カードファイト!! ヴァンガードG -LUPIN- 作:D・MAKER
「俺に弟なんて居ない……」
『真実から目を背ける気かよ……そう言う所が大嫌いなんだよ兄貴』
「大体、何で俺の中に居るんだ」
『俺も分からねぇがよ……何故かお前の中の、別の人格として宿ってたんだよ。そしてストライドゲートでの戦いで、俺は目覚めたって訳だ』
「俺の中に……」
アキラの中に、何故……死産した弟の人格が宿ってしまってるのか分からない。だが……彼はアキラを憎んでいる様にも思える。
『そうだ……俺だけ死産で、兄貴だけ幸せそうにして生きてる。それが許せねぇんだ……!』
「………」
『だけどよぉ、そんな大嫌いな兄貴には1つ感謝してる部分もあるんだ』
「感謝……?」
アキトの発言に、アキラは眉を寄せる。
『兄貴の憎悪のお陰でよぉ……
「!!」
アキトが高笑いをすると、黒いエネルギーに包まれた。
『そして、コレが今の俺だ!!』
「極邪竜 アルセーヌドラゴン・カラミティに……!?」
「コイツが……」
アキトは
アキラにとって、その姿を自分の目で見るのは初めてであり、余りにも自分の分身の未来とは思えぬ程に禍々しい姿だった。
『そして、俺はこの時を待ってた……兄貴を殺して、俺が代わりに生きると言う野望をな!!』
「ぐあぁ!?」
「アキラ君!?」
カラミティに姿を変えたアキトは、アキラを爪で攻撃を仕掛けた。アキラの腕には切り裂かれた傷が出来た。
『やっとだ……やっとなんだ。絶対に邪魔はさせねぇ……! 今の絶望した兄貴を此処で殺して……その全てを奪う
「
「……!!」
アキトは殺意を放ちながら、もう再び爪でアキラに襲い掛かる。
「させない!!」
『な、何……!?』
「な、ナナさん……!?」
アキトの爪を止めたのは、ナナだった。だが……何故防げたのか? アキラは目を白黒させていた。
「私の……私達の
『テメェはまさか……
「ナナさんが……ユニット!?」
「ええ……私は貴方を守る為に地球へやって来た。だけどその途中で襲われ、人間になって記憶を失ったの」
「俺を……守る為に?」
「そうです、そしてコレが私の本当の姿……!!」
「!?」
『ちっ……眩しい』
ナナから光が放たれ、アキラとアキトは目を閉じる。そして目を開けると……
「『義賊魔女 アルセーヌ・ウィッチ』……!? それが、貴女の本当の……!?」
<そうです、My
ナナの正体は、アキラがデッキに入れているユニット『義賊魔女 アルセーヌ・ウィッチ』だった。
『ふざけやがって……だったらテメェから始末してやる!』
「ナナさん……!?」
<アルセーヌ様に呼びかけて下さい! アルセーヌ様を救えるのは。貴方だけです、My
「……」
アキラはナナ(ウィッチ)の言葉に頷き、アルセーヌの側に寄る。
「アルセーヌ……」
<……>
名前を読んでも、アルセーヌの返事は無い。
「……うっ。また頭が……」
その時、アキラに頭痛が走る。
『君は誰?』
『えっとね、君の名前と姿を考えてみたんだ! ボクの大好きな怪盗の名前でね、アルセーヌだよ!』
「……頭に響く声は、昔の俺……?」
頭に響く声は、幼い頃のアキラの物だった。
――――
『此処はどこかな?』
12年前のアキラは、夢の中で不思議な世界に居た。そこは星空と虹で出来た綺麗な場所だった。
『誰か居ないのかな?……何だろうアレ?』
アキラはそう言って辺りを見回すと、淡い七色に光る球体が降って来た。
<お前は……地球の人間か? しかも子供……>
『君は誰? 何て名前なの?』
<我には姿も無ければ、名前すら無い……>
『そうなの? 名前とか欲しいの?』
<考えたことすらない……、願っても手に入らんかもしれん>
『じゃあ僕、起きたらお父さんに相談してみる!』
<相談出来る物なのか……?>
球体はアキラの言葉に苦笑いする様な声で返した。
翌日……
『ねぇお父さん』
『どうしたんだい、アキラ?』
『あのね……』
アキラは父に夜に見た夢の話をした。
『そっか、名前や姿が無いのかぁ』
『うん』
『それなら、アキラがイメージしてみるのはどうだい?』
『僕が?』
『そう、きっと喜ぶと思うよ』
『うん!』
父の話を聞いたアキラは、早速自分の部屋の机で紙と色鉛筆で絵を描き始める。
『う~ん、どんなのが良いかな~?』
どんな姿と名前にするか、悩んでるアキラ。
『ドラゴンとかカッコイイから喜ぶかなぁ? カッコイイ……? そうだ!』
アキラは何か思い出したのか、机の引き出しからシールを取り出した。シールに描かれていたのは、赤い服装と仮面を持った人物だ。
『僕のカッコイイのは『アルセーヌ』! そこにドラゴンのアルセーヌを名前を上げたら、きっと喜ぶよ!』
アキラはそう言って、色鉛筆を持って描く。そして2時間後……
『出来た!』
遂に絵が完成し、喜ぶアキラ。夢の中で出会った霊体もきっと喜ぶだろうと楽しみで仕方がなかった。
その夜、寝静まったアキラは再び不思議な夢へ。
『あ、居た!』
<また来たか……>
案の定、霊体が居た。アキラは球体の前で絵を取り出す。
<それは何だ? ドラゴン……にしては痩せてるな>
『これね、僕がイメージした君だよ!』
<我……だと?>
『そうだよ! 僕のカッコイイ怪盗の名前を持ったドラゴンにしたんだ! 名前は『義賊竜 アルセーヌ』!』
<アルセーヌか……ん? 何だ? 我の体が……>
絵を見た霊体は光は突然、足や腕……頭が形作られて行く。そしてアキラのイラスト通りの姿となった。
<まさか……本当に姿が持つ事になるとは。お前のイメージと言うのには驚いたぞ>
『本当にイメージ通りになった! じゃあ君はアルセーヌだね!』
<アルセーヌ……まぁ、悪くないな。地球の子供、お前の名は?>
『僕はアキラ! 海導アキラだよ!』
<アキラか、良し。背中に乗れ>
『何するの?』
<飛ぶから、しっかり捕まっていろ>
『うん!』
アキラを背中に乗せたアルセーヌは高く飛ぶ。
『わぁ……! 凄く綺麗だね!』
<そうだな、なぁアキラよ>
『何?』
<我に名と姿をくれて、ありがとう……。そして何時でも此処に来ると言い。待ってる>
『うん!』
アキラとアルセーヌは、そう約束を交わす。
――――
「お、思い出した……! お前は……俺のイメージで生まれた……『義賊竜 アルセーヌ』……!」
<……>
アキラはやっと思い出したのだ。今のアルセーヌは、姿が若干変わっていても、12年前に自分がイメージした『義賊竜 アルセーヌ』であると。
「アルセーヌ! 思い出したよ! 俺……俺……一番大事なことを忘れてしまうなんて……! お願いだ……目を覚ましてくれ!! もうお前を忘れたりしない、1人だけ辛い想いもさせない……だから、起きてくれ!!」
<……>
アキラは必死にアルセーヌに呼びかける。その一方でナナ(ウィッチ)は今でもアキトの攻撃を食い止めてる
『いい加減にしやがれ、この魔女がぁ!!』
<キャアッ!?>
ナナ(ウィッチ)は爪による攻撃で力強く弾き飛ばされた。
『そろそろ飽きたぜ……テメェを殺してから、俺は兄貴を殺す!』
<……くっ>
『じゃあな!!』
<もう……ダメ……>
ナナ(ウィッチ)は勝ち目が無いと諦める。
<させるか……!!>
『あぁ? 今の声は……ギャアア!?』
<……!?>
「あ、アルセーヌ……?」
突然、アキトとは別の爪攻撃で飛ばされた。そして目の前には自分の分身が復活していた。
<待っていた、そして思い出してくれる事を信じてたぞ。我らが
「……アルセーヌ!」
『コイツ……邪魔すんじゃねぇ!!』
<ふん……>
ガキンッ!!
『な、何!?』
「アルセーヌが……オリジンに!?」
アルセーヌは一瞬で『極源竜 アルセーヌドラゴン・オリジン』へ姿を変えていた。
『ふざけやがって……兄貴の空想から生まれた癖に!!』
<そうだ、我はアキラのイメージから生まれた。そして進化して、あの日に戻って来た……。そしてお前が仮にアキラの弟だとしても、我は貴様を許す気はない>
『テメェに許される必要はねぇ!! 消えやがれえぇ!!』
<失せろ!!>
『ぐ……ギャアアアアアア!?』
アキトはアルセーヌに襲い掛かるが、アルセーヌの攻撃で返り打ちに遭い地に墜落する。
TO BE NEXT
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
アキトとアルセーヌ、それぞれの関係や過去は明らかにされました! 次回はタイトルでもある
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