逆行したら天才イケメン騎士様がロリ巨乳美少女騎士様になってた   作:ちぇんそー娘

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ガンダムがめちゃくちゃ面白いのでガンダムで見た展開とかでてきても許してください。MSまでなら許してください。




35.兄妹喧騒

 

 

 

 

 

 リィビアの野郎が一応俺の義妹であるハピに何かよからぬ知識を吹き込んでないか心配に思い、こっそりと見に来てみれば開幕これだよ。

 

 リィビアのやつはご丁寧にどこからともなく訓練用の剣をこちらへと投げてきて、あとはご自由にとばかりに高みの見物を気取っていやがる。

 ハピの方も俺の事をよく思ってないのはわかっていたが、やる気満々な様子はさすがにちょっと気がつく。まぁそもそも、初対面で有無を言わさず殴られそうになってるが。

 

「よし、ちょっと待ってくれ。リィビアと話がしたい」

「ししょーとですか? いいですけど、さっさとしてくださいね」

 

 口では許してくれてるが、不機嫌そうに見つめてくる視線が暗に「さっさとしろ」と言ってるのでワシっとリィビアの肩を掴んで早めに済ませることにしよう。

 

「お前何吹き込んだ?」

「効率的な対話手段を提案したまでだけど?」

「剣や拳で語り合うのはお前の友達(カウム)とかの変なやつだけだからな?」

「でも、私はこれでどうにかなったよ」

「はァ?」

 

 何言ってんだお前、というニュアンスの返答をしてみるとリィビアは睨みつけたり溜息を吐いたり反論したりする訳でもなく、本当に俺の返答が意外であったかのように目を丸くして、少し腹立つことに可愛らしく首を傾げてしまった。

 

 

「……なんだよその反応。お前っぽくないからやめろ」

「でも、私の時はこれで分かり合えただろう? ジョイとさ」

「え?」

「だから、前に私と殴りあったろ。それで私達は通じ合えたじゃないか」

 

 

 何がおかしいんだ、とばかりに眉をしかめて俺の顔をじっとリィビアは見つめている。

 ちょっと待って欲しい、いつもあんな態度を取りながら、リィビアって俺の事をそんな風に思っていたのか? 

 

「私と君は勝手知ったる好敵手(ライバル)だろう? 1回の戦闘でそれほど距離を縮められるなら効率が良いだろうから再現したまで……おい、なんだそのニヤついた顔は。何考えてる」

「……待て、それ以上喋るな。俺にはクラキアとアーリスがいるんだ。マジで悩んでるから頼む」

「何勘違いしてるか知らないが今の発言でハピの中での君のランクは2段くらい下がったぞ」

 

 そう言われてハピの方に視線を向けると、その目の鋭さは嫌いな相手に向けるものから嫌いな二股してるクズに向けるものへと進化していた。

 

「早く構えてください。そして死んでください」

「待てハピ。勘違いしてるようだが俺はリィビアを可愛いとか思ってないぞ」

「そうだぞ、私は美人系だ」

「ハイハイわかったから審判でもしてろ」

 

 何とかリィビアを離れさせてからハピに目を向けると、睨んでこそいなかったがやはり瞳からは敵意というものが滲み出ている。少し近づいて見れば、感情のままに放出されているであろう魔力を肌が感じ取る。

 改めて、かなりの魔力量だ。単純な量の話ならばリィビア程ではないにしろ、クラキアやエアを上回っているだろう。

 我が義妹ながらあまりに恐ろしい。こんな才能の塊を雑草感覚で俺の周りに生やすのは本当にやめて欲しい。そろそろ劣等感で死にそうになってくるんだよほんと。1回死んでるけどさ。

 

「……とにかく準備してください。ルールはその訓練用の剣を体に当てられた方が負け。負けた方が勝った方の言うことを1つなんでも聞く。いいですか?」

 

 なるほど。当てるだけでいいならお互い加減が効くだろうしまぁどうにか。

 

「ってなるわけねぇだろ。妹に剣なんて向けられるか。これでも騎士の卵だぞ。俺の剣は敵を切るためじゃなくて守るべきものを守るためにあってだな……」

「負けるのが怖いんですか?」

「煽ってきたやつは敵って俺の師匠が教えてくれてな。今から泣く準備しとけクソガキ」

 

 つい反射的にそう口にした瞬間、脳内に鉄が落ちたような音が響いてほんの少し息苦しくなる。これは、魔術でなんらかの誓約を無理やり結ばされた時の感覚だ。

 

「はい、契約成立だね。ちゃんと勝負は受けるんだよジョイ・ヴィータ?」

「この人マジでこんな簡単な煽りで乗ってくると思いませんでした」

「ジョイはバカだからね。君も困ったら適当に煽るといいよ」

 

 リィビアめ、兄の威厳を削り取ると共に術中に嵌めてくるとはなんて恐ろしい女なんだ。

 ヘラヘラと楽しそうに笑いやがって。義理とはいえ妹に舐められるのは死活問題なんだぞ。元から嫌われてるからあまり変わらないかもだが。

 

 

「随分と、楽しそうですねジョイさん」

「お前にはそう見えるんだな……。本人としては胃が痛いことばかりなんだよ」

「いいえ、楽しそうですよ。……貴方の周りにいる人は、みんな楽しそうで」

 

 

 

 

 

「溶けてしまうほど、(ねた)ましい」

 

 

 

 そう口にしたハピの姿が視界から消えた。

 だが、膨大すぎる魔力が体が溢れ非励起状態の『黒耀(バロール)』でもその軌跡を確認してしまう。

 

「は、速くねッ!?」

 

 対応、なんて呼べるものでは無い。魔力の痕跡を辿って予測を立ててその位置に剣を突き出すと高速で突っ込んでくる剣の重みが重なって鍔迫り合いが起きた。

 そう思ったら重さが消えてまた高速で動き始める。なんだこれは。

 

「おいリィビア! お前マジでうちの妹に何教えたんだバカ!」

「初歩的な身体強化と基本的な魔術だけさ。いやぁ、すごい才能だね!」

 

 それは分かっていたが、こんなの予想外だ。

 ギリギリ対応出来ているのはまだ初歩的な身体強化しか教えて貰っていないからだ。

 

 膨大な魔力量に任せて火を吹き、風を纏い、血流と電気で肉体を刺激してスピードを生み出している。普通は燃費や隠密性を考えて身体強化はメリハリをつけた魔力出力を行うのだ。

 例えるなら常に全身に光を纏ってるからギリギリ相手の動きを目で追えてる状態だ。

 

「ジョイさんは騎士なんでしょう? 強いんでしょう? 受けてるだけじゃ勝てませんよ!」

 

 声がした方向には既にハピの姿はない。ピンボールみたいに跳ね回るその様子から彼女自身まだ自分の速さに付いてこれていない節がある。

 だがそれであまりに十分。単純な速さだけならば、騎士学校の同級生でもトップクラスの速さを持つ固有魔術である『滴穿(セイレーン)』を起動したカウムに匹敵する速さだ。

 

 いやおかしいだろ。

 なんでこんな田舎に捨て子としてこんなのが生まれ落ちてるんだよ。しかもこれが俺の義妹とか信じたくない。

 

「う、羨ましいー! なんだその魔力と才能! 俺に寄越せー!」

「ッ、上げられるならこんなもの上げますよ! いくらでもくれてやりますよ!」

 

 思わず出た叫びは、ハピの逆鱗に触れたのかすれ違った刃の重さがほんの少しだけ増していた。沸騰した感情に任せて振った剣でバランスを崩したのか、視界の先では自分のスピードを制御しきれなくなったハピが転がるようにして減速してから立ち上がっていた。

 

「あ、怪我とかしてないか?」

「私の心配より、自分の心配、した方がいいんじゃ、ないんですか?」

「息切れしまくってるけど大丈夫か? 水あるぞ?」

「……あのっ! 私の事ナメてるんですか!?」

「んなわけねぇだろ!? あ!?」

「なんで貴方が怒ってるんですか!?」

 

 だってこいつめちゃくちゃ強いし……。

 これでまだ10歳で本格的な訓練なんて何もしてないなんて聞いたら誰だってこうなる。少なくとも前世の俺だったら帰ってきてこんな妹が出来てたら奇声あげて泡吹いて倒れてショック死してた。

 

 才能、というものを数値にして表すんだったらハピは間違いなく天才側の人間だ。

 

 でも、それはそれとして、だ。

 

 

「お前に何かあったら父さん達心配するから……」

 

「…………は?」

 

 

 俺の人生経験は、前世と今世を合わせればそれなりになる。

 その経験が、今まさに人間誰しもにある絶対に触れてはならない逆鱗に触れてしまったことを理解した。

 それを理解してしまうこの独特の嫌な空気は今まで3度。母さんと大喧嘩して思わず手を出してしまったのを父さんに見られた時、魔女とデウスが対峙した時、そして師匠の服にコーヒーを零した時だけだ。師匠やっぱり器が小せぇな。

 

「えっと、父さんって意外と過保護なところあるだろ? そのくせ察しが悪いからどんな普通な怪我しても誰かに殴られたんじゃとか心配して」

「知らない」

「え?」

「父さんのそんなところ、知らない」

「…………あー」

 

 さすがに悪い事をした自覚が湧いてきた。

 なんでハピがここまで俺を敵視しているのか、そしてそこに繋がってやっぱり血は繋がってなくても兄妹だなと思うが、これは口に出したら今はそれこそ火に油を注ぐと言うやつだ。

 

「とりあえず……剣を置かないか? やっぱりまずは話し合いからした方がいいと思うんだよね俺」

 

 ブチっと血管が切れる憤怒の音が聞こえそうなくらいハピの顔が歪んだ。

 俺に女心は分からぬ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ヴィータさんの家の『義理』の娘。

 小さな村、狭いコミュニティの世界だ。私が知らない人が、私のことを私以上に知っている。そういうのは好きではないけれど別に嫌いという程でもない。

 

 両親のことは大好きだ。

 私にはこれしかない。両親だけが私に温もりを教えてくれる。それさえあれば何もいらないとすら思ってる。

 

 私はあの人たちの娘であれれば、それだけでいいのに。

 

 

 人より優れた存在になんてなりたいと思わない。

 誰かと切磋琢磨なんてしたくもない。好きなものは自分の部屋と読書、あと両親。

 優れた才能なんて欲しいとも思わない。

 

 

『ハピちゃんのお姉ちゃんは騎士学校に通ってるすごい人なのよ』

 

 

 だから、なんだって言うんだ。

 騎士学校に通ってたら偉いのか? 強ければそれは偉いのか? ジョイ・ヴィータという人間はそこまですごいやつなのか? 

 誰もそんなことは言っていない。ただ、この田舎の生まれで騎士学校に通っている姉という存在は常に私を比較に晒す。

 

 部屋の中で本を読んで、木漏れ日の中でうたた寝して、両親と何も変わらない穏やかな時間を過ごして。

 

 そんな時間を過ごしても誰も悪いとは言わない。けれども、姉とは違うのねと言う目で見られる。

 そりゃぁ『血が繋がってないから』似ないのも当然ね、と。

 悪意のない納得の快感を得るためだけの結論がヤスリみたいに自尊心を削り取ってくる。

 

 何かになりたいなんて贅沢言ってない。

 誰かを超えたいなんて上を目指してない。

 これ以上が欲しいなんて欲張りは言わない。

 

 

 だから、お願いだから。

 私よりも劣っていて欲しかった。

 

 

 私は卑怯な人間だから、姉は嫌な奴であったらいいなと思ってしまっていた。私の方が優しくて、私の方が優れていて、素直にこんな人と仲良くしたくない、こんな人姉じゃなければいいって思えるような人が良かった。

 嫌味ったらしくて、才能を鼻にかけてて、私を見下して、余所者のように扱ってくれれば嫌いになったって私は悪くないから。

 

 少し背が高くて、目付きが悪いけれど笑うと目尻が下がって柔らかい印象になる、色んな人に好かれるような兄なんて。

 

 

「盗らないでよ……私の世界を! 奪わないでよ!」

 

 動き回って全身に血が巡り体温が上がっているはずなのにどんどんと寒くなる。

 話せば話すほど、どうしようもない男だけど嫌われる人間じゃないのがわかる。多分優しい人なんだ。根本的に、誰かを想える人なんだ。だから沢山友人がいて、色んな人に認められて、私に無いものを沢山持っているんだ。だからこそ。

 

「いなくなって! 消えてよ! 私を惨めな孤児にしないで!」

 

 リィビア師匠は言っていた。

 ジョイ・ヴィータは腐っても騎士学校の生徒。幾ら才能があろうと積み上げた『経験』には敵わない。私の現在値ではその壁を越えられない。

 ならばどうする。経験が介在しない分野で戦うしかない。

 

 私の速度はとても凄いらしい。

 騎士学校でも類を見ないその速さ。別に戦うことなんて好きじゃないけれど、リィビア師匠がそれを言ってくれた時嬉しくなった。

 

 速さだけなら、ジョイ・ヴィータより優れてる。

 

「お前を、置いていってやる」

 

 自分の全てをかけて踏み込む。

 ただ愚直に、真っ直ぐに突っ込む。でもそれだけじゃ足りないかもしれない。だから私はどんな手を使っても自分の全てを叩き込む。

 

「ッ、おいリィビア! お前ハピに何仕込んだ!」

 

 気付いたようだけど、もう遅い。

 ジョイの後ろに炎の壁を魔術で作りだしておいた。別に動いたり追い立てたりするようなものでは無い。

 

 ただ、もしもジョイ・ヴィータが私の渾身の突撃を避ければ。

 私がその炎に頭から突っ込む位置だと言うだけだ。

 

 汚いとか卑怯とか、思わないわけじゃない。

 でもこうすれば、こうでもしないと勝てないとわかっているから。悔しいけれど、こうすれば優しい私の義兄は絶対に避けない、避けられない。それならば剣さえ当てれば勝ちのルールならば私の勝ちだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「とか甘いこと考えてんだろうけどなァ! 兄ナメんな生意気世間知らずの引きこもり駄妹がァァァァァ!!!」

 

 

 このバカ妹が考えることはもう手に取るようにわかる。

 なんて言ったって、たとえ血は繋がらなくとも同じ両親に育てられた血を分けずとも血よりも濃い経験で繋がった兄妹だ。

 もしも俺が『絶対に譲れないもの』を見つけたならば、俺はまず最初に自分の存在を賭けに出す。

 

 突っ込んでくるハピの体を、避けることなく真正面から受け止める。

 幾らわかっていてもとんでもない速度だ。小さな質量(からだ)でも速さが加わればその運動量は俺の全力で受け止められるものではなくなる。

 

「え、あ──────」

 

 そしてハピ自身その速度を制御できていない。

 このままでは2人まとめて炎の壁に突っ込むことになる。所詮は初歩の火属性魔術の壁だ。2人とも軽い火傷程度で済むだろう。

 

 かと言って火傷は結構きつい。痕に残ったら俺はともかくハピは女の子だからな。

 

 

「──────『黒耀(バロール)』、限定解放」

 

 

 剣も必要ない。拙く、解れまみれの所持者の魔術ならば一目見ただけで、触れただけでも破壊することが出来る。

 切り裂かれた炎の壁は僅かな魔力を放ちながら四散し、蛍火のような煌めきを残して空に溶けていく。

 

「……綺麗」

 

 まるで時間が止まったような。

 火属性の魔力の煌めきに目を奪われているハピの姿は、ようやく年相応の子供に見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まずリィビア。ハピに何教えてんだボケがよ」

「君のことを信頼してだよ。君は絶対に止めてくれるだろう?」

「それはそうだが、限度があるだろ!」

 

 ジョイさんとリィビア師匠は声を荒らげて取っ組み合いを始めてしまった。体格的にはジョイさんの方が有利だけれど、何故か腕の関節をキメられている。

 

 本当に仲が良さそうで、少し所ではなく妬ましい。

 勝敗から言えば、私の完敗だ。いつの間にか剣を落としていた私に対してジョイさんはしっかり最後まで握っていて、私の頭を少し強めに訓練剣で叩いて「これに懲りたら二度とこんなことするな」、なんて余裕ぶった言葉まで吐いて。

 

 完膚無きまでの完全敗北。

 手を抜かれたどころか助けられて説教されてしまった。

 

 そりゃぁ、完璧な人ではないだろう。それでも私なんかよりはずっとすごい人だ。私のような卑怯で弱虫で、嫌なことからすぐ逃げて、楽ばっかりしようとする意気地無しとは大違いだ。

 誰だって私と彼とじゃ彼の方が好きになる。純然たる事実でしかない。

 

 

 わかっていた事なのに涙が抑えられない。

 ポロポロと滴る水に魔力は通っていなくて、どんなに強く意識してもその流れを操ることが出来ない。

 

「あー、ジョイ泣かしたー」

「お前のせいの可能性の方が高いだろ。あー、泣くなハピ」

「だって、私、このままじゃ価値が無くなっちゃう、捨てられ……」

「子供がそんなこと考えるな。親子ってのはお互い無条件に愛しあってそれで支え合うもんなんだからよ。少なくとも、うちはそうだ。俺の方が優れてるからとか、お前の方が可愛いからで態度を変えるような人に見えるか?」

 

 そんなこと、あるわけない。

 でも、もしも、そう思うと怖くて怖くて仕方がない。

 

「ほら、帰るぞ。一旦家に帰ってゆっくり話そうな」

 

 私は弱くて、世界のことを何も知らなくて。

 それでも一つだけわかったことがあった。それはジョイさんの掌の暖かさは、父さんの掌とそっくりの温もりだってことだ。

 

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 

 

「勝負ふっかけてきたと思ったら自爆しかけて、号泣して泣き疲れてそのまま眠る。子供ってよくわかんねぇよホント」

「そうかい? 彼女、すごく分かりやすいじゃないか」

「わかりやすいならあんなことしないようにしろ。人様の妹に特攻魂を仕込むな」

「でもこの場で君たち二人の距離を縮めるのはあれが最適解だったろ?」

 

 絶対に他にやり方があった……とは言いきれない。少なくとも、リィビアがいなければハピが今こうして俺の背中で寝息を立てていることは無かっただろう。

 

「その子は口ではなんて言ってようが本質的には家族という形質に執着しているんだ。しかしジョイを家族の輪からつまみ出すってのは現実的じゃない。なら、仲直りが手っ取り早いだろ?」

「最初からそう言え」

「答えを教えるだけでは教えにならない。導いてこその師匠というものさ。自分で理解するより、他人に理解させることは数百倍の経験になる……私は、その子を導けたのかな?」

 

 珍しく少しだけ弱気な声がリィビアから漏れた。

 

「いや、その、なんだ。この前の合同訓練の敗因は私の指揮力の不足だと思っただけだ。私がいて負けるなら理由は私だけ。だから反省をだな……」

「お前に反省って概念があるのが意外だよ」

「反省は人の最大の強さだ。もちろん、私は人より優れているので人よりも深く反省するものだ」

 

 コイツは割と言ってることがコロコロ変わるけれど、少なくともこんなセリフは前世でのリィビアなら絶対に言わなかっただろう。

 リィビアが誰かの為に、そこまで考えて動くようになっているなんて。面白いこともあるもんだ。

 

 

 そんなこんなで口喧嘩をしながら帰路を歩き、俺達の足は俺の家の前で止まった。

 目的地についたからではなく、足を止めざるを得なかった。

 

 

 

 

「お、その気配はジョイやな。ちょっと今おもろいことになってるから助けてくれへん?」

 

 

 

 

 人の家の前でリエンが頭から地面に突き刺さっていたので、とりあえず俺とリィビアはそれを無視することにした。

 

 

 

 

 

 

 

 








・ハピ・ヴィータ
インドア派光速系妹。用心棒を名乗っているのはジョイへの対抗心からで正直朝早く起きるのも長時間外にいるのもキツイ。


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