カイが可愛いすぎたのでオリ主といい感じにさせたい話 作:ゼノアplus+
7話
俺さ、巨木の戦場に来たらバサギリの前でキクイを巨木にくくりつけようと思ってたんだ。でもさ、やめとく。なんか可哀想になって来た。オヤブンストライクの『はかいこうせん』とかイメージだけで恐ろしい。でもそれ、キクイは真横通ってたんだよな。ははっ、俺だったら卒倒してるわ。ポケモン達はゴーストタイプだから効かねぇけどよ。
「な、なんたる……負けたけれど、忠告の続き!!今は会ってはいけないね。バサギリは本当に危ない近づくとガンガン殴りかかって来てね」
おお、えらいなキクイ。あれだけ恐ろしいことをされたのにキャプテンとして理性的に話をしてやがる……あ、ちげぇ、アイツショウにビビって生まれたてのオドシシみてぇに足が震えてるだけだ。絶対心臓バックバクの冷や汗ダラダラだぞ。
「……そろそろ行ってやらね?流石にキクイに同情して来たんだけど」
「うん……行こっか……」
ぶっちゃけ俺らはドン引きしている。明らかに実力差があるのに初手『はかいこうせん』なんか決めやがったショウに対してだ。昨日まではああ、コイツポケモンのこと好きなんだな。ってほんわかしながら活動に付き合っていたが、まさか真剣勝負になった途端ここまでやってくるとは思ってなかった。
物陰から様子を窺っていた俺たちはゆっくり歩いて2人に近づく。
「でも任務ですから。普段はどうしてたんですか?」
「……いつもならお供物……2つの好物をバサギリにあげれば嬉しそうに食べて落ち着くのにさ。キャプテンのオレですら好物をあげたくても暴れ回る。バサギリに近づけないからね。余所者のキミには無理な話だね」
「バサギリやアヤシシの先祖はシンオウ様より力を授かりポケモンや人を守ったとされている。私たちシンジュ団も恩恵を受けヒスイで生きているからね!!」
「そういうこった。無理とは言わんが、流石に命がいくつあっても足りやしねぇよ嬢ちゃん」
「あ、クシさん!!」
俺だけかよ。カイにも反応してやれ。
「カイさん……それに、うげっ……クシじゃないか」
「うげとはなんだテメェおいコラクソガキ。後で覚えてろよ」
前言撤回だ。コイツには容赦なく制裁を下そう。ウン、団長補佐としての権力を存分に濫用してやる。え?ショウに権力はないって説明してた?……大人はずるいくらいが丁度いいんだよ。
「バサギリが強くなった、というかあれでは厄介者だよ……雷を浴びせたとしたら偽りのシンオウ様ではないのか?コンゴウ団が崇める偽りの!!」
「おい、その考え方はやめとけっていつも言っているだろう。先代の醜さを受け継ぐつもりか?」
「だけど!!」
「今重要なのはバサギリの状態であって、原因は後でもいいだろう?そもそも、それを調査するためのこの嬢ちゃんに任せたんだ」
「一理ある……でも、バサギリは私たちシンジュ団がお世話するキング、余所者……じゃなくてギンガ団に任せるのではなく私達でなんとかしたい……!!」
「あの、クシさん。これ私いらなさそうなんで帰っていいですか?クシさん居ればなんとかなりそうですし、私他のポケモンの調査を……「んん?」……ダメですよねそうですよねはいお仕事ですもんね!!いやぁバサギリを助けてあげたいです!!」
齢15にして労働の残酷さを知ったなショウ。その思いを胸に秘めて働け。馬車馬の如く。
「……おい、空から落ちて来たヤツ。ギンガ団であればなんとな出来るのかね」
「ショウです!!その呼び方やめてください!!……まあ、なんとかします。お仕事ですから」
「…………分かった。バサギリの好物は私たちで用意する。お前は広いヒスイを駆け回ってもなんとか解決法を見つけてほしい!!」
「分かりました!!よろしくお願いします皆さん!!」
え、ちょっと待ってカイさん?俺バサギリの好物とか一切知らないんだけど。俺もやんの???
ショウが帰って行った。
「……あの、俺の仕事は?」
「そっか、クシはバサギリの好物知らなかったね。ムウマージとフワライドを借りてもいい?素材集めを手伝って欲しいんだけど……」
「分かった。ムウマージ、フワライド。少し頼んだ」
ボールから2体を呼び出しカイにはムウマージを、キクイにはフワライドを預けた。
「じゃあ長、少し探しててくれ。俺は少しキクイと話があるからな」
「え、なに私には言えないの?やっぱり長にふさわしくないとかそういう……」
「な訳ないだろう?男同士積もる話もあるってもんだ。そうだよなァ、キクイ君?」
「…………ああ、そうだね。カイさん、ちょっと外すね」
「変な2人……?」
俺はキクイの肩に腕を回しながら戦場の巨木の隅に連れて行った。
「……ヨネさんに余計なこと言ったそうじゃないか?えぇ?誰が話を誤魔化すときは長関連だってぇ?」
「それは事実じゃないかね!?だってクシはカイさんの事は無限に喋れるのにこっちから聞いたら露骨に話をそr「その口縫い合わせて二度とバサギリと話できなくさせてやろうか」それは理不尽すぎなんだよね!?」
「まあとにかく、あまりコンゴウ団にそういう話を広めるな。一応ウチの長は気の強いのが売りなんだからよ」
「売りって言ってる時点でダメだと思うがね……」
「ギンガ団の持ってるカメラを借りて来ていつでもバサギリが見られるように写真を撮ってもらおうかなーとか思ったりするんだけど」
「人の噂を勝手に流すのは良くないね」
「手のひら『つのドリル』かお前は」
とまあこんな風に平和?に解決することが俺の常套手段である。え、賄賂?ははっ、なんのことかわからんなぁ?
まあそれでも聞かないやつがいる場合はゾロアークが睨みを効かせて一撃必殺命中率100%ってね。
「それじゃあ長のところに戻るとしよう」
「2人きりの時は名前を呼び捨てであることはシンジュ団全員の周知の事実なんだがね……」
「なんか言ったかクソガキ?」
「先に惚れた方の負けとはよく言ったものだと思ってね」
「ほう?喧嘩か、ポケモン出そうや」
「ハマレンゲさんの真似をしないでくれるかね!?先程ヌメラがやられたのは見ていたはずだから知っているはずだがね!?」
ああ、今更だけど言っておこうか。俺ら仲良いからな?ちょっと会話で使う言葉が強いだけだぞ。俺だけだが……
◆
2時間もしない内にショウが巨木の戦場へと戻ってきた。早くても1日はかかると思っていたが、どうやらラベン博士の力を借りたらしい。なるほど、研究者の意見というのは凄まじいな。
「なに?バサギリの好物を投げつけやすいよう加工する!?なんて着想!!ギンガ団が持ち込んだ科学の力ってすげー!!」
「科学……なんでしょうか?」
うん?なんか聞いたことあるような無いような……いや、今はいいか。こう知ってる記憶がグッと引き上げられる感覚は嫌なんだよな。変なことで起こらないでほしい。
「バサギリに好物を食べてもらえるならオレも手伝う!!さあ作るとするかね」
「こら!!キクイ、私を待て。クシもキクイをちゃんと止めて」
「へいへい……」
俺とキクイがショウと話していたところに、俺のムウマージを連れたカイが現れた。
「約束通りバサギリの好物、『ころころマメ』を持って来たよ。あ、クシ、ムウマージありがとう。お疲れ様」
「ムゥ」
「お疲れ様ムウマージ、後で一緒に飯食おうな」
俺のムウマージはカイにもよく懐いているためこういう事には快く力を貸してくれる。俺へのグレイシアの態度と似てるってことだ。話を遮らないよう少し後ろでムウマージをボールに戻した。
「だが本当は、クシに任せるべきじゃないかと思う時もあるんだ。ギンガ団と私達では風習も考え方も異なるから」
「その件については今朝納得しただろう?第一、シンジュ団の考え方と俺の考え方は違うぞ?」
「……分かっている。そこでだ、貴女を試させて!!」
「へ?」
おいおい、グレイシアにやらせるのかよ。さっきのキクイの悲劇を目の当たりにしたくせに……
「クシも貴女を認めてる、さっきキクイを倒したのも見た。それでも、私自身が試さないと納得ができない!!私とグレイシアに勝てたならバサギリのこと任せるから!!」
「……キクイ、『げんきのかけら』はあるか?」
「あるね。クシ、その言い振りからして『きずぐすり』は持っているね?」
「ああ、こうなった長は頑固だからな」
俺とキクイは小声でやりとりをし、2人が勝負できるスペースを空けて下がる。
「分かりました!!じゃあマグマラシ、お願い!!」
グレイシアって言った瞬間、迷わずマグマラシを選んだなショウ。
「『かえんぐるま』!!」
「グレイシアッ!?」
一撃である。そりゃそうだ、数々の戦闘をこなして来たショウとその手持ち。多少戦闘の心得があると言っても俺が、自衛が出来る程度にしか教えていないグレイシア。前提が違うのだ。
「これでいいですか?」
ショウの目は本気だ。一切の妥協なく目的達成を求める。普段ニコニコしていて雰囲気が柔らかいから勘違いするが図鑑タスクをこなす時、手持ちのポケモンとコミュニケーションをとる時、にこやかで相手を安心させるような笑顔の中に燃え上がる激情のようなものを秘めていると感じる。おそらく、ヒスイの地で暮らす不安を誤魔化すためにポケモンを求めているのだろうと思う。昔の俺がそうだったからだ。
「……うん、まあこうなると思った。ごめんグレイシア」
「フゥ……」
「グレイシアをこっちに預けてくれ。治療しておく。嬢ちゃんのマグマラシは大丈夫だな?」
「はい!!」
オーバーキルとも言えるほどマグマラシの技は強力だ。先程言った通り、グレイシアに自衛という意味での戦いは教えているので受け身はしっかり取ってから倒されたようでそれほどひどいダメージではない。効果抜群の技を受けたにしてはマシ……という感じだな。
俺がグレイシアの治療をしている間、ショウはカイとキクイにバサギリを鎮めるための方法を説明していた。もちろん俺も耳を寄せて聞いていたがなるほど、投げつけるという意味ではポケモンを捕獲することに慣れているショウにぴったりな方法だ。
「ふうん、なるほどねぇ……シズメダマともいうべき発明だね」
哀れラベン博士、最初の案であるリラックスダマはカイの趣味に合わなかったようだ。趣味というよりはヒスイの風土に合わなかったというべきか。あ、もちろんだが俺はシズメダマと呼ぶぞ?カイが決めたのなら何も異論はない。
「うん、荒ぶるバサギリのため、魂を込めてシズメダマをお作りしよう!!クシ、籠取って来て!!」
「籠か……ああ、そういやあったな。先にシズメダマを作っておいてくれ」
さっき『ころころマメ』を採取する時にカイが使っていた籠の事だ。流石キングというべきか結構な量を食べるらしいので大きめの籠を使っていた。
それから皆で作業するほど数十分……
「できた!!山盛りのシズメダマ!!バサギリも落ち着くだろうね。それで森キング、バサギリをお呼びするかね」
「大丈夫です!!お願いします」
「嬢ちゃん、直接キングと対決することになる。絶対に攻撃を喰らうなよ。冗談抜きで死ぬからな」
「だ、大丈夫です……やれます、やります!!」
「……そうか、じゃあもう言うことはねぇな」
ショウは大量のシズメダマが入った籠を持つと心を落ち着かせるように深いため息をついた。
「森キング、バサギリ……お祭りの時期ではありませんがお食事を用意しました。天と地の間にて働き給う我らのキングよ、感謝の気持ちを捧げます。お姿を現したまえ……」
「ショウ、頑張って!!」
「はい!!」
「グラッシャー!!!!」
ショウが戦場に足を踏み入れると、ものすごい風切り音と共に木々が倒れ出した。何かがいる、しかし見えない。そんな状況が数回続いた後、ショウの目の前に黄金の輝きを放つ森キング、バサギリが現れた。
現在のショウの手持ち(なんとなくのレベル)
マグマラシ (34)
ムクホーク (35)
レントラー (35)
ストライク親(42)
ユンゲラー (31)
ギャラドス (32)
ゲーム内森キングバサギリのレベルは18。もう言うことはないだろう。
ショウ「ギャラドスですか?あー……なんか飛んでました」
クシ「?????」
【邪神による不思議な力シリーズ】ベースや戦場、集落へのマップ移動はあり?
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あり
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なし