カードファイト!! ヴァンガードG -LUPIN-   作:D・MAKER

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アルセーヌを失ったアキラ。果てしてどうなるか……?


イメージ52:失った分身

『……』

『アキラ~!』

『一緒に帰ろ~!』

 

 3年前、下校途中のアキラを呼ぶ2人の生徒……ヨウイチとリコ。

 

『1人にしてくれ』

『せやけど……アレはお前の所為や無いやろ!?』

『そうだよ、ユカ先生の事は……」

『……!!』

『『!?』』

 

 2人の言葉にアキラはキツく睨み付け、速足で去って行く。

 

(ユカ先生が冤罪で捕まって、そして死んだ……。何でだよ……何で先生が……)

 

 アキラの脳裏には、カウンセリングの天導ユカの事で頭が一杯だった。そんな時……

 

『キー君!!』

『え……?』

『ピピーッ!!』

 

 アキラが歩道を渡ってる横で、トラックが赤信号を無視してアキラに突っ込んだ。

 

『あ、アキラ!?』

 

 トラックに轢かれたアキラは、額に怪我を負い血を流して倒れている。ヨウイチとリコは急いで救急車を呼ぶ。

 

 

――――

 

 

『……ん』

『あ、アキラ! 良かったわ無事で!!』

『母さん……?』

 

 病室で目が覚めたアキラ。目の前には母のモモカが涙を流しながら、息子を抱き締める。

 

『俺、確か……』

『トラックに轢かれたって連絡が来た時は、本当に心配したのよ!? 無事で良かったわ……ユミ先生の件もあったのに……』

『……ねぇ母さん』

『何?』

『……ユミ先生って誰?』

『……え?』

 

 アキラが口にした言葉に、母は驚きを隠せなかった。その後、モモカは担当医によって話を聞かされる。

 

『どうやら息子さんは、事故で一部の記憶を失ったようです』

『そ、そんな……!?』

『自然に思い出すまでは、刺激しない方が宜しいかと思われます』

『……はい』

 

 担当医の話を聞いたモモカは決意した。『辛い記憶なら、思い出さない方が良い』と……。

 

 

――――

 

 

「……ん」

「あ、アキラ君」

「ナナさん……?」

 

 目を覚ますと、見慣れない部屋だった。

 

「私の借りてるアパートよ、倒れた貴方を伊吹コウジと一緒に運んだの」

「伊吹さんと……? 本人は……?」

「調べることがあると言って、何処かに行ったわ」

「そうですか……あ、アルセーヌ!!」

 

 アキラは自分の分身、アルセーヌのカードをデッキから取り出す。

 

「……!? は、黒くなって……消えてる……!?」

 

 手に取ったアルセーヌのカードは、黒くなっていた。そしてヘリワード達の声も聞こえることは無かった。

 

「あの時の……俺の……!?」

「アキラ君……」

「俺は、アルセーヌを……俺の所為で……」

「落ち着いて……」

 

 ナナは震えるアキラを抱き寄せる。

 

「一体、あの時なにがあったの……?」

「自分の中に、別の誰かの声が聞こえて……そしたら、ソイツが出て来た……」

「あの時の口の悪い人格のこと?」

「ストライドゲートの時に、最初に同じことが起こって……。気付いたらアルセーヌは、禍々しくなってた……。そして今回は……」

「そんなことが……ねぇアキラ君、あの女……ユカって人は知ってる人なの?」

「ユカ先生は、父が死んだと言う知らせ以降に元気が無かった俺に……カウンセリングを担当してくれてたんです」

「カウンセリング……!?」

「はい……だけど、3年前に……ロクでもない校長の所為で、先生は冤罪を受けて刑務所送りにされたんです」

「え……!?」

「そして死んだと言う連絡が来て、その後の交通事故で……先生の記憶を忘れてたんです」

「そうだったの……」

「そしてもう1つ……思い出せない事があるんです」

「もう1つ……?」

「とても大事なことだったのに、何故か今でも思い出せないんです……。忘れたらダメな大事な何かを……今でも思い出せないんです」

「大事な記憶……」

「俺……また失って、またあの時みたいに孤独になって……」

「アキラ君……」

 

 こんな弱気で震えたアキラを見るのはナナも初めてのことだ。

 

『ピロリン♪』

 

 そこにナナの携帯からメール音が鳴る。

 

「ボスから……?」

「父さんから……?」

 

父、トウマからのメールがナナの携帯に届く。そのメールを開くと……

 

『アルセーヌを取り戻す場所は、明神リューズ最初にユニットの召喚をした場所にある』

「ユニットを最初に召喚した場所……、それって、神崎を倒した後に、クロノと伊吹さんがファイトした場所か……」

「同時に、クロノ・ドランが初めて召喚された場所でもあるわね。行ってみましょう」

「えぇ……」

 

 

――――

 

 

「此処がそうなの……?」

「はい……」

 

 数年前の爆破の後が変わらずの廃墟。辺りを見渡すも、特に怪しい場所も無い。

 

「他に怪しいと思えるのは……あの輪かしら?」

「壊れてるけど、もしかしてゲート……?」

 

 そこに壊れているゲートを発見したアキラとナナ。ゲートの側まで寄るが、壊れているので動く訳も無かった。

 

「此処で手詰まりかしら……」

「……!!」

「どうかしたの?」

「感じる……この壊れたゲートから……」

 

 アキラが壊れたゲートに手を翳す。

 

「ま、眩しい!?」

「まさか、この先に……!!」

「アキラ君!?」

 

 壊れたゲートから眩い光を放ち、アキラは迷わず光へ飛び込んだ。ナナもアキラを追って光へ飛び込む。

 

 

――――

 

 

「此処は……」

「まるでトンネルね……」

『おいおい、来ちまったのかよ?』

「その声は……!?」

「あの時のアキラ君の声と同じ……!?」

 

 トンネルの様な場所を通ってる最中、聞き覚えのある声が聞こえた。そう……死創超越(デクスストライド)の際に出て来たアキラの別人格だ。

 

死創超越(デクスストライド)を使って、あんな無様に負けておいて来るたぁなぁ』

「黙れ、お前の意見なんてどうでも良い! 俺はアルセーヌを助けるだけだ!」

『はっ! だったら辿り着いて見せろよ! その間に面白い昔話(・・)を聞かせてやっから!』

「昔話……?」

 

 そう言って、アキラ(?)の声は止まった。

 

「今は、進みましょう」

「そうですね……」

 

 そう言って2人は進む。進み続けても、同じ景色ばかりのトンネル。そんな時だった……。

 

『昔々、ある所に1人の母親がお腹に子供を身ごもってました』

「アイツの声……!?」

 

 再びアキラ(?)の声が聞こえ、そんな2人の声に反応せずに話を進める。

 

『医者の話では双子の赤ん坊が生まれると言っており、母親と父親……その家族も大喜びしました。だが……その双子の片方は悲しいことに死産だった為、残ったもう片方は兄弟の居ない子として育て、死産した方は忘れられました』

「何の話だよ……」

「双子……?」

『そして4年後、4歳の誕生日を迎えた子供は、その日の夜に不思議な夢を見ました。見たこと無い世界で、霊体の様な姿の物が子供の前にやって来ました。その霊体は、名前も姿も無い何者でも無い存在だった。翌日、子供は父親に相談しました。その父親は『自分の思い描く姿と名前を、作って上げたらどうかな?』と聞いた子供は、自分でドラゴンを描きました。そして夢の中で、その霊体は子供の描いた姿と子供の好きな名前になったとさ』

 

 アキラ(?)の昔話は此処で終わった。

 

「一体、何が言いたいんだ……?」

「……」

『ま~だ分からねぇのか? ま、後から分かるだろうからよぉ。楽しみに待ってな』

 

 そう言ったアキラ(?)の声は再び消えた。

 

「双子……死産、それにドラゴンを描いた……?」

「アキラ君、アレを見て!!」

 

 ナナが指を指した方向に、見覚えのある姿が倒れていた。

 

「あ、アルセーヌ!!」

 

 アキラは急いで自分の分身の元に駆け寄った。

 

「アルセーヌ、しっかり!! アルセーヌ!!」

『ヒャハハハハ!! 今も大事な事を思い出して貰えねぇなんてなぁ、生まれた側も可愛そうだ』

「お前……!?」

 

 同時に黒い目をしたアキラが現れた。

 

「さっきから何の話をしてるんだよ……!!」

『分からねぇのか? ソイツは元々、お前によって生まれたってのに?』

「アルセーヌが、俺によって……?」

 

 アキラ(?)の言葉に戸惑うアキラだが、そんなアキラ(?)をアキラは睨み返す。

 

「大体、お前は誰なんだ……!?」

『最初に前書きは話たんだけどなぁ……良いぜ、教えてやるよ。俺の名は……海導アキト! お前の……

 

 

 

 

 

 

 

死産した双子の弟(・・・・・・・・)だよ!!』

 

 

 

 

 

「なっ!?」

「え!?」

 

それは、余りにも予想外の言葉だった。

 

 

 

 

 

TO BE NEXT




最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
自らを双子の弟と名乗るアキトと呼ばれる存在、そしてアルセーヌ誕生の秘密……次回はその2つの秘密が明らかになるかも知れません。
感想、高評価を宜しくお願いいたします!
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