カイが可愛いすぎたのでオリ主といい感じにさせたい話   作:ゼノアplus+

2 / 16
ギンガ団との出会い

2話

 

 

「キャア!?」

 

「なにごと!?」

 

 

幼い悲鳴が響き、目が覚めた。何事かと辺りを見回すといつのまにかゾロアークがボールから出ていて前方を睨みつけている。

 

 

「落ち着けゾロアーク」

 

「グルゥ……?」

 

 

俺が声をかけたことで少し落ち着いたのか、ゾロアークは俺の隣まで来た。まだ警戒は解いていないが……ゾロアークは『のろいぎつね』と呼ばれるほど人間への怨みを持ったポケモンだ。まあコイツに関しては俺がゾロアのころから育ててるからそこまでじゃないんだけどな。

 

 

「………あの、起こしちゃってすいません」

 

「いや、こちらもゾロアークが迷惑かけたな……ギンガ団の調査隊か?」

 

 

ゾロアークが退いてくれたことで見えるようになった前方には、他の地方からこのヒスイ地方に移住し発展して来たギンガ団、その団のシンボルマークをつけた服を着た女の子が腰を抜かしていた。見た目で判断すると……カイと同じか少し下くらいだな。

 

 

「は、はい!!と言っても、正式にギンガ団に入ったのは昨日からなんですけど……」

 

「へぇ……その年でフィールドワークとか余程才能を認められたんだな」

 

 

俺の言葉にえへへ、と年相応の笑みを浮かべ恥ずかしがっている少女を横目にゾロアークをボールに戻す。この年で危険なフィールドにでて調査……しかも1人だ。よっぽど嫌われてるのか、それとも才が溢れているのかどちらかと思ったが反応を確かめる感じどうやら後者の方で安心した。

 

 

「お兄さんもボール使うんですね!!てことはギンガ団?でも服にマークはないですし……?」

 

「いや、このボールはイチョウ商会から買ったんだよ。別に無くてもコイツらとは仲いいんだけど、移動に便利だからな」

 

「イチョウ商会……あ、ウォロさんの所ですね!!」

 

 

この子、ウォロのこと知ってんのね。まあボールはギンガ団の発明だしそりゃ関わりくらいはあるか。にしても、確かにウォロがちょっかいかけそうな感じの子だわ。

 

 

「でも皆さんあまりボールを使わない……っていうか使えない人が多くて結局私が大量に作ったり買ったりしてるんですよね。ポケモン可愛いのに皆さん怖がってばかりだし」

 

「お嬢ちゃん、ポケモンのこと怖くねぇのか?」

 

「怖いポケモンも居ますけど、それ以上にポケモンと接するのは楽しいです!!お兄さんは違うんですか?たくさんボール持ってますけど」

 

「いや、俺も楽しいな。元いた場所だとそういうのが普通だったらしい」

 

「えっ」

 

 

急に嬢ちゃんの目の色が変わった。ていうか俺らまだ自己紹介もしてないな。

 

 

「どこから来たんですか?」

 

「わからねぇ。生憎記憶喪失でな、元々どこに住んでたのか、どこからヒスイにやって来たのかも分からん。同じような境遇の人がもう1人いるからまだマシだがな」

 

「……私も、なんです」

 

「あん?」

 

「ギンガ団にラベン博士という人が居るんですけど、その人が言うには『時空の裂け目』から落ちて来たって……おかしいと思いませんか!?あんな高さから落ちたら普通死んじゃいますよ!!でも、目が覚めたら目の前にポケモン達とラベン博士がいるし、どこなのかもわからないし……」

 

「……あの高さからは、流石に無理があるだろ」

 

 

時空の裂け目、最近天冠の山麓という場所の1番高い所で起きた謎の現象。何故発生したのかなど全てが不明だが名前の通り空に裂け目のようなものが出来たからそう呼ばれている。ちなみにここからでも見えるくらいには裂け目は大きくそして不安感を煽るような恐ろしさがある。

 

「それで、ラベン博士にポケモンを捕獲する才能があるって言われて試験をクリアして、今日からポケモン図鑑を完成させるためにタスクをこなしに来たんです」

 

「ポケモン図鑑……ッ、聞き覚えがある?いや、今はいい。それは災難だったな嬢ちゃん。まあこうやって広い空の下、同じような境遇の人間に出逢えただけでも幸運だったと思おうや」

 

「そうですね!!」

 

 

うんうんと頷く嬢ちゃんに俺は若いなぁと思いながらも、世界は意外と狭いと感じた。しかし、時空の裂け目から現れたのを見られているということはギンガ団に知られていると見て間違いないだろう。俺の場合は、行き倒れていた所を拾ったとカイやハマレンゲ様が説明してくれたから事なきを得たが、『裂け目から落ちて来た人間』ということでなにか言われたりしなかったのか?

 

 

「そういえばお兄さん、どうしてこんな所に?強そうなポケモン連れてるから大丈夫だと思いますけど……外は危ないですよ?」

 

「あー……痛い所突かれちまったなぁ。まあ色々あって少しの間宿無しなんだ。野宿は慣れてるし問題はないんだけどな」

 

「へーそうなんでs……ってお兄さん後ろ!!」

 

「うん?……ッ!!オヤブンギャロップ、なんでナワバリの外に出てやがんだよ!?」

 

 

嬢ちゃんの声に振り返ると、昨日はよくもやってくれたなと言わんばかりにこちらに向けて突進して来たギャロップがいた。

 

 

「えっ、大きすぎませんか!?」

 

「オヤブンっていう特殊個体だ、離れてろ嬢ちゃん!流石に戦うしかねえか……イダイトウ!!『ウェーブタックル』」

 

 

即座にボールからイダイトウを呼び出し『ウェーブタックル』を指示。水を纏ったイダイドウの突撃がギャロップにヒットし体格さを物ともせずギャロップの進行を食い止めた。

 

 

「今ので結構持っていかれたな、流石はオヤブンか……」

 

 

『ウェーブタックル』は威力の高い技である分、使った後自らにダメージが入ってしまう。おそらくギャロップは『ワイルドボルト』を使っていたのだろう、お互いに抜群技を打ち合ったせいでお互いかなりのダメージが入ったようだ。

 

 

「畳み掛けろイダイトウ『早業』で『しねんのずつき』だ」

 

 

『早業』、成長したポケモンが習得できる奥義のようなもので『早業』の場合はいつもよりも俊敏な動作で技を放つがその分威力が落ちる。反対に『力業』というのもありこちらはどっしりと構えてから威力の高い技を放てる分動作が遅くなる。今回の場合はギャロップに抵抗の隙を与えないための『早業』だ。

 

起きあがろうとしたギャロップが『しねんのずつき』によってまた体勢を崩された。そのまま少し様子を見ていると、観念したかのようにナワバリの方へ走っていった……本当に何がしたかったんだあいつ。

 

 

「ふぅ……ありがとなイダイトウ。『きずぐすり』塗ってやるから少し大人しくしておいてくれよ?」

 

「強いんですねお兄さん……!!」

 

「ん?ああ、まあな。ここ最近は誰にも負けたことがないくらいには強いつもりだ。まあ流石にどうしても無理な相手はいるがな」

 

 

イダイドウの手当てをしながら嬢ちゃんに答える。なんか、こんな目に遭っても逆にテンションが上がってるくらいには精神力が強いってこともわかったな。

 

 

「あの、少しお願いがあるんですけど……」

 

「言ってみろ」

 

「今日一日、私の事見ててもらえないでしょうか!!」

 

「……どういう事だ?」

 

「図鑑タスクを埋めるのに、今の子達じゃちょっと不安で……お兄さんについて来てもらえれば百人力です!!」

 

 

そう言って嬢ちゃんは自分のボールを並べた。聞く所によると、ヒノアラシ、ビッパ、ムックル、コリンクがいるらしい。タイプのバランスは良いし、これから育てれば十分な戦力になると思うが……てかあれ?ヒノアラシってヒスイに居たか?なんで知ってるんだ?って、まあいつものやつだよな。

 

 

「俺のメリットは?」

 

「え?」

 

「嬢ちゃんの手伝いをする事で俺にどんな得があるんだ?厳しい言い方をするが、対価無しで何かをしてもらえるとは思わない方がいい。俺も昔はそれで苦労したからな。それで、聞こうじゃないか」

 

「そ、それは……うーん……」

 

 

悩んでいる様子だ。でもな嬢ちゃん、このヒスイ地方で暮らす人間はみんな生きるのに必死だからな。今のうちに覚えとけよ。

 

 

「あっ、コトブキムラに入れてもらえるように頼んでみます!!原野ベースには博士もいるし、お兄さんの強さを見たら絶対許してくれますよ」

 

「コトブキムラ……ギンガ団のムラか……」

 

 

悪くはない提案だ。いくら野宿が出来ると言っても、文明的な生活がしたくないかと言われればそれは別問題。しかし俺のような流れ者を受け入れてくれるだろうか……あっ、裂け目から落ちて来た人間を受け入れたのなら俺でもいけるわ。幸いシンジュ団の服着てるし身分的には何にも怪しい要素無かったわ。

 

 

「良いだろう。まあ断られたら仕方ねぇ、だが俺はほとんど手をださねぇからな?自分の仕事だ。しっかり励めよ」

 

「もちろんです」

 

「ああそうだ、自己紹介がまだだったな。俺の名前はクシだ。記憶喪失なだけの普通の人間だよ」

 

「私はショウです。ギンガ団の調査隊員です!!まだゼロボシですけどね」

 

 

そして流れるように握手。年相応の柔らかさだ。

 

 

「で、何するんだ?」

 

「えっと……とりあえずビッパとムックルとコリンクとケムッソを6匹ずつ捕獲します」

 

「え?」

 

「それが終わり次第今のポケモン達を何度も倒して」

 

「ええ??」

 

「出来れば進化もさせたいですね。タスクにあるんで」

 

「えぇ……?」

 

「この辺り、他にポケモンってどんな子が居るか知ってますかクシさん」

 

「……今ギャロップが走って行った方向にポニータが、そういやたまにイーブイも居たっけか?そのもっと奥の方にマネネが居たはずだ」

 

「おお!!じゃあその子達も捕まえて倒さないとですね!!」

 

「えっと、ひとつ聞きたいんだが」

 

「はい、なんでしょう?」

 

「そのタスクっていうの考えたの、ラベン博士って人か?」

 

「そうですよ?いやぁ、やることが多くて腕がなりますね!!」

 

「」

 

 

 

拝啓、カイ。ギンガ団との交流……考え直した方がいいかもしれん。確実にヤベェ奴がいる、しかも研究者でだ。研究者のヤベェ奴が博士とか言われてる。

 

この依頼、受けない方が良かったかも知れない……




もう少しストーリー進まないとカイの登場ないからタイトル詐欺ではないのかと恐怖でいっぱいの作者です

【邪神による不思議な力シリーズ】ベースや戦場、集落へのマップ移動はあり?

  • あり
  • なし
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。