らんちゃんと話すの楽しかったメン」
「どんな事話したパム?」
「ラーメンの事とか。レシピッピは『ほかほかハート』が好きって話をしたメン」
ほかほかハートとは、お料理を食べる人の「美味しい」「嬉しい」「ありがとう」の気持ちから生まれるもの。
更にレシピッピは、ほかほかハートがいっぱいある所に現れる
まだまだレシピッピには秘密があるようだ
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『──このウバウゾーは、今までとひと味違う』
「君──そう──」
『──うちの味を返して!』
「今なら──倒せる」
『──らんちゃんの思いが、ボクのハートに火をつけたメン!』
「ジーク・ウィンチェスター。よく見ると…」
『──きらめくヌードル・エモーション!キュアヤムヤム!』
「────ッ!!」
此処は私立しんせん中学校。ジーク達が通う中学校。
そこでジークは、中庭のベンチに座ってお昼寝をしていたのだが、またも突然の予知夢を見たせいで叩き起こされた
いつもの事だと、もう平気だと思っていたが、いざ予知夢が来るとなると焦るものだ
「もう…へっ?」
隣を見ると、生徒会長のあまねが驚いた表情をしていた。
何か手を伸ばしていた。それが少しばかり気になる
「あの生徒会長、その手は?」
「え、あっ…何でもない。気にしないでくれ。ただその…」
「ただその?」
「──君の寝顔があまりにも可愛いかったものだから」
「かわッ!?」
それを言われてジークは顔から火が出た。人生でそんな事を言われたのは初めてなのだ。
いつも学校では清楚な女の子として通っていたが、今回ばかりは胸の内のドキドキが止まらず、顔に出ていた
「君の噂は耳にしている。そんな顔もするんだな」
「噂ってそんな…ワタシなんて、大した人間じゃないですよ」
「何事も油断はしないようにね」
あまねは軽く、ジークの頭の上に手を置いて立ち去って行った
それから放課後になり、らんから良いアイディアがあると聞かされてぱんだ軒にやって来た。
目の前に広がる光景は、行列で繁盛真っ只中のぱんだ軒
「多分コレじゃないかな?」
ここねがハートキュアウォッチで見せてくれたのは、「ラーメンとセットで一品半額サービス」の広告だった
ゆいはキラキラとした目で楽しみにしていた。ぱんだ軒のラーメンは美味しく、いくらでも食べれる。半額サービスならお財布にも優しい
目の前に楽園が待っていたが、いざ入店すると
「ラーメン2丁上がり〜!」
「えっさ、ほいさ」
「ココネごめんなさい。ワタシが食器下げるから注文取って」
「任せて」
繁盛万歳で、お店に来たジーク達もお手伝いをしているがそれでも手が足りない程だった
それでも、お客さん達の表情はとても笑顔で、ほかほかハートが店の中いっぱいに溢れ返っていた。それに連れられて来るレシピッピもまた多い
らんの狙いは最初からこれだったのだ
だが、その時間ももうここまで
突然レシピッピ達がお店の外に吸い出されてしまった。慌てて外へ出ると、建物の屋根の上にジェントルーが居た。察するに、レシピッピを奪い取ったのはジェントルーだ
「助かったラーメン娘、君のお陰だな」
「へっ、らんらんの?」
「出でよ!ウバウゾー!」
「ウバウゾー!」
ジェントルーは、ラーメンの麺を湯切りするザル、いわゆる「てぼ」を使ってウバウゾーを生み出した。
全身もてぼだが、その両手に持つ物もてぼ
「デリシャスフィールド!」
らんだけを残して、ジーク達は外の世界とは隔離された結界内へと場所を変えた
「このウバウゾーは、今までとひと味違う。ここは退いた方が身の為だぞ」
「忠告なんて嬉しいわ」
「でも無理!」
「当然!」
「「「プリキュア!デリシャスタンバイ!」」」
「「「パーティーゴー!」」」
「あつあつごはんで、みなぎるパワー!キュアプレシャス!」
「おいしい笑顔で満たしてあげる!」
「ふわふわサンドde心にスパイス!キュアスパイシー!」
「分け合うおいしさ、焼きつけるわ!」
「まろやか美酒に、let's乾杯!キュアフレーバー!」
「魅惑のおいしさに酔いしれなさい!」
「愚かな…ウバウゾー!」
「ウバウゾー!!」
反応が出来ない速度で迫られ、目の前まで接近を許してしまった。それほどまでに、レシピッピの数を奪われてしまったのだ
「ウババババ!!!」
両手に持つてぼで、ジーク達を捕らえようと連続で振り翳して来る。捕まらない様に細かく動いて回避するも、全ては無理だった
「うわっフレーバー!?」
「えっプレシャス!?」
フレーバーとプレシャス、避けた先がお互いに同じだった為か軽く衝突してしまう。二人がペコペコと頭を下げて謝っていたら、その隙を突いててぼを振り下げて来た
「プレシャス!フレーバー!」
スパイシーが素早く二人の前に飛び出して、パン型のシールドを展開させるも、シールドごと三人に下からすくい上げられて捕まってしまった
「三人共!」
このままでは何も出来ずにやられてしまう。ローズマリーは我慢出来ずに、自分も戦いに参加しようと力を込めた時だった
少し離れた場所で誰かが結界内に入って来たのだ。その人物というのが、メンメンを連れていたらんだった
「うちの味を返して!」
「ちょっ、ちょっと貴女達どうして?危ないわよ!」
「ラーメンも餃子もどのメニューも、大事に作り上げたうちの味なの!その味を楽しみにしていたお客さんを、がっかりさせたくない!」
デリシャスフィールドが展開された時、メンメンがらんについており、その時事情を全て話したのだ。
結界内にどうやって入って来たかは不明のままだが
「客が楽しみにしていたのは、『半額』という値段じゃないのか?」
「ッ!?」
勇気を振り絞って出した言葉も、ジェントルーが言った「半額」の一言で言葉を失った
たじろぐらんの気持ちに、水を差したのは大きな腹の虫だった
「華満さんの話聞いてたらはらペコった〜!美味しかったなぁ〜あのスープ。昆布のおだしが口の中いっぱいに広がって…」
「や、やめてよ。食べたくなって来ちゃうじゃない」
「麺の歯ごたえものどごしも、スープとよく絡んで」
「気付いたらスープも完食する程の絶品もの」
プレシャスに釣られて、フレーバー達も食べた時の事を思い出しては口にした。それは、食べた人にしか語れない真実である
確かにジェントルーの言うように、半額に釣られて来店したお客も少なからずはいる。しかしそれ以上に美味しいと言う人、笑顔になる人などで溢れ返っていた。
それにほかほかハートも沢山生まれた。だから、レシピッピ達もぱんだ軒に集まっていたのだ
それに気付いたらんの瞳は、先程よりも輝いていた
「はにゃ!」
「メン!」
「フン、何かと思えば。君が呼び寄せた客は、安さに釣られただけ。味など気にするものか」
またもジェントルーからの冷たい言葉を投げ掛けらるが、らんの熱く燃え滾る情熱の炎にますます油を注がれる
「勝手なこと言わないで!あんたには理解出来ない!あの味を生み出す為に流れた、汗と涙の物語を!味わった人にしか分からない、口の中に広がる特製スープが巻き起こす、きらめく感動!爽やかな潮の旋風!あんたの想像の100万倍でも、おつりが来るくらいあのスープは美味しさに溢れているの!」
ドタバタとジェントルーへ走り出し、メンメンと共にらん。変身もせず自力でレシピッピを取り返すつもりなのだ
「生意気な!」
「ウバウゾー!!」
果敢に立ち向かうらんに、ウバウゾーは無慈悲に蹴り飛ばそうとしていた。もし当たってしまったらひとたまりもない
「メンメン!!」
すると隣に居るメンメンの口から、炎を吐き出してウバウゾーの足を押し返した。小さい体から出るその量は、尋常じゃない程のエネルギーだった
「らんちゃんの思いが、ボクのハートに火をつけたメン!」
「年に一度あるかないかの、熱血モードパム!」
更にその勢いは止まらない。メンメンの首元のハートの飾りから、黄色い光りが飛び出してらんの左手首に纏われた。
光りが弾けると、フレーバー達と同じプリキュアのアイテム、ハートキュアウォッチが巻かれていた
「らんちゃん家のラーメンボク大好きメン。だがら、一緒にレシピッピを助けてあの味を取り戻すメン!」
「ありがとう!」
「プリキュアに変身メン!」
「何でも来いだよ!」
「プリキュア!デリシャスタンバイ!」
「パーティーゴー!」
「くるくる!」
「メンメン!」
「ミラクル!」
「メンメン!」
「シェアリンエナジー!」
「ワンターン!」
「きらめくヌードル・エモーション!キュアヤムヤム!」
「おいしいの独り占めゆるさないよ!」
とうとう、らんも「キュアヤムヤム」に変身を遂げた。
中華風があるチャイナドレスにも似た服に包まれ、続く4人目のプリキュアが誕生した
「蹴散らせウバウゾー!」
フレーバー達が入れられているてぼを振り回して、ヤムヤムへ攻撃し始めた。勿論中に居るフレーバー達は転がされている
「あわわわわっ!!」
「これじゃあヤムヤムをサポート出来ない!」
プリキュアに変身したとはいえ、まだ間もない為動きにぎこちなさがある。何かやれる事を探したが、捕らえられる今のこの状況では何も出来ない
「でもやれる事はまだあるわ!ヤムヤム後ろに大きく下がって!」
フレーバーの声を聞いて、ヤムヤムはその通りに動いた。
大きく後方に下がった事で回避するだけじゃなく、少し落ち着く時間も稼げた
「ワタシを信じて思うように突き進んで!」
「はにゃ!」
ヤムヤムが勢いよく飛び出した。それを迎え撃とうとウバウゾーは攻撃を再開させるが、そこにフレーバーの声が届く
「左に避けて!しゃがんでそのまま進んで!それから──」
フレーバーの指示は的確で、ヤムヤムの体力をあまり消費しない最小限の動きになる様に声を飛ばしていた
「最後は飛んで!」
ヤムヤムは高くジャンプし、技の体制に入った
「バリカッターブレイズ!」
両手に、麺のようなエネルギーを固めて斬撃を飛ばした。その攻撃は、フレーバー達を捕らえていたてぼに直撃し、二つに割れて三人は解放された
「ヤムヤム今メン!」
「ふに!」
「プリキュア!ヤムヤム・ラインズ!」
「オナカイッパ〜イ」
「ごちそうさまでした!」
ヤムヤムの浄化技が見事に決まり、ジェントルーもそれ以上は何も出来ず退散して行った
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「やっぱり、ぱんだ軒のラーメン最高〜!」
戦いを終えたジーク達は、空腹のお腹にラーメンを蓄えていた
「皆んなありがとう!」
「これからも宜しくね、らんちゃん!」
「よろしく…ら、らん」
「宜しくお願いね、ラン」
苗字ではなく、改めて名前呼びでらんを呼んだ。それに乗っかり、らんも名前で返してくれた
「此方こそ宜しく!ゆいぴょん!ここぴー!ジっぴー!」
「ローズマリーよ!」
「ならマリッぺ!」
「フフッ、それも悪くないわね!」
そして改めて思う。ちゅるりんというユーザー名の人物。だがもう四人は、ちゅるりんの正体は誰かはもう知っている
意地悪も兼ねてわざと聞いてみる
「そういえば、ちゅるりんさんってさ一体誰なんだろう?らんちゃん」
「は、はにゃ…あはは……は〜い、ちゅるりんで〜す」
トレイで顔を隠しながら、らんも自分からちゅるりんである事を明らかにした
「それじゃあ、今日の記念に皆んなで撮ろうよ!」
ハートキュアウォッチで撮られた写真には、今日という思い出が映し出されていた
次回は出来るだけ早くするようがんばります
ここまでの拝読ありがとうございました!