デリシャスパーティ♡プリキュア Carry On 前へ進め   作:シロX

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思えばまだジェントルーの時から進んでなかったのね

ではスタート


XIX. 仮面下の正体

「捕獲箱に自分の力を注ぐと、レシピッピに大きなダメージがあるなど聞いてない!」

 

「それ言う必要ある?君はレシピッピを集めるのが使命。手段なんてどうだっていい。違う?」

 

ブンドル団のアジトでは、ジェントルーとナルシストルーが捕獲箱について言い争っていた。

捕獲箱の機能をちゃんと熟知していなかったジェントルーからすれば、これは重大な議論だった

 

しかし、ナルシストルーからすればレシピッピが手に入れさえすれば、過程がどうなろうと関係無い態度だった

 

それだけで、ジェントルーの機嫌を損ねるのは容易だった

 

「違う!わたしは、優雅にジェントルに仕事をこなしたい」

 

「結果出してから言いなよ。レシピッピは盗めない、プリキュアは始末出来ない。あまつさえ、仲の良かったミカエルとその仲間であるラファエルを失った。何してたの?」

 

「策はある」

 

「そいつは楽しみだ」

 

言葉では言うが、内心そこまで期待はしてはいない。それでも、そんな発言をするのは"彼女の歪んだ表情が見たいがため"

 

もっと面白くさせる為に、ナルシストルーはもう一声付け加える

 

「捕獲箱に注ぐ力を加減すれば、レシピッピは大して苦しまないよ」

 

「何故それを先に言わなかった!」

 

「ただ、加減すると前ほどウバウゾーは強くならない。どうするかは君次第」

 

 

 

 

 

////////

 

しんせん中学では、いつもの様に朝のHRが始まろうとしていたのだが、その直前で生徒会長であるあまね自ら校内放送があった

 

 

『皆さん、おはようございます。我が校が目指すのは文武両道。部活動を更に実りのあるものにするために、勉強の方もしっかりと強化するべきと考えました。そこで本日お昼休みの後、実力テストを行う事にしました』

 

 

「ほぇ〜!?」

 

 

『そして、テストで40点以下を取ってしまった生徒には放課後、補習を受けてもらいます』

 

 

それを聞いて、らんのテンションは一気に下がってしまった。普段から勉強を苦手としてるらんからすれば、テストなんて、更にお昼休みにするとなると、とてもじゃないが時間が足りな過ぎる

 

「今日、ポテサラ食べに行こうと思ってたのに」

 

「大丈夫だよ。あたしも、今日マリちゃんとパフェ食べに行く予定だし。テストまでの休み時間に一緒に勉強しよ!」

 

「そうね」

 

 

 

 

 

休み時間となり、最初にテスト勉強するのは英語となった。

ここねが先生となって教える予定だったが、英語に関してはここね以上に適任者が居た

 

「ワタシ、ジャンヌ・ウィンチェスターが皆さんの英語力を、更にレベルアップさせます」

 

「そういえばジークって、アメリカに住んでたんだよね」

 

「うん。だから英語に関しては、わたしよりジークが適任だと思って任せてみたの。わたしも勉強にもなるし」

 

「任せて下さい」

 

学校での教科で、ジークが得意としてるのは英語。その為結構熱が入っており、眼鏡を掛けて美しい姿をクラス中に輝かせる

 

「学校での口調も相まって、ジっぴーが先生に見えてきたよ〜!」

 

「それでは始めるわね。先ずは初級編から──『Is this my pen?』これを訳してみて」

 

「簡単!」

 

「『これは私のペンですか?』だよね!」

 

Exactly(正解よ)

 

ゆいはその程度なら簡単と発言しており、らんも答えれたのは良いが、何やら不満を持った表情をしていた

 

「らん?」

 

「流石に簡単過ぎたかしら?それなら初級編でも難易度上げて…」

 

「それいつ使うの?」

 

「へっ?」

 

「これが自分のペンかどうか、見れば分かるじゃん。どういう状況?」

 

らんが不満に思っていたのは、問題の難易度ではなく、その問題の文章をいつ、何処での意味を問うて来た

 

「どこに引っ掛かってるの」

 

「確かに…」

 

「ゆいまで!?」

 

「なるほど分かりました。日常で使える会話で言うわ。でも、難易度が一気に上がるけど大丈夫よね?」

 

「掛かってこ〜い!」

 

言い始めたらんの了承を得た所で、改めて英語の勉強を再開する

 

「The sky is clear again today.これならどう?」

 

「はい、『今日も空が晴れていますね』」

 

ジークは喉を鳴らして正解の合図を送る。ここねも、これなら日常的に使える英会話と思っていたのだが、またもらんの表情は怪しかった

 

「そんなの空とか、お天気予報見れば聞かなくてもイイじゃん」

 

「ぁ…そ、そうよね…」

 

「逆に聞くけどさ、ジっぴーは今日も空が晴れてるとか聞いた事あるの?」

 

「ないわ…ごめんなさい……」

 

「それじゃ意味無いじゃん!」

 

その言葉が心に深く突き刺さり、ジークは俯いてしまった。思わず席を立って心配したゆいとここね。下手をしたらジークが怒って、喧嘩になる可能性も

 

ゆいが顔を覗くと、意外な表情をしていた

 

「ひっぐ…うぅ…」

 

涙をポロポロと流しては、嗚咽しながらも泣いていたのだ

 

「あ゛っ!」

 

「ごめんね…っ…ら、ランならねぇ…っ、ひっぐ、あまり難しいのもダメってお゛も゛ったか゛ら゛…っ!」

 

「そ、そんな事無いよ!あたし解らなかったな〜。流石ジークだよ!」

 

泣きじゃくるジークをゆいが必死に宥めようとする中で、ここねはらんに厳しい目で睨み付ける

 

「あわわ!ごめんねジっぴ〜!そんなつもりじゃないんだよ!」

 

ジークが精神的に打たれ弱いのは先日の事件で発覚した。その時は色々あって、此方の世界へと飛ばされた異次元からの来訪者の一人である、楯無 なごむに泣かされて、更にそれをフォローしたのが同じく神医 飛鳥だった

 

「ジークは泣くと宥めるのに時間掛かるから、あまり泣かせちゃ駄目よ」

 

「ここぴーも遠回しに酷いこと言ってるよ」

 

ジークが一度落ち着いたところで、らんが全てを台無しにする様な発言をする

 

「はにゃ〜、勉強って何の為にするんだろう」

 

「あたしもそう思って、お婆ちゃんに聞いた事があるの。そしたら、お米が農家の人達に大切に育てられて、収穫されて、それをお母さんが炊いてくれるところを想像してご覧って。今までより、美味しく感じられそうじゃない?」

 

「確かに美味しさマシマシになるかも!」

 

「勉強って色んな事を知って、色んな想像が出来るようになる為にするんだよって、お婆ちゃん言ってた」

 

不満しか言わなかったらんを、お婆ちゃんの言葉で上手く納得してもらい、らんの勉強意欲が一気に増した

 

「らんのキュアスタも、英語で投稿すれば外国の人が見てくれるかも知れないよ」

 

「なるほど。なんか勉強したくなってきた!」

 

こうして時間まで精一杯勉強をして、それぞれの科目に力を入れて、遂にテストの時がやって来たのだった

 

 

 

 

 

「「ああ〜!!」」

 

テストが終わって用紙が返って来たのだが、自分の点数を見てゆいとらんは悲鳴を上げた

 

「鉛筆転がしてたら、まぐれでめっちゃ当たってた。でも、あと二点足りなかった」

 

「あたしは全然」

 

らんは途中から解らずじまいで、鉛筆を転がして神頼みとはいえ惜しくも38点。ゆいは実力で頑張るも22点で合格ラインの40点にはほど遠かった

 

「ここねちゃんは?」

 

「…」

 

恥ずかしながらも、見せたここねのテスト用紙には、90点と余裕の合格だった

 

「「90点!?すご〜い!」

 

「ジっぴーは?」

 

「ワタシはギリギリだったよ」

 

ジークの点数は40点と、滑り込みで合格ラインを突破していた

 

「「本当にギリギリだ!」」

 

「国語と社会が難しくて」

 

「ジーク、もう少し頑張ろうね」

 

「ガガーン!」

 

「だからここぴーも充分酷いって」

 

「えっ?」

 

 

 

 

 

////////

 

結果として、ゆいとらんは放課後補習を受ける為居残りさせられており、一方でジークとここねは、一度家に帰宅してからお互いに集合して、お茶を飲んでのんびりとしていた

 

「こうして二人っきりって、あの時以来ね」

 

ジークの言うあの時とは、いつかのここねが"友達"という関係性に慣れてない時のこと。数分ほどとはいえ、二人っきりとなったのはこの時で最後なのだ

 

「最近どう?力の使い方は」

 

「実はね、新しく『飛ぶ』事が出来たの!」

 

「ジーク、飛べる様になったパム!?」

 

「お店を出たら見せてあげるわ」

 

こっそりと力の使い方を練習していたジーク。それを自慢したくて、ウズウズしていた時だった。ハートキュアウォッチから、レシピッピが助けを求める反応が来たのが

 

「ジーク」

 

「分かってる。すぐに行くわ」

 

 

 

 

 

ハートキュアウォッチの反応を頼りに行くと、偶然にもローズマリーと出会した

 

「マリちゃん!」

 

「レシピッピが!」

 

「ゆいとらんは?」

 

「まだ補習中」

 

 

「ウバウゾー!!」

 

 

近くからウバウゾーの声がした。角を曲がるとすぐ側で、ジェントルーとポテトマッシャーのウバウゾーが現れていた

 

「芙羽 ここね。君が来る事は分かっていた。ジャンヌ・ウィンチェスター、君に関しては意外だ」

 

「サラッと酷いこと言う」

 

「行け、ウバウゾー!」

 

ジーク達の相手をウバウゾーだけに任せ、ジェントルーはその場を退散して行った。いつもの様に最後まで見届けはせず、今回はレシピッピを意地でも奪おうとウバウゾーを囮に使ったのだ

 

「マリちゃん行って。ここはわたし達が」

 

「分かったわ。二人とウバウゾーだけらデリシャスフィールドに入れるわ」

 

 

「デリシャスフィールド!」

 

 

ローズマリーは、デリシャスフィールドを展開すると同時に、ジェントルーを追い掛けて行った。少々心配だが、補習のゆいもらんもレシピッピの事は把握してるに違いないと、願うばかり

 

そして、ジークとここねだけでウバウゾーの相手をする事となった

 

 

 

「「プリキュア・デリシャスタンバイ!」」

 

「「パーティ・ゴー!」」

 

 

「ふわふわサンドde心にスパイス!キュアスパイシー!」

 

「分け合うおいしさ、焼きつけるわ!」

 

 

「まろやか美酒に、let's乾杯!キュアフレーバー!」

 

「魅惑のおいしさに酔いしれなさい!」

 

 

 

「さぁ、ワンサイドに開始するわ、よ!!」

 

フレーバーの拳とウバウゾーの拳が激しくぶつかり合い、お互いにその力に耐え切れず後ろへと下がらされた

 

「クッ!」

 

「任せて!」

 

素早く駆け出していたスパイシーが、スライディングでウバウゾーの足を攻撃し、バランスを崩させた

 

「チャンス──ハートクリーミーブレンダー!」

 

フレーバーはダイヤルを回して、黄色の三本線のマークに合わせる。そしてレバーを一回押して、エネルギーをチャージさせる

 

「ヤムヤム!シェアリンエナジー!」

 

エネルギーがフルチャージされて黄色に発光する。銃の様に構えて、レバー先端をウバウゾー向ける

 

そして、ブレンダーのハンドルにあるハート型のトリガーを押して、チャージされたエネルギーを一気に放つ

 

「ハートヤムヤム・ヌードル!」

 

一つの黄色い光線から、更に複数に拡散しながらウバウゾーに向かって行く。その数は二つから四つ、八つ、光線の数は一気に膨らみ、二桁を超えた

 

「ウババ!?」

 

ハートヤムヤム・ヌードルの光線全て、見事に命中させて追撃は成功した

 

更に遥か上空から、ピンクの閃光が此方へと向かっていた

 

 

「500キロカロリーパンチ!!」

 

 

追撃に追撃を重ね、突然空から乱入して来たプレシャスの一撃が、ウバウゾーに襲い掛かって倒した

 

「プレシャスエグゥ…」

 

「スパイシー今だよ!」

 

「うん!」

 

 

 

「キュアスパイシー!ハートジューシーミキサー!」

 

「シェアリン!エナジー!ミックス!」

 

「パム〜!」

 

「プリキュア!デリシャススパイシー・ベイキン!」

 

 

「オナカイッパ〜イ」

 

「ごちそうさまでした!」

 

 

 

見事にウバウゾーを浄化を果たしたスパイシー。しかし全て解決した訳ではない。ジェントルーが奪った、レシピッピも助けないといけない

 

「早く行かないと!」

 

「プレシャス、スパイシー。ワタシの肩に捕まって。飛ぶわ!」

 

「「??」」

 

飛ぶの意味を理解していないプレシャスとコメコメは、首を傾げていた。スパイシーとパムパムも、その話を全部聞いていた訳でもない為、詳しい事は知らないでいる

 

取り敢えず二人は、フレーバーの肩を持った。果たしてここからどうするのか

 

「──見つけたわ」

 

すると、ミカエルと同じ様に瞬きする間も無く、その場から全員姿を消したのだった

 

 

 

 

 

////////

 

フレーバー達が飛んで辿り着いた場所は、別の場所でデリシャスフィールド内でジェントルーを戦闘を繰り広げていた、ヤムヤムとローズマリーの目の前

 

「「うわっ!!」」

 

「やた!成功よ!」

 

突然現れたジーク達に、驚いては腰を抜かして二人は尻餅をついた

 

「飛ぶってこういう意味だったんだ〜」

 

「飛ぶ?飛ぶってどういう事なのよ!?」

 

「不思議な体験だった」

 

「え〜、いいなぁ〜。今度はヤムヤムもお願い!」

 

「はいはい、今はこっちよ皆んな」

 

フレーバー達は、その場に膝をついているジェントルーに目を向ける。しかし様子がおかしかった。いつもの奇抜な衣装ではなく、私服で、顔を見られない様に両手で覆っていた

 

「あたし思ったの。貴女は、本当はそんなに悪い人じゃないんじゃないかって」

 

「何か思い当たる節があるの?」

 

「貴女はレシピッピを奪おうとしてきたけど、でも、出来るだけ被害が出ないようにしてた。それにこの前は、レシピッピを傷つけて貴女も悲しんでた」

 

プレシャスの言う様に、これまでのウバウゾーの騒動など思い返してみる。冷静に考えてみれば、デリシャスフィールドが展開されるまでに時間はあるものの、その隙に建物などを破壊しようする行動は一度も起こさなかった

 

プレシャスは、ずっとそれが疑問に思っていた。それが、前のジェントルーの言葉で確信した

 

「本当は、こんな事したくないんじゃないの?」

 

「やめろ!わたしは…」

 

ジェントルーは立ち上がり、何か訂正しようとして、感情の赴くままに発言するのだが、その時に顔を隠していた両手を離れて、その姿が露わになった

 

「「「「あっ!」」」」

 

フレーバー達は、仮面の下の顔を見て驚きを隠せなかった。自分達より年上で、しんせん中学校で生徒会長を務める彼女────菓菜 あまねだった

 

「と、とにかく話し合いましょうか?ね、皆んな。アマネ」

 

目の前で起きた出来事を整理しようと、落ち着く事をフレーバーが提案するのだが、あまねの次の発言で、更に混乱を招く事となった

 

「…此処は?あっ、君達は…ッ!?」

 

あまねが此方の存在に気付いて、声を掛けようとした時だった。背後からナルシストルーが現れては、あまねを拘束した

 

「まだ君で楽しませてもらうよ。操り人形さん」

 

「待って!!」

 

ナルシストルーは、あまねを連れ去ってそのまま何処かへと退散して行った

 

「…見失った。追い掛けるのは無理そうね」

 

フレーバーも力を行使して飛ぼうと試みたが見失ってしまい、これ以上の追跡は無理と判断して諦めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジェントルーの正体を知ってしまったジーク達は、これから彼女とどう接していくのか




ここまでの拝読ありがとうございます
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