デリシャスパーティ♡プリキュア Carry On 前へ進め 作:シロX
今回は要素強めのオリ回です。気にいる人と、受け付けない人と分かれるかもです
ではスタート!
「────!!!」
暗い夜の工場近くで、フレーバーが全速力で走る姿が見えていた。
ただ全速力で走ってるがその様子は少しおかしかった。まるで何かに怯えて逃げ仰せようしているかのように
フレーバーは適当な工場のドアを開けて中に入り、施錠しては棚などをドアの前に移動させてバリケードまで作る
「ハァ…ハァ…」
大きく息を吸い込んで呼吸を整え、懐から携帯電話を取り出して助けを求める
「…クッ!」
しかしどういう訳か画面には圏外の表示がされており連絡出来なかった。
助けを呼べないなら、このまま走って逃げ回ろうと準備して後ろを振り返った時
「ハ〜イ〜!」
「ッ!?」
振り払って来た相手が何故か向こう目の前に居た
その相手はカラフルな服を着て、顔全体を白く塗られて、赤鼻が目立つ───ピエロだった
逃げようとするも、さっき自分で逃げ道を塞いでしまっているので逃げれない。別の出口を探そうとその場から立ち去ろうとしたのだが、その足を止める
「ハ〜ロ〜!」
「嘘よ…」
ピエロは一人だけではなかった。二人いたのだ
ジワジワと迫るピエロ二人に挟まれ、選択肢は一つに絞られる
「血が出れば殺せる!」
フレーバーは適当な鉄パイプを手に取り顔を殴り付ける。
ぐるんと頭がひね曲がり手応えがあった
「これで……!?」
だがピエロは頭を掴んで、強引に元の位置に戻した。
その行動に驚きはしたがそれは想定内。こんな光景はアメリカで何回も見ている
だから次は心臓に一突きする
鉄パイプを抜いて血が噴水の様に噴き出す……代わりにキラキラなラメが沢山噴き出した
「
「ヒハハハッ!!」
顎をかち上げられて倒れようとするフレーバーだが、背後に居るもう一人のピエロに背中を蹴り飛ばされて顔面から倒れてしまった
ピエロ二人は倒れるフレーバーに集中攻撃し始める。蹴り付けては踏み潰したりと
フレーバーは震えながらゆい達の助けを待つ事しか出来なかった
そもそも何故この様な状況になったのかは、今から三時間前の事である
////////
三時間前────
「ねぇ聞いた三人共。最近神隠しが多発してるのですって」
和実家で集まっていると、ローズマリーが突然そんな話題を振ってきたのだ。
それを聞いたジークは一番に反応する
「どんな神隠し?」
「あまり私も詳しくは知らないけど、目を離した数秒で目の前から消えちゃってたって言う話よ」
「それがどうかしたの?」
「いえ、何も……」
ジークの深刻そうな表情にここねは心配の色を見せる。
折角友達が困っているのに何もしてやれず、放置するなんて事は出来ない
「その神隠しについて何か知ってるの?」
「……神隠しなんてそんは不可思議な事ある訳ないわよもう〜!」
ここねの質問に対して開いたのは、何か隠し事をしている時の言い訳。
ここねもそれは重々と察しており、余計に怪しむ
その視線がとても痛い。痛過ぎる
「神隠しについて調べますよ……全く、足洗っても全然落とせないわ」
「調べるってどうやって調べるパム?」
「図書館かネットを開いてかな?」
ジークはスマホで今回の神隠し事件について調べ始めた。
すると案外早く手掛かりとなりそうな情報を得た
「どうやら被害者に遭った人達の共通点、ある場所に行ってる事が判明したわ」
「早っ!?ジーク早い!」
「ウ・ラ・ワ・ザ・よ!」
「コメ〜!」
「テ〜ル!」
ゆいが感心する隣で、ジークのスマホを覗き見するコメコメてテルテル。映る画像に目を輝かせて興味津々だった
「でもワタシは行きたくないわ」
「どうして?」
「……」
口を瞑って明後日の方向を見ていた。それが何を意味するか
「だけどジークも一緒に行かないとあたし達だけじゃ分かんないよ」
「ホントに行かなきゃダメ?」
「う、うんまぁ…」
ジークは項垂れながらもその場所へと行くと事を決意だ。
その場所は───移動サーカス団
////////
「来ちゃった…」
重たい足取りで移動サーカス団に辿り着いた。
それとは反対に、エナジー妖精達は目を輝かせていた
「さてジーク、調べるって言ったけどどうやって調べるの?」
「聞き込みよ。ワタシとユイ、ココネとマリーに分かれるわよ」
「ジーク手慣れてるね〜」
「当然よ。取り敢えずスタッフの方に話を…ッ!」
「ジーク?」
ジークの目の前をピエロが通り過ぎた時、何故か驚く様に反応して眉を歪ませていた。
表情も何処となく堅かった
「もしかして
「ッ!?」
ギチギチとぎこちない動きでゆいへと振り返る
「まま、まっさか〜よ!ワ、ワタシに怖いものなんてないわよ……ナイワヨー」
口ではそう言うが僅かに体は震えていた。「怖がってる」というより「怯えてる」の表現が正しい
「怖いなら手繋ぐ?」
「なっ!?それだとワタシが怖がってるみたいじゃない!」
「えっ、違うの?」
「違う」と訂正しようとした時だった。後ろから急に肩を掴まれて慌てて振り返ると、目の前にピエロが挨拶して来てくれた
「ぴゃうッ!!!」
「ジーク!?」
恐怖の塊が目の前に現れたのだ。ジークは気絶して、そのままゆいにもたれ掛かり倒れてしまった
「ジーク大丈夫?」
「テル!」
ベンチで座り込み、額の上にテルテルが乗って頭を冷やしていた
「コメコメ!」
「そうだね。コメコメとお水買って来るね!」
残った二人は一息ついていた
「ごめんなさいテルテル。こんなのがパートナーで…」
「テルテル!テル!」
正直何言ってるか解らないが、励ましてくれてるのは分かる
「ふぅ…よし!」
気持ちを切り替えてゆいを迎えに行こうとした時だが、その出来事は唐突に起きた
「──待っていた」
「ッ──」
ジークの頭を誰かが触れた瞬間、その場から一瞬で姿を消した
「ジーク持って来たよ〜!」
「コメコメ〜!」
「……あれ、ジーク?テルテル?」
戻って来たゆいとコメコメだが、姿の見えない二人が消えて探していた
ゆいは探しながら、ついでに買って来たたこ焼きを口の中に運んでいると、その味の変化に異変を感じる
「うぇ!?」
更にハートキュアウォッチからも反応があった
「コメ!」
「レシピッピが……っ!」
ジークを探そうか迷ったが、きっとレシピッピが盗られた事を知ってその場に集まってくれる筈。
それを信じて反応が示す場所へと走り出した
「ゆい丁度良かったわ……ジークは?」
「えっ、マリちゃん達も見てないの!?」
ローズマリーと合流はしたもののその場にジークは居らず、ここねやローズマリーも見てはいなかった
「二人共レシピッピの反応が…」
ここねがハートキュアウォッチを正面に合わせると、その先には20歳程の青年が立っていた
「貴方は?」
「コレを取り返しに来たのだろう?」
青年がゆい達に見せたのは、レシピッピが入っている箱。中にはレシピッピが一匹
「「「ブンドル団!」」」
「馬鹿を言うな。私はブンドル団なのではない。お前達を誘き寄せる為にレシピッピを奪ったに過ぎない」
青年が指を鳴らすと、その場に居るもの全員が別の空間に飛ばされた
「う…此処って!」
「そうだ、この空間はお前がよく作ってる結界。デリシャスフィールドだったか?」
青年はローズマリーと同様に力を扱えて、デリシャスフィールドを作り出した。
明らかに普通ではない
「そういえば貴方さっき、私達を誘き寄せるって言ったわよね?あれはどういう意味よ?」
「…まさかジークは居ないのは貴女のせいパム!?」
「察しが良くて助かる。エナジー妖精のパムパム」
「何でパムパムの名前を…?」
「和実ゆい、芙羽ここね、ローズマリー、コメコメ、パムパム。そしてジャンヌ・ウィンチェスターにテルテル。お前達の事なら生まれたその瞬間から手に取るように分かる」
初対面で名前はまだ明かしてはいない。完全に青年に全てを握られている。
全員の警戒心が急上昇する
「貴女は誰?」
ここねはそう尋ねた。こっちの情報が全て筒抜けなら、少しでも相手の情報が欲しいところ
青年がここねの質問に素直に答えてくれは
「折角だ。お前達人間に正体を明かそう」
意外にも素直に答えてくれたのだ
すると結界内の天気が一変して怪しげな曇り空もなり、辺りが少し暗がりになって雷が発生する
そして青年の瞳が青く光り、体が神々しく光りを放った
「私の名は───ミカエル。大天使だ」
ミカエルと名乗る青年の後ろの岩。そこにはミカエルに重なるように翼の様な影が広がっていた
「出でよ。ウバウゾー!」
「ウバウゾー!」
ミカエルは鉄板焼きのウバウゾーを生み出した
「お話はここまでだ。レシピッピを取り返し、ジャンヌの居場所を知りたければ今ここでそれを証明しろ。お前達プリキュアが、この星にとって必要不可欠な存在かどうか見極める」
「…ここねちゃん!」
「うん」
「「プリキュア!デリシャスタンバイ!」」
「「パーティーゴー!」」
「あつあつごはんで、みなぎるパワー!キュアプレシャス!」
「おいしい笑顔で満たしてあげる!」
「ふわふわサンドde心にスパイス!キュアスパイシー!」
「分け合うおいしさ、焼きつけるわ!」
「ウバウゾー!」
「ハァッ!」
ウバウゾーの拳をスパイシーが受け止め、腕を伝ってプレシャスが駆け上る。
そして目の前に辿り着いた
「500キロカロリーパーンチ!!」
鈍い音と共にウバウゾーは後方へ後退る
「いった〜!!」
鉄板焼きを元としてるウバウゾーの為、その硬さはプレシャスの手を痺れさすものだった
「ピリッtoサンドプレス!」
すかさずスパイシーが拘束して動きを止める
「このまま!!」
ウバウゾーをそのまま潰そうと両腕に力を込め始める
「プレシャス決めて!」
「プリキュア!プレシャス・トライアングル!」
「嗚呼、そんな簡単に終わらせるのも面白くない」
ミカエルが指を鳴らした途端、直撃する直前でプレシャスの技が打ち消された
「「「ッ!?」」」
「ウバウゾー!!」
更にウバウゾーは力技でスパイシーの拘束を振り払い、弾かれてスパイシーは尻餅をつく
「スパイシー大丈夫?」
「え、えぇ」
「二人共危ない!!」
プレシャスがスパイシーを起こしてる中で、ウバウゾーは突進して来る
「「きゃあ……がはっ!!」」
重たく、硬い鉄板がプレシャス達の腹にに突き刺さり岩壁に押し込まれる
「脆弱だな。例えるなら生まれたての赤ちゃんだな」
「「クッ…!」」
「仕方ないか。プリキュアになって間もないからな」
「「あ…あぁッ!!」」
「痛いか?苦しいか?ならもうジャンヌには近付くな」
「ジークが狙い…!」
何気ない会話だが、ミカエルの目的が判明した。わざわざこんな回りくどいやり方で、ジークを連れ去る事が目的
けれど腑に落ちない。何故ジークなのか
「ジャンヌは他のプリキュアと違い特別だ。お前達とは違い利口で、力があり、タフだ。よく訓練されて、勇敢で代えの効かない存在。私の最高のお気に入りだ」
「何言ってるか分からないけど…!」
「わたし達の大事な友達を…!」
「「返して!!」」
ウバウゾーを跳ね除けてようやく地に足が着く
「「ハァァァッ!!」」
二人同時に飛び出して蹴りを食らわす。
一瞬の隙を見逃さず、地面に足が着くと同時にプレシャスは素早く駆け出して、拳に力を込める
「500キロカロリーパーンチ!!」
全力全開の今週の一撃がウバウゾーに直撃し、傷すら付かなかった鉄板を凹ませた
「プレシャス、今度こそ決めるパム!」
「プリキュア!プレシャス・トライアングル!」
「オナカイッパ〜イ」
「ごちそうさまでした!」
「やっとか」
座り込んでいたミカエルが腰を上げて余裕の拍手をしていた
「ジークは何処!?」
「…」
「──ッ!?」
ミカエルが払う様に手を振るうと、プレシャスが大きく吹っ飛ばされて地面を転がる
「話が違うわ!」
「私は『この星にとって必要不可欠な存在かどうか見極める』と言ったのだ。倒したらそれでお終いと考えるのは勝手だな」
「──ジークを返して!!」
吹っ飛ばされたプレシャスが、スパイシーの隣から飛び出して先程以上の力を込める
「500キロカロリーパーンチ!!」
「フッ…」
ミカエルは指を一つ立ててプレシャスの拳を受け止めた
「なっ!?」
「コメコメ!!」
危険と察知したコメコメが逃げる様に声を掛けるも、ミカエルは先にプレシャスの腕を掴んだ
「ぁ…」
そしてプレシャスの額に指で軽く触れると、力を失くしてその場に崩れ落ちた
「次は──」
「ッ!?」
プレシャスの近くに居たはずのミカエルはスパイシーとの距離を一瞬で詰めて、右手で顔を掴んでいた
「──お前だ」
スパイシーの後頭部を地面に叩き込んで埋め込ませ、追い討ちに足で腹を踏み付ける
「あぁ……クッ!!」
「同じ力を持ちながらこの差だ。諦めろ」
「友達を……返して!!」
「呆れるよ。だが、それはそれで面白い」
スパイシーを強引に立ち上がらせたと思ったら殴り飛ばした
「少し遊んでやる。来い」
「クッ──ピリッtoサンドプレス!」
挟み込もうとしたパンだが、ミカエルに触れた途端弾け飛ばされて無力化された
「それなら!」
「プリキュア!スパイシー・サークル!」
「フゥ〜」
ミカエルは息を吹きかけ、スパイシー・サークルを跳ね返して逆にスパイシーにダメージを与えた
「うぅ…」
「それで全部のようだな。ジャンヌの方もそろそろ終わるだろう」
////////
そして現在────
フレーバーは未だに、二人のピエロからサンドバッグとして滅多打ちにされていた
「がふっ…」
投げ飛ばされて背中を強打し、意識が朦朧とし始めて絶対絶命の状況
「テル!」
「それなら───コルクスクリューショット!」
立ち上がってすぐに技を放った。一人のピエロに直撃して後方へと吹き飛んだのだが、ユラリと立ち上がり攻撃をものともしていなかった
「プリキュア!フレーバー・ヘキサグラム!」
もう一人のピエロに浄化技を放って浄化させようとした。
どの様な相手か検討はつかないが、浄化技が決まれば倒せれるに違いないと考えていた
けれど
「ヒャハハハッ!!」
風にでも吹かれている気分のピエロは、歩みを止めなかった。
フレーバーの、プリキュアの攻撃が何一つ効いてすらなかった。最初から
「逃げないと…ぁ」
後退りながら逃げ仰せようとするが、すぐ後ろには壁があり、逃げ場の無い部屋へと誘導されていた
打ちのめされたスパイシーに殆ど戦う気力は残っていない。
立ったとしても太刀打ち出来る筈もない
それでも尚ミカエルは容赦はしない。手を翳すとスパイシーの体が浮き上がり、そのまま引き寄せられる様にミカエルの手の中にスパイシーの首が収まる
「グゥ…!」
「そもそもプリキュアが私に勝てる筈ない。なのに何故その様な目をする?」
絶望的なこの状況でも、まだスパイシーの目は死んでいない。希望は捨ててない
「それも全部"友達"の為?」
「ジークは、…ッ!」
「久し振りに面白いと感じる。だから今回は見逃してやる」
ミカエルはその手を離してスパイシーは崩れ落ちる
「がはっ…がはっ…!」
「だがお前は
「本当のジーク…?」
「その時になったら教えよう」
ミカエルはスパイシーの肩に手を置いてニコリと笑った。
そして指を鳴らした
「私が連れ去ったジャンヌ含め他の人間も元の場所に返した。精々励むのだな……キュアスパイシー」
「待ちなさい!」
手を伸ばしたが、掴む事は叶わずミカエルはスパイシー達の前から消え去った
ローズマリーはデリシャスフィールドを解いて、元の場所へと帰って来た
「ジークは?」
「此処よ〜…」
プレシャスの呼び掛けに、すぐ背後からフレーバーが応えた。
ふらつく足取りでプレシャスの肩を借りる
「貴女、その体どうしたのよ?キラキラ煌めいてるわよ」
ローズマリーの言うように、フレーバーの体にはキラキラと大量のラメを被っていた
「お願い言わないで!」
頭を抱えてその場に蹲っては、ブルブルと震えて怯える様子。
フレーバーにとってとても、トラウマに残る体験だった
「スパイシー良かったね。フレーバーが戻っ……えぇ!?どうしたの!?」
フレーバーの姿を目にしたスパイシーの瞳には、涙の雫が零れ落ちていた
「ジーク……ッ!!」
スパイシーは心配のあまり、フレーバーに飛び込んで抱きついた
「す、スパイシー!?」
「良かった…良かった!」
「待って待って!よく理解していなのだけど…ちょっとそこの二人、孫を見るような目で見ないでよ」
////////
「そう、それじゃワタシの家を襲って来た人も恐らくそのミカエルって言う大天使…」
ジークが不在の間、ゆい達の身に何が起きたのか説明してくれた。
勿論ジークも居ない時の出来事を話した。おかしな工場に連れられたと思ったら、変なピエロ二人に追いかけ回されていたことを
「でも本当に無事で良かったわ〜」
「…この見た目で?」
ジークは口から息を吐くと、キラキラとラメが宙を舞った。
ラメがどうやら口の中にも入っているらしい
「だけど、心配してくれてありがとうねココネ」
「あ、うん……友達だから」
「フフ」
ジークは三人に抱き付いて、心配してくれたことに感謝するのであった
アニメ本編が再開するまで暫くはお休みします。放送されればまた投稿致します
その間、ご興味ある方は是非他のプリキュア作品を読んでみるのもありなんじゃないかなぁ〜……なんて
ここまでの拝読ありがとうございました!
では、暫くの間はお休みさせて貰います。