「この辺で一休みするか〜」
ここは密林、ライゼクスのテリトリーである。今日も密林には穏やかな時間が流れる。まるで外の喧騒が嘘みたいな。
「しっかし、雪山であったあの娘・・・元気にしてっかな〜?」
ライゼクスはあの一件以来、気になる存在ができていた。しかし、何故気になるのかその気持ちの正体にまだ答えは出ていない。
「だが、俺も人のことより自分のことだな。まだ全然この青い雷を使いこなせてねえからな」
そう、雪山で放ったゼクスカリバーはまだ未完成なのである。
もっと戦いがしたい・・・技を昇華させたい・・・
いかんせん強さを求めすぎた結果、歪みが芽生えはじめていた。ライゼクスを繋ぎとめているのは先日あったガムートの存在に他ならない。
こんな自分に初めて向き合ってくれたのもあるが、雄大ないでたちや堂々としたたたずまいには尊敬すら感じる。こんなにも他モンに対して穏やかな気持ちになれたのは久しぶりだった。
最近妙な話を聞いた。ここからほど近い天空山のあたりではモンスターが突然凶暴化し、共食いまでしてしまうそうだ。
「もしかしたら、天空山に行けば俺の目的も果たせるかもな・・・奴に勝てる力が手にはいるかもしれない・・・
帝征龍グァンゾルム。
古龍種であるが、王の風格、威厳を持つ龍。飛竜を従え戦う様はまさに帝王である。
まだまだ小僧の時、グァンゾルムに遭遇し瀕死の傷を負いながらもなんとか逃げきった相手。
「いや、違うな・・俺は・・・逃されたんだ・・
これ以上戦う価値がないものとして・・」
悔しさはない。圧倒的な力量の前に自分はあまりにも無力だった、むしろ相手にもならなかった自分に腹が立ち奴を倒すことが今やライゼクスの宿命・・いやモン生そのものとなっていた。
「よし、行ってみるか・・・天空山に」
天空山に座す主。シャガルマガラ、まずは最初のターゲットが決まった。
「でも、一度あの娘に会いにいってみるか。なんか、急に会いたくなっちまったな〜。」
その感情は思慕なのか、はたまた最後の別れを感じたからなのか・・・
渦巻く思いを胸にライゼクスは颯爽と北西に向かって羽ばたいた。
舞台は魔境天空山、奏でられるのは破滅か栄光なのか。古龍と対峙し生き延びれる保証はないのだがライゼクスに迷いはないむしろきたる激闘そしてまだ見ぬ強敵との邂逅を想像しながら大空を舞う。傾き始めた日輪に照らされながらライゼクスのの心には穏やかでいて強固な意志がやどっていた。