目を開く…視界がぼやけている…どうやら眼鏡が外れている様だ…手探りでベッドを探っていると右手が眼鏡に触れた…それを顔まで持って行く。
「ふぅ…」
寝惚けていたのもあってか、眼鏡をかけてもまだぼやけていたが…意識して瞬きをしていると視界は段々定まって来た…
「いけないな…いくら疲れていたにしてもこれは良くない…」
この世界はファンタジー系だ…ここで眼鏡を壊してしまったら多分換えは手に入らない…次からは気を付けないと…そんな事を考えているとドアからノックが聞こえた…先にメニューを出して時計を見れば既に昼を過ぎている…昨日戻って来たのは昼頃だった筈だからどうやら一日中寝ていたらしい…
……そんな事を考えている間もノックが響いている…僕は溜め息を吐きながらも立ち上がりドアを開けた…
「……やっぱまだ寝てたか。」
「やぁ…おはよう、キリト君。」
そこにはすっかり見慣れた顔があった。
「……何か用かな?」
「…何かやけに顔色悪いな、寝てたんじゃないのか…?」
「うん…昨日からぐっすり寝てた筈なんだけど…どうも夢見が悪かったのかな…?…最も、どんな夢を見たのかは良く覚えてないんだけどね…」
何やら見ていた様な記憶はある…でも内容はまるで思い出せない…あまり気分の良い物じゃ無かった気はするけど。
「それで…何かな? 」
「…飯の誘いだよ、もう昼だからな……調子悪いなら出直すけど?」
「…いや、そういう事なら行くよ…下の食事スペースで良いんだね?」
「ああ。」
下に降り、軽い物を注文し…寝起きのせいもあってか緩慢に口に運んで行く…そんな僕にキリト君が話しかけて来る。
「急いで食え、と言うつもりも無いけど…何か食うのも億劫そうだな…」
「…先程から妙に怠さを感じていてね…ま、多分現実世界の寝起きと同じ状況を再現しているのだと思うよ…」
「…一応ゲーム音痴でも、理系のあんたが言うとありそうな気がして来るな…ちなみに朝は弱かったりする方なのか?」
「……ここ何年かの僕の睡眠サイクルはね、数日徹夜して…いよいよ限界を迎えて倒れてから…二、三時間で根性で目覚めるって感じかな…ここでは睡眠欲に何故か逆らえない様だけどね…」
「…悪かった…嫌な事聞いちまったみたいだな…」
キリト君の表情から察するに僕は相当に酷い顔で答えたのだろう…
「…で、この後どうする、って聞くつもりだったけど…体力戻ってないならもう少し寝ておくか?」
「…いや…これ以上寝てもいられないよ、攻略を進めないとならないからね…」
何時までも寝てはいられない…大丈夫だ、大分調子も出て来た。
「…そうか。じゃあ今日も一緒に行こう…気付いてないみたいだけどあんた…今めちゃくちゃ顔色悪いからな…?」
「……そうかい…?助かるよ…」