デリシャスパーティ♡プリキュア Carry On 前へ進め 作:シロX
ではスタート!
坂道でのちょっとした事件から少し時間が経ち、お昼の時間となっていた
ジェーンは自宅へと帰宅してその扉を開けた
「お母さんただいま。お昼は──」
リビングへと行くと、プライドとグレースが携帯電話と無線機を使って何やら話し込んでいた
「
「
「そ、外で食べて来ま〜す…」
会話の内容から察するに話してる相手は元仕事仲間からなのだが、プライドは怒号、グレースは呆れながら相手をしていた
話し掛ければ自分にも火の粉が降って来るに違いないと思い、そっと出て行った
////////
「場所がアメリカなら、話に割り込もうとするものなら絶対銃弾が飛んで来るわ……さて、何食べようかしら?」
手持ちのお金は多くはない。多く食べるのは無理として、ならば質をとった美味しい物を食べようと考える
しかし、おいしーなタウンは広過ぎる。
和食を取り扱っている「和食ストリート」。
洋食を取り扱っている「洋食ストリート」。
中華を取り扱っている「中華ストリート」
「バーガーも良いけど、日本のバーガーはイマイチパンチが足りないのよね。中華ならラーメンだけど、餃子とか頼んだらお金足りない……結局どれも美味しいけど……やっぱり悩むわ」
考えて歩いてると曲がり角で、男の子とぶつかってしまった
「おわっと!」
「
「あれ、貴女は!」
ぶつかった相手は男の子だけではなく、先程坂道で出会った女の子
「ゆいの知り合いか?」
「うん。それで此処で──」
話し掛けられたタイミングで、ジェーンの腹の虫が鳴った
「フフ、ごめんね。お昼何食べようか考えながら歩いていたから」
「それならあたし達と来ない?丁度オムライス食べに行くところなの!」
「ゆい、あっちだって食べたいもんがあるんだから無闇に誘うのは──」
「行きます!食べます!寧ろ悩んでいましたので喜んでお願いします!!」
「じゃあ行こうか!えっと…」
少女がジェーンの名前を呼ぼうと思ったが、少女は名前を知らない
「ワタシは"ジーク"。『ジーク・ウィンチェスター』宜しく」
「あたしは『
「『
ジェーン改めジークは、握手をして自己紹介をしたのだが、その会話の内容に疑問が浮かび上がる
『──あたしは和実ゆい!それでこっちが…』
(この会話、確か夢で見たのと同じ?どういう事…?)
「いつまで握手してるんだ?」
「え?あ…」
「全く…ッて!?」
ジークはすぐさま手を離した後、理不尽にも拓海の後頭部を叩いた
「何でだよ!?」
「大丈夫よ」
「叩く意味あったのか?」
「それよりも早く行こ!」
「『それよりも』って…」
ジークとゆいに振り回されながらも、拓海もその後に着いて行くのであった
「ジークってアメリカに住んでたんだ〜」
オムライスを注文して待ってるまでの間、ジーク達は会話を弾ませていた
「Yes.」
「だから偶に英語が出て来るんだな」
「最初思わずお母さんの前で英語で会話したら、鉈や包丁が飛んで来たからビックリよ…」
「どんな家族だよ…」
「ジークがお勧めする、アメリカで美味しい食べ物って何?」
「ハンバーガー」
「本場アメリカのハンバーガー!食べてみたいなぁ〜!」
丁度区切りの良いところで注文したオムライスはテーブルに並べられた
三人はキラキラした目で手を合わせる
「「「いただきます!」」」
「はむ…デリシャスマイル〜!」
「卵のふわふわ感すご!」
「ええ本当ね!」
ジークはそのオムライスが気に入ったらしく、素早く口の中に運ぶも上品に食べている時、ふとゆいに目をやると不思議な言葉を発していた
「あ、レシピッピ!」
「今何か言ったの?」
「ううん、気にしないで!」
そう言われて食事に戻り始めたのだが
「あ、待って!!」
今度は急に席を外して外へと出て行ってしまった
「ゆい……何だ味が変わった?」
突然のゆいの行動に拓海は心配するが、それ以上にオムライスの味が急激に変わった事に首を傾げていた
その現象は拓海だけではなく、周りのお客さんにも同じ事が起きていた
「ジーク、そっちのオムライスも味が変わってないか?」
「日本のオムライスって途中から味が変わるのね。ちょっと面白い」
「……」
ジークに関しては美味しい不味いどうこうの前に、味の変化に興味を持っていた
「あれユイは?」
「外に行ったが?」
「ちょっと様子を見て来るわ……あ、オムライス」
席を立って外へ出ようとするが、一度戻って来てはオムライスとスプーンを持って行った
「ユイ〜っと?」
オムライスを食べながら外へ出ると、ゆい以外にも少女一人と大人の男性が火花を散らしていた
「見つけたわよ!レシピボン泥棒!」
「マリちゃん?」
「一体どういう状況?」
「ゆい…と誰?」
「オカマだ…」
「なっ!?オカマじゃないわよ!『ローズマリー』よ!!」
「いえ別に貴方の人間性を否定する気はないわ。世の中にはそういう人が居るって事くらい知っているわ。ところであの子は誰かしら?」
一度話題のレールを戻して今の状況をローズマリーに聞く
「その人『レシピッピ』を!」
「クッ…やっぱりレシピッピも集めていたのね!このコソ泥!」
「コソ泥とは失礼な。我は『怪盗ブンドル団』の『ジェントルー』」
「ねぇ、ワタシだけ置いてけぼりは嫌なのだけど……」
未だに味の変わったオムライスを食べてるジークに、ジェントルーは首を傾げていた
「君、よくそんな味の変わったモノを食べられるね?」
「
「…君の相手はこっちだ」
ジークの相手をやめて、ジェントルーはレシピッピと呼ばれる者を捕らえた箱で何かし始めた
「出でよ!ウバウゾー!」
「ウバウゾー!!」
現れたのは、フライパン型の大きな怪物「ウバウゾー」だった
「何あれ〜!?」
「フライパンちゃんに何てことしてくれるの〜!?」
「デッカイね。まるでゴジラ」
ゆいとローズマリーは驚いてる様子だったが、ジークに関しては棒読みの感想だった
「デリシャスフィールド!」
ローズマリーは手を合わせて、虹色の結界を張ってジェントルーとウバウゾー中へと閉じ込めて隔離した
「マリちゃん待って!」
ゆいは結界に手を突いて、力技でその中へと入って行った
「……」
ジークもスプーンを一度皿に置いて手をつけるも、何も変化は起きなかった
「専門外」
諦めて手を離そうとした時だった
「ッ!?」
ジークの体内で謎の力が湧き出し、体温を上げていく。
そして今朝と同じく、左目だけが金色に光っていた
すると、手を触れていた結界に一人入れるくらいの穴が空いたのだ
「よっこいしょ」
「えぇ!?何で貴女まで!?」
結界の中は不思議な空間で広がっていた
「あたし、レシピッピを助けたいの!」
ジークが結界の中に入って早々に、ゆいがジェントルーへ一直線に駆け出した
しかしジェントルーの前にはウバウゾーが立ちはだかっていた。
足で踏み付けようとするも、運動神経の良いゆいは軽々と走り切って避けた
「うっそすごッ!!」
「はいこれお皿!」
「ちょ、貴女まで!?」
平らげたオムライスの皿をローズマリーに預け、ジークも走り出した
またもウバウゾーがゆいを妨害しようと背後から攻撃して来るが、背を向けるゆいにはその存在に気付かないでいた
「ユイ後ろよ!!」
後ろから追い掛けるジークにはそれがハッキリと見えていた。
走るスピードを上げて先走るゆいに追い付き、手を引いて横へと回避した
「ありがとうジーク!」
「二人共逃げなさい!早く!」
「でもユイが走れメロスみたいに走るから……ほらね」
ジークが話してる間にもゆいは走り始め、ジークも追い掛ける。
後ろでローズマリーが叫んでいるが、二人は無視して走り続ける
「レシピッピ泣いてた!」
「ウバウー……ウバババッ!?」
再度ウバウゾーが仕掛けようとするも、白い鞭の様なモノで絡められて動きを封じられた
「ゆいと貴女!レシピッピを!」
動きを止めたのはローズマリーだった。
その姿を見てジークは興奮していた
「スパイダーマン!それスパイダーマンじゃないの!!」
「マリちゃんありがとう!」
だが、動きを封じるもウバウゾーはすぐさま引き千切った
「ユイ来るわ!」
「え、きゃあ!!」
ジークは横に飛んで避けたが、ゆいだけは遅れてウバウゾーに捕まってしまった
「この子を傷付けたくなければフィールドを解きたまえ」
「…分かったわ。言う通りに──」
「マリちゃん!!」
ゆいを心配して素直に従おうとするが、それを止めたのはゆい本人だった
「レシピッピを…レシピッピを助けないと!!」
「でも貴女を巻き添いには出来ない!」
「大切な思い出なんだ」
するといつの間にか、一匹の白いキツネがゆいの側まで飛んでいた
「レシピッピはお婆ちゃんとの大切な思い出。いつも笑ってて欲しい。だって、ごはんは笑顔だから!」
その言葉に呼応して、キツネの首元のハートからピンクの光ってゆいの左腕に差した。
光りは腕時計の様な物になっていた
「アレはまさか、伝説のプリキュアの……オラァ!!」
そのアイテムを見たローズマリーの目付きが変わり、野太い声で拳を突き出すと光線が飛び出してウバウゾーに直撃した
「ゆい!コメコメと一緒にプリキュアに変身よ!」
「変身?」
「
変身やらプリキュアがどんなものか知らないが、ゆいはローズマリーを信じて実行する
エナジー妖精の「コメコメ」と共に
「分かったやってみる!」
「プリキュア!デリシャスタンバイ!」
「パーティーゴー!」
「にぎにぎ!」
「コメコメ!」
「ハートを」
「コメコメ!」
「シェアリンエナジー!」
「あつあつごはんで、みなぎるパワー!キュアプレシャス!」
「おいしい笑顔で満たしてあげる!」
「凄!本当に変身した!」
「マリちゃんが言ったんだよ?」
「イエイ!」
「ウ〜バー!!」
プリキュアに変身したのも束の間、ウバウゾーがのしかかりでプレシャスとローズマリーで襲い掛かって来た
「ん〜〜…え?」
だがそれをプレシャスは両手で支えていた。力を込めて押し上げて、ウバウゾーを地面に倒した
「何この力…?」
「それがプリキュアの力よ!」
「プリキュアの力?」
「イエイ!」
全くもって説明になってないローズマリーに、プレシャスは呆れるばかりであった
「でもこの力なら!」
プレシャスは脚に力を込めて飛び出して、一気にジークの元まで辿り着いた
「わっ、あっという間!」
「それがプリキュア?え〜と、今はプレシャスで良いのよね?」
「ジークはレシピッピをお願い!」
「待って嫌な予感しか──」
プレシャスはジークの腕を掴んでは、自分を軸にしてその場で回転し始める
「助けてー!誰か!ワタシが死んでしまう!!」
「せ〜のっ!!」
「
ジークの絶叫などお構いなく、レシピッピを捕まえてるジェントルーの居る岩の上までまで投げ飛ばした
「ッ!」
ジークはジェントルーの近くまで届き、受け身を取りながら何とか着地出来た
「ここまで…ッ!!」
此処まで辿り着いたジークに驚き、そしていきなり飛び掛かって来た事にも仰け反る
腕を大きく振り回して殴り掛かるも、ジェントルーは身軽に避ける。
ジークも負けずに今度は手数で攻め始める
それが上手く行き始めたのか、ジェントルーの肌を擦り始める。
そして遂に、レシピッピを捕らえてる箱を掴んだ
「取ったよ!」
「クッ!」
しかし、掴んだ箱をジェントルーは上へと弾いた
「フッ!」
そして隙を突いたジークに蹴りを食らわして、岩から落とした
落とされた場所の高さと地面との距離を考えれば即死は免れない。
それだというのにジークは笑っていた
「
そう言葉を溢すと、弾き飛ばされた箱がジークの手の中に落ちて収まった
「元"ハンター"を舐めないでくれるかしら!」
箱が弾かれたのはわざとだった。手放す寸前で手首にスナップを効かせて、放物線を描く様に後方へと投げたのだ
それを知らずのジェントルーは蹴り飛ばし、落下地点の先にジークが飛ばされる様に仕向けたのだ
「全部計算通りって訳ね…」
「そう!でも…」
けれどジークはその先の事までは考えてはなかった。
受け身を取れば大丈夫のつもりでいたのだが、実際はそうではなかった
「ッ!!」
受け身を取りはしたのだが、上手く出来ず軽く右腕を捻挫してしまった
「…
一方でプレシャスの方はもう少しで決着がつきそうな様子だった
「500キロカロリーパンチ!!」
その名の通り、500の数字を腕に乗せてウバウゾーを殴り飛ばした
その際に、ハートキュアウォッチの画面は光っていた
「ウォッチが」
「プレシャス決めて!」
「プリキュア!プレシャス・トライアングル!」
「オナカイッパ〜イ」
「ごちそうさまでした!」
ウバウゾーが浄化されて、捕らえられていた箱が砕けた
「
中からレシピッピが出て来る筈なのだが、ジークにはその姿を視認出来なかった
「あ、ウォッチに入っちゃった!?」
「え、見えるの!?」
「貴女には見えないの?」
「ワタシだけ見えない……あ」
ふとジェントルーの方へ目を向けると、何処かへと消えたところだった
「あぁ〜はらペコった〜!」
「ありがとうコメコメ、キュアプレシャス。これでオムライスの味も元に戻った筈よ」
「ところでプリキュアって何なの?ヒラヒラな衣装を着ただけで強くなるの?」
「それは、ひ・み・つ!」
「えぇ…」
「殴って拷問しても良い?」
「コメ!」
何とも言えぬ不思議な体験をしたジークとプレシャス。
ローズマリーと共に、これからブンドル団との戦いが始まるのであった
主人公の設定は此方
ジャンヌ・"ジーク"・ウィンチェスター
Jeanne"Sieg"Winchester
出身 アメリカ ミシガン州デトロイト市
好物は強いて言うならハンバーガー
雑食だが苦手な料理は主に昆虫類
得意料理 超高カロリーバーガー
長い白い髪が特徴的で、誰もが魅力する清楚な女の子。日本人とアメリカ人のハーフでもある。
アメリカでの生活も楽しかったが、落ち着いた生活がしたいという理由で実家の祖父母の元から離れて、両親と共に日本へ移住する事を決意した
「ジーク」というニックネームは、祖母が間違えて呼んだことがきっかけで、ジークで通す様にしている。
逆に両親からは「ジェーン」と呼ばれているが、ジーク曰く「カッコ良くないから」という理由であまり気に入っていない。
人前では上品で清楚な姿で世渡りをしてるが、プライベートなどではハメを外してダラけた生活をしている。本人は、プライベートの姿が本来の自分とのこと。
会話の中で、映画などの小ネタを言う場面もチラホラ
特殊な家庭環境のせいで元海軍でもある父親に訓練され、戦闘能力が大人以上のものとなっている