カイが可愛いすぎたのでオリ主といい感じにさせたい話   作:ゼノアplus+

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くだらねぇ妄想


「パルキア、ポーチの中だけ拡張して」

『!?』

「ディアルガ、ポーチの中の時間止めて」

『!?』

「ギラティナ、ポーチの空間と時間を裏側から維持して」

『!?』

「じゃあアルセウスにはもうしてもらうこともないし畑仕事でも手伝ってきてねwあっ、シュウゾウさんももう要らないねw」

『「!?!?!?!?!?」』


生産性のない退廃的な1日

9話

 

 

 

…………目が覚めた。なんか最近野宿だとか早起きの人の宿舎で寝たりだとかで健康的なのかそうじゃないのか微妙な生活を送っていたせいか早くに目が覚めてしまった。

急な話だが、知識として知っているだけだけど朝の生理現象というものがあるらしい。この時代じゃもちろんそんなこと研究されていないので俺以外誰も詳細な知識として知らないだろうが、いざ経験してみると罪悪感に駆られることがある。ああ違うよ?ただ元気になってただけだ。なにがとは言わないが。

 

でもさ、今日のこれに関して俺だけが悪いとは言い切れないと思うんだ。

 

 

「……zzz」

 

「………はぁ」

 

 

なんでコイツ(カイ)、俺の布団に潜り込んでやがる。いや俺は全然問題ねぇぜ?むしろウェルカムなんだけど、起きた後のカイが騒ぐのは目に見えている。それを回避するためには俺が布団から出ておけばいいんだが……カイが俺の布団と自分の布団を見間違うわけもなく一瞬でなにをしたか理解するだろう。

 

もちろん俺がこっそりカイを彼女の布団に戻すという選択肢もある。しかし考えて欲しい。わざわざ掛け布団を剥いで抱き抱えるとしてカイが起きない保証はない。むしろ下手に衝撃を与えると起きてしまうだろう。

 

じゃあどうすればいい?いや、ある。ひとつだけ方法がある。この方法をやれば間違いなくカイを起こすことなく移動させることが出来る上にバレない。しかしこれを実行した瞬間にグレイシアが起きる。

 

………ま、いっか。

 

 

「おはようムウマージ。『サイコキネシス』でカイを布団に戻してあげてくれ」

 

 

ボールから出したムウマージは状況を察し無言でうなづいてからやってくれた。さすがっすわ。

 

 

「……フゥ?」

 

「おはようグレイシア、起こしてごめんな」

 

 

やはり目覚めたグレイシアは若干あくびをしながら俺とムウマージを見た後、まだ眠っている主人に顔を向けると自分もーというふうにカイの布団に潜り込み二度寝を始めた。自由かっ。

 

とにかく第一段階はクリアした。さて、次だ。

 

 

「さみぃ……」

 

 

純白の凍土に集落を構える我らシンジュ団の朝は……いや、朝に限る話ではないが朝は特にキツい。まあ一名例外として上裸の人がこんな時間でも乾布摩擦をやっているとかいないとか。

 

 

「いつも通り着込むしかねぇな……」

 

 

イチョウ商会から買った防寒インナーを着てその上からシンジュ団の服を着る。もちろんこれだけでは寒いのだがこれ以上は持っていないので仕方がない。インナーだけでも十分ありがたい物資なのだ。イチョウ商会は神ってはっきりわかんだね。

 

突然だが昨日、集落に戻った後の話をしよう。色々大きなことが起こって気疲れしたのかカイは先に家に戻り休んでしまった。俺はと言えば、集落の若い衆に囲まれていた。ニヤニヤしていた奴らが大半だったので嫌な予感がし逃げようとしたのだが、その時俺は背後から忍び寄るハマレンゲ様に気づかなかった。

きっちり拘束された俺はどこでなにをしてきたのか全て白状することになった。まあ、大半がギンガ団での出来事とバサギリ関連だったせいで興が冷めたほとんどの奴らが不満げだった。しかし逆に俺の話でショウの評価が急上昇し時空の裂け目から落ちてきた人間であるという事実を含めてもシンジュ団では高評価となっていた。まあ、下手に怪しまれるよりかはマシだが……

 

 

「………くしぃ」

 

「……それはずりぃわ」

 

 

昨日、男女の関係などないと言ったな?アレは嘘じゃない。だが初日に俺は言ったな?限界はあると。ああ、やっべ。

 

 

「あっつ……」

 

 

顔が火照ってきた。恥ずかしいのもあるが、反射でカイの寝顔を見て見惚れてしまったのもある。

 

幸か不幸か、これなら外に出ようという気になってしまったのでゆっくりとドアを開け引くほど寒い外へと足を踏み出した。

 

 

「おや?クシ君、早いですね」

 

「ノボリさん……おはようございます。ノボリさんこそ早いっすね」

 

 

外に出てまず出会ったのは、俺と同じく記憶喪失でどこからやってきたのか分からないノボリさんだ。天冠の山麓でオオニューラのキャプテンをしている。おそらく、同郷だというのが話を通じてお互いに理解できている。

 

 

「いえ、定刻通りです。昨日は大変でございましたね」

 

「そう思ってたんなら助けてくださいよ……遠巻きに見てましたよね?」

 

「お話は聞かせていただきましたとも。大変興味深かったです」

 

「そっかぁ……」

 

 

どうやら助ける気は無かったらしい。無慈悲である。

 

 

「そうだ、今度嬢ちゃんとバトルしてみるといいですよ?嬢ちゃんと関わると部分的にですが記憶が戻りました」

 

「なんと!?……それは一考の余地がありそうですね」

 

「ええ……まあほとんど役に立たないような記憶ばかりでしたけどね。元々居た時代の言葉などが大半で、どんな場所か、なにがあったか、なにをしてたかとか重要なことはなんにも」

 

「しかし記憶が戻った、という事実は変わりません。各駅停車さることながら一歩ずつ着実に行きましょう」

 

「確かに」

 

 

さすがノボリさん、なんというか大人として1番尊敬してる。

 

 

「これからオオニューラの所ですか?」

 

「はい。マルマインが荒ぶっている状況、オオニューラの様子も逐一確認すべきだと判断しました」

 

「黒曜の原野ではやけにオヤブン個体が殺気立っていました。アヤシシはいつも通りでしたが、天冠の山麓は気性の荒いポケモンが多いですし気をつけてくださいね。あとアイツにも」

 

 

俺の脳裏に浮かんでくるコンゴウ団キャプテンの会話が出来ねぇのかって思うほど自己中みたいなあの男。

 

 

「ツバキ様ですか。相変わらず苦手のご様子で」

 

「なんつーか、ソリが合わないんですよ。セキ殿には悪いですが……」

 

「クシ君もまだまだ子供らしい所がありますね。それでは行ってまいります」

 

「行ってらっしゃいノボリさん」

 

 

出発進行というように目的地方面へ指差し確認をしたノボリさんは集落から去っていった。やっぱりあの動き……見覚えがあるんだよなぁ……?

 

 

「ふぁぁ〜……おはよぅクシ……珍しく早いね」

 

「おはよう。なんか目が覚めちまってな、飯にするか?」

 

「うん〜、そうする〜……あ、私が作るんだった……待ってて〜」

 

 

ノボリさんと入れ替わるように家から出てきたカイ。朝は弱い方でいつもこんなふうに半分寝ぼけながら起きてくる。どうやら移動させたことは気づかれてないらしい。にしてもやはりこれだけ寝ぼけているのに料理をさせるのは普通に怖い。よくあることだし失敗しないのもわかってはいるが、怖いものは怖いのだ。

 

俺は一応様子を見るためにカイと共に家に入った。グレイシアも二度寝から目覚めておりひとしきりカイに構ってもらったのか元気に尻尾を震わせている。

 

 

「……やっぱりクシが作る方が美味しいし私なんかが作るよりもいい気がしてきた」

 

「カイの作る飯も十分美味いぞ……って言っても慰めに聞こえるか。うしっ、一緒に作るか」

 

 

朝は寝ぼけている分、感情が不安定になる頃もよくあった。いや最近また再発してるからよくあるというべきか。

 

 

「えっ?」

 

「俺が手伝うから、カイが指示してくれよ。一緒に作ればカイも納得がいくだろ?」

 

「うん……ふふ、一緒にか。共同作業ってやつだね!!」

 

「ッッ!!……そうだな」

 

 

なんか今日のカイ、破壊力すげぇわ。昨日の今日で確かに色々あったけど、ここまで劇的な変化があったとは……ショウには感謝しねぇとな。うん?これに関して関係あんのか?

 

それから十数分かけて朝飯が完成し、イチョウ商会から買ったテーブルに運ぶ。買った頃はカイもテーブルを見てハテナマークを浮かべていたが、この利便性に気づいたようで愛用している。ちなみに俺がイチョウ商会から買ったものは大抵便利なものなのでカイも気に入っている。

 

 

「フゥ!!」

 

「ん?ああ、すまん忘れてた。多分外にいるから呼んできてくれるか?」

 

 

グレイシアに横っ腹を突かれ気づいた。ゾロアーク達と遊びたいようだ。ムウマージは気分でボールの中にいたが、普段アイツらは夜の間何処かで遊んでいる。やはりゴーストタイプ、夜の方が好きらしい。特に怪我もせず朝には帰ってくるので放っといている。

 

グレイシアが走ってゾロアーク達を呼びに行っている間の俺たちは飯を食った。

 

 

「うん、美味い。やっぱ俺が手伝わなくても作れんじゃね?」

 

「えー、まだまだクシには負けるよ。うん、ほんとに主婦顔負けだよ。私も女性として負けた気がする。ガラナちゃんも同じようなこと言ってたよ」

 

「力仕事の出来ないガキにはこういうことでしか貢献できなかったからな。死に物狂いで色々覚えたさ。今じゃ結構助かってるのが皮肉だけどな」

 

「私も小さい時から始めればよかったかも」

 

 

俺からすればカイもまだまだ小さいけどなー。いや、それとも俺が単純に身長が高いだけなのか。真相は闇の中に……ってわけでもない。まあそういう体質だろうよ。筋肉質ではあるけどな。

 

 

「ふぅ……ご馳走さん。片付けはやっとくよ」

 

「ご馳走様でした。じゃあ私は布団の片付けするね」

 

「フゥ!!」

 

 

食事を終えそれぞれが片付けの準備に入ろうとした時、グレイシアがゾロアーク達を連れて戻ってきた。

 

 

「おはようお前ら。飯の準備はしてあるから好きに食いな」

 

イダイトウは不思議な力で浮いているため普通に戻ってきている。ゴーストタイプってやっぱこういう所すごいよな。

 

きのみを混ぜて作った特製の朝飯をポケモン達に与える。ゾロアークとグレイシアは特に仲が良く、飯も分け合って食っている。元々ゾロアークが少食というのもあるけどな。

 

 

「カイ、今日の用事は?」

 

「ガラナちゃんの所に行こうと思ってたけど、ガーディは特に荒ぶったりしてないらしいから大丈夫だって。ユウガオさんも大丈夫って連絡あったよ。クレベースも荒ぶってはいるみたいだけど、今の所は被害がないみたいだから放置でいいかもね。天冠の山麓は……えっと」

 

「ノボリさんが今日もオオニューラの様子を見に行ってるよ。マルマインについては知らん」

 

「なるほど。じゃあ今日は何も無いかな。クシは?」

 

「それはお前がよくわかってるだろうに」

 

「ばれた?」

 

 

俺だけが知っているこの笑顔……という言い方をすると背徳的で罪悪感に駆られるが、これはこれで悪くない。こういう考えが浮かぶ時点で俺自身も相当危ないところまで陥っているというのは分かっている。分かっていても尚、踏みとどまることは出来ない。だからもういっそのこと抑えないことにした。

 

 

「じゃあ今日は生産性のない退廃的な過ごし方でもするか」

 

「どういう意味?」

 

「ぐうたらしてようぜってこと」

 

「うわっ、悪い大人だ」

 

 

それから本当に俺たちは何にも気にすることのない1日を過ごした。グレイシアが構って欲しそうな時は俺の手持ち含めてみんなで遊び、疲れて眠くなればみんなで雑魚寝をした。

 

 

「なんか、グレイシアってカイに似てるよな」

 

「そう?だとしたらゾロアークもクシに似てるよね」

 

「やっぱ一緒に過ごしてると似てくるってことか?」

 

 

ゴーストタイプも睡眠をとるらしいのは昔から知っているが、こう改めて見るとやはり不思議なものがある。イダイトウは元々ただのみずタイプで魚のポケモンであると考えたら分からなくもないが。そういうことを知るためにショウ達調査隊が調査をしていると考えれば、もしもっと多くの人がポケモンを知ることで共生することができるというのは良いことと考えるのが普通じゃないのだろうか?まあ俺からすれば知るだけじゃなくて知ってもらうことも大事だけどな。

 

 

「……クシ」

 

「あー、はいはい」

 

 

呼ばれたのでカイの方を向けば何か恥ずかしそうにこちらを見ている。こういう時は大抵決まっている。俺が胡座で座りなおせば、その上にカイが乗っかってくる。女の子と特有の甘い香りがするが流石に口に出すのは気持ちが悪すぎるので黙っておく。

 

今日一日を通して何が言いたいのかって言うと、俺たちは2人とも愛を知らないのだ。いや、俺に関しては覚えてないだけかもしれないけど、先代達を通して醜い大人の争いばっかり見せられたカイは、だったら自分が、とでも言う風に自分で物事をこなすようになっていた。そんな時に身寄りのない俺の登場だ。ちょうどよかったんだろうよ、拠り所としてな。まあその結果が今のコレだからどうしようもない。

 

どうしようもなく、お互い離れることもできず、離れようともしない。このままずるずるとお互いがお互いに溺れていってロクでもない結末を迎える。

 

 

「暑くなってきた……」

 

「暑がりだもんな。離れるか?」

 

「……いじわる」

 

「意地悪じゃない俺は想像できねぇだろ?」

 

「わりとそうかも」

 

 

分かっているのは俺だけなのに……言おうとしないのは……そういうことなんだろうよ。

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