デリシャスパーティ♡プリキュア Carry On 前へ進め   作:シロX

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今回でファーストシーズンは終了です。

デパプリなら食事シーンは描写しないといけないので、なんとか書き切れました。

冒頭は自己満です

それともう一つ、フレーバーの衣装が完成しましたので画像の方を載せます。


【挿絵表示】



XV. 扉が開かれるとき

THE ROAD SO FAR(これまでの道のり)

 

 

 

 

 

Carry on my wayward son

 


There'll be peace when you are done

 


Lay your weary head to rest

 


Don't you cry no more

 

 

「レシピッピ泣いてた!」

 

『デリシャスパーティ♡プリキュア!』

 

『エナジー妖精も皆目覚め、プリキュアが4人になったとな!』

 

「幾つかのレシピッピは盗まれてる様です」

 

「南米料理の幾つかは味が変わってしまったから、困ってお休みしてるお店も出て来てるみたい」

 

「方法は一つ、ブンドル団からレシピボンを取り戻すのよ」

 

 

Once I rose above the noise and confusion

 

Just to get a glimpse beyond disillusion

 

「お前達の事なら生まれたその瞬間から手に取るように分かる」

 

「私の名は───ミカエル。大天使だ」

 

I was soaring ever higher

 

「『ハートジューシーミキサー』パム!」

 

「ハートクリーミーブレンダー…これで全部終わらせる!」

 

But I flew too high

 

『はい。プリキュアを助けるアイテムと言われているのです』

 

Though my eyes could see

 

I still was a blind man

 

「ジャンヌは他のプリキュアと違い特別だ」

 

Though my mind could think

 

「お前達とは違い利口で、力があり、タフだ」

 

I still was a mad man

 

「よく訓練されて、勇敢で代えの効かない存在」

 

I hear the voices when I'm dreaming

 

「私の最高のお気に入りだ」

 

「フレーバー危ない!後ろ!!」

 

I can hear them say

 

「ぇ…っ?」

 

「やめてぇぇぇぇええ!!」

 

 

Carry on my wayward son

 

There'll be peace when you are done

 

「大丈夫フレーバー、わたしがついてるから」

 

Lay your weary head to rest

 

Don't you cry no more

 

「────ジーク!!!」

 

 

 

 

 

NOW(そして 今…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デリシャスフィールド内で、ゆい達は暗い雰囲気に包まれていた

 

ウバウゾーを取り逃した挙げ句、レシピッピもまだ取り返せれていない。しかし、それ以上となっている原因はジークにあった

 

体は冷たくなって生気を感じられない。腹部には無惨にも貫通されたであろう穴が空いており、血が流れ出ている

 

それを一同は、見つめることしか出来なかった

 

「ね、ねぇ…らんらん達これからどうすればいいの?」

 

「それは…」

 

年長のローズマリーが答えようとするも、この様な状況になるとは思ってもみなかった。考えた事はあるにしても、いざそれを目の当たりにすると何も言葉が出ない

 

「…行こう皆んな」

 

その中でも、ゆいだけは前へ進もうとしていた。らんとローズマリーは少し迷ってはいる。その一方でここねは何も言わず、動かない

 

「ジークならきっと、あたし達を送り出すと思う。レシピッピを早く助けてって、そう言うと思う」

 

今となってはもう聞けないが、ゆいはそう信じている。それをどう受け止めるかは各々次第。

らんとローズマリーは、ゆいの言葉に無言で頷いた

 

ここねは

 

「わたしは…」

 

どう答えていいか分からず、助けを求める様にパムパムへ目を向けた。しかし、パムパムは何も言わず、ここねの言葉を信じて待っている

 

「わたしも、行く」

 

「パム!」

 

ここねは、ジークを軽く抱きしめた後、ゆっくりと地面に降ろそうとした時だった。それは突然の出来事

 

ジークのお腹から光が溢れて、重症だった傷はみるみるうちに完治した

 

「────ッ!!」

 

ジークの両目が見開かれ、大きく息を吸って吹き返した。咳き込んで、口の中に溜まってある血も全て吐いて体を落ち着かせる

 

「ゲホッ、ゲホッ!」

 

「テル〜!!」

 

「テルテル、あ痛!?」

 

心配してくれていたパートナーが飛び込んで来たのはいいが、勢いあまってジークの顎と激突した

 

「あ、おはよう皆んな。ところで…何でお腹の傷が治ってるの?」

 

ジークは自分の体を触ったり、その場に立って軽く動かしたりしてみるが、何処も異常は無いと判断している。奇跡、とは言い難い。明らかにその範疇を超えてる

 

考えられるのは一つだけ。これまで、ジーク自身が無意識に起こしていた不思議な力によるもの

 

「あたし達も驚いてるよ!でも…」

 

「貴女、度々不思議な力を使うでしょ?そのせいかと思ってる訳。本当に大丈夫なの?」

 

ゆいとローズマリーが、お腹周りをペタペタと触って確認している。血痕はあるが、傷に関しては完璧に治癒されていた

 

「エッヘン!」

 

「ジっぴー頑丈だね〜」

 

「……ジーク目が」

 

ここねがコンパクトを手渡して、自分の瞳を確認する様にした。不思議な力を使う度になる、金色に光る瞳の現象が今回も起きていた

 

「今まであまり気にしなかったけど、今回は明らかに変。ジーク、本当に大丈夫なの?」

 

「大丈夫大丈夫!それよりも…」

 

ここねの心配を適当に流して、ジークはハートキュアウォッチに目を落とす。未だにレシピッピが助けを求める、画面が映っている

 

「ワタシ達には、やらないといけない事があるでしょ」

 

 

 

 

 

////////

 

ハートキュアウォッチの反応を辿って来た場所は、街外れの林。至って普通に走っていたが、地元民のゆい達は少し違和感を感じていた

 

「はにゃ?ゆいぴー、ここぴー、此処ってこんな感じだっけ?」

 

「やっぱり?な〜んかあたしも変な感じがするの。でもそれが分かんなくて」

 

一方でここねは、辺りを見渡しては風に吹かれる木の葉や、この場の空気を読んでいた

 

「空気が重い。多分そのせいでそう感じるだと思う。ただ…」

 

ハートキュアウォッチが示す先。その奥を見つめては、ここねの表情が険しくなる

 

「それでも、この先にレシピッピが居るのは間違いない」

 

「早くレシピッピを助け…うっ…」

 

突然ジークは額を抑えて蹲り、両膝をついた。激しい頭痛に襲われ、瞳の色が金色にチカチカと点滅するように光っていた。この様な事は初めてで、どう対処すれば良いのか分からなかった

 

「ジーク!?」

 

「クッ…はぁ…だ、大丈夫よ」

 

「やっぱりジークは帰った方が──」

 

「大丈夫!!大丈夫だがら本当に。それに、レシピッピが居る場所にミカエルがいる事も感じた」

 

口では言うが、心身共に疲れ果てているのは目に見えて分かる。さっきまで腹部に穴を空けられて、更に未だに詳細が分かっていない力が及ぼす頭痛

 

ここねの心配する気持ちはますます膨れ上がる一方

 

 

 

 

 

////////

 

「ビンゴ」

 

林の中とはいえ、開けた場所へと辿り着いたジーク達。ハートキュアウォッチの反応の先には、案の定ミカエルが背を向けて佇んでいた

 

「テルテル、早速リベンジマッチよ」

 

「テル!」

 

「ジーク待って。あれを見て」

 

ミカエルの正面には巨大な扉が建てられていた。見た目通りの頑丈そうな扉に、ここねは警戒心を高める

 

「オブジェクトにしても、あんなのがあるなんて聞いたことない」

 

「それに不自然よ。此処は何も無い林の中。皆んな注意して」

 

ローズマリーがそう促すと、ようやくミカエルはジーク達へと振り返った

 

「ようやくそこまで来たか。当初の予定通り事を進めようか。だが、保険は大事だ。いざという時に、その保険が功を成す時もある。だからジャンヌ含め、お前達を此処へ誘き寄せたのだ」

 

「何を言っているのかさっぱりよ。早くレシピッピ達を返しなさい!」

 

「今度はらんらん達が勝つよ!」

 

「そうイキり立つな。言っただろう、保険は大事だと!!」

 

レシピッピが入っている捕獲箱を、大扉の鍵穴らしき所に嵌め込んだ。そして時計回りに回して鍵を開けてしまう

 

「皆んな今すぐ変身するのよ!!」

 

 

 

『プリキュア!デリシャスタンバイ!』

 

『パーティーゴー!』

 

 

「あつあつごはんで、みなぎるパワー!キュアプレシャス!」

 

「おいしい笑顔で満たしてあげる!」

 

 

「ふわふわサンドde心にスパイス!キュアスパイシー!」

 

「分け合うおいしさ、焼きつけるわ!」

 

 

「きらめくヌードル・エモーション!キュアヤムヤム!」

 

「おいしいの独り占めゆるさないよ!」

 

 

「まろやか美酒に、let's乾杯!キュアフレーバー!」

 

「魅惑のおいしさに酔いしれなさい!」

 

 

『デリシャスパーティ♡プリキュア!』

 

 

 

変身して扉を開けさせない様に阻止しようとするのだが、ミカエル本人は既にその場から居なくなっていた

 

「…上から来るメン!!」

 

上から拳を振り翳すミカエルの存在に、誰よりも先に勘付いたメンメン。お陰で、五人は即座にバラけて回避をしたが、その後の事までは考えてはいなかった

 

空振りしたミカエルの拳は地面を砕き、その余波で五人全員が大きく吹き飛ばされる

 

「「「「「ッ!!?」」」」」

 

地面に転がりながらも体制を立て直したフレーバーとヤムヤム。地面に足がつくと同時に蹴り飛ばし、瞬時に仕掛けに行く

 

「コルクスクリュー──」

 

「バリカッター──」

 

「一手遅い」

 

無駄とも言える両手の手合わせの動作をしてから、二人に手を向けては念力で動きを止めた

 

技を出す途中で止められてしまい、防御体制も取れなければ、そもそも動く事すら不可能

 

「500キロカロリーパンチ!」

 

両手が塞がってる今がチャンスとプレシャスが飛び込んだが、ミカエルはそれすらも気に留めなかった

 

ただ普通に目を向けただけで、プレシャスも空中で動きを封じられた

 

「ク〜ッ!!」

 

無理矢理動かそうとするも、やはりミカエルの念力の力が強く指先一つ動かせない

 

「話にならない。もう少し力を込めろ。特にキュアフレーバー」

 

指を弾くと、それぞれ三方向に弾け飛ばされては、木に張り付けにされてしまった

 

「マリちゃんは下がってて」

 

残るはスパイシーのみ。はっきり言ってスパイシーが勝つ可能性はゼロ。しかしそれは本人も承知の上

 

「キュアスパイシー!ハートジューシーミキサー!」

 

ハートジューシーミキサーのダイヤルを、水色の丸に合わせる

 

「シェアリン!エナジー!ミックス!」

 

言葉と共にレバーを合わせて三回押す。それによりパワーがチャージされて、水色に発光する

 

「パム〜!」

 

最後の仕上げに四回目のレバーアクションをして、エネルギーが溜まってミキサーを銃の様に構える

 

「プリキュア!デリシャススパイシー・ベイキン!」

 

ミキサーのハンドルにある、ハート型のトリガーを押して溜まったエネルギーを一気に解き放つ

 

「フッ」

 

ミカエルは顔色を変えることなく、腕を軽く振ってスパイシーの浄化技を消し飛ばした

 

「そんな…」

 

ミカエルがなぞるようにして指を動かすと、スパイシーの首が締まり、呼吸困難を引き起こした

 

「あ…がぁ…ッ!!」

 

「スパイシー!!」

 

「感謝するぞキュアスパイシー。お前がトリガーとなってキュアフレーバーが、ジャンヌが力を覚醒させた。とはいえ、まだまだだがな」

 

手の平を閉じて更に念力で締め付ける。手に持っていたハートジューシーミキサーを落とし、両膝も地面についてもがく事も出来なくなっていた

 

「ご褒美をやらねばな。そうだな……ジャンヌの本当の正体を教えてやろう。ジャンヌは、私達と同じ大天使だ」

 

「な゛…に…ぁっ!」

 

「厳密には半分天使、半分人間と言ったところだ。そんなハイブリッドな存在を私達は『ネフィリム』と呼んでいる。ウィンチェスターはその家系で、ジャンヌはその血を色濃く受け継いだ私の子供だ。プリキュアにもなれるのも、その力があるからこそ」

 

「それで、も!じー、くは……わたし達の友達、だからッ!!」

 

「"友達"、前のそんな事をほざいていたな。まぁ今となってはどうでも良い。力を目覚めさせた後など、もう用済みでしかない」

 

手を開けて解放されるも、拳を握ってスパイシーの頭部に狙いを定める。このまま殺す気だ

 

「残念だ、キュアスパイシー!」

 

(あ────)

 

スパイシーの目の前に右拳が迫り来る。いつものスパイシーなら、この程度の単調な攻撃なんて避けることも出来れば、シールドで防ぐことも出来る

 

もっと言えば、今もこの瞬間も大した事のない。何故か、ミカエルの拳がスローモーションなのだ

 

なのに動かない。動けないのだ。それは死を目前にした走馬灯の様な現象

 

スパイシーは確信しているのだ。これだけは"死"を回避出来ない

 

だからもう何も、何もする事なく目を閉じて、それを甘んじて受け入れようとした

 

────誰かの介入がない限り

 

「えっ?」

 

「パム!?」

 

「なっ──」

 

グシャリという鈍い音と共に、フレーバーが割って入りスパイシーの前に現れた

 

それに遅れ、ミカエルの右腕から大量の血飛沫がフレーバーに降り掛かり、純白なプリキュアの衣装を鮮血に染め上げた

 

先程の鈍い音の正体は、フレーバーの手によって引き千切られたミカエルの右腕の音

 

「フレーバー…?」

 

「──────」

 

荒い息遣いでミカエルを睨みつけては、引きちぎった腕を投げ捨て、ゆらゆらとミカエルへと歩いて行く

 

「いいぞジャンヌ。内に秘めた力を解放──」

 

ミカエルの言葉を遮る様に、フレーバーによって一瞬の内に頭を引きちぎられ、高く掲げていた

 

目の前で見ていたスパイシーとパムパムは視認出来ず、ミカエル本人ですらも頭のみとなった姿を理解するのに時間が掛かった

 

「それでも終わらない…私を倒したとしても次が来る。気を付けろよ、私などまだ生ぬるい。ブンドル団含め、本当の戦いはここからだ」

 

フレーバーは無言でミカエルの頭を両手で持ち、そのまま力を入れて押し潰そうとする

 

「フレーバーもういいのよ、フレーバー!」

 

「────」

 

スパイシーの声も届かず、緩めるどころか力を込めてミシミシと軋む音が聞こえ始める

 

「聞こえてないパム!」

 

「ジャンヌダメ!!!」

 

グシャリとミカエルの頭を潰し、血が止めどなく溢れ出る。いくら敵とはいえ、越えてはいけない一線をしでかしたというのに、フレーバー本人は恍惚とした表情をしていた

 

スパイシーはそれがあまりにも恐ろしく、思わず一歩下がった

 

そしてそこからフレーバーは、衝撃的な行動を取った

 

先ず、潰れたミカエルの頭を持ち直しては口の中に手を突っ込んだ。そこから引っこ抜いたのは"舌"。フレーバーは大きく口を開けて齧り付いた

 

「ッ!!?」

 

味合うこともなく、二、三回噛んではそのまま胃の中へと流し込んだ。

次に手を出したのは目玉。食べ方は簡単に、指で両の目をくり抜いて一度に口の中に放り込んだ

 

飴の様に口の中で転がして舐めていた。そしてトマトを食べてるかの様に、歯で噛み潰して、口の中から血が飛び散る

 

最後のメインディッシュはミカエルの脳みそ。頭皮を引き剥がして脳を取り出した

 

空っぽとなった頭などもう不要。フレーバーの足元に投げ捨てては、獣の様に脳へと齧り付いた

 

それで限界に達したスパイシーは、背を向けてその場にしゃがみ込んで、胃の中のものを全て吐き出した。

大人びたスパイシーでも、ショッキングなこの光景には耐え切れなかった

 

脳を貪り食う少女、片や嘔吐する少女。それはとても奇妙な絵面なもの

 

「デリシャスマイル…」

 

食べ終えたフレーバーは、そうボソリと呟いて口周りを拭う。そして、吐き終えたスパイシーへと何食わぬ顔で手を差し伸べる

 

「スパイシー大丈夫?」

 

一瞬ビクつくスパイシーだが、震えながらもその手を取って立ち上がった

 

「フレーバー…」

 

ミカエルが倒された事で、プレシャス達は念力から解放されていて二人の側へと駆け寄る。しかし、先程の光景を目にしていた為、なんて声を掛ければ良いか言葉が見つからない

 

「テルテル!」

 

テルテルが言葉を投げると同時にそれは起きた。突然の地響きと同時に、大きな扉が開かれる

 

「なんだか分からないけど閉じないと!!」

 

ローズマリーの言葉で全員が我に返り、一斉に駆け出すも、扉が完全に開く方が早かった

 

「「「「「──ッ!!」」」」」

 

開いた瞬間、凄まじい光りのエネルギーが飛び出してフレーバー達を吹き飛ばした

 

「マリちゃん手を!」

 

「プレシャス!」

 

「はにゃ〜!と〜ば〜さ〜れ〜る〜!」

 

「クッ!」

 

「急ぐわよ!!」

 

そんな彼女達の前に、上空からまだ浄化していなかったウバウゾーが降って立ちはだかった

 

「ウバウゾー!!」

 

「んも〜!こんな時にウバウゾーなんて!」

 

「二手に分かれるわよ。ワタシとプレシャスでウバウゾー、皆んなは扉を閉めて」

 

「えっ、でも…」

 

「マリちゃん大丈夫だよ。やろう!」

 

今のフレーバーと共にさせるのは不安はあるが、プレシャスが言うのであれば仕方ない。それを信じるしかなかった

 

 

「デリシャスフィールド!」

 

 

フィールド内で消え行くプレシャスが、サムズアップして見送った。

ヤムヤムとローズマリーが扉を閉めに走り出すが、スパイシーだけはまだ動いてすらなかった

 

「スパイシー?」

 

「…あっ、大丈夫。ありがとうパムパム」

 

 

 

 

 

「ウバウゾー!!」

 

炊飯器のウバウゾーは、蓋を開けては中からお米のミサイルを射出する。接近しながらも、踏み出す瞬発力だけでフレーバーとプレシャスは避けていく

 

「コルクスクリューショット!」

 

プレシャスより一歩下がって援護するフレーバー。向かって来る攻撃を撃ち落とすだけではなく、プレシャスの道を開かせる

 

「500キロカロリーパンチ!!」

 

ウバウゾーの顔面に直撃はしたものの、倒れるどころか怯みさえしなかった

 

「ウバ、ウゾー!」

 

「プレシャス!」

 

プレシャスを掴んでそのまま投げ返した。フレーバーは落下地点に足を運び、落ちて来るプレシャスを上手くキャッチした

 

「今度はワタシが行く」

 

プレシャスの背中を押して、フレーバーがハートクリーミーブレンダーを手に持って構える

 

「プレシャス!シェアリンエナジー!」

 

ダイヤルをピンク色の三角に合わせて、レバーを一回押してお米の力を込める

 

「ハートプレシャス・ライス!」

 

ウバウゾーへ向けてハートクリーミーブレンダーを構えて、ハンドルのトリガーを押した。

お米を模したエネルギー弾が発射された

 

「ウバウゾー!!!」

 

対抗する為ウバウゾーも、今まで以上のエネルギーを目に充填して放った

 

中央で激しいエネルギーのぶつかり合い、その末に爆発が起きてフレーバーだけが大きく後退する

 

(さっきよりも強くなってる!)

 

土煙が晴れると、今度はプレシャスがハートジューシーミキサーを構えて、浄化の準備をしていた

 

「シェアリン!エナジー!ミックス!」

 

レバーを四回押してエネルギーをチャージ

 

「プリキュア!デリシャス──」

 

「ウバウゾー!!」

 

「え───キャアァァ!!」

 

いざ浄化しようと構えた時、ウバウゾーは岩を投げて技の妨害をした。その衝撃でプレシャスは吹き飛び、ハートジューシーミキサーを手放してしまう

 

あの強力なウバウゾー浄化出来るのは、ハートジューシーミキサーを持つプレシャス達三人だけ。フレーバーのハートクリーミーブレンダーは非常に強力だが、浄化能力は備わっていない

 

だからといって、フレーバー・ヘキサグラムでは力不足で弾き返される

 

「ウバウ、ゾー!!」

 

浄化出来ないと知ってなのか、フレーバーへと突進をして来た

 

時間稼ぎは可能だが、長期戦はレシピッピを苦しませ、フレーバー達もいつまでも戦える訳ではない

 

出来る事があるとすれば、ウバウゾーを浄化出来る力があるとすれば

 

それはひとつだけ────

 

「ッ!!」

 

フレーバーは右手をウバウゾーへと向け、金色のオーラの様なものを放ち、動きを止めた

 

「ウバ、う…ゾゾ…ッ!!」

 

フレーバーは右手の形を変え始める。捻るようにしてウバウゾーを苦しめ、親指と中指を擦り合わせる

 

「これで終わりよ────散りなさい」

 

指パッチンすると、ウバウゾーは瞬く間に消滅したのだった

 

先程までの騒がしい激闘から一変し、静寂だけが残ってデリシャスフィールドが解かれた

 

元の場所に戻ると、レシピッピが捕獲箱から解放されており、スパイシー達のお陰で扉は無事に閉まっていた

 

こうして、ミカエルとの戦いは幕を閉じるのだった

 

 

 

 

 

////////

 

夕方、ジークとテルテルを除いた皆んなが和実家に集まっていた。何故集まっているのかは、言わずも知れたこと

 

ここねは全てを話した。ミカエルに言われた事を全て。そして、今後のジークについてのこともどうすべきか

 

「ジークはミカエルの血を受け継いだ人で、その力も使える。だからあの不思議な力を扱えたのね」

 

「半分人間で半分大天使。それがネフィリムという存在メン…」

 

「はにゃ〜、ジっぴーマシマシに凄くなったね〜」

 

ここねとパムパム以外には、ミカエルとの会話は聞き取れなく整理をしていた。それに伴い、ここねもジークについて改めて考える

 

「……」

 

「ジークに言った方がいいかなと、あたしは思うけどどう思う?」

 

「私もゆいの意見に賛成よ。ここねとパムパムは?でも、直に聞いて、目の前であのジークを見た二人の判断を材料に、どうするか決めるわ」

 

「パムパムは、言わない方が良いと思うパム」

 

「ここねちゃんは?」

 

自分の中で考えが纏まり、ようやく口を開けた

 

「わたしも、言わない方が良いと思う。言った方が良いとも思うけど、刺激でもしたら、なんかその……ジークが余計に変になり、そう」

 

「分かった!ここねちゃんの判断を信じるよ!」

 

「軽っ!!でもまぁ、何も知らない方が本人の為になるとも言うけどね。でも、いつかは言わないといけないわよ。それの覚悟もしとかないと」

 

「うん…」

 

 

 

 

 

////////

 

一方でジークとテルテルは、自宅へと戻って、自分の力について調べていた。その力が大天使のものだと知らずに

 

「う〜ん…謎の回復力、それにあの念力や腕力。ミカエルと似ているけど、まさかね?」

 

ジークも薄々気付いてはいるが、それを確信させるにはまだ足りてはいない。

とはいえ力は紛れもない本物。現に、自分の手を軽く切ってはその場で瞬く間に回復し、軽いものなら念力で物を動かしも出来た

 

(テルテルもそうだけど、ウォッチやハートクリーミーブレンダーもこの力のお陰なのかな?恐らく予知夢も…)

 

「テ〜ル!テ〜ル!」

 

テルテルがお皿を持って来ては、ポンポンと叩いてご飯を要求していた。時間はもう夕暮れ時。今日は様々な出来事が一気に押し寄せて、ジークだけではなくテルテルにも負担を掛けてしまっている

 

ジークはテルテルからお皿を受け取り、優しく頭を撫でて、頭の上に乗せる

 

「待っててね〜、今作るから。何を作ろう…缶詰め発見!うわっ、賞味期限が10年前…え、こっちは20年前!?ワタシ生まれてない。どうも人生の先輩、缶詰めさん」

 

そんな馬鹿なやり取りを一人でしているジーク。気を取り直して、材料を台所に出して料理しようとした時だった

 

「ッ!あっ、がぁ!!?」

 

「テル?テルテル!」

 

激しい頭痛に襲われ、頭を抑えながら床に倒れてしまった。突然の事で、テルテルも動揺を隠せずに困惑していた

 

「頭ァ、ガッ────ッッ!!」

 

その時、頭の中に大量の映像が流れ込んで、耳にも響いて苦しみは高まるばかり

 

「らら、ラピウ…!スすす?ぇ…ヒーリンッッググ…!ら…だー、、ゲむで……すゥッ!!」

 

「テルテル!」

 

「ああ────アアァァァァアアアッッ!!!」

 

瞬間、ジークの瞳、体が極限まで光り輝き、絶叫が家中に響いた。

そして、内包されていた力も全て解放された

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは、おいしーなタウン全体に影響を及ぼし、保っていた自然の摂理が崩壊する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミカエルと決着を付けた開けた林で、空間に裂け目が生じた。その裂け目から男の子一人、女の子二人、羊、ウサギとネコの動物三匹が飛び出した

 

「あととっ!」

 

「あっ!」

 

「えっ──」

 

先に出て来たツインテールの女の子は、上手く着地出来て、その後すぐ男の子が現れた順番となった。が、最後に飛び出て来たショートヘアーの女の子の勢いが止まらずに、男の子とぶつかって押し倒す形となった

 

「あっ、ごめんね!重かったよね…」

 

「いや、軽いから何も問題は無い」

 

「ねぇ二人共、いつまでくっついてるの?」

 

「「ッ!!」」

 

面白半分で言ったのが上手い具合に効いており、二人はそっぽ向いて何もなかった様に振る舞う

 

「そ、それよりもだ────」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

更に別の場所。おいしーなタウンの街の真ん中でも、同じ空間の裂け目が現れて中から子供が飛び出て来た

 

こちらでも、男の子一人と女の子二人が現れて、ペンギンと子犬が一匹ずつ

 

「この感じ、すこやか市ではありませんね」

 

「とにかく一度戻って、あっ…閉じちゃった」

 

藍色の髪色をした女の子は、空間の裂け目が消えてしまったのを目の前で見てしまった。これで、帰る手段は無くなったと頭を抱えてしまう

 

「情報が必要だ。ゲームと同じ様に一つずつ攻略するんだ。先ずは、だ────」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「────此処は何処だ?」」




これでファーストシーズンは終了となります。次回からはセカンドシーズンとなります。

更に付け加えて、次回はコラボ回を始めます。いつもはセルフでやっているのですが、次やるコラボ回に関しては、仲良くさせて頂いてるとあるお二人にご協力のもとでお送りします。

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