神渚 零夜side
立香に近付き振り上げたエクスカリバーは、ドラゴンロッド……青い棒状の武器を投げて邪魔する。
すると、即座にドラゴンロッドの存在に気付いたセイバーオルタは聖剣を横に振るう事でドラゴンロッドを弾いた。
それにより、立香が殺される事は回避できた。
立香とセイバーオルタの間に入り込み、即座に拳へと封印エネルギーを込めセイバーオルタを殴り飛ばす。通常のクウガよりも力こそ劣っているが封印のエネルギーさえ込めれば少しは威力が上がる。
吹き飛んだセイバーオルタを警戒しつつ、上へと弾かれたドラゴンロットを掴みとりアーサー王と対峙する。
セイバーオルタへと接近し仕掛ける。ドラゴンロッドを上手く使い、セイバーオルタの重い斬撃の衝撃を外へと逃がし、攻撃をいなし続ける。
俺の変身したこの姿は、相手の技を水のようにいなす事に特化している。
仮面ライダークウガ、ドラゴンフォーム。
─邪悪な者あらば、その技を無に帰し
流水の如く邪悪を薙ぎ払う戦士あり─
この言葉通り、相手の攻撃を防ぎいなす事に特化している。そしてスペックは力こそ基本形態であるマイティフォームより劣るもの、100メートルを2秒で移動する走力、そして30メートルも跳躍できるジャンプ力を持っている。
故にバーサーカーとの戦闘後、即座にここへとたどり着く事が出来た。
「貴様は!なぜ……なぜ!」
だが怒りを、悲しみをぶつけるような戦いをする彼女に違和感を感じた。今までの彼女なら、ただ目の前の敵を叩き伏せる。
それらを無感情でそれを行っているはずだから。
彼女の振るう剣に合わせてドラゴンロッドを振るうことで、攻撃を受け流す。
太刀筋はもう理解している。
何度も繰り返すなかで、彼女と戦った数は数えきれない。それに彼女に稽古を着けて貰ったこともあった。
だからこそ、彼女の太刀筋が手に取る様に分かる。だけど、このまま避け続けるのは厳しい。
彼女が袈裟懸けに振り下ろす剣をドラゴンロッドを真上へと掲げ受け止めそのまま鍔迫り合いが起こる。
だが、力が低下しているドラゴンフォーム。受け流さずに受け止めてしまった。故に彼女の剣を押し付けられ、段々と掲げていたドラゴンロッドが下がってくる。
「貴様、何度繰り返した!?私の剣を全て見切り、それをいなすなど!」
「グッ……」
まさか、お前までも覚えているのか?俺と旅をした記憶を?何故?どうして?
考えるがドラゴンロッドを持つ手とこれからの動作に脳の思考が奪われる。とにかく、今のこの状況を脱するには、ドラゴンフォームでは威力が足りない。ならもっと力の強いフォームに、何処かでフォームチェンジする隙があれば……。
「マスター!」
その声と共に俺らの横からジャラジャラと言う音と共に目の前のセイバーオルターへと手に持った剣、カリゴランテの剣を横凪に振るうアストルフォがいた。
「チッ!」
セイバーオルタが後ろへと跳躍し避ける事で俺は膝を地面から上げドラゴンロッドを構え直す。
見ると後ろへと跳んだセイバーオルタの背後からジャックが手に持ったナイフを両手に逆手に持って跳躍しセイバーオルタを待ち構えていた。
「ッ!」
「ヤァ!」
ジャックの突撃を空中で体を捻ることで回避するセイバーオルタ。でも、ジャックとアストルフォのお陰でフォームチェンジする時間が出来た。
俺は空中にいるセイバーオルタの元へ跳躍しながら左手をベルトの横に起き、その上に重ねるようにドラゴンロッドを持った右手を重ねる。
その声と共に明確にイメージするのは剣、体を覆う紫色の鎧。
「超変身」
─邪悪なるものあらば鋼の鎧を身に付け
地割れの如く邪悪を切り裂く戦士あり─
仮面ライダークウガ、タイタンフォーム。
相手の攻撃を受け流すのではなく、受け止め正面から斬り込む防御と力に特化している。素早さや跳躍力こそ劣るものの、白兵戦にとっかしている姿だ。
そして自身の肉体、あるいは手にした物質を原子・分子レベルで分解し再構成する力、モーフィングパワーにより手に持ったドラゴンロッドが紫の剣、タイタンソード変化する。
ドラゴンフォーム時に跳躍した速度のまま、空中のセイバーオルタへと向かっていく。両手でタイタンソードを握りしめ、封印エネルギーをタイタンソードへ流し込む。
「ッ!」
剣の先が広がり、より長く変化したタイタンソードをセイバーオルタの鎧へ向けて突き刺した。
その時、見間違いか。セイバーオルタは少し笑っていた様な気がした。
「カハッ……」
セイバーオルタが血を吐き出す。タイタンソードは狙い通りセイバーオルタの胸部を覆う鎧を貫き、霊核をも貫いた。
タイタンソードから手を離し、地面へと着地する。すると、自身の少し先にタイタンソードに貫かれたセイバーオルタが落下し地面へと倒れた。
「わた、しの……負け、か………」
そう呟く声は恐らく俺へと向けられた者であろう。俺は彼女の元に近付き、これ以上苦しまないよう、タイタンソードを引き抜く。
「まっ、たく。お前、と言う奴は」
「お前も、俺との記憶を………」
霊核を貫かれても尚、そう話続ける彼女の近くに膝をついてしゃがみ、そう口を開く。
彼女は僅かに瞳を見開き、即座に目を瞑る。
「変わった、な…お前は…」
まさか、そんなに昔の記憶を持った彼女が?こんなこと、無かったのに。
「さぁ、な。」
鎧が粒子となり消え、黒いドレス姿へと変わる。そして瞼を開くと口から血を流しながらも震える手で頭の髪を結っていたリボンを外し、リボンを持った手を俺へと向けた。
「わた、しを呼べ。かなら、ず……な」
俺はリボンを受け取り、粒子となって消えていくセイバーオルタを見守る。
今回の人理修復は、今までに無いことばかりだ。記憶を持ったサーヴァントの召喚、記憶を持った敵サーヴァントの存在。
そんな事を考えながら、これから起こるであろうカルデアスに飲み込まれる所長を助けるために左手をベルトの横へ起きその上に手を置く。
イメージするのは、炎のような赤。
「超変身」
─邪悪なる者あらば希望の霊石を身に付け
炎の如く邪悪を打ち倒す戦士あり─
仮面ライダークウガ、マイティフォーム。
体を覆っていた紫の鎧が消え赤い体へと、瞳が紫から赤へ変わる。
この姿ならドラゴンより跳躍力は低いけど、オルガマリーがカルデアスへと吸い込まれるのを助けられるはずだ。
セイバーオルタが消滅した事を確認したのか、立香達が警戒しつつ此方へと近付いていくのが遠巻きに見えた。さて、どこで正体を告げれば疑われずに済むか……。
そう考えつつ、奴の登場を待つ。そろそろアイツが手を叩きながら現れるはず、そう考えていた時だった。
「マスターッ!!」
アストルフォが此方へと叫ぶ、どうしたのだろうか。立香達が俺を疑いつつ近付いてきている事なら想定内──。
「ッ!?」
背後から強い衝撃、思考に集中しすぎたせいか吹き飛ばされる。
不味い、空中で体制を建て直すが今の衝撃で変身が解除されてしまう。吹き飛ばされる中でどうにか体制を変えて地面へと転がりながらも着地する。
痛覚こそ無いものの、転がった衝撃は感じる。即座に立ち上がり──。
「うそ……れいちゃん?」
聞こえてきた声に振り向くと、立香や所長達が立っていた。恐らく先ほどの衝撃で立香の元まで吹き飛ばされたのだろう。
「神渚 零夜!?あなたがさっきの………」
その所長の問いに黙って頷く。恐らく変身解除の瞬間を見られたのだから今更否定しても遅いだろう。
そして今は離すより、さっきの攻撃を行った者を見つけなければ。そう思い周囲を警戒する、この特異点のシャドウサーヴァントは全て消滅したはず。
だとしたら、アイツしかいない。
そう思ったその時、何処からパチパチパチパチパチと拍手する音が洞窟内に響き渡る。
音の聞こえてきた方へと視線を向ける。立香達も同じように、視線を向けたその先にはモスグリーンのタキシードとシルクハットを着用し、にこやかに微笑みながら拍手する奴が、レフが佇んでいた。
俺はこれから起こるであろう事への作。クウガを変身解除されてしまった時の作として考えていたとあるアイテムを取り出しておく。
「まさか、君たちがここまで来るとはね。計画の想定外にして、私の寛容さの許容外だ。」
「レフ、教授?」
「48人目、49人目のマスター適性者。子供からと善意で見逃したのが、私の失態か」
マシュが驚きの声を上げ、聖杯を持ち微笑むレフを見据える。
『レフ──!? レフ教授だって!? 彼がそこにいるのか!?』
「うん? その声はロマニ君かな? 君も生き残ってしまったのか。すぐに管制室に来てほしいと言ったのに、私の指示を聞かなかったんだね。まったく──」
次の瞬間、予定通り奴は正体を表した、両目を開き、狂気に犯されたような表情へと。
「どいつもこいつも統率のとれてないクズばかりで吐きけが止まらない。どうして人間というものはこうして定められた運命からズレたがるんだい?」
本当なら、今すぐにでも奴を殴り飛ばしたい。その力があるけど、今それをしても意味が無いことは分かっている。だからこそ、チャンスを待つ。
「マスター、下がってください!あれは、私達の知っているレフ教授ではありません!」
そう言ってマシュは盾を構え、立香と俺の前に立つ。立香やアストルフォ、ジャックは理解しているのかそっと俺や所長に近付きいつでも戦闘に入れるよう構えている。
「レフ、あぁレフ!生きていたのね!?」
そう言って所長がフラウロスの元へと走るのを阻止する様に手を掴む。
「何するの!?私は、レフの元に!」
「いかせない」
そう言って逆に引き寄せて、俺の背後へと移動させる。
「ジャック、アストルフォ」
「うん」
「分かってるよ」
そう言って所長を守るようにジャックとアストルフォが両側に立つ。
「特に許容出来ないのは貴様だよ、神渚 零夜。貴様のお陰で計画は狂った。本来ならオルガマリーは爆発で肉体を無くし、死ぬはずだった」
「え…う、嘘よね。……だって、私今……」
そう言ってオルガマリー所長は自身の心臓の鼓動を確認するように手を胸へと当てる。
「ちゃんと動いてる……生きてる」
礼装はしっかり動いてくれた様だ。だが、何故アイツら俺へと攻撃を?今まで、こんな事は……。
「本当に、頭にくるよ。貴様がオルガに渡した礼装、あれによりオルガは生き残った。それも、渡す際は私に悟られぬようオルガと接触し、カルデアでも私と接触せずに動くとは」
何故、俺が渡した礼装だとバレた?今までなら誰が渡しか把握していなかったはずだった。
先ほどから今までの繰り返しで無かった事ばかり。
「そうだオルガ、君に今カルデアがどうなっているのか見せてあげよう」
そう言ってレフは聖杯を翳すと、空中に真っ赤な太陽の様に変化していたカルデアスが現れた。カルデアス、それは高密度の情報体であり次元の異なる領域。人間が触れたなら分子レベルで分解する地獄の具現。
だが奴が空間を繋げたなら、
「うそ、カルデアスが赤に……」
そう呟くと同時にオルガマリー所長の体が浮かび上がる。
「な!体が勝手に浮いて!?」
「これは私からの慈悲さ。さぁ、オルガ君の宝物に触れ、今度こそ死に絶えるといい。」
段々と俺達の場所から少しづつカルデアスへと近付いていくオルガマリー所長。
「いや、いや!助けて、助けて藤丸!零夜!私はこんなところで死にたくない!!まだ、誰からも褒めてもらってないっ?!」
即座に浮かび上がるのをアストルフォがカリゴランテの剣をワイヤー状態にして所長の腹部へも巻き付き、カルデアスへと引っ張られる所長を止める。
「マスター!彼女は任せてくれ!」
あぁ、任せろ。そう思い俺は先ほど手にしたアイテムの口を開き、片手へと開いた口を向ける。
『ガァブッ!!』
「え!?れいちゃん顔に………」
「神渚さんの頬に、ステンドグラスのような模様が」
そう言って俺の頬に浮かび上がったステンドグラスの模様にマシュと立香、ジャックやアストルフォも驚きの表情を浮かべていた。みんなの前でこのライダーに変身するのは初だっただろうか?
『へへ、やっとオレ様の出番!キバッて行くぜレイヤ!』
「蝙蝠!?しかも喋ってる……」
俺の手に持っている金色の蝙蝠、キバットバットⅢ世の牙が突き立てられ魔皇力を注ぎ込まれる。腰にチェーンが現れ巻き付くと同時に赤いベルトへと変化した。
「変身」
即座に手に持ったキバットバット3世をベルトへと装填する。ベルトを中心に波紋が広がり体にキバの鎧が装着される。
頭部は蝙蝠の様な形状につきのような黄色い複眼。両肩をまるで封印しているかのように覆う拘束具カテナにより覆われ、赤い体に片足だけ両肩同様に拘束具カテナに封じられている。
仮面ライダーキバ、キバフォーム。
本来ならば、ファンガイア以外が変身したならば死んでしまうが、ただの人間である紅音也はキバよりも負荷の大きいダークキバに三度も変身して見せた。なら俺に出来ない事はない。
何度だろうが耐えてみせよう。
即座に、ベルト側面にセットされている小さな笛。フエッスルの中で赤いフエッスルを選び、抜き取り、ベルトのキバットバットⅢ世へと咥えさせる。
『WAKE UP!』
その声と共にベルトからキバットバットⅢ世が離れ俺や所長、レフの周囲をフエッスルを吹きながら飛び回る。
「何をするつもりだ………なっ!?」
周囲が赤い霧により覆われていく。軈て赤い霧が晴れると洞窟の天井であった筈のそこには雲一つ無く、星すらも輝かずに月のみが浮かび上がった夜空が広がっていた。
空間を夜空へと変える、仮面ライダーキバが必殺技を放つ際に起こる現象によりカルデアスが消えた。
それにより、カルデアスからの吸引力が消え所長が自由となり、落ちてくる所長をアストルフォが抱き止め、地面へと下ろす。
「キャッ!?」
「おっとと、所長さんお帰りー!」
「え、えぇ……」
何処か呆然とした様子でそうアストルフォに答えるオルガマリー所長。だが、レフは驚いた様子で周囲を見回していた。
「一体何が起こっている!?空間を繋げたカルデアスはおろか周囲の岩すら消えただと!?まさか、これは……固有結界!?貴様のような魔術も知らぬ一般人が、何故!」
「これは一体……」
立香やマシュが動揺する中、俺は静かに両腕を目の前にクロスさせ構える。
そして次の瞬間、右足を勢い良く振り上げる。するとキバットバットⅢ世が右足に付いた拘束具を噛みちぎる。
するとヘルズゲートが蝙蝠の翼のように広がり、俺は左足で地面を蹴り宙へと飛翔する。
そして空中で反転し右足をフラウロスへと向け、一気に降下していく。
「ガッ!?きさ、まぁ!!」
そしてフラウロスの腹部へと脚を叩き付け、仰向けで倒れるフラウロス。だが、蹴りつけた右足を離さずに地面へと着地し、もう一度右足を軽くあげ、再び振り下ろす。
するとフラウロスを中心として地面が陥没しキバの紋章が浮かび上がった。
ダークネスムーンブレイクがフラウロスと決まり即座に脚を上げてバク転して下がることでフラウロスから離れ、念のため構える。
だが、そこには奴の姿が無かった。逃げられたか?だが、蹴った感触はあった。回収されたのか?まぁ、今は邪魔してこないなら良いだろう。
「お疲れ、キバット」
『おう!じゃあな、また呼んでくれや!』
その声と共にキバットが消え、俺を包んでいたキバの鎧も消滅する。それと共に体から力が抜ける感覚と共に、倒れそうなるのを膝を地面にツキ片手を地面へと起き支えることで耐える。
やっぱりクウガの後にキバは少し体に来るか。クウガでセイバーオルタ、ヘラクレスと戦った上に変身の負荷の大きいキバ使ったのは思った以上に体に来たみたいだ。
だけど後は特異点からレイシフトしてカルデアに戻るだけだ、問題ない。
「お母さん、大丈夫?」
みるとジャックが俺を心配そうに見ていた。
「大丈夫だ」
そうか返し、立ち上がろうとした。その時だった。大地が大きく揺れる。
これは、特異点を修復した事でこの空間が消滅しようとしている。
即座に立香達と元へと合流しようと、走るために一歩を踏み出そうとして、意識を失った。
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