カイが可愛いすぎたのでオリ主といい感じにさせたい話   作:ゼノアplus+

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アルセウスの図鑑タスクを全員完璧にするとマジでやること無くなったので、やることないなら作ろうという謎理論。


プロローグ

1話

 

 

「貴女のいうことはわかる!!しかし、全てを背負うことはまだ早いだろう!?自惚れるな!!」

 

「ッ……お前までそんなこと言うの?……うぅ、二度と帰ってくるなバカ!!」

 

「……少し頭を冷やせ。俺も当分戻らない」

 

 

 

俺はそう言って、吹雪の中を歩き始める。集落の老若男女のヒソヒソ声を背に受けながら橋を渡ったところで人間からの視線が無くなった。あるのは水辺にいるビーダル達の視線だけだ。あれ、ここはこんなにも寒かったのか。

 

 

「あ……ははっ、この服着たまま出てきちまったよ」

 

 

この極寒の大地で生きるために防寒性に優れたこの薄紫の厚手の服……しかしこれを着る資格はもう俺には無いと言っても過言ではないだろう。

 

 

「おまえさんに険しい顔は似合いませんぞ」

 

「……ハマレンゲ様」

 

「様づけなどいらぬと言っておるでしょう?」

 

 

前方のクレベース氷塊という大きな氷がある方向からやってきたのは、このクソ寒いなか、半裸でスクワット運動を欠かさない異常者ハマレンゲ様だ。

 

 

「いえ、よそ者である私を、集落の者達を説き伏せ受け入れてくださったのは他ならぬハマレンゲ様ですので」

 

「おまえさんも相変わらずですな」

 

「……では、お世話になりました」

 

「あれだよ、あれ。こういう時言うべき言葉が出てこない自分が恨めしくなりますぞ……まあ、どうでもいいか。ほら、ポケモン出そうや!!」

 

 

引き止めるように俺の前に立ち塞がったハマレンゲ様のいつもの口癖……しかしやはりと言うべきかどこかで聞き覚えがある。こういう時に()()()()というのは厄介だ。絶妙に見覚え、聞き覚えがあって喉に小骨がつっかえている感じだ

 

 

「構いませんが……今は『げんきのかけら』の持ち合わせが少ないのです。ハマレンゲ様のポケモンを回復する余裕が……まあいいか。行くぞ相棒」

 

 

ハマレンゲ様の後ろからオニゴーリとユキメノコが出てくる。俺はと言えば、赤と白のツートンカラーの球体『モンスターボール』を腰から取り出した。

 

 

「蹂躙しろ……ゾロアーク」

 

 

ちなみに俺は、こういう勝負で負けたことがない。何故かって?俺の体には記憶はなくとも、経験だけは生き残っていたらしい。手を取るように分かるのだ、どう指示すればポケモン達が上手く戦ってくれるのかが。だから、俺はバトルをしない。勝ってしまうからだ。

 

 

「フィニッシュだ。『うらみつらみ』」

 

 

ゾロアークの『かえんほうしゃ』で先に倒れたオニゴーリを庇うようにユキメノコが立ち塞がっていたが、『力業』の『うらみつらみ』の前にあえなくダウン。まあ仕方ない……相性差、練度、何より経験値が違う。

 

 

「これで回復してあげてください。じゃあ、俺は行きますので」

 

「……カイはなんと言っていたのですか?」

 

「二度と帰ってくるな、と。彼女を責めないであげてください。まだ成人しきれてないにも関わらずシンジュ団の長を襲名した身です。至らぬ点はゆっくり改善していけばいい。しかも今は非常事態……焦るのは仕方ないが少し抱えすぎだ」

 

()()()()はそのためにシンジュ団を離れると?」

 

「前々から彼女にはそういう傾向を感じていました。ガラナさん、ユウガオさん、キクイ、ノボリさんには渋々ですが納得していただけました。ハマレンゲ様はちょうどキングの所に行かれていましたので……連絡が遅れたことは申し訳ありません」

 

 

ポケモンの介抱をするハマレンゲ様の横を通り、目を合わせずに話す。合わせる顔などとうにない。

 

 

「彼女の行く道にはおまえさんの力は必要不可欠……!!それはおまえさんもわかっているはず!?」

 

「今の彼女に必要なのは大きな1人の存在ではなく、自らを支えてくれる仲間達ですよ。それに、俺がカイを見捨てるわけがない……!!」

 

 

思わず腕に力が入る。ゾロアークが心配そうな目で俺を見てくるが大丈夫だと宥めボールへと戻した。

 

 

「……その言葉良く覚えておきますぞ」

 

「カイの事、お願いします。ていうかホント、服装だけは矯正させてください。ガラナさんもユウガオさんも聞いてくれないんです!!こんなクソ寒い環境で肩出しとか、いつか絶対風邪をひく……!!」

 

 

あれはマジでダメだと思う。というか年頃の娘がそう肌を晒すことが1番良くない。気心知れた仲だとしてもあの格好で暑いとか言いながら近づいてこないでほしい。俺にだって限界というものはあるんだ。

 

 

「それをわたしに言うのは筋違いというものでは?」

 

「自覚はあったんですね」

 

 

純白の凍土という名が付くほど極寒の環境で半裸で筋トレしてる人は異常者だと思ってたけど、こうたまに常識人の片鱗を見せてくるから調子が狂う。

 

 

「あとこれも返しておきます」

 

 

そう言ってハマレンゲ様に渡したのは『カミナギのふえ』。詳しくは省くが、幹部以上の立場なら誰でも持っている笛だ。もちろんカバーをして使うときだけ取り出している。俺しかそこまで丁寧にしてはいないが……

 

 

「移動はどうするつもりで?」

 

「まあ、フワライドがなんとかしてくれますよ」

 

 

何故だか一瞬、腰にかけているボールが振動したような気がしたが気のせいだろう。

 

 

「じゃあ、カイの事、お願いします。まあ、世界広しと言えど同じ空の下を生きる者同士です。いつかは戻ってきますよ」

 

 

返事は聞かない。カッコつけていると思うだろうが勝手に思えばいい。ぶっちゃけ死ぬほど寒いのだ。早く永久の凍土から抜け出すことが最優先事項なんだよ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

「待て待て待て待て!!何にもしないから!!ちょっと休ませてくれよ頼むからさぁ!?」

 

 

やあ、諸君。俺だッ。本当は自己紹介をしなければいけないのだろうがちょっと待ってくれ。今は普通に命の危機なんだ。え?何してんかって?ハハッ、オヤブンのギャロップに『だいもんじ』連打されてるって言えば分かってもらえるのか?

 

ことの発端はついさっき、手持ちのフワライドにお願いして風の吹くままにこの広大なヒスイ地方を移動してた俺はたまたま辿り着いた黒曜の原野という場所で休息をとっていたんだ。かれこれ2時間はフワライドと共に風に揺られていたんだぜ?腕は相当疲れるし凍土ほどではないにしても寒いものは寒いのだ。水場が近い岩で火を起こし暖を取っていたら、そこがたまたまオヤブンのナワバリだったらしく今こうして激怒されている。

 

 

「くぅ!!『カミナギのふえ』返すんじゃなかった!!こういう時ウォーグルがいてくれれば……!!」

 

 

『カミナギのふえ』で唱えるある旋律はライドポケモンと呼ばれるポケモンの心に刻まれ、認めた相手に力を貸す。それは先程ハマレンゲ様に返したとは言え、今こういう状況になると惜しいと感じる。

 

 

「わりぃ、ちょっとビビってもらうぜ!?ゾロアーク、『バークアウト』!!」

 

 

全力で逃げながらその場にゾロアークを呼び出し、ギャロップの足元へ向けてあくタイプの技を放つ。巻き上がる土煙と衝撃に驚いたのか最大級の警戒でこちらを睨みつけてくる。いや、ホントごめんって。

 

 

「はぁっ……はぁっ……あっぶねぇ、久々に命の危機を感じた……」

 

 

黒曜の原野の中でもここ、蹄鉄ヶ原はまだ比較的安全だったはずだ。ビッパとかムックル、ケムッソばかりで、気象の荒いポケモンはコリンクがほとんどだと聞いていたんだが!?戦場方面でもないのにあんなギャロップがいるとは流石に予想外だったぜ。

 

 

「やっぱ、こないだのカミナリが原因か?あれ以降、キングやクイーン達が急に発光し荒ぶり始めたあの事件でオヤブン級も殺気立ってるというか……」

 

 

キクイやユウガオさんもそっち関連で忙しいみたいだし。とりあえずそろそろポケモン達を休ませたい。野宿には慣れているとはいえ、流石にオヤブンがいる近くでは気も休まらないだろう。幸いこの近くにはオレンの実やオボンの実がなる木が多い。食糧には困らないため寝床さえ確保できれば安全なはずだ。夕方が近いし、そろそろ寝床が欲しい。

 

はぁ、勢いでシンジュ団の集落を出てきたから自宅の整理も荷造りもできていない。地図くらいは持ってくるべきだった。こういう時にスマホがあれば…………アレ?すまほってなんだ?……チッ、また知らない単語か。本当にやめてほしい。無くなった記憶からたまに抽出されて出てくる変な単語の意味がわからないものが多い。地図が見たいと思った時にこの単語が出たってことは、それに類するモノって事だとは思うがな。

 

 

「やっば、暗くなって来やがった。ここら辺の夜はフワンテ達が出てくる……すまんお前ら、俺の周り頼むわ」

 

 

俺は4個のボールを放り投げる。中から出て来たのは順にゾロアーク、フワライド、ムウマージ、イダイトウだ。この4体はヒスイ地方に来てから捕獲した4体で、本当はもう1体……俺が記憶を無くす前から持ってたボールがあるのだが、そのボールだけ金属製なのだ。もちろん中のポケモンとは顔合わせをしているし、覚えていないことを悲しまれたがそれでも一緒に居てくれるらしい。昔の俺は本当にいい相棒に巡り会えたようだ。

 

コイツらがいれば大抵のポケモンは襲ってこない。本能的にヤバさがわかるんだろうよ。ここに来てから学んだことの一つ、ポケモンとは俺の無意識で感じていたよりも恐ろしい生き物だ。まあ人間もポケモン達もお互いに精一杯生きてるんだ。この広いヒスイの地で生きる者同士、仲良くやっていくに越したことはないんだがねぇ。

 

 

「よし、ここらでいいか。ゾロアーク、あの木材に『かえんほうしゃ』。あー……『ひのこ』くらいでな」

 

「グルゥ!?」

 

 

流石に無茶な注文だったのか、火力調整をめっちゃ頑張ろうとしてるのが分かるゾロアークを横目にムウマージが『マジカルフレイム』で火をつけてくれた。

 

 

「おう、ありがとな」

 

「ムゥ♪」

 

 

スリスリと体を擦り付けてくるムウマージ。どうやら褒めて欲しかったようだ。まったく、可愛い奴め。

 

 

「さて……やっべ、眠くなって来た……寝るか……お前らボールに戻っていいz……zzZ」

 

 

どうやら俺、結構疲れてたらしいわ。

 

 

 

 

 

「…………あれ、こんな所に人……?博士に報告した方がいいのかな……?」

【邪神による不思議な力シリーズ】ベースや戦場、集落へのマップ移動はあり?

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