デリシャスパーティ♡プリキュア Carry On 前へ進め 作:シロX
ではスタート
「あっ!ゆいぴょんおはよう!」
「「おはよう」」
「おはよう。ちょっと皆んないいかな」
朝、学校の教室での挨拶を交わして早々に、ゆいからちょっとした話を聞かされた
内容てしては、拓海がローズマリーについて、根掘り葉掘りと質問攻めをしていたという
「拓海先輩がマリちゃんの事を?」
「うん、でもどうにか誤魔化しちゃった。何かあったのかな?」
質問された本人でさえも、その真意までは分からないという。それに、何故ローズマリーだけ質問したのか。
幼馴染のゆい本人に、直接訊けば良いがそれも分からずじまい
他に何か理由があるとすればと考えた結果、これじゃないかとらんが言ったのだった
「仲良くなりたいとか?」
「そっか。そしたら、今度皆んなでお出掛けする時拓海も呼ぼうかな?」
もしかするとらんの言う様に、距離を縮めたいだけなら、取り敢えず輪の中に入れてみようと思うゆい
「はう、それなら今日は?」
「今日はごめん。久し振りに、お父さんとお話出来る日だから」
「久し振り?」
自分の父親と話すのに、そんなタイミングがあるのかとここねは疑問に思った
「ウチのお父さん、拓海のお父さんと漁師さんやってて、船で世界を回っているんだ。だから中々会えなくて」
意外にも、和実家と品田家は家族での付き合いに加えて、仕事上でも共に切磋琢磨していた。
想像以上に両家の関係は深いものだった
「そこでお願いがあるのだけど、コメコメを今日預かってくれないかな?」
「良いわ。コメコメの事は、ワタシ達に任せて家族水入らずでのお話、楽しんでね」
////////
その放課後は、ゆいを除いてジーク達はコメコメのお世話を兼ねて外で集まっていた。人の目もあり、コメコメは人間の姿でおり、皆んなに囲まれていた
「あら、コメコメどうしたの?」
「はらペコったコメ…」
「あっ、それならわたしが…はい、どうぞ」
ここねが、ハートキュアウォッチからパンを一つ出してコメコメに手渡すと、コメコメは喜んで両手で持って食べ始めた
「おいちいコメ!」
「一人で食べられる様になったメン!」
「偉いパム!」
日々成長するコメコメに嬉しく思い、これからの将来に馳せていた
コメコメで笑顔になる皆んなと違い、ジークは少し考え事をしており、眉間にシワが寄っていた
「ジークどうしたのよ?難しい顔をして」
「アマネの事が少し気になって」
ブンドル団の手から離れたあまねの様子は、私生活にまで影響していた。
あれから学校を休むようになり、訪ねても疲れて眠っているとだけ聞かされる
今は何にも邪魔されず、穏やかに過ごせれてはいるが、体調の事も含めて顔を見せない限り不安は積もる
「貴女が気にする事じゃないのよ。全部ブンドル団のせいだから」
「ジっぴーは心配性さんだね〜」
「でもそれがジークらしい。相手の事を第一に考えられるなんて、思っていても難しい事だから」
「そうよね…」
一度あまねの事は頭から離してみようと、そう思って考えるのをやめにした。あまねは、晴れて自由の身となっているのだから、心配し過ぎるのも相手にとってはお節介
気持ちも新たにして切り替えた時だった。ハートキュアウォッチから、レシピッピの反応がした
「「「ブンドル団!」」」
「急ぎましょう!」
////////
ジーク達は反応を頼りに向かい、辿り着いたその場所では同じく、ゆいもレシピッピの助けに応じて馳せ参じていた
ジーク達が相対する相手はブンドル団だが、あまねが離脱した事により、また新たな刺客が立ち塞がっていた
「貴方は…?」
「待たせたな、オレ様はナルシストルー。超絶イケてる怪盗さ」
あまねと違い、今度の怪盗は男性。そこに付け加えて、名前の通りかなりのナルシストな男
「誰も待ってない」
「残念なイケメンパム」
「あの人も操られているのかな?」
「だとしたら相当可哀想」
当然の如く、ジーク達の印象としては"変な人"の認識。仕方ないとはいえ、相手はあのブンドル団。少しも油断はならない
「オレ様は、ジェントルーなんかとは格が違う。一緒にするな」
「何がどう違うメン?」
「気付いてないのか?オレ様が奪ったのは、レシピッピだけじゃない。その料理にまつわる、大事な思い出も奪ってやったのさ」
「大事な思い出?」
「何で悪党はこんなにも喋るのかしら?」
ナルシストルーの説明に、イマイチピンと来なかったが、ゆいだけはそれに心当たりがある様子だった
「貴方の仕業だったの?どうしてそんなこと…」
「楽しそうに料理を食べる奴らを見ると、何かムカつくんだよね」
「酷い。レシピッピだけじゃなくて、大事な思い出まで奪うなんて!」
「何で怒るの?そもそも、レシピッピを捕まえたところで君には関係無い事だろ?」
他人やレシピッピ相手に、自分の事の様に怒るゆいが不思議だった。それに対し、挑発めいた返答をする
「関係ある!『ごはんは笑顔』だから!美味しいの側に居てくれるレシピッピも、お料理との大事な思い出も、あたし達にとって笑顔のもと。だがら、自分勝手に誰かの笑顔を奪うのは許せない!」
「フン、面白い」
「カモン!モットウバウゾー!」
「モットウバウゾー!」
ナルシストルーは、あまねが使っていた捕獲箱とは少し違う箱を使い、電子レンジを媒体とした「モットウバウゾー」を生み出した
「デリシャスフィールド!」
料理の味ではなく、思い出を奪う事の出来るナルシストルー。このまま元に戻らなければ、料理の関心だけではなく、周りの人達にも悪影響を及ぼす。
その事態だけは避けたい
手早く終わらせる為、結界が張られると同時にジーク達は即座に変身する
『プリキュア・デリシャスタンバイ!』
『パーティ・ゴー!』
「あつあつごはんで、みなぎるパワー!キュアプレシャス!」
「おいしい笑顔で満たしてあげる!」
「ふわふわサンドde心にスパイス!キュアスパイシー!」
「分け合うおいしさ、焼きつけるわ!」
「きらめくヌードル・エモーション!キュアヤムヤム!」
「おいしいの独り占めゆるさないよ!」
「まろやか美酒に、let's乾杯!キュアフレーバー!」
「魅惑のおいしさに酔いしれなさい!」
『デリシャスパーティ♡プリキュア!』
「気を付けて!いつものウバウゾーと何か違うわ!」
「だったらちょっと腕試し!──バリバリカッターブレイズ!」
空中に居る相手の強さを測る為に、ヤムヤムは先手を仕掛ける。
けれどウバウゾーは、ひらりと攻撃を回避した。飛んでるせいもあり、身は軽い
「避けられた!?ふぬぬ〜、これならどうだ!!」
「モットウバウゾー!」
素早い相手に、ヤムヤムはガムシャラにバリバリカッターブレイズを繰り出す。それでも尚、怒涛の斬撃の嵐を容易く避けている
「ゾッ!?」
余裕のモットウバウゾーだが、それが油断となって一撃だが命中して撃墜された
起き上がる前に、間髪入れずスパイシーが更に追撃をする
「ピリッtoヘビィサンドプレス!」
ガッチリ挟み込んだパンで、モットウバウゾーの動きを封じ込めた。いくら素早い動きが出来ても、捕まえてしまえばどうという事はない
「モットウバウゾー!!」
急にモットウバウゾーの顔が赤くなっては熱を持ち、空高く飛び上がってはサンドプレスのパンを自力で弾き飛ばした
「ッ!?」
「面白いだろ。ソイツは怒らせる度にパワーアップするぞ」
「だったらプレシャス、一気に決めちゃって!!」
パワーアップするなら、その前に倒せば関係ない。中でもプレシャスならパワーはピカイチ。一撃お見舞いして浄化するのみ
「1000キロカロリー──」
大きく跳び上がって得意のパンチを繰り出すも、先程より速い動きでプレシャスの攻撃を避けた
「クッ!」
「あぁ〜、だいぶ怒ってるからスピードも格段に上がってるなぁ」
「だったらヤムヤム方式で撃ち落とす!──ハートクリーミーブレンダー!」
ハートクリーミーブレンダーのダイヤルを、黄色の三本線に合わせる
「ヤムヤム!シェアリンエナジー!」
レバー操作で一気にエネルギーがフルチャージされ、即座にモットウバウゾーに向けて撃ち放つ
「ハートヤムヤム・ヌードル!」
放たれた一つの黄色い光線は、枝分かれて分裂していった。今回は飛距離が遠い為、分裂する数は今まで以上となって命中範囲を極限にまで広げた
「モットウバウゾー!!!」
「えっ!?」
絶対に決まると確信していたフレーバーだったが、モットウバウゾーの動きを見て驚愕した。光線同士との僅かな隙間を掻い潜り、掠りながらも全て避け切ってみせた
「もう一度!」
またもプレシャスが仕掛けるに跳び上がる。しかしながら、今度は近付いただけで姿をくらませた
「消えた?」
「プレシャス後ろ!」
目にも止まらぬ速さで、プレシャスの背後を取ったモットウバウゾーは、電撃を帯びた体を使って仕掛けようとした時だった
突然、目では追えない程の速さの物体がプレシャスとモットウバウゾーを通り過ぎ、後ろにあったキャンディーの形をした岩に衝突と同時に崩れて、モットウバウゾーを地面に押し潰した
「チャンスよプレシャス!」
「えっあ、うん!」
プレシャス自身も何が起きた分からず混乱していたが、ローズマリーの急かす声でとにかく攻撃に専念する
「1000キロカロリーパンチ!」
岩に押し潰されてるモットウバウゾーへ、プレシャスの必殺の一撃がクリーンヒットした。
弱らせて、動きが鈍くなっている今が浄化のチャンス
プレシャス、スパイシー、ヤムヤムはハートジューシーミキサーを手に取って浄化の準備に入る
『トリプルミックス!デリシャスチャージ!』
「プレシャスフレイバー!」
「スパイシーフレイバー!」
「ヤムヤムフレイバー!」
『プリキュア!MIXハートアタック!』
「オナカイッパ〜イ」
『ごちそうさまでした!』
「フフ、まぁこれから楽しくやろうじゃないか」
ナルシストルーが去って行くのを見届けた後、先程の不可思議な現象について改めて考えた
「はう〜、なんだかよく分かんないけどラッキーだったねぇ〜」
「何か飛んで来たみたいだったけど、何だったのかしら?」
「フレーバー、また力を使ったの?」
「いいえ使ってないわ」
「…?」
レシピッピは取り戻せたが、ナルシストルーに強力なモットウバウゾー。更に謎の物体にも頭を悩ませる事となってしまった
ここまでの拝読ありがとうございました