カイが可愛いすぎたのでオリ主といい感じにさせたい話 作:ゼノアplus+
3話
…………死ぬほど疲れた。やぁ諸君、クシだ。現在は太陽の位置的に昼過ぎくらいなんだが、おおよそ半日も経ってねぇ移動量と作業量じゃないんだよ。
「博士の元に行きましょう!!まさかこんなにタスクが進むなんて思ってませんでした!!」
「……ああ、それは良かった」
目をキラキラさせながら喋っているのはギンガ団のショウ……トチ狂った様にポケモンを捕獲し、戦闘で倒し、調査をして来た。
やべぇよこの子。センスの塊とかそういうレベルじゃない。吸い込まれる様にポケモンに当たるボール、ポケモンの事を理解しきっているかの様な指示、更にはフィールドワークをする上で必須となる体力の多さ。その全てが精錬されているかの様だった。だというのにまだ入隊2日目だというのが信じられなくなってきた。
「オヤブンのカビゴンに気づかれた時は死ぬかと思いましたー」
「ああ、そうだな……」
出発する前に宣言していた通り大志坂にいるポケモンのタスクをこなしたショウはそれだけに止まらず蹄鉄ヶ原へと向かった。川沿いのブイゼルを始めその奥のケムッソやマネネ、ポニータ、更には運がいいのかいつもよりも沢山いたイーブイ達に出逢いまくった。ていうかそのポーチのどこにそんなにモンスターボールが入ってんだ。道中採取してたたまいしやオレンのみ、ぼんぐりのみ等全てがポーチへと収まっていたのも恐ろしい。ギンガ団の技術力は一体どこまでいくんだ?
「まさか今日1日でポケモン達が進化できると思いませんでしたし」
「アレはマジでビビったわ」
そのままマサゴ平原の方へ向かった俺たちはオヤブンカビゴンから全力で逃げながらもその奥地へ向かった。道中やけにルクシオやムクバードが多く敵対心を持たれ対処に苦労していたが、相性の良いポケモンを毎回選び的確に脅威を退けていた。その甲斐あってか彼女の手持ちは全員進化を果たした。マサゴ平原だけ異常にポケモン達の実力が高いのもあって経験値を得るには絶好の機会だったらしい。
「あ、クシさん。せっかくですしこのまま園生の開墾地まで行ってみませんか?花が多く咲いてるらしいので虫ポケモンが多いと思うんです」
「いや、止めとけ。さっきまでの戦闘で嬢ちゃんの手持ちも消耗してるだろ。そろそろ持ち物の量も怪しいしな」
「確かに……今日はちょっと無理させましたよね……」
全然無理なんかしてない様に見えたがな。きずぐすりで回復したポケモン達のやる気は異常の一言に尽きたし、思ってたよりすぐ『早業』と『力業』を習得していた。俺の知らない間にケーシィを捕獲しユンゲラーをルクシオの『かみつく』で一撃で倒していたのは記憶に新しい。
「それに、嬢ちゃんもこれだけ動けば疲れただろ?まだ慣れてないんだし、自分の気づかないうちに疲労ってのは溜まるってもんだ。それに、長い時間帰らないっていうのも心配させるだろ?」
「そうですね!!じゃあベースに戻って博士に報告することにします」
そんな異常な才能を持つショウだが、素直な性格をしていて俺のアドバイスにはしっかり耳を傾けてその全てを習得していた。特にエサとしてオレンのみなどを遠くから投げ、食べている隙を使うという事を教えてからの効率の上昇には目を見張るものがあった。今日の作業スピードの異常さはこれが原因でもある。
少なくとも、これ以上気の遠くなる様な光景を眺めなくてもいいというのは俺の精神衛生上大変ありがたい事だ。
「あっ、ピチュー!?ちょ、ちょっと待ってて下さいクシさん!!」
「…………おう」
あの近くにはオヤブンのルクシオが居るからあえて言わなかったんだが……そもそもピチューがあの場所にいるの自体珍しいし、ショウはどうやら運も良いらしい。まあそうでなけりゃ今こうやって調査なんかしてないな。あーあ、集落に戻りてぇ。
◆
「ポケモンを32匹捕まえたのですね。報告をお願いするのです」
「はい!!」
「えーと…………今回の手取りは……この様になってるのです」
「ありがとうございます」
え、こわ。ポケモンを捕獲して手取りで給料払ってるんだけどギンガ団。てか、ラベン博士ってどれだけサイk……個性あふれる人なのかと思ったら、服装以外はそうでもないな。
「調査が進んだ様ですね!!早速報告して下さい!!…………ふむふむ、なるほど!!得られた情報で図鑑を更新します!!」
俺は少し離れたところで、ギンガ団警備隊の男と話をしながら2人のやりとりを眺めている。警備隊の人はどうやらシンジュ団の人間と話したことがなかった様なのでどういう暮らしをしているのかを俺が話している感じだ。なかなか興味深く聞いてくれるので少し饒舌な俺だぜ。
「すごい成果です!!団員ランク昇格ですね!!シマボシ隊長に報告するのです!!これからどうするのですか?」
「ムラに戻ります。紹介したい人もいるので」
ショウの言い回しがとても違った意味に聞こえるのは気のせいだろうか、そんな疑問を持ちつつも呼ばれたのでショウの隣へと移動した。
「シンジュ団団長補佐のクシと申します。できればコトブキムラに宿を借りたいのですが……」
「なんと!?貴方があのクシさんですか!!」
「あの、とは?」
なにやらラベン博士は俺のことを知っているらしい。まあシンジュ団とコンゴウ団、どちらか一方でも関わりがあるならばいやでも俺の名前を聞くことになるしそういうことなのだろう。
「ポケモンの知識に富み、心を通わせ、その実力はヒスイで1番であるシンジュ団の若き天才であると、デンボク団長から聞いているのです!!一度お会いしたかったのです!!」
「な、なるほど……ギンガ団の団長殿もどうやら耳がいいらしいですね……」
カイだ。あの小娘、どうやら俺のことをやけに盛ってくれたらしいなァ?どうせセキ殿と言い合いになって調子に乗って俺のことを凄そうに言ったんだろうが……次会う時もどうやら説教がご希望らしい。
「ク、クシさんってそんなに凄い人だったんですか!?」
「そんなことねぇよ。その話結構誇張されてっからな」
「でも、今考えれば確かにやけにボールのポケモン強かったですし、ポケモンの生息地とか知ってましたよね。イーブイの好きなエサの種類とか」
「うんちょっと一回黙ってようか嬢ちゃん」
「とにかく、クシさんならデンボク団長に言えばすぐコトブキムラに出入りできる様になるのです。では一緒にコトブキムラに戻りましょう
大丈夫です、警備隊も一緒ですよ。噂に聞くクシさんの実力、見る機会があるかも知れないのです」
本当に頼むからそんな機会来ないでほしい。
黒曜の原野とコトブキムラは意外と距離が近かったらしく、それほど時間をとることなくたどり着いた。ラベン博士からムラの門番に話を通してもらい入ることができた。……入るの簡単やないかい。
「へぇ……しっかりした家の作りだな。瓦の屋根にレンガ造りの本部……なるほどな」
定住する気満々だな。ぱっと見だがこの村の人数に対していささか畑が小さい様に感じる。まあ土地の都合はどの場所でも悩ましいということだな。
「ここがギンガ団本部ですよ。ではショウさんはシマボシ隊長へ報告をお願いするのです。ボクはクシさんをデンボク団長の元へ連れて行きます」
「分かりました!!じゃあクシさん、また後で」
「おう、シンジュ団団長補佐からの依頼を達成したんだ。しっかり誇れよ」
ドアを開けると、何故か開きっぱなしの正面の部屋が見える。中には気難しそうな女性が書類仕事をしておりショウがその中へと向かっている。なるほど、あの人が調査隊隊長のシマボシ殿か。覚えておこう。
「団長の部屋は3階にあります。こちらへどうぞ」
「ありがとうございます」
ラベン博士に案内され3階へ向かう。道中イチョウ商会の制服を着た者がいたので交流があるのは確実だろうと思われた。
「デンボク団長、シンジュ団よりお客様が来ているのです」
「うむう……?今日はそのような予定は入っていなかったはずだが」
「お初にお目にかかります。シンジュ団団長補佐、クシと申します。突然の訪問、誠に申し訳なく思っております」
しっかりと腰を折りあいさつをする。団長補佐という地位についている以上、俺の態度はシンジュ団全体の態度と取られかねない。シンジュ団、コンゴウ団、ギンガ団、この3つの組織が対等な関係であるために舐められてはいけないのだ。そして何より、カイの恥にだけはなりたくない。
「ほう、貴殿があのクシ殿か……カイから聞いている。相当の手練れであるとな」
「滅相もない。多少勝負の腕に自信はありますがまだまだ若輩の身、シンジュ団のためまだまだ精進する所存です」
「うむう、良き志だ。して、本日は何用だ?」
デンボク殿は同じヒスイの地に住む者として、対等な立場でありたいという志のもとシンジュ団、コンゴウ団の長であるカイとセキ殿の事を呼び捨てにする事を求め2人は了承した。それゆえカイの事を呼び捨てにしているのである。
「身内の恥を晒す様で忍びないのですが、長と今後の方針で多少揉めまして、お互い頭を冷やす時間を設けるために距離を置く事にしたのです。私は野宿の経験あるため黒曜の原野で休息を取っていたところ、ポケモンの調査に来たじょうちゃ……ショウ殿と出会いまして。私の依頼……コトブキムラに宿を取らせてもらえないか訪ねることに対して、彼女の護衛という報酬で行動を共にし今に至る次第であります」
「うむう……用件は分かった。団員の護衛、心より感謝する。宿に関しては、申し訳ないがコトブキムラには未だ客人を招く施設というものが完成しておらぬ。それゆえ満足いくもてなしは出来ないのだが……」
「ムラへの滞在を許していただけるだけでも恐れ入ります」
「そうか、それではラベン博士の宿舎に宿泊してはくれないだろうか?ムラの中でも信用のある人間の元ならば、ムラの者も特異な目で見ないだろう」
「こちらからお願いしたいくらいなのです。ぜひ、クシさんとはポケモンについて語りたいですから」
「寝具については後で持って来させるとしよう。束の間の休息ではあるがコトブキムラでゆっくりしていってくれ。今日はイモヅル亭で食事を取るといいだろう」
「ご配慮痛み入ります。ラベン博士、よろしくお願いします」
…………俺、解剖とかされないよな。
◆
夕方、デンボク殿との話を終えラベン博士と共にイモヅル亭へとやってきた俺は、さっきまで行動を共にしていたショウともう1人の調査隊らしき青年と合流した。
「おお、貴方がクシさんですか!!すっげー本物だ!!あ、俺テルって言います。調査隊です」
「おう、クシだ。少しの間このムラで厄介になる。よろしくな」
「クシさんクシさん、どうですこれ!!ヒトツボシになりましたよ!!」
「おーすげぇな。この調子で頑張れよ」
正直ギンガ団のランク制度をよく知らないから凄さが分からん。でも喜んでいるので敢えて場を凍らす様な言葉を言うつもりもない。
「そうですね、今日はショウくんの昇格祝いです。ムベさん、イモモチ4人前プリーズです!!」
その後、俺たちは自己紹介やシンジュ団、コンゴウ団の解説をし食事を終えた。てかイモモチめっちゃ美味いな。何勝手に注文してんだよとか思ったけど、これは選ぶ必要のないくらい美味かった。ぶっちゃけ毎日これでもいい。
ラベンの暮らす宿舎に入ると、研究のための書物でいっぱい……かと思いきや、意外と整えられていてむしろお洒落な部屋だといえる。ラベン博士によると、
「研究は研究室でやるのです」
とのこと。なるほど、公私をしっかり分ける人なのか。ラベン博士への好感度が上がった。
「ではクシさん、シンジュ団集落付近に出現するポケモンについて教えてほしいのです」
うん、5秒で矛盾しないでほしい。え?ただの趣味だから問題ない?ははっ、そっか。
ラベン博士への好感度が下がった。
こんなふうに書いてるけど絶対ラベン博士研究室で寝てるよなって話
【邪神による不思議な力シリーズ】ベースや戦場、集落へのマップ移動はあり?
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あり
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なし