デリシャスパーティ♡プリキュア Carry On 前へ進め 作:シロX
お二人の方にご協力させて頂きました。ありがとうございます。
協力して頂いた方は、同じサイトで宜しくしております「ゆぐゆぐ」さん。別サイトで仲良くさせて頂いてる「妖鬼1114」さん。
ゆぐゆぐさんの方では、FGOのクロスオーバー。妖鬼1114さんの方では、仮面ライダーエグゼイドのクロスオーバー。どちらもヒーリングっどプリキュアを原作にしております
ではスタート
XVI. 異次元からの来訪者
「私の名は───ミカエル。大天使だ」
「ネフィリムに込めた意味は、『異なるものでも組み合わせれば良いものが出来る』らしいよ」
「感謝するぞキュアスパイシー。お前がトリガーとなってキュアフレーバーが、ジャンヌが力を覚醒させた」
「それでも終わらない…私を倒したとしても次が来る」
「ジークはミカエルの血を受け継いだ人で、その力も使える。だからあの不思議な力を扱えたのね」
「わたしも、言わない方が良いと思う。言った方が良いとも思うけど、刺激でもしたら、なんかその……ジークが余計に変になり、そう」
「でも、いつかは言わないといけないわよ。それの覚悟もしとかないと」
「うん…」
ジーク達四人は、いつものように美味しいものを求めてお出掛けをしていた。ゆい達からすれば、幼い頃からこの街に居る為ある程度美味しい場所は知っているが、ジークやローズマリー、それにこんなにも人数がいるのだからまた別の新しいものに出会えるかも知れないと乗り気なのだ
もしそうでなくとも、美味しものを食べたいという気持ちは皆んな同じ。結局誰かが誘いを掛ける
そんな楽しい時間を朝から過ごしていおり、只今お昼を過ぎた時間帯となっている
「次は何処行く〜?」
「そうね、これからまだ食べるとしたら少し抑えめにするのはどう?」
「賛成賛成〜!」
「ジークはどうする?」
「ワタシはそうね。なら……?」
ローズマリーの会話途中、ジークはふと何かを感じ取った。
何か言葉では表すのが難しい。奇妙な感じもするし、違和感もある。まるでしこりが溜まってるかのようにモヤモヤとする
「ジークどうしたのよ?」
「…」
ジークは歩いて来た方向に目を向ける。その先を見据え、己の感覚を最大限に引き出す
すると、大勢の一般市民が此方へ逃げ出しているのを目にする
「
逃げ惑う人に話を聞くもするも、走るのに必死に無視される。どうしようかと困惑していると次の瞬間、建物を破壊しながらやかんのウバウゾーが現れた
「ウバウゾー!!」
「ハートキュアウォッチには反応が無かったのに!?」
ジークのウォッチを手に取り、ローズマリーは困惑していた。無理もない、ウバウゾーはレシピッピを使って生み出すもの。
なのにウォッチからは何も反応が無い
「デリシャスフィールド!」
展開された結界内に隔離し、ジーク達が思う存分暴れられる空間に移動した
「考えるのは後だとマリちゃん!」
「ウバウゾーを浄化してから!」
「はにゃ!やるよ〜!」
「うん、やろう!」
『プリキュア!デリシャスタンバイ!』
『パーティーゴー!』
「あつあつごはんで、みなぎるパワー!キュアプレシャス!」
「おいしい笑顔で満たしてあげる!」
「ふわふわサンドde心にスパイス!キュアスパイシー!」
「分け合うおいしさ、焼きつけるわ!」
「きらめくヌードル・エモーション!キュアヤムヤム!」
「おいしいの独り占めゆるさないよ!」
「まろやか美酒に、let's乾杯!キュアフレーバー!」
「魅惑のおいしさに酔いしれなさい!」
『デリシャスパーティ♡プリキュア!』
「「やあぁあ!!」」
プレシャスとヤムヤムの二人が、早々に飛び出して先手を打ちに行く。
だがウバウゾーは、両手の注ぎ口を向けて熱湯を噴射させる
「「うわっ!?」」
熱湯に吹っ飛ばされた二人は地面を転がり、その場でジタバタして唸っていた
「あ、熱い!!」
「うにゅ〜…」
「厄介ね」
「それならワタシ達が道を作る!」
フレーバーとスパイシーは顔を見合わせ小さく頷いた。
二人は左右に分かれつつも、交差しながら走り出す。このやり方なら相手に狙いをつけずらい
「ウバ!ウバ!!」
「フッ!」
「ハッ!」
思った通り照準が合わず、避けやすくはなりはした。ある程度接近出来、スパイシーはブレーキを掛けて立ち止まる
「ピリッtoサンドプレス!」
見事にウバウゾーを挟み込んで動きを封じた。しかし今回のウバウゾーはやけに力が強く、スパイシーの腕が震える程まで踏ん張っているのだ
「あまり長くは保たない!フレーバーお願い!」
「任せて!」
ハートクリーミーブレンダーを持ち、ダイヤルを瞬時に回してから、レバーアクションでエネルギーを高めさせる。それにより、ピンク色へと発光した
「プレシャス!シェリンエナジー!」
エネルギーが充分に高まり、ウバウゾーへと先端を向けさせて一気に放つ
「ハートプレシャス・ライス!」
ハートクリーミーブレンダーから、米粒を模したピンクの光弾が放たれた。最もパワーのあるプレシャスの力なら、ウバウゾーも怯む筈
「残念だな」
ハートプレシャス・ライスが直撃する直前で、誰かが介入して攻撃を弾き飛ばした。
それと同時に、ウバウゾーもピリッtoサンドプレスを弾き、耐えていたスパイシーは尻餅をつく
「一体誰!?」
「人?」
ウバウゾーの目の前で宙に浮かんでいる、黒人男性。誰も知らない、見たこともない。正体不明なのだ。
だが、次に目に映る光景を見て何者かは判明する
「一人だけじゃなかったの?」
黒人男性の背後に映る影。その影には翼が大きく広げられており、瞳は青く、体も神々しく光り輝いていた
「ミカエルと同じ大天使…!」
「『ラファエル』だ。ミカエルは自分の力を過信していた。レシピッピなぞ使って、ウバウゾーなどと虫けらを使わずとも勝てた。私は油断はしない。徹底して浄化する」
ラファエルが指パッチンすると、ラファエル自身とフレーバーだけがその場から消え去った
「フレーバー!」
先日の事もあり、フレーバーを一人に出来ないスパイシーは不安で胸がいっぱい。だけど、目の前に居るウバウゾーも浄化しなければならない
優先すべき相手は──
「…早くウバウゾーを浄化するわよ!プレシャス、ヤムヤム!」
「「うん!!」」
「これで邪魔する者はいなくなった」
「ぐぅ…クッ!」
おいしーなタウンから少し離れた木立な場所で、ラファエルはフレーバーの首を締め上げていた。
此処に飛ばされた直後、フレーバーは急いでプレシャス達と合流すべく逃げ出そうとした。
しかし、一瞬で回り込まれて今この状態となっている
抵抗しようも、肺に空気が送られず力が入らない。それだけじゃない。このまま首の骨をへし折られる可能性も。或いは窒息させられる
どちらにしろ、このままでは何も出来ないまま殺される
そんな時だった
「ッ!?」
何処からともなく、蛇が絡み付いてある杖が飛んで横槍される。流石のラファエルも予想外の出来事に、フレーバーから手を離して杖を弾き、距離を置いた。弾かれた杖は、飛んで来た方の地面に突き刺さった。
ラファエルがわざわざこんな場所まで来たのには理由がある。それは人目がつかないという点で選んだのだ。下調べは充分の筈が、正体不明の攻撃は信じられなかった
「あ〜あ、外しちゃった。でも大丈夫!ボクがすぐに励ましてあげ──」
「うるさい、ちょっと退いてろよ」
先程の杖を投げたと思われる少年と、その頭の上に乗っている喋る不思議な生き物。その二人の介入により、ラファエルは少しばかり苛ついていた
「貴様誰だ?」
「ただの道に迷った通りすがりの少年。あと愉快な仲間達ってところかな?」
「愉快な仲間達だと?」
少年に続いて茂みの奥から出て来たのは少女二人。
一人はマゼンタ色のショートヘアで、いかにも大人しめの女の子。
二人目は、茶髪のツインテールをした女の子。一人目の女の子と違い、身振り手振りを激しくして慌てていた
「ねぇあれってプリキュアじゃん!?」
「本当だ!プリキュアさ〜ん!大丈夫ですか〜?」
「え、あっ、うん…」
こんなコスプレじみたフレーバーを、一目でプリキュアと看破した。警戒の念を抱くも、それと同時に何故プリキュアの事を知っているのか疑問も浮かぶ。
恐らく少女だけではなく、少年に関しても何かプリキュアと深い関わりがあるのかもと推測する
一方でラファエルの様子はというと、少年に邪魔をされた事に苛立ちを覚えていたのだが、少女二人を目にして別の感情を表していた
「何故此処に居る?『花寺 のどか』『平光 ひなた』。お前達は今も尚すこやか市で……いや違う」
マゼンタの髪色をした少女を花寺 のどか、ツインテールの少女を平光 ひなたとラファエルは呼んだ。
そして一人で何かを察して納得していた
「お前達から流れてるその時間の流れ。とするとその隣に居る男も……もう一度問おう。男、お前は誰だ?」
「先ずお前から──」
「失礼だな!天上天下唯我独尊女どころか男も落とす超絶美男子、『神医 飛鳥』きゅんだよッ!」
「おいポポロン」
ポポロンの口元を掴んでは、これ以上喋らせない為に捻り潰した。飛鳥と呼ばれた少年は、いきなり名前を尋ねられた事に警戒心を高める
目の前でフレーバーが首を絞められいるのを目撃してる為か、下手に此方の情報を開示させる訳にもいかない。言葉一つでも慎重にならなければならない
「まあ良い。誰だろうとこの場で消すのみ」
ラファエルの左手が閉じようとしている。それを見たフレーバーは、手を閉じさせない様に飛び掛かった
「
「邪魔をするな」
掴み掛かっているフレーバーを振り解き、木に激突させてた。
背中を強打したフレーバーは変身が解けてしまった
「おいお前!」
飛鳥がジークを助けようと一歩踏み出した時、倒れてるジークの両手を手に取った。起こそうとする訳もなく、指の爪を見ていた
「何をする気なんだ…?」
「見せしめだ。私の邪魔をするというのなら、取り押さえて痛めつける。じっくりと、こんな風にな」
ラファエルは瞳を青く輝かせては、そのまま爪に向けて念力を使い始めた。
それを見たジークは、ラファエルが何をしようとするのかを察し、青ざめて懇願し始めた
「嫌…やめて、お願い…お願いだから!」
その様な願いなど聞き入れるはずも無く、ラファエルは更に力を入れて、とうとうジークの両手の指の爪が根元から引き剥がされた
「あああぁぁぁぁああッッ!!!」
声を押し殺す事も出来ず、絶叫を上げてその場に蹲るのであった。
少しでも指に空気が触れると激痛が走り、とてもじゃないが動く事もままならない
ジークはただただ、嗚咽を混じりさせながら泣き言を言って痛みを紛らわせるしかなかった
「いだい、いたいよぉ……っ…誰か助けてぇ…」
「なんかヤバい事になって来たニャ!」
「急いで変身するラビ!」
のどかとひなたの服の袖から、手の平サイズのピンク色のウサギと黄色いネコが喋って変身するように促す
それに伴い飛鳥は杖を、のどかとひなたは「ヒーリングステッキ」と「エレメントボトル」手にした
「「スタート!」」
「「プリキュア ・オペレーション!」」
「「重なる二つの花!」」
「キュアグレース!」
「ラビ!」
「「溶け合う二つの光!」」
「キュアスパークル!」
「ニャ!」
「絡み合う二つの毒、キュアラピウス」
のどかは「キュアグレース」に変身。濃いピンク色のロングヘアを盛り髪にして、黄色い花に緑の葉の髪飾りをあしらっておりピンクのハートのついたティアラが装着されている。コスチュームは胸にバラの飾りをあしらったパフスリーブのワンピースであり、緑のリボンのついたショートブーツを履いている。そして、両手にはピンクのハートのついた手袋を着用していた
ひなたは「キュアスパークル」に変身。金髪の猫耳型シニヨン付きツインテールで、左髪に黄色のハートのティアラが装着されている。コスチュームは黄色の光マークの飾りをあしらったノースリーブのトップスで、二の腕にアームファーを装着。下半身は、緑のフリルのついた、ファー仕様のかぼちゃパンツを着用している。両手には黄色のハートのついた手袋を着用している。足元は茶色のオーバーニーソックスと、黄色のロリータパンプスを着用していた
そして意外だったのが、男の子である飛鳥もプリキュアに変身した。名を「キュアラピウス」。外科医が着用する服に似た黒服に、指先を青に染めた手袋。此方を魅了させるほどに美しくなびかせる銀の長髪
それぞれ、ジークが初めて見るプリキュアへと変身を遂げたのだった
「僕とグレースでアイツを食い止める。その隙にスパークルはあの子を!」
ラピウスの指示でスパークルはジークへ、グレースは共にラファエルへと突っ込んで行く
「ちょ、大丈夫!?手を見せて!」
涙を流しながらジークは素直に両手の指を見せる。手先は完全に血まみれとなり、痛々しさが滲み出ていた
「ニャトランどうしよう!?」
「このままだと放置してたら化膿して、爪が元に戻らなくなっちまう。急いで病院に連れてって手当てしないと!」
「そんな…ラピウス、グレース!緊急事態だよ!!」
スパークルが呼び掛けていると、木に叩きつけられてる二人を目にする
「そんな事分かってる!!」
「この人強い、何者なの!?」
「ラビリン達も分からないラビ。ビョーゲンズでもない。正体不明の敵ラビ!」
ピンク色のウサギ「ラビリン」の言葉にラファエルはわざわざ答える
「大天使のひとり、ラファエルだ。お前達に例えると浄化をする者だ」
「浄化だと?なら何故、あの子や僕達に襲い掛かる!?」
「それは簡単な話し。お前達が『プリキュア』だからだ!!」
「プリキュアだから…そんな理由で?」
自分達がプリキュアだからという理由で、自分達を襲っている事にグレースは首を傾げる。
ラピウス達が掲げる「ヒーリングっど♥プリキュア」という名は、地球をお手当てする者達だ。そもそも、プリキュアという存在自体何もおかしくない。襲われる理由が全く分からない
「プリキュアである以上、お前達を倒す以外何もない。そのまま死を選べ」
「話が通じないね。一方通行って感じ。どうする?」
ポポロンの問いに、ラピウスは分かりきった答えを言う。そしてそれは、グレースとスパークルも同じ
「倒す。それだけだ」
ラピウスが武器であるメスを使い、正面から切り伏せに行く。しかし、そんな単調な攻撃がラファエルに通じる事はなく、呆気なく両腕で防がれた
「葉っぱのエレメント!」
「火のエレメント!」
阿吽の呼吸で、グレースとスパークルがエレメントボトルを使用しての光弾を左右から放った。
両手が塞がってる状態での不意打ち。どんなに強くても、不意打ちには対応は出来ないと踏んでいたが
「全て弾けろ」
ラファエルの指先。そこが自由であり、指を鳴らすと葉っぱと火のエレメント攻撃が弾けて消しとんだ
「この距離なら防ぐ術はないだろ?」
ラピウスは別の武器である、クロスボウガンを構えてラファエルの腹に押し付ける
引き金を引いての零距離射撃。流石のラファエルもこれには防ぎようなく、大きく吹っ飛ばされる
この好機を逃してしまえば次はない。そう思いグレースは一気に畳み掛ける
「エレメントチャージ!」
『キュン!キュン!キュン!』
「「ヒーリングゲージ上昇!」」
ヒーリングステッキの肉球を三回タッチする事で、ステッキ先端部に浄化の力が今まで以上に高まる
「プリキュア!ヒーリングフラワー!」
高められた花のエネルギーを全て放出し、螺旋状の光線が放たれた
「無駄なことを」
ラファエルは上体だけ起こし、右手を向けてグレースの浄化技を正面から受け止める体制になる
そして激しい爆音と共にぶつかった浄化技だが、じんわりとラファエルの右手の中に吸い込まれていく
「ヒーリングフラワーが!?」
全て吸収し終えて右手を閉じ、そしてグレースへ狙いをつける
「受け取れ」
今度はラファエルの手からピンク色の光線が放たれた。しかもグレースの何倍の威力で反撃して来たのだ
「「ッ!!」」
グレースとラビリンは、すぐさま肉球のシールドを展開して防御体制に入るも、一瞬で呑み込まれて林の奥まで吹き飛ばされた
「グレース!ラビリン!」
ラピウスがすぐさま駆け寄り抱き起こすも、グレースは気絶しており目を覚さない
この状況でもまだジークは涙を流して、痛みに耐えていたが、これ以上任せっぱなしもマズいと判断し、なんとか立ち上がってみせた
「テル!テル!」
「何やってるの!?駄目だよ安静にしてなきゃ!」
テルテルとスパークルが止めに入るが、ジークは無茶をしてでもこの状況を打破しないといけない
「ワ、ワタシも変身…うぅ!」
やはり駄目かと思われたが、抑えていた両手から淡い光りが漏れ出ていた
スパークルは不思議な光景を目にする。両の手の爪が剥がされて筈の爪が、瞬く間に根元から伸び始め、綺麗に元に戻ったのだ
「ニャニャ!?」
「伸びるんめっちゃ早!?」
だがラファエルはそれを目の当たりにして、より一層殺意を剥き出す
「やはり、ジーク・ウィンチェスターは危険人物。他のプリキュア共々浄化してやる」
殺気を放ちながら近付いて来るが、途中その足を止めて何か感じ取っていた。
その様なラファエルを見るのは初めてで、ジークとスパークルは首を傾げていた
「この感じ…またか。一体何がどうなっている?これもジーク・ウィンチェスターによる影響か?」
独り言を呟くと、ラファエルはその場から消えて何処かへ去って行った。
これは見逃して貰ったと捉えるか、はたまたそれ以上の大切な用事でも出来たのか。どちらにしろ、自分達は助かったことに変わりなかった
「助かった〜!」
スパークルはその場にへたり込み、大きく息を吐いた。ラファエルの力を目の当たりして、かなり緊張をしていたのだろう
「そうだグレース!ラピウス!」
スパークルが二人を心配して駆け寄る隣で、ジークは治癒された自分の爪を眺めてた
(何で、治ってるの?いえそれよりも、あの人達が来なければワタシは…)
「大丈夫か?」
考え込む背後から、グレースをお姫様抱っこするラピウスが声を掛けてくれた。勝手に巻き込まれた身だが、それでも気に掛けてくれてはいる
「えぇ大丈夫。その子は?」
「外傷は無いが気絶はしている。何処かで休ませないと」
「助けてくれたお礼にしては物足りないけど、ワタシの家で休ませるのはどうかしら?」
「ならお言葉に甘えさせてもらうよ」
「それにジークって言ったっけ?そっちも早く帰りたいでしょ?お漏らししてるしね」
「…ッ!」
ポポロンの言葉に、ジークは顔を赤くしてワンピースを思わず強く掴んだ。
恐らくだが、ラファエルに爪を剥がされた時に痛みに耐え切れず漏らしたのだろう
そんな状況下だったとはいえ、恥ずかしい気持ちが溢れ出て涙目になり、プルプルと体を震わせていた
「ポポロン、デリカシーがないラビ!ニャトランでもそんな事言わないラビ!」
「それ、オレの事も遠回しにデリカシーがないって言ってるよな!?」
「気にするな。涙を拭いたいが、生憎グレースで手が塞がってる。だからその、あ〜……ホント気にするな」
「と、取り敢えず家に行こっか!ジーたん!」
スパークルが率先して、一度ジークの家に行く事になったのだった
////////
ジーク達が行動する同時間。プレシャス達は未だにウバウゾーに足止めを食らっていた
「早くフレーバーを助けに行きたいのに。うわっ!」
「このウバウゾー強いよ!」
プレシャスとヤムヤムは、ウバウゾーの攻撃を懸命に避けるので精一杯。攻撃する暇が無く、隙も無い
だがスパイシーだけは、その猛攻を潜り抜けて走っていた。勇敢に立ち向かってはいるが、これは無茶をしている
「スパイシー無茶したらダメパム!今は、パム〜〜!!」
スパイシーを静止する様に声を上げるも、耳に届いておらず振り回されるばかり。このままだとスパイシーの身が危険
(早く、早くフレーバーを!!)
パンのシールドを上手く使い、ウバウゾーの懐まで接近する事が出来た。浄化するなら今しかない。
スパイシーは、ハートキュアウォッチに手を翳して浄化技の体制入るが
「「スパイシー危ない!!」」
次の瞬間、スパイシーは殴り飛ばされて数十メートル地面を転がって行く
「ウッバッバ〜!」
スパイシーをわざと接近させたのは罠。浄化技を放つ一瞬の隙を突き、そこに渾身の一撃を叩き込んだのだ。
只の怪物と思い込んでいたが、今回は知恵も回って厄介な相手であった
そしてスパイシーはというと、ダメージの許容範囲を超えて変身が解けてしまっていた
「ここね、大丈夫パム!?」
「それよりも早く変身を…!」
「そんな、無茶パム!!」
「無茶でもやるしかないの…」
プレシャスとヤムヤムを押し退けて、ウバウゾーがここねに向かって走っていた。早く変身するか、もしくは逃げ出さないと終わりだ
「わたしはもう後悔はしたくない。大切な友達が、遠くへ行ってしまうのは!!」
「ウバウゾー!!」
「ここねーー!!!」
『────マイティアクションV!』
何処からともなく聴こえて来た音声と、デリシャスフィールド内で不思議な力が働いて結界内にその力が重ね書きされた
デリシャスフィールドの空間内に、突如として現れる無数のブロック。ウバウゾーは未知のものとの遭遇に、ここねとパムパムの目の前にして足を止めた
「突然知らない街に飛ばされたと思えば、今度は変な空間か。まだよく分からんが、あいつが敵ってことで構わないな」
声はここねとパムパムの背後からした。振り返ると、高身長の銀髪蒼眼の男性。両脇には藍色のロングヘアで、水色のシュシュで束ね左肩にたらしている少女、金髪で後頭部でおだんごに結っている女性。その三人が、デリシャスフィールド内に侵入していたのだ
更に付け加えると、少女二人の側には、宙に浮いてる青いペンギン一匹と、子犬が一匹も居た
「あの…誰、何ですか?」
その問いに最初に答えたのは、金髪の女性だった
「わたくしは『アスミ』と申します。『ラテ』と共に地球のお手当てをしてます!」
「わん!」
「アスミ、今そんな暇は──」
「わたしは『沢泉 ちゆ』よ。それで、こっちが『ペギタン』」
「ペエ!」
男性が注意する最中で、藍色の少女が割って自己紹介をした。
今この状況下で自己紹介を言うのはよくなく、男性はちゆに怪訝な目で見つめた
「ほらあの、挨拶は大事かなって?あの子もわたし達の事に首を傾げてるから」
「それともなごむは、初対面の方に名を名乗らない非常識な方なのでしょうか?」
「……ほう」
なごむと呼ばれた男性は、徐に声のトーンを落としたりと、静かに怒りを露わにしていた
「あああの、『楯無 なごむ』!なごむ君です!」
一悶着起きる前に、ちゆが男性の代わりにその名を口にしてくれた
「…おふざけはここまでだ。行くぞ沢泉、アスミ」
三人はキリッとした表情で、各々アイテムを構えていた。ちゆはヒーリングステッキとエレメントボトル。アスミもエレメントボトルのみだが、これから何かをしようとしていた。
特にここねの目に止まったのが、なごむが手にしてる灰色の不思議なアイテムと、腰に着けている蛍光色のグリーンとピンク色をしたかなり派手なベルト
これから一体何が起きるのか不明で、しかし言える事はただ一つ────彼らはここね達を助けようとしている
「「スタート!」」
「「プリキュア ・オペレーション!」」
「「交わる二つの流れ!」」
「キュアフォンテーヌ!」
「ペエ!」
「「時を経て繋がる二つの風!」」
「キュアアース!」
「ワン!」
ちゆは「キュアフォンテーヌ」に変身。濃い水色のロングヘアを二つ分かれにして、コスチュームは胸に雫の飾りをあしらい、若干大きめのパフスリーブのワンピースで、白と緑のフリルがついている。両手には青色のハートのついた手袋を着用している。青色の雫のついたロングブーツも履いている
アスミは「キュアアース」に変身。薄紫のウェーブがかかったロングヘアに、薄紫のフリルがついたアシンメトリーのドレスで、足元は紫色のフラットシューズを履き、右足のみアンクレットを着用している。両くるぶしと右太腿に金のリングを付けている。手袋は丈が長いものとなっている
「超変身」
『ガシャット!』
『ガッチャーン! レベルアップ!』
なごむは、手に持っていたアイテムをベルトに装填して、ベルト正面のレバーを開いて操作する
それにより、基板のエフェクトが出現してその身に受けて変身する
『マイティパンチ!マイティキック!マイティマイティアクションV!! 』
ボディカラーは灰色。最大の特徴である、頭部にかぶった赤い帽子がトレードマークで、灰色の髪の毛が横に洩れている。顔部分も仮面をしており、正に仮面の戦士というべき存在
「「「「ッ!?」」」」
突然の変身に、プレシャス達は驚愕の表情を浮かべる。
少女二人はプリキュアに、男性は仮面の戦士になったのだ
「色々と特盛展開!?」
「はにゃ、あの男の人もプリキュア?」
ヤムヤムの声がペギタンに聞こえて、なごむについて話してくれた
「なごむは、『ゲーマドライバー』と『ライダーガシャット』のアイテムを使って『仮面ライダー』に変身したペエ。今この姿は『仮面ライダー ゲムデクス』ペエ!」
「説明は後だ。先ずは目の前の敵を倒すぞ」
『ガシャコンブレイカー!』
ゲムデクスは何処からともなく、ガシャコンブレイカーと呼ばれるハンマー武器を召喚した
敵意を向けられた為、ウバウゾーも倒されないよう攻撃を開始した。
先行してゲムデクスが前へ出て、リーチの短いガシャコンブレイカーで叩き落としながら突き進んで行く
全ての攻撃を弾くと同時に、フォンテーヌが空高くジャンプしてウバウゾーの真上を陣取った
変身時に使ったエレメントボトルとは別の物の、氷のエレメントボトルと交換してセットする
「氷のエレメント!──ハァッ!」
フォンテーヌは、ウバウゾーを取り囲むように光線を放って氷の壁を作り出した
「アース!!」
「ぷにシールド!」
フォンテーヌがアースを呼び寄せ、それに合わせてペギタンが肉球のシールドを展開させる
フォンテーヌの近くまでジャンプしたアースは、更にそのシールドを足場にしてもっと高く跳んだ
アースはハープ型のアイテム「アースウィンディハープ」に音のエレメントボトルをセットする
「音のエレメント!」
ハープの弦を弾いて、音波による攻撃でウバウゾーを苦しめる。それに加え、氷の壁に音が反射して四方八方から音が鳴り響いて、鳴り止む事は無い
「う…ウバウゾーー!!!」
ウバウゾーは無理矢理体を動かして氷の壁を破壊し、音波も跳ね除けた
煌びやかに氷の破片が落ちてく中を、ゲムデクスは必殺技の体制へと移行していた
「これで──」
『ガッシューン!ガシャット!』
左腰に装着してる「キメワザスロットホルダー」と呼ばれる所にマイティアクションVガシャットを挿入。そしてスイッチを押す
『キメワザ!』
「終わらせる」
右足先に集中させて空中から急降下して跳び蹴りを叩き込む
『マイティクリティカルストライク!』
「うおらあああああ!!」
ウバウゾーにゲムデクスの必殺技が直撃して、大きく後退する。派手に倒れたのだが、それでもウバウゾーを本当の意味では倒せれていなかった
「お前達、後は頼んだぞ」
「ありがとう!」
「プリキュア!プレシャス・トライアングル!」
「オナカイッパ〜イ」
「ごちそうさまでした!」
「やっぱりレシピッピいない」
いつものウバウゾーなら、浄化して時点でレシピッピが帰ってくるのだが、今回はその様な事はなかった
「そもそも、ハートキュアウォッチにも反応はなかったし。変よね?」
ローズマリーも今回のケースは初めてで、首を傾げていた。取り敢えず先ずは、デリシャスフィールドを解除して、なごむ達にお礼を言わなければならない。他にも、フレーバーの救出も優先しなければならない
指を弾いて、プレシャス達も変身を解くのであった
////////
「和実、芙羽、華満、ローズマリーさん。お前達はウィンチェスターという女の子を探してる訳か…」
なごむ達に此方の事情を話をした。勿論、ウバウゾーがどんな存在か、今どんな敵と戦っているのかも全て
「探してやりたいが、生憎私達も困っててな。空間に裂け目が現れて、突然此処へ来たからな」
「でもなごむ君、此処の情報を知るついでにその子を探すのも良いじゃないかしら?」
ちゆに言われてなごむは考える。確かにそれも一理ある。何より此処の情報が全くないときた。
ジークを探すついでに、情報も集めるのが一番効率的に良いと判断する
「…手伝おう」
「ごめんなさいね。貴方達も困ってる筈なのに」
「乗り掛かった船だ。それと芙羽、少し良いか?」
なごむはここねの右手を手に取って眺め始めた
「ッ!?」
「やはりな、怪我をしてる。絆創膏があるから貼ってやる」
ポケットから一枚絆創膏を取り出して、優しく手当てをしてあげた。
なごむが手当てをしてる中でここねは、少しドキドキと鼓動が高まっていた
異性に触れられるというのがあまり無く、なごむも整った顔立ちなのだ。そういう風に見てしまってもおかしくはない
「顔赤いが大丈夫か?」
「は、はい…」
「では参りましょうか。その、ジーク・ウィンチェスターという方を見つけに」
丁度そのタイミングでだった
「皆んな〜!」
遠くから手を振って此方へ向かって来るジークの姿が見えた
「「「「ジーク(ジっぴー)!」」」」
ゆい達はいち早く駆け寄り、体に触れながらジークの心配をする。特にコレといった外傷は無く、ひとまず安心する
「ねぇジーク、その子達は?」
ローズマリーが気にするのは、ジークと共に行動していた飛鳥達であった
「それは説明すると話が長くなるけど。この人達は、アナタ達誰よ!?」
「「「えっ?」」」
決して出会う事のない存在達が、禁断の扉の鍵を開け、今この瞬間、今この場に集結した
お漏らしは美味しい
コラボ回は三話構成でお送りします
下記に、お二人の作品のURLを貼っておきます。面白いので興味のある方是非どうぞ
ゆぐゆぐさん
ヒーリングっど♥プリキュア 〜医神と地球の戦士〜
https://syosetu.org/novel/214344/
妖鬼1114さん
ヒーリングっど♥プリキュア〜仮面ライダーも前を向いて生きる〜
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