篝火 始まりの街アクセル   作:焼酎ご飯

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実はこんなに伸びると思ってませんでした。
原作読んでなかったので買います。




第11話

「これで全部か?随分たくさん買うものだな」

 

 

 

袋下さい。

 

貴方は提示されたエリス紙幣を数えながら、

会計に置かれたテントや小物類に袋をつけるように頼む。

 

貴方は初心者殺しの依頼を受領した後、めぐみんと別れて依頼に向けての準備をしていた。

 

めぐみんには骨片無断転送の件でプリプリと怒られたが、

いつの間にか増えていた誓約の竜ペンダントを渡すことで許してもらえた。

 

 

さて、準備というのは普通の冒険者が持っていそうな道具というものだ。

貴方はアクセルにある適当な店で野営セットを買うことにした。

セット内容はロープや火起こし器具、

食器や小型ナイフ、一番大きなものでテント等だ。

 

店員は何か言いたそうな顔でこちらを見てくるが、支払いを終えるまで終ぞ何も言わなかった。

正直なところこういった道具は貴方には必要ないものだ。

使えばもちろん快適に旅をすることができていたかもしれないが、

食事も睡眠も忘れてしまう巡礼者にとっては必ずしも必要なものではなかった。

 

ではなぜ購入するのかというと、それは偽装と好奇心である。

めぐみんという只人の仲間ができた為、今後は只人に合わせた行動が必要になるだろう。

今回のような日を跨ぐような依頼であれば猶更で、不死特有の強行軍に付き合わせるわけにはいかない。

急ぐ旅ではないのだ。せっかくこのような素晴らしい世界にいるのだから、たまにはゆっくり過ごしてもいいだろう。

 

 

 

「毎度あり。また来てくれよ、って言ってもあんたみたいなベテランさんじゃうちにはそうそう用は無いか」

 

 

 

会計を終えた貴方は袋の代わりに付けられたスリングベルトで荷物を背負うと、店主に礼を言って店を後にする。

あちこち荷物をぶつけながら外に出た貴方はこの後の行動を考える。

野営の準備はこれで問題ない。

めぐみんは自分で準備を行うだろうし、彼女の為に用意するものも特にない。

獣を想定したスペルのセットも完了している。

さて、どうしたものかと広場の噴水に腰かけ物思いにふける。

 

街の広場では子供が笑い駆け回っており、

他にも主婦や客引きの声等、平和な日常と言える賑わいの声が聞こえる。

 

この世界に飛ばされて来てしばらく経った訳だが、

なんとなくぬるま湯に浸かっているような感覚が続いている。

決して悪いことではないのだが、

血で血を洗う闘争を延々と渡り歩いていた貴方にとっては何となくこのままでいいのだろうかという気持ちになってしまう。

 

初めてこなしたクエストは言葉通り死闘だったのだが、

それ以降はめぐみんのおかげもあるが別段難しいものは無い状態である。

 

そのうち冬将軍のような大目標を作りたいものだ...と考えていると、

貴方はふと思い出した。

貴方は初めてのクエストでポーションの購入を勧められていた。

結局購入したのは貴方の頭を吹き飛ばした爆発ポーションだったのだが、めぐみんがいる今、改めて普通のポーションを買ってみるのもいいだろう。

貴方はうろ覚えの道を進みながら、珍品ばかりが置かれていた店を目指すことにした。

 

 

 

 

 

 

 

=====

 

 

 

 

 

 

ボォーン

【ウィズ魔道具店】

 

 

 

「…あっ、いらっしゃいませー!」

 

 

初めてクエストに出発する前に訪れた店

幸い他の客は今日もいないようで、気兼ねなく物色できそうだ。

紫紺のローブを纏った女性店員が何やら意外そうに出迎える。

 

珍品目白押しである店内を見回しながら、商品に荷物をぶつけても悪いので置いてもいいかと店員に伝える。

 

思えばこんな配慮をするのは初めてである。

寧ろ物がたくさん置いてある店などはローリングで掃除したくなってしまうところだが、ローリングの乱用は相手の心証を下げることが既に実証されてしまっている。

 

 

 

「どうぞどうぞ。空いてるところに置いちゃってください」

 

 

 

ほとんど使っていない宿に置いてくるべきだったかと考えながらも適当なところに荷物を下ろし、早速店内を物色し始める。

 

 

【金色の手袋】

握手をすると丸一日離れなくなるという呪具

近接タイマン専用アイテムだろうか?

 

【願いが叶うチョーカー】

願いを叶えないと4日で絞殺される呪具

願いが火継だったとしても不思議と焦りがこない

死ぬだけというのは脅しには物足りない

 

【群がられポーション】

服用する事で獣に休むひまなく襲い掛かられる

えづくじゃぁないか

 

 

少し見るだけで普通のアイテムに紛れてこのような珍品奇品が散見するのだ。

コレらのアイテムが売れているのだとすれば中々この世界の住人もイカれている。

それ故に興味をそそられるものが尽きないというのもまた事実。

もしや不死を対象にしているのではないかと思えるほど、苛烈な悪影響を及ぼすものが他にもいくつかみ当たる。

 

ソウル化できるのであれば気になったものを片っ端から買うのだが、今はそういう訳にはいかない。

何とかこの世界のアイテムをソウル化することはできないだろうか?

 

 

 

「あの~、この前爆発ポーションを買ってくださった方ですよね?」

 

 

 

首が揺れる赤い獣のような謎の物体を見ていたところ、件の女性店員に声をかけられる。

貴方は頷き、なかなかの威力であったと感想を伝えた。

 

 

「使っていただけたんですね!実は全然売れなくてお客さんの感想を聞くのは初めてだったんです」

 

 

 

それは何とももったいない。

値段はそれなりに張るが、あれほどの威力があるのであれば沢山あれば爆発ポーションだけで強敵を屠ることも可能だろう。

貴方としては筋力補正ではない爆発ポーションはこれからもリピートの余地がある素敵なアイテムだ。

今のところは貴方自身しか吹き飛ばしていないが、威力の実証にこれ以上は無い。

 

 

 

「では今回も爆発ポーションをお求めですか?あ、そういえば自己紹介してませんでした。私この店の店主をしてますウィズっていいます」

 

 

 

笑顔でそう伝える店主ことウィズと名乗る女性

これはどうもと"丁寧な一礼"で応える。

爆発ポーションも買うかもしれないが、今日の主目的は回復ポーションと適当な物色である。

正直適当に見渡しただけでも気になる物はたくさんある。

 

 

 

「回復ポーションですか。今うちに置いてある物ですとこれぐらいですね」

 

 

 

ウィズは棚から箱を取り出す。

箱から取り出されたのは一見して随分高級そうに見えるポーションだ。

もしや女神の祝福のような物ではないだろうか。

 

 

 

「効果としましては体力の大回復とスタミナもすっごく回復します。おまけに肌ツヤも良くなるという効能まであるんですよ!」

 

 

 

絶対にもったいなくて使えない。

おまけにソウル化できない壊れ物なんて絶対に持ち歩けない。

小金持ちの貴方であってもおいそれと手を出せない程のものに二の足を踏む。

もっと安いものは扱っていないのかと聞いてみる。

 

 

 

「えぇっと、回復効果があるものだと今はこれしか…あ、ではこれはどうでしょうか!物理ダメージに対して高い効果が得られる吽護のポーションです!ダメージを負わなければ回復の必要もありませんし」

 

 

 

青くドロリとした液体が入った小瓶を手渡される。

何やら構えを取ってしまいそうな名前のポーションだ。

物理ダメージを軽減するアイテムとはこれまた珍しく、そして強力だ。

いったいどの程度のダメージを軽減するのだろうか。

 

 

 

「その人の硬さにもよるんでしょうけど、仕入れた際の話ではなんと竜の牙すら通さない程に肌が硬化するらしいです」

 

 

 

とんでもない効力のポーションだ。

是非とも購入したいところだが、ふと疑問が浮かぶ。

 

先程の回復ポーションもかなりの効力を持っていたが、

この硬化ポーションには劣るだろう。

 

では何故この硬化ポーションの方が安いのだろうか?

このポーションには何かデメリットがあるのではないだろうか。

 

 

 

「えっと、おっしゃる通りデメリットもあります。硬化して防御力が上がるのはいいんですが、あまりの硬化度合いに体が一切動かなくなるそうです。もちろん効果が切れれば体は自由に動きますが、常人であれば効果中は一歩も動けないと思います」

 

 

 

なんとほぼ呪殺のような効果を服用者に及ぼすポーションという。

これはもう毒として相手に使用した方がいいのではないだろうか。

そのレベルの劇薬であればどう使うにしても是非とも数本ほしいところである。

だが瓶で保管されている製品である為、おいそれと購入することができない。

以前の爆発ポーションのように自分で押しつぶして呪殺死亡等が発生しないとも限らない。

 

底なしの木箱に放り込んでしまうというのも考えられるが、正直あの箱の収納機能もソウルの業ありきのものと思われる。

以前適当な雑草を放り込んでみたところ、どうにも取り出すことができなかった。貪欲者はこうあるべきと思うくらいに消失してしまっていた。

そのような経緯もある為、残念だが今回は遠慮しておくことにする。

ますますソウル化の方法を探さなくてはいけない。

 

 

 

「無理におすすめすることもできないのでまたご入用の際は是非」

 

 

 

棚に仕舞われるポーションを名残惜しく思いながら見送る。

ソウル化の方法さえ見つければダース買いでもすればいいかと、とりあえずはあきらめることにする。

 

 

 

「他にも何かお探しのものがあったら是非言ってくださいね」

 

 

 

にっこりと笑顔を浮かべる店主ウィズ

早速とんでもない商品が飛び出してきたこの店だ

もしかしたらソウル化の切っ掛けを見つけられるのではないだろうか。

だがしかし、ソウル化に纏わる商品を言葉として説明するのがなんとも難しい。

貴方はまごつきながらもなんとか希望の商品を説明しようと試みる。

 

 

 

「物質をソウル化…?非実体化?霊体化?えっと、かなり難しそうな注文ですね。私もぼんやりとしかわからないんですが、物を透明にしてしまう物ということですか?」

 

 

 

貴方の溢れ出る理力をもってしてもうまく伝えることができなかった。

色々と説明が面倒になった貴方は、異端の杖をソウルの業により取り出し、そしてまた消すという実演を見せた。

実演したように普通の物体を実体と非実体に切り替えられるような作用を持つ商品は無いかと貴方は尋ねた。

 

 

 

 

「うえぇぇぇ!?何ですか今の!透明化の解除でもなくて…どこかから取り出した感じでも無い…召喚?に似たようにも感じましたけど、魔術式を使ったような感覚もなかった…ちょっちょっとさっきの杖貸してもらえませんか!?」

 

 

 

貴方は否と答える。

流石に歴戦の相棒を相手に渡すのは憚られる。

めぐみんのようにぶっ倒れているのであれば別だが。

 

 

 

「こ、壊したりしませんので!ちょっとだけ!先っちょだけ!」

 

 

 

貴方は代わりにということで無駄に大量にあるダガーを一本を取り出した。

無くなって困ることもない有象無象の一つである。

 

 

 

「むむむ…やっぱり召喚に近い現象に見えますね。魔力ではない何か…力の収束?…こちらをお借りしても?」

 

 

 

貴方は頷いてダガーを差し出す。

ダガーを受け取ったウィズは一頻眺めた後、おもむろにテーブルに置く。

そしていくつかの魔法をダガーに掛け、何やら解析を行っているようだ。

 

貴方はそれを興味津々に眺めている。

どのような魔法を使って何をしているのかはさっぱりわからないが、

見たことない魔法というのはいつだって新鮮なものだ。

 

魔法の発動は数分で終わり、ウィズはダガーを貴方に返す。

 

 

 

「ありがとうございました。私も見たことが無い現象で少々取り乱してしまいすみません…ですがあなたの言いたいことは何となくわかったかもしれません」

 

 

 

ダガーを受け取った貴方はソウルの業によってそれを収納し、ウィズの言葉に驚く。

 

 

 

「おそらくですが先ほどのダガー、もともとは魔力というか…マナに似た何かで形成されているんじゃないでしょうか。材質なんかを調べたところでは普通の鋼だったんですが、揺らぎというかブレというか…物体として安定していない要素があるような感覚がありまして、それが召喚魔法によって作り出された物と似た綻びと似ています。すみません色々と曖昧な回答で」

 

 

 

マナとは何だろうか?

それが何かはわからないが、魔力とは異なるもののようだ。

それが仮にソウルに近い物であるのなら、彼女の言っていることは的外れという訳ではないような気がする。

ソウルによって編まれたダガーは確かに鋼でできているが、紐解けばソウルへと還元される。

もしやめぐみんと同じ天才アークウィザードだったりするのだろうか?

 

 

 

「アークウィザードというのは合っていますがそんな天才なんてことはありませんよ。それでえっとマナというのは大気に満ちる自然のエネルギーと言いますか、詳しいことを話し始めるときりがないので大雑把に言うとそんな感じです。貴方の言うソウル化という現象は物体をマナに変換、再構築することではないか…というのがざっと見た見解です」

 

 

 

なんかとんでもないなこの人と思いつつ、貴方はウィズの言葉を凡そ肯定する。

貴方の感覚的にはソウルの業はソウル取引にアイテムの記憶を刷り込ませているような感じである。

多分あっているだろうと理力が枯れ果てた貴方はぼんやりと頷く。

 

それを少し調べただけで凡そ言い当ててしまうのだ。記憶でも覗かれているんじゃないかと空恐ろしくなる。

色々と聞きたいことが山盛り存在するが、とりあえず当初の質問通り、物体をそのマナに変換する道具は無いかと聞いてみる。

 

 

 

「すみませんがそういった道具の取り扱いはありません。そこに存在するものを性質を維持したまま無形化するというのはかなり難しい技術になると思います。

ですが…そうですね、魔法やスキルによる解決手段ならあるかもしれません」

 

 

 

貴方は是非ともその方法を教えてほしいとウィズに頭を下げる。

何だったら異端の杖のさきっちょを触らせてあげてもいいぐらいだ。

 

 

 

「あの、そういった魔法やスキルを知っているという訳ではなく、いやもしかしたらあるのかもしれませんが…作り出せないかな~っと考えただけでして、教えて差し上げることはできないんです」

 

 

 

なるほどそういうことかと頷く。

魔法やスキルを作り出すということはおそらく並大抵のことではないだろう。

只のコピーではなくなかったものを一から作りだすのであればその苦労は推して量るべしだ。

 

それをあっさり一案として出すことに加え、先程の解析能力だ。

この世界の仕組みにまだまだ明るくない貴方であってもこのウィズという女性が相当の傑物であることが予想できた。

 

お金は割といくらでも用意するので、どうにか魔法やスキルを開発できないだろうかと貴方はウィズに頼み込む。

 

 

 

「え、えぇ~…でもうち魔道具の雑貨屋ですし、マナ化っていうのには個人的に興味はありますけど、それで商売してしまうのは…それに本当にできるかもわかりませんし、できたとしてもどれだけ時間がかかるかわかりませんよ?」

 

 

 

時間の心配は問題ない。

貴方が正気である限り時間は無限永久に存在するのだから。

とは言えソウル化ができなくてはこれから悔しい思いをたくさんすることになるので、

早いうちにどうにかしたい。

 

次に金だ。

小金持ち程度に金は持っているが、新たな技術開発に果たしてどれぐらいのお金がかかるかわからない。

めぐみんとのクエストで最近ほぼ無収入だった貴方は、即金で膨大な金額を要求されてしまうと断念せざるを得ないのだが、そのあたりはどうなのだろうか。

ちなみにめぐみんは日に日に食費を減らしている次第である。今度緑花草でも奢ってあげよう。

 

 

 

「金額ですか?実際の労力はどれくらいかかるかわかりませんがそうですね、実験で使用する材料や時間のことを考えると…試すだけで凡そ7〜800万エリスくらいに…経過によってもっとかかると思いますし、本当にできるかどうかわからないので私としても引き受けるのは気が引けるのですが…」

 

 

 

流石に払えないが、貯金のことを考えると寝ずに仕事をすればなんとかなる金額である。

宵越しのソウルを持たない貴方としては支払って成果が出なかったとしてもあまり気にはしないところである。

 

だが相手としては業務外であることと、実現性の乏しさからあまり受け付けたくないとのことだ。

凄腕アークウィザードと思しき彼女の心証を悪くするのは避けたい。

決してグウィネヴィア級であることは関係していない。

 

貴方は無理強いはしないので気が向いたら受けてほしい旨を伝える。

もし成果が出ればこの店で買いたいものがたくさんあるのだ。

 

 

 

「値段を決めたのは私ですが、そこまでしてまでソウル化の技術を求めるのって何か理由があったりされるんですか?」

 

 

 

貴方はソウル化の技術が一般的であったところから来たことと、

ソウルの業が使えないこの地では貴方は手足を捥がれたような不便さを感じていることを伝えた。

正直手足云々は言い過ぎだが、不便で仕方がないのは確かだ。

 

 

 

「ソウル化が一般的な場所ですか。それはまるで物質の境界が曖昧というか…気を悪くしないでほしいんですが、貴方の故郷は世界の法則が違う、それこそ地獄や天界のような別次元のような場所のような…」

 

 

 

多くは語れないが概ねその通りだと頷く。

もしかしたらこの世界で言うところの地獄とは貴方のいた世界なのではないだろうか?

逆に神々の存在のことを考えると天界という可能性もあるが、なんとなくあの呪われた地が天界とは思えない。

 

 

 

「もしかしてあなたは天使や悪魔のような別の種族だったりするんでしょうか?」

 

 

 

何やら期待を込めた目で見てくるウィズ

そんな彼女に貴方は冒険者カードを取り出して自分の種族が人間であることを伝える。

「そうですよね失礼しましたあはは~」と目を泳がせる彼女は何を考えていたのだろうか。

貴方はどこまでいこうと間違いなく"人間"なのだ。

 

 

ふと冒険者カードを取り出したところで思い出す。

黒く変質したこのカードは、この世界に由来するアイテムの中で唯一ソウル化することができるアイテムだった。

 

 

 

「この地方に来てから唯一ソウル化できたものですか?冒険者カードの精製はギルドの水晶で生成されますが…あれに何か糸口が?」

 

 

 

ぶつぶつと何かを考え始めるウィズ

 

確かにこのカードは不可思議だ。

死亡した際にこのアイテムだけは自然とソウルとして取り込まれ、再度取り出すことができた。

一方爆発ポーションはその場に落としてしまい地雷と化してしまった。

この二つの違いは何なのだろうか。

そこにソウル化の糸口があるのかもしれない。

 

 

 

「ーーーわかりました。この件700万エリスで御引き受けします。後ほどお見積りをお渡ししますが、先程説明しました通り明確な成果が出ない可能性もありますし、おそらくもっとたくさん費用がかかります。それでもよろしければお受けしますが…どうでしょうか?」

 

 

 

貴方は是非そうしてほしいと二もなく頷いた。

だがいったいどうして引き受けてくれるようになったのだろうか。

 

 

 

「今まで当たり前だったことが突然できなくなってしまって困る、というのは私としても共感できるところがありまして…それとそのソウル化という技術に興味が勝ってしまったので、久しぶりに有意義な研究ができるなら受けてもいいかな~っと…幸いお店は暇なので…えへへ…」

 

 

 

その笑い声には哀愁が漂っていた。

この店に閑古鳥が鳴いているが故に引き受けてもらえた貴方としては何とも複雑な心境である。

直ぐに消化できるアイテムであればこの店で買い物することにしよう。

 

 

 

「それにしても別次元の世界ですか…昔は色々なところを旅しましたが、さすがに異界を旅したことはありませんでした。機会があればどのようなところかお聞きしてもいいですか?」

 

 

 

それは随分難しい話である。

不死の呪いを伏せてあの世界を説明するのは非常に面倒なうえにボロが出てしまうかもしれない。

そのうち紅魔の杖の為に本を出版するかもしれないので、それが出るまで気長に待っていてほしいと伝える。

 

 

 

「え?本を出されるんですか?ふふ、じゃあその時はサイン貰っちゃってもいいですか?」

 

 

 

貴方は頷いた。

白いサインも赤いサインも書き慣れたものだ。

 

 

 

 

 

 

【吽護のポーション】

絶大な防御力を授ける水薬

 

防御力は上昇するが移動及び生理現象の一部が停止する

 

元来は飴として運用されていた製法が変質したもの

その効力は製法と共に歪み、白竜の呪いのような効果をもたらす毒薬となった

 

毒薬は総じて甘く、そして耐え難い

 

 

 




お肌が気になる不死


エルデンリングコメントについてはプレイ中ですのでご勘弁願います。
でもコメントは嬉しいです。

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