カイが可愛いすぎたのでオリ主といい感じにさせたい話 作:ゼノアplus+
雑で、すいません!!間に合いそうになかったんですぅ!!
9話
「グレイシア、『こごえるかぜ』!!」
「かき消せゾロアーク『シャドークロー』」
「うそっ!?」
「『早業』で『わるだくみ』から『バークアウト』」
「グルォア!!」
「フゥ……ッッ!?」
「グレイシア!!」
決着。ショウの実力に魅せられたのか、カイとグレイシアが強くなりたいと言ってきた。いかんせん俺のポケモン達は戦うための修行を積んでいるためそれ相応に強い。出来るだけ手加減をしているが、それでは修行にはならないため絶妙に難しい。
「ポケモンの力は強大だ。野生の個体が思うがままに力を振るえば天が割れ大地を揺るがす……俺達はそんなポケモン達がさらに上手く戦えるように指示を出さなくてはいけないんだ」
「うん」
俺はグレイシアの治療をしながらカイに言葉をつづける。
「じゃあなんでそんな強いポケモン達が俺達人間の言うことを素直に聞いてくれると思う?」
「仲良しだから?」
「まあ大雑把に言えばそうだな。正確には信じてくれているからだ。ポケモンは自分だけでも戦える。それでも俺たちの言うことを聞いてくれるのはコイツらが俺たちのことを信じて委ねてくれるからなんだ。だから、俺たちもコイツらを信じる。そして俺たちの指示を聞いてポケモン達が動くっていうことが成り立つ」
頑張ってくれたゾロアークを撫でながら俺はさらに言った。カイは真剣に聞いており、信じる、と言う言葉が出てからはグレイシアを見つめている。
「まあ、俺たちは小さい頃から接してきたから大丈夫だけどな。そこら辺履き違える奴が偶にいるんだよなー…………あ?」
偶に?誰のことだ?俺の知らない記憶か?でもそしたら俺は随分前からポケモンでの勝負をしていたことになる。てことはこの金属製のボールはいつから持ってんだ……?
「それだけできてりゃ後は簡単だ。ポケモンがどんな技を覚えてて、どういう闘い方を好むのか、それらを把握する。そんで最後は実践あるのみだな」
「なるほど……ちなみに、ゾロアークはどういう感じなの?」
「まず、使える技は『わるだくみ』、『シャドークロー』、『バークアウト』、『かえんほうしゃ』の四つだな。性格的に、相手の意表を突くっていうのを重視してるな。さっきグレイシアにもやったが、『こごえるかぜ』を『シャドークロー』で打ち消した時、びっくりしただろ?そんなことできるの!?みたいな」
「あー……確かに思った。まさかそんなこと……ってね」
「そうだ、今はこんなふうに丸くなったがゾロアだった時はこれでも悪戯好きだったからな。そういうところが出てるよ」
俺の説明にゾロアークは照れている。まあやんちゃしてた時代とか話されると流石に恥ずかしいよな。
「とりあえずの方針は、カイがグレイシアの好みの闘い方を知るってところだ。猪突猛進が好きなポケモン、どっしり構えて強い一撃で決めたいポケモン、遠くから攻撃したいポケモン、色んな奴らがいるからな」
「うん!!今日もありがとうクシ。頑張ってみる!!」
「おう、その意気だぜ。じゃあ俺は仕事してくるよ」
「あ、うん。いつもありがとね。コンゴウ団との橋渡し」
「慣れたもんだから気になんねぇよ。それが俺の仕事だからな」
俺が何故団長補佐なんて地位についているか、もちろんカイの補佐のためってのが9割。残り1割はシンジュ団代表としてコンゴウ団との和解の橋渡しをすることだ。橋渡しなんて大袈裟に言っているが、コンゴウ団との近況報告会みたいなもんだ。それもわざわざ集まって会議するようなものではなくあっちの集落で適当に談笑して帰ってくるだけの楽しい仕事だ。言ってしまえば楽できて万々歳なのである。
「そうだこれ、ハマ先生から預かり物だよ。もう!!カミナギの笛をぞんざいに扱わないの」
「おっ、忘れてたわ。ワサビがいない時じゃねぇとウォーグルも来てくれないからほぼ使う時ねぇんだよ」
「いいから持っておくの!!」
「りょーかい」
布製のケースに包まれたカミナギの笛は確かに俺のものであると確認できた。
「行ってらっしゃいクシ」
「ああ、行ってくるよカイ」
そして旋律を奏でる。…………あっ、久しぶりウォーグル。凍土の境目でいいから乗せてくんね?
え、ワサビ来てんの?そっかぁ……
◆
「ありがとなフワライド」
「ぷわっ」
フワンテの時から変わらない声音で返事をしてくれたのでそのままボールに戻す。にしても空気が澱んでる感じがするわ……さすがは紅蓮の湿地。
「うっし、行くか」
遠目に、ギンガ団のベースキャンプが見えなくもないがまあ気のせいだろう。ドレディアまで荒ぶっているとは聞いてねぇし(フラグ)、もしショウが来てたとしても面倒なことには巻き込まれないだろうよ。(フラグ)
「クシかお前!?うっわぁ久しぶりだなぁ!!」
「え?……ああ!!マミヤさんおひさっす!!なんか老けましたね!?」
「うるせぇよ。で、こんなところで何してんだ?集落寄ってけよ。お前が来たんなら今日は宴会だぜ?」
「元々行くつもりでしたよ。最近のゴタゴタで開けてなかったアレっすよ」
「ああーあれか〜」
俺の背後から声をかけてきたのは、コンゴウ団集落に住んでる一般男性マミヤさんだ。気さくで面白い人だ。
「マミヤさんこそなんでこんなところに?」
「いやー、この間バサギリが鎮められただろ?リーダーやヨネから聞いて、ギンガ団がどんなのなのか面白そうでな……って冗談に決まってるだろ?周辺警備だよ。昨日大丈夫でも今日大丈夫な保証なんてないからさ」
「お疲れ様っす。セキ殿は集落にいます?」
「居たはずだよ。俺は朝から出払ってたし今はわからないけどな」
「うっす。じゃあ後で」
「おう!!今日は久しぶりに酒が飲めるかもな……」
「アンタそっちメインだろ」
少々……酒に目がないけども、ウン、イイヒトダヨ。
そんなこんなでちょこちょこコンゴウ団の人間と出会い、話をしつつ集落に向かっていく。いやあそれにしても久しぶりに見る人ばっかりだなぁ。
そして集落に到着した。
「クシにいちゃんだー!!」
「クシだー!!」
「かこめかこめー!!」
「おう、久しぶりだなぁガキンチョども。って痛い痛い……たくっ、でかくなったなお前ら」
ゴロゴロ坂を登り切ったら、3人組の子供達が群がってきた。前来た時はもっと小さかったんだけどなぁ……
「クシ、クシじゃないか!!」
「クシさーん、久しぶり〜!!」
「おーい、クシが久しぶりに来たぞー!!」
「ちょちょ、そんなに呼ばなくていいですって」
流石にこうも名前を連呼されると恥ずかしいものがある。集落中央付近の石柱まで行ったら多くの家から見える位置なので速攻気づかれたのだ。
わいのわいのクシだクシだと俺目当てで家から人たちが出てきた。
「おう、生きてたかクシ!!」
「セキ殿……お久しぶりです。この間はコトブキムラに居たんですけど挨拶出来ず申し訳ありませんでした」
「そんなの気にすんなって。あん時はほら……カイ、ヤバかっただろ?」
「ええ、まあ……」
カイとセキ殿がデンボク殿と話をした日のことだ。やけに怖い笑顔だったと思ってたが、どうやらセキ殿も若干ビビっていたらしい。
「だからいいってことよ。まっ、詳しい話は中でしようや。お前ら!!ちょっとクシを借りてくがいいか!!」
リーダーがそう言うなら、と仕方ないと言わんばかりにみんな家の中に戻っていった。ここに来ると歓迎してもらえるからマジで嬉しい。シンジュ団の先代派のジジババ共とは大違いだ。
俺は肩を組まれながらセキ殿と家に入った。相変わらずハイカラな感じの部屋だな。
「まあ座ってくれやクシ。色々積もる話はあるだろうけどとりあえず仕事するか。あっ、いつも通りに喋れよ?」
「……はぁ、じゃあそうしますよリーダー」
古くさい感じを嫌うセキ殿改めリーダーは長と呼ばれるのを嫌う。カイの補佐として初めて会った時にも「堅いんだよ、もう楽に行こうぜ」って言われたものだ。
「で、早速だけどよ……ギンガ団についてどう思う?」
「ラベン博士やショウを例外としたら、全体的にポケモンっていう異物への忌避感が強すぎる傾向があると思いますね。恐らく、デンボク殿の影響でしょうよ」
「やっぱそうだよな。学者先生は仕事柄ってのがわかるけどよ、それにしたってポケモンへの考え方が古くせぇ。ショウは今まで過ごしてきた時空の裂け目の向こうがそういう環境だったってことだよなぁ?」
「ええ、恐らくですが俺やノボリさんと同じような時代からでしょうね」
「ってことはやっぱシンオウ様は時間を司るってことか。違う時代からやってくるなんてシンオウ様ぐらいじゃないと出来ねぇだろうしな」
一理ある。ちなみにだが、俺はほとんどの記憶がないが金属製のボールを見てヒスイ地方よりももっと発展した場所にいたという事は覚えている。
「デンボクの旦那の考え方としては、コンゴウ団とシンジュ団が争うことになったら手を出さないとのことだ」
「まあ、それが妥当でしょうね。これから根差す土地にへたに介入したくはないでしょう。ショウが居なければコトブキムラにポケモンが入ることはなかったですし。リーダーも見ましたよね?」
「ああ、放牧場に限らずムラの連中が普通にポケモンを連れていたのは見たぜ。皮肉だよなぁ」
全くもってその通りだ。異邦人であるショウの力でムラでポケモンとの共生が出来ているなんて、皮肉以外の何物でもない。
「シンジュ団の方はどうだ?」
「ご存知の通りバサギリはショウのおかげで鎮めることが出来ました。クレベースは荒ぶってこそいるものの今のところ特に被害はないそうです。ウインディが不在なのが不幸中の幸いでしたね、不謹慎ですけども」
「そりゃそうだ。事実だからしかたねぇさ。ウチはマルマインが荒ぶっちまってな……ツバキが面倒を見てるが正直期待できねぇ。荒ぶっていることを強くなった、シンオウ様の加護だと言い張ってよう。俺の話じゃ効果はねぇし手を焼いてんだ」
「あー……」
容易に想像ができる。どうしてキングの世話をする男衆はイロモノが多いのだろうか。
「俺が無理やり乗り込んでボコボコにするっていうのでいいんでしたら、出来ますけど」
「俺もその方が手っ取り早いと思うんだけどよ……な?」
「ですよねぇ……」
男2人、揃ってため息をつく。効率だけじゃ何も解決できないのが今の俺達の現状……ため息もつきたくなる。
「そういやヒナツはいます?髪結してほしいらしくて後で会いに行こうと思ってたんですけど」
「ああ?そういや見てねぇな……ハイカラ好きだしもしかしたらコトブキムラに居たりしてな」
「えぇ……」
1番面倒じゃねえかソレ。にしても、ヒナツがキャプテンの仕事を放っておいてコトブキムラに行くとはねぇ……なにか事情がありそうだな。