デリシャスパーティ♡プリキュア Carry On 前へ進め   作:シロX

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うん!遅れました!

ではスタート!


Ⅻ. 合わせ味噌の味

キュアスタ問題は今、テイクアウトをするという方針に変わって、ちゅるりんのアカウントはリニューアルを果たした

 

お持ち帰りの方法なら、ほかほかハートが分散してレシピッピが集まりにくいとのこと。これなら、ブンドル団に狙われる回数は今まで以上に無くなる

 

そしてリニューアルに伴い、アカウントのアイコンも変えようと話が出てきたのだが、そこでここねとらんの意見で分かれてしまった

 

パンダのアイコンにするか、ラーメンのアイコンにするか。不運にも、それに巻き込まれたのがジークだった

 

その日の夜にハートキュアウォッチから、らんからの連絡で部屋に鳴り響く

 

Ghostbusters(はい ゴーストバスターズ)

 

『はう?ジっピーだよね?』

 

「…何か用?」

 

『実はここぴーの事で相談があって〜。わたしって結構お喋りだよね〜?アイコンの時もそうだけど、昨日だって折角の休み時間にずっと喋ってて読書の邪魔しちゃったし、それでそれで〜』

 

Calm down for a moment.(ちょっと落ち着いて下さい)Ah~ () 今もその状態になってるよ」

 

『…うにゃ!?』

 

まさかとは思っていたが、自分がお喋りだという相談に対して、それを今も尚続けて気付いていなかった事に頭を抱える。

別にお喋りが悪いとは言わない。寧ろ胸を張っても良いくらいなのだ

 

だからそれを踏まえた上で、ジークは一つアドバイスを与える

 

「取り敢えず、先ずは相手の話を聞いてから言葉にした方が良いじゃないかな?」

 

『なるほど〜!今度から、ここぴーの話をちゃんと聞く!聞く!聞く!聞くぞ〜!お〜!』

 

そこで通話は切れてしまった。自覚しているなら大丈夫だろうと思い、一安心してベッドに寝転がった時だった

 

またもハートキュアウォッチが鳴り響く。確認すると今度はここねからだった

 

「どうしたのココネ?」

 

『わたし、らんに意見し過ぎたかな…』

 

通話を開始して僅か一秒足らずで、かなり重たい相談事が飛んで来た。いきなりで呆気に取られていたが、首を振ってしっかりとここねの話に耳を傾ける

 

『思った事を押し付けて困らせたかも。ラーメンの方がらんっぽいのに…』

 

ここねもどうやら同じ相談事で連絡。確かに微妙な空気のまま解散してしまって終わった。

でもだからって、二人がジークに相談するとは思わなかった

 

けれどジークは文句は言わない。それだけ真剣に考えているのだから

 

「それは相手の意見に合わせるのはどう?先走ってしまったなら、ペースを抑えて一緒に走るみたいに?」

 

『そうだよね、お友達なら意見を合わせなきゃ』

 

「でもね、あまり合わせ過ぎも──」

 

「ありがとうジーク」

 

まだ話の最中にも関わらず、ここねはお礼を言って切ってしまった。

流石のジークもこれには参った。だからこちらも助っ人を求める事にした

 

 

 

 

 

////////

 

「アドバイスは言ったのだけど、少し気になるからユイも手伝ってくれないかしら?」

 

「任せて!丁度、マリちゃんがらんちゃんにグラスを渡したいって言ってたし。やるならパーティ!」

 

「楽しそうメン!」

 

「たこ焼きパーティがいいパム!」

 

「コメ!」

 

「テル!」

 

ゆい達の協力のもと、ここねとらんの距離を縮めるたこ焼きパーティが、和実家で早速行われる事となった

 

 

 

 

 

突発的に決まった事なので、材料は持ってくるものを決めつつ各自持参という形で開かれる。そのついでに、ローズマリーもグラスを渡して、ジーク達とお揃いを手にした

 

らんが率先して作業をして焼いてくれるので、テキパキと物事が進んで早くもたこ焼きが出来上がった

 

「はむ!…デリシャスマイル〜!」

 

「ふわふわとろとろ〜!タコもぷりぷり〜!」

 

「焼き加減も絶妙で、この香ばしいさが更に食欲をそそるわね」

 

流石のらんと言ったところだ。常日頃からお店のお手伝いをしており、尚且つ料理に対する情熱は誰よりも熱い

 

そんな絶賛の中で、ここねだけが固まって小さく呟いていた

 

「甘い…」

 

「たこ焼きが?そんな……ん、本当ね甘いわ」

 

最初の一、ニ個は普通のタコだったが、途中からチョコやマシュマロが入ったりと様々な種類が混入されていた

 

「変わり種も食べたいと思って、甘い系も持って来たんだ〜!どう?」

 

「美味しい、けど……甘いものは食後に食べるものじゃない?」

 

「ほえ?らんらんは先に食べても美味しいと思うけどなぁ〜」

 

アイコンだけではなく、今度は甘いもので意見が分かれてしまった。パートナーであるパムパムとメンメンは、また何かあると思い冷や汗をかき始める

 

「うちは、いつもコースの最後にデザートが出るから…」

 

「あ、ここぴーって好きなものは後で食べるタイプ?もしや甘いもの……はいや!!」

 

 

『──先ずは相手の話を聞いてから言葉にした方が良いじゃないかな?』

 

 

いつもの様に喋っていたらんだが、その途中でジークとのやり取りを思い出して電撃が走る

 

「ここぴーの言う通り、甘い系は最後がいいかも!うんうん!」

 

「らんも……ハッ!!」

 

 

『──相手の意見に合わせるのはどう?』

 

 

今度はここねがジークとの会話を思い出して、慌てて口をつぐんで言い直す

 

「でも、偶には先に食べてもいいかも。デリシャスマイル」

 

ここねとらん、お互いに慣れない事をしてる為か、たこ焼きパーティなのに疲れ果てていた。しかも、その様子を見てたローズマリーは何がなんだが分からなかった

 

協力してるゆいはというと、何事もないように美味しくたこ焼きを食べていた。

ジーク、パムパム、メンメンは見ていられず一度席を外すのであった

 

「あ、ユイも来て」

 

声の届かない場所に移動した四人は、ぎこちない二人をどうにかして仲良くさせようと考えていた

 

「二人共様子がおかしいメン」

 

「普通に仲良しさんになって欲しいパム」

 

「互いに牽制し合ってて、中々上手く行かないわね。ユイはどう思う?」

 

「う〜ん、こんな時お婆ちゃんが言ってた事があるんだけど」

 

「ユイのお婆ちゃんのお言葉。是非聞かせて」

 

これまで幾度となく、解決への道標を作ってくれたゆいのお婆ちゃんの言葉。それを伝えれば、きっと二人の仲もより良いものとなる

 

「それが全然思い出せなくて」

 

そう言ってしまうのも仕方ないと思う。何せまだ幼い頃の記憶なのだ。全部が全部覚えてる訳もない

 

「あっ、そういえばまだコメコメにご飯あげてないや!」

 

「それじゃ先ず、コメコメのお世話をしてから……それよ!!」

 

「き、急にどうしたパム?」

 

「プランBで行くわよ」

 

 

 

 

 

和かな笑顔でゆいの部屋に集まり、ここねとらんの二人にはとある事をやってもらう事を提案する

 

「二人にお願いがあるの。ワタシ達が片付けをしてる間に、コメコメのお世話をお願いしたいの」

 

「分かった」

 

「それなら任せて」

 

「それじゃお願いね〜」

 

ジーク、ゆい、パムパムは退出して片付けをすると思いきや、ジークとパムパムだけは廊下に残って、扉の隙間から部屋の様子を観察する

 

「さて、二人はどうなっているのかしら」

 

部屋では特にこれといった変わった事は無かった。先程のたこ焼きについて話す事もありはしたが、ここねが「本当に美味しかった」と言うくらいで距離を縮めていた

 

そこまでは

 

人間態のコメコメが頭から倒れようとした時、咄嗟にらんがクッションを敷いて、衝撃を和らげて大事には至らずに済んだ。

らん曰く、妹と弟の世話をしているから慣れているから

 

だが、雲行きが怪しくなってきたのはその次からだ。

人間態の姿に長時間変身してたコメコメは、疲れてぐずり始めたのだ。あやして機嫌を直そうとらんがお世話をするのだが、とうとう泣き始めてしまった。あまりにも泣くコメコメを心配してか、ここねが他に何か原因があるのではと心配する

 

そこからは、見ていたジーク達も焦り始める

 

心配するここねに対して、下の子をお世話してるらんにとっては慣れている。しかし、ここねの話を聞こうとしないらんに、抑えていたものが溢れてしまった

 

 

「慣れてるからってちょっと雑になってるんじゃない?」

 

「雑!?そんな事ない!ちゃんと分かって見てるもん!」

 

「らんは適当な時があるから!」

 

「ここぴーこそ頭カチコチだよ!」

 

 

「パムパム、ユイを呼んで来て。ワタシがこう、何とかする」

 

部屋の中では、ますます口喧嘩がヒートアップしていた。一度落ち着いていたアイコンの件も持ち出して、雰囲気は悪くなる一方だった

 

「やっぱりラーメンがいいと思う」

 

「パンダ」

 

「ふ、二人共何してるのかなぁ〜?」

 

知らないフリをして誤魔化しつつ、部屋に入ってみるなり酷いものだった

 

「らんが!」

「ここぴーが!」

 

(やり方間違えたかな?)

 

入ってみたものの、ジークも腕を組んでどう対処しようかと迷ってると、ハートキュアウォッチから反応があった

 

「よしよしよし、レシピッピを助けに行こう!」

 

 

 

 

 

////////

 

レシピッピの反応を辿るとやはりというべきか、そこにはジェントルーが居た

 

「ジェントルー!」

 

「来たな、今日こそは…」

 

 

「出でよ!ウバウゾー!」

 

「ウバウゾー!」

 

 

「デリシャスフィールド!」

 

 

たこ焼き器を媒体としたウバウゾーの出現と同時に、デリシャスフィールドを展開させた。戦う準備は整った

 

 

 

「「「「プリキュア!デリシャスタンバイ!」」」」

 

「「「「パーティーゴー!」」」」

 

 

「あつあつごはんで、みなぎるパワー!キュアプレシャス!」

 

「おいしい笑顔で満たしてあげる!」

 

 

「ふわふわサンドde心にスパイス!キュアスパイシー!」

 

「分け合うおいしさ、焼きつけるわ!」

 

 

「きらめくヌードル・エモーション!キュアヤムヤム!」

 

「おいしいの独り占めゆるさないよ!」

 

 

「まろやか美酒に、let's乾杯!キュアフレーバー!」

 

「魅惑のおいしさに酔いしれなさい!」

 

 

 

「ウバウゾー!!」

 

「皆んな、わたしの後ろに!」

 

ウバウゾーが幾つもの光弾を連射され、スパイシーはシールドを張って全員の身を守る。手を一切抜かないウバウゾーの攻撃は激しく、スパイシーでも苦い表情をする

 

「攻撃の波が凄いわね。それならスパイシーのサンドプレスで、牽制をしつつ──」

 

「そんなのまどろっこしいよ!」

 

フレーバーが適切な作戦を練っている最中に、我慢しきれずヤムヤムが攻撃の嵐の中に飛び込んで行った

 

「ヤムヤム待って!最後までフレーバーの話を──」

 

「バリカッターブレイズ!」

 

スパイシーの静止を聞かずに単身で攻撃を放ちはしたが、両手のたこ焼き器を盾にして簡単に弾かれてしまう

 

「はわ、弾かれた!?」

 

スパイシーのシールドから出て行ってしまった為、今のヤムヤムを守ってくれる存在はいない。チャンスと思って飛び出したヤムヤムがピンチに陥る羽目となった。攻守交代である

 

「ウバウゾー!!」

 

「「「ヤムヤム!」」」

 

たこ焼き器で押し潰そうとするウバウゾーに、滑り込みでスパイシーが割って入りシールドで受け止める。

動きが一瞬硬直した隙に、フレーバーとプレシャス蹴りをお見舞いして二人から引き剥がした

 

「かた〜い!」

 

「あばばば!足が痺れたわ」

 

「ありがとう二人共!ヤムヤム大丈夫?」

 

「うんありがとう!」

 

間一髪のところで間に合って、ヤムヤムは無傷で済みはした。とはいえ、突発的な行動で振り回されたのも事実

 

「ヤムヤムは人の話を聞かないから」

 

「それはヤムヤムも気を付けてるし。でも、何もしないよりかはいいかなって」

 

「ちゃんと対策を考えれば良い方法が見つかる」

 

「でもでも、思いつきの方が上手く行くし」

 

「そんな事してる場合じゃないパム!!」

 

スパイシーとヤムヤムがまた揉めてる隙にも、ウバウゾーは横から光弾を放とうとしてエネルギーを充填し始める。その事にようやく気付いた二人だが、防御するにしろ逃げるにしろ間に合わない

 

「「危ない!!」」

 

フレーバーとプレシャス、自分達が肉の壁となって二人を守る手段しか残されてはなかった。歯を食いしばり、耐え忍ぼうとする時だった

 

「ダメ!!」

 

「う、ウバッ!?」

 

突然ジェントルーがウバウゾーを止めるように指示を出した。ウバウゾーは動きを止めるが、困惑は免れなかった

 

「なんだかよく分からないけど助かったわ。それよりも二人よ。どうして仲良くしないの?何もそこまで気遣いしなくてもいいのに」

 

「「…」」

 

ジークが言うものの、意見の食い違いが今の状況を生み出しているのだ。気遣いを無くしても、根本的な解決にはなっていない

 

「思い出した!」

 

「思い出したって何を?」

 

「違う味が仲良くなれば、味噌も人も旨味がます!」

 

「思い出したってその事なのね」

 

フレーバーとプレシャスは分かっているが、ローズマリーは何の話をしているのか伝わらなかった

 

「美味しい合わせ味噌のコツ!味が違えば違うほど良いって、お婆ちゃんが言ってた!」

 

「「合わせ味噌?」」

 

スパイシーとヤムヤムが首を傾げてる間に、ウバウゾーは体制を整え直しており、再度遠距離からの攻撃で光弾を放って来る

 

スパイシーがシールドを張って、フレーバー達を守るのだが先程から防戦一方

 

「マズいわね。このままだとスパイシーが疲れちゃう」

 

「はわ〜、どうすれば…」

 

 

『──ちゃんと対策を考えれば良い方法が見つかる』

 

 

ヤムヤムは先程スパイシーに言われた事を思い出し、今この状況に必要な最善の手を考える

 

(いい方法、いい方法…あそこなら!)

 

ヤムヤムはジャンプして、ウバウゾーのとある場所に攻撃を仕掛ける

 

「バリカッターブレイズ!」

 

ヤムヤムの攻撃はウバウゾーの脚へと直撃し、激しい痛みと同時に崩れ落ちて前のめりに倒れた。

これによって、前方からしか光弾を出せないウバウゾーの遠距離攻撃を防いだ

 

「へへ〜、スパイシーの言ってた事を合わせ味噌でやってみた」

 

だがそれは一時的なもの。すぐにウバウゾーは立ち上がろうとしていた。同じ手は通じないと仮定して、別の対策を練ろうと考えてるとスパイシーが咄嗟に飛び出した

 

「ピリッtoサンドプレス!」

 

立ち上がろうとするウバウゾーに、上からパンを叩き付けて地面へと押し付ける。スパイシーらしからぬ、型にはまならいやり方だった

 

「ふひゅ〜やる〜!」

 

「思いつきも大事」

 

お互いがお互いの良さを理解し、それを活かした戦法をとった。どちらのやり方も大事で、必要な考え方

 

「プレシャス!」

「フレーバー!」

 

スパイシーとヤムヤムの掛け声で、二人同士に飛び出してはハートキュアウォッチに手を翳す

 

「行くよフレーバー!」

 

「えぇ!」

 

 

 

「プリキュア!プレシャス・トライアングル!」

 

「プリキュア!フレーバー・ヘキサグラム!」

 

 

「オナカイッパ〜イ」

 

「「ごちそうさまでした!」」

 

 

 

「イェイ!」

 

「ハイタッチ!」

 

フレーバーとプレシャスは同時に浄化が出来、お互いに歓喜のハイタッチを交わして今回の戦いは終わった

 

 

 

 

 

////////

 

「出来た」

 

「はわわ〜!」

 

ここねは黄色のリップをらんの唇に塗ってあげ、それに対してらんもキラキラとした目で手鏡で自分の変化した姿に、喜んでくれていた

 

「良かった。どれを選んでいいか分からないって言ってたから」

 

「ありがとう。らんらんもこれ」

 

お返しにらんも、レシピッピ風にアレンジしたハートパンを手渡した

 

「可愛い、ありがとう。その、らん言い過ぎてごめんね」

 

「らんらんこそごめんね」

 

お互いに自分の言い過ぎた事に謝りはした。それでも良い事はある

 

「思った事を言い合えるなんて素敵じゃない。何でも相手に合わせてたら、それこそ良い関係とは言えないもの」

 

ローズマリーの言う様に、本心を言い合えると言うのはそれだけで信頼の証なのだ。それを今回は身に染みて知った

 

「違うからこそ、自分にない世界を広げてくれる」

 

「うん、お陰でレシピッピも助けられた」

 

「コメ〜!」

 

コメコメも嬉しくて人間の姿に化けるのだが、いつもの赤ちゃん姿ではなかった。赤ちゃん期から少し成長した姿「ようじ期」になった

 

「うれちいコメ!」

 

言葉も喋れる様になり、おぼつかないがようやく一人で立てるまでと成長してくれた。急激な成長速度に一同は驚くのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

悩んでいたキュアスタのアイコンも、パンダとラーメンを組み合わせるという形で仕上がった

 

正に合わせ味噌




次回こそは!早く!

ここまでの拝読ありがとうございました
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