重鈍な私には地を歩くことしかできない。
吹雪に閉ざされた雪山から見上げる空ははてしなくどこまでも広がっている。いつもの様に見上げていると奇妙な光景が目に飛び込んできた。
「なんだろう?あれは青い鳥?鳥にしては大きすぎるけど・・・」
不思議に思っているとその鳥は猛スピードで降りてきた。
「ここは寒すぎるぜ!!調子に乗って飛んでたら妙なとこに来ちまった。どこだ?ここは」
見た目は青い雷をまとっていて近づくと静電気でピリピリする。
でも、不思議な魅力に惹かれてしまう。
勇気を振り絞り声をかけてみた・・・
「あ・・あの・・」
吹雪に消え入りそうなか細い声だったがどうやら聞こえたようだ。こっちを振り向いてくれた。
「おや?これはこれは、雪山のお嬢様ではないですか〜。
お初にお目にかかります。俺はライゼクスってんだ。あんたは?」
「・・・・・ガム–ト・・」
なんでだろう。彼を前にすると全然うまく喋れない。
「ガムート・・いい名前じゃないか。なんかわかんないけど育ちが良さそうだなww」
褒められたのか馬鹿にされたのかわからないけど鼓動が速くなる。なんで・・・
「そうだ!俺、この辺来るの初めてでさ!よかったら教えてくれよ!ここの魅力をよ。」
あ・・・私のことはいいんだ・・
シュンとなるのが見えたのか一転して彼はこう続けた。
「何勘違いしてんだよ〜。
俺が知りたいのは、あんたみたいな素敵な娘さんを育んだこの土地のことをもっとしりたいんだよ。あんたも含めてな」
毛色が赤くて助かった。
頬が赤くなるのを見られなくて済む。
「わかったわ。じゃあ、ここじゃなんだから向こうの洞窟あたりまで行きましょう。いいかしら?」
「おう!いいぜ!寒さでこごえそうだったんだ。助かるぜ!」
2匹は微妙な距離をとりつつ歩いていった。お互い足取りは軽く、さながら雪山デートの様だ。
しかし、洞窟に辿り着くと先客が既にいた。白い体毛に立派な腕をしたドドブランゴだ。
どうしよう・・変に争いごとも起こしたくないし、かといってここ以外いいところはない。悩んでいるとライゼクスが洞窟に向かって雷撃をみまわせた。一目散に逃げていく猿たち。
「もう・・乱暴なんだから。」
私が呆れた様に言うと彼はあっけらかんと答えた。
「強い者が全てを得る。これが生態系ってやつさ。」
でも一理あると思ってしまう自分がいた。
「さて、落ち着いたことだし聞かせてくれよ。アンタのこれまでのモン生を。そして、この辺の情報もな!」
じゃあ・・聞いてくれるかしら?
ガムートはゆっくり話し始めた。外には既にオーロラが見える澄んだ空気の夜だった。2匹の時間は過ぎていく・・・